放送法 第183条
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- 協会の役員がその職務に関して賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
- 2.協会の役員になろうとする者がその担当しようとする職務に関して請託を受けて賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、協会の役員になつた場合において、前項と同様の刑に処する。
- 3.協会の役員であつた者がその在職中請託を受けて職務上不正の行為をなし、又は相当の行為をしなかつたことに関して賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、第一項と同様の刑に処する。
- 4.前三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は二百五十万円以下の罰金に処する。
- 5.第一項から第三項までの場合において、協会の役員が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第183条は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第183条の条文原文は「協会の役員がその職務に関して賄賂を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、三年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 放送法第183条は第十一章 罰則に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第183条の前の条は放送法第182条です。
- 放送法第183条の次の条は放送法第184条です。
- 放送法第183条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第183条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第183条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/183
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法183条は、NHKの役員が職務に関して賄賂を収受・要求・約束した場合に3年以下の拘禁刑を科す規定。贈賄側も3年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金となる。
Q · NHKの理事に賄賂を渡したら、何の罪になるの?
放送法183条4項の贈賄罪で、3年以下の拘禁刑か罰金
NHKの役員(経営委員・会長・副会長・理事など)は公務員ではないため、刑法198条の贈賄罪ではなく、放送法183条4項の贈賄罪が問題になります。法定刑は3年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金です。受け取った役員側は同条1項(請託不要)で3年以下の拘禁刑となり、収受した賄賂は5項により必ず没収、使った分は価額で追徴されます。一般職員への贈答は本条の対象外です。
解説
NHKの会長や理事は公務員ではない。そのため刑法の収賄罪(197条以下)は、原則としてそのままでは適用されない。そこで放送法が、NHKの役員だけを対象にした専用の贈収賄罪を置いている。それが本条である。押さえるべき点は三つある。第一に、1項の役員による収賄は「職務に関して」受け取れば成立し、「頼まれたかどうか(請託)」は問われない。お礼のつもりの商品券も対象になりうる。第二に、範囲は在職中に限られない。役員に就任する前に請託を受けて受け取れば、就任した時点で処罰される(2項)。退任後でも、在職中に請託を受けて不正をした見返りなら処罰される(3項)。第三に、渡した側も罪に問われ、刑は3年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金である(4項)。番組制作の受注、設備の納入、出演枠などでNHKと取引する人にとって、役員との会食や贈答は、気づかないうちに刑事事件の入口になりうる。
法的な位置づけ
放送法183条は、日本放送協会(NHK)の役員を主体とする贈収賄罪を定める規定である。役員による職務に関する賄賂の収受・要求・約束(1項)、役員就任予定者の請託に基づく事前収賄(2項)、元役員の在職中の不正行為に関する事後収賄(3項)、これらに対する贈賄(4項)を処罰し、収受された賄賂の必要的没収・追徴(5項)を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1放送法183条とは何ですか?
NHKの役員を対象にした専用の贈収賄罪です。職務に関する収賄、就任前の事前収賄、退任後の事後収賄、贈賄を処罰し、賄賂は必ず没収されます。
Q2NHKの役員とは誰のことですか?
放送法上の協会の役員を指し、経営委員、会長、副会長、理事などが該当します。範囲は放送法49条等で確認でき、現場のプロデューサーなど一般職員は含まれません。
Q3NHK役員の収賄罪の刑罰はどれくらい?
収賄(1〜3項)はいずれも3年以下の拘禁刑です。罰金刑の選択肢はなく、収受した賄賂は没収、没収できなければ価額が追徴されます。
Q4NHK役員への接待は違法?
職務に関する利益提供であれば、飲食やゴルフなどの接待も賄賂にあたりえます。社交儀礼の範囲かどうかは金額・時期・職務との関係で判断されます。
Q5NHK役員の収賄に請託は必要?
1項の在職中の収賄には請託は不要で、職務に関して受け取れば成立しえます。一方、2項の事前収賄と3項の事後収賄は請託を受けたことが要件です。
Q6NHK役員を辞めた後でも収賄罪になる?
なります。3項により、在職中に請託を受けて不正な行為をした(又は相当な行為をしなかった)ことに関して退任後に賄賂を受け取れば処罰されます。
Q7NHK役員への贈賄の時効はいつまで?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、会食や供与から3年以内は刑事手続の対象になりえます。
Q8NHK役員の収賄で賄賂を返したら罪は消える?
消えません。成立した罪は返金で消滅せず、5項により収受した賄賂は必要的に没収・追徴されます。返金は量刑上の事情として考慮されるにとどまります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1NHKの理事にお歳暮を贈るのもアウトなんですか?
一律にアウトではないが、安全とも言えない。判例は、社会的儀礼の範囲内の贈答であれば賄賂性を否定する余地を認めつつ、金額、時期、職務との関係を総合的に見て判断する。実務のポイント:問題になるのは贈答品そのものより時期である。入札や委託先選定の直前に贈ったものは、金額が小さくても対価性を疑われやすい
Q2NHKの会長って公務員じゃないんですか?なぜ刑法じゃなく放送法なんですか?
