放送法 第189条
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百八十四条から前条まで(第百八十五条を除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
- 2.前項の場合において、当該行為者に対してした第百八十六条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第189条は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第189条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百八十四条から前条まで(第百八十五条を除く。」で始まります。
- 放送法第189条は第十一章 罰則に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第189条の前の条は放送法第188条です。
- 放送法第189条の次の条は放送法第190条です。
- 放送法第189条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第189条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第189条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/189
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法189条は両罰規定であり、従業者が業務に関し184条から188条(185条を除く)の違反をした場合、行為者に加えて法人・事業主にも各本条の罰金刑を科す。
Q · 放送局の社員が放送法違反をしたら、会社も罰せられるの?
なりうる。会社にも各本条と同額の罰金が科される
放送法189条1項により、法人の代表者・代理人・使用人などの従業者が業務に関して184条から188条まで(185条を除く)の違反をした場合、行為者本人が罰せられるのに加え、法人や事業主にも各本条の罰金刑が科されます。判例は両罰規定について事業主の選任・監督上の過失を推定する立場をとるため、会社が無過失を立証しない限り責任を免れにくいのが実務です。
解説
現場の社員が独断でやった違反でも、罰金は会社の口座からも出ていく。放送法189条は、いわゆる「両罰規定」(違反した本人と、その人を使っていた会社や事業主の両方を罰するルール)である。法人の代表者、代理人、使用人などの従業者が、業務に関して184条から188条まで(185条は除く)の違反をした場合、まず行為者本人が処罰される。それとは別に、その法人や事業主にも各本条と同じ額の罰金が科される。押さえておくべき点は二つある。第一に、会社が責任を免れるには「従業者の選任・監督に落ち度がなかった」ことを会社側が示す必要がある、というのが判例の考え方である。「知らなかった」だけでは足りない。第二に、2項は告訴(被害者が捜査機関に処罰を求める意思表示)の効力を行為者と法人の間でつないでいる。社員だけを名指しした告訴も、会社に及ぶ。ケーブルテレビ局、コミュニティFM、IPマルチキャスト事業者のような小さな会社ほど、一人の担当者のミスが経営そのものの刑事リスクに直結する。
法的な位置づけ
放送法189条は、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が業務に関して同法184条から188条まで(185条を除く)の違反行為をした場合に、行為者に加えてその法人又は人に各本条の罰金刑を科す両罰規定である。2項は、186条2項の告訴の効力を行為者と法人等の間で相互に及ぼす旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反行為をした場合に、行為者本人と、その者を使用する法人・事業主の双方を処罰する規定です。放送法では189条が該当します。
Q2放送法の罰則で会社が罰せられるのはどの条文ですか?
189条により、184条から188条までの違反(185条を除く)が両罰の対象です。185条の違反は法人処罰の対象から外されています。
Q3両罰規定で法人に科される罰金はいくらですか?
放送法189条は「各本条の罰金刑」を科すため、行為者に適用される条文と同じ罰金額の範囲です。法人だけ高額にする法人重科型ではありません。
Q4両罰規定で会社が免責されることはありますか?
判例上、会社が従業者の選任・監督について必要な注意を尽くしたことを立証すれば免責される余地があります。立証できなければ過失が推定されます。
Q5アルバイトや業務委託の違反でも会社は罰せられますか?
「従業者」は雇用契約の有無ではなく、事実上その事業者の指揮監督下で業務に従事していたかで判断されると一般に解されています。
Q6両罰規定で法人が罰金刑を受けると前科になりますか?
法人も刑事裁判で有罪判決を受け罰金刑が確定すれば、処罰歴として扱われます。許認可審査や取引先の信用に影響するおそれがあります。
Q7放送法違反の公訴時効は何年ですか?
罰金刑のみの罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。懲役・拘禁刑が定められた罪は法定刑に応じて期間が変わります。
Q8放送法189条2項の告訴の効力とは?
186条2項の告訴について、行為者への告訴は法人にも、法人への告訴は行為者にも効力が及ぶとする規定です。告訴のし直しが不要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことでも、本当に会社まで罰金になるんですか?
なりうる。放送法189条1項は、従業者が業務に関して違反したとき、法人にも罰金を科すと定める。判例は、事業主に選任・監督上の過失があると推定し、事業主が無過失を立証しない限り責任を負うとする(最大判昭和32.11.27)。実務のポイント:「注意していた」という口頭説明では、まず通らない。日付入りの研修記録と、違反を止める社内フローが実際に動いていた証拠が求められる
Q2会社が罰金を払ったら、違反した社員本人は罰を受けなくて済みますか?
済まない。189条は「行為者を罰するほか」と明記しており、本人の処罰が前提である。会社が罰金を払っても、本人に科される刑と前科は残る。実務のポイント:会社が社員の罰金を肩代わりすると、別の問題(税務上の扱い、役員の責任)を生むことがある。肩代わりの社内規程がない会社は、その場の判断で決めないほうがよい
Q32項の告訴の話、何がそんなに大事なんですか?
告訴が必要な罪では、告訴がなければ起訴できない。会社は行為者の共犯ではないため、共犯に告訴の効力を広げる刑事訴訟法238条の考え方だけでは、会社に及ぶかが曖昧になる。189条2項は、行為者への告訴と法人への告訴の効力を互いに及ぼすことで、この隙間を明文で埋めた。実務のポイント:「告訴状に会社名がないから会社は安全」という読みは通らない
間違えやすい点 AI による整理
- 「社員が勝手にやったことだから、会社には関係ない」と考えがちだが、判例は両罰規定について、事業主に選任・監督上の過失があると推定する立場をとる(最大判昭和32.11.27、法人について最判昭和40.3.26)。会社側が無過失を立証しない限り、責任は逃れられない
- 両罰規定があることは知っていても、その重さを読み違える人は多い。放送法189条は「各本条の罰金刑」を科すもので、独占禁止法や金融商品取引法のように法人だけ数億円に引き上げる「法人重科」型ではない。金額は限定的だが、放送事業者にとっての本当の打撃は、刑事罰を受けた事実