NHKは放送法に基づく特殊法人で、役員は国家公務員ではない。そのため公務員を主体とする刑法197条以下の収賄罪は、原則としてそのままでは適用されない。放送法183条がその空白を埋めている。実務のポイント:単純収賄の上限は刑法の5年に対して本条は3年で、受託収賄や加重収賄にあたる重い類型もない。この差を知っている弁護人は、適用条文の選択そのものを最初に確かめる
Q3賄賂を渡した側でも罰金で済むことがあるんですか?
ある。4項の贈賄罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金」で、罰金刑を選ぶこともできる。実務のポイント:贈賄側は会社の営業担当であることが多く、実務では会社ぐるみかどうか、利益の規模、反省と再発防止策が処分を左右しやすい。早い段階で社内調査報告をまとめた企業ほど、略式手続による罰金で決着しやすい傾向があると言われる
間違えやすい点 AI による整理
- NHKの職員に何か渡せば全部この罪になると思われがちだが、本条の対象は文言上「協会の役員」に限られる。現場のプロデューサーなど一般職員への贈答は、本条ではなく、背任罪の検討や協会内部の懲戒の問題になる。逆に言えば、役員かどうかの確認が最初の分かれ道である
- 賄賂といえば「現金を渡して、何かを頼む」ものだと考える人が多い。しかし1項は請託を要件にしていない。職務と関係のある利益提供であれば、具体的な依頼がなくても成立しうる。高額な接待、ゴルフ、商品券、将来の就職の約束といった現金以外の利益も、判例上は賄賂に含まれうる
- 受け取った側の役員から見れば「受け取った金を返せば済む」かもしれない。だが法律は5項で没収を必ず行うと定めており、すでに使ってしまった分は価額で追徴される。刑罰とは別に、得た利益はすべて吐き出させるのが法の設計であり、返金は量刑の事情として考慮されるにとどまる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公務員の収賄は刑法および貪污治罪條例で処罰される。公共電視(PTS)等の公共放送の役員に同様の専用贈収賄規定があるかは要検証
韓国の公共放送役員について、特別法上の公務員擬制規定の適用範囲は要検証
ドイツの公共放送は公法上の営造物であり、その職員が公務担当者(Amtsträger)にあたるかは個別判断となる点で、日本の専用規定方式とは構造が異なる
米国は連邦資金を一定額以上受ける組織の代理人の贈収賄を処罰する横断的規定で対応しており、公共放送専用の規定ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 番組制作会社の営業部長であるあなたは、次の大型ドラマの制作委託を取りたい。担当理事の誕生日に高級ワインを贈った。見返りを頼んだ覚えはなくても、職務に関する贈答なら4項の贈賄が成立しうる。渡したのはあなたであり、裁かれるのもあなたである
- 経営委員への就任が内定した段階で、放送機材メーカーから「就任後はよろしく」と顧問料名目の振込を受けたらどうなるか。2項の事前収賄は、請託を受けて受け取り、その後に実際に役員となった時点で処罰の対象になる。「まだ役員じゃなかった」という言い訳は通らない
- 退任から2年後、元理事に在職中の調達で便宜を図ってもらった業者から「コンサル料」が入り始めた。在職中の請託と不正があれば、3項の事後収賄になる。肩書きが消えても過去の職務からは逃げられない
- 取引先から「先月のNHK理事との会食代、うちで持ったのはまずかったか」と相談された。公訴時効は3年である。会食から2年半が経っていても、まだ刑事手続の射程内にある
取るべき行動
被害を受けた側:役員の収賄で不利益を受けた競合業者や、内部で不正を見聞きした職員の場合:1. 発注経緯、見積比較、会食記録など客観資料を確保する2. 協会の内部通報窓口や、公益通報者保護法に基づく外部通報先を検討する3. 刑事告発を視野に入れるなら、検察庁特捜部や警察の捜査二課系統への相談を弁護士と準備する4. 不当な発注で損害を受けたなら、民法709条による損害賠償も別に検討する
訴えられた側:1. 捜査機関から接触があったら、供述の前に必ず弁護士に相談する2. 争点は職務関連性と、利益の対価性(社交儀礼の範囲か)に集約されやすい。過去の贈答の慣行、金額、時期を整理する3. 贈賄側なら社内調査と再発防止策を早期に示すことが処分判断に影響しうる4. 収賄側は5項により没収・追徴が必ず行われる前提で、資金の流れを正確に把握しておく
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条1項)。事前収賄(2項)は役員就任が処罰の条件であり、起算点の考え方には議論がありうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(刑法上の贈収賄罪の保護法益論の応用):贈収賄罪の保護法益は職務の公正とそれに対する社会の信頼と解するのが通説であり、受信料を財源とするNHK役員の職務の公正と、それに対する受信者の信頼を守る規定として本条を理解する見解が自然である。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 改正経緯(要検証) 平成22年(2010年)の放送法大改正で条番号が再編された可能性があり、旧条番号・罰金額の変遷は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)。
- 放送法 第49条協会の役員の範囲を定める規定
- 放送法 第64条受信契約、収賄で損なわれる財源の根拠
- 放送法 第31条経営委員の任命、事前収賄の就任要件と連動(現行効力を要確認)
- 刑法 第197条公務員収賄罪、本条の構造上の母型
- 刑法 第198条公務員贈賄罪、4項と同一の法定刑
- 刑法 第197条の5収賄の没収・追徴、5項と同趣旨
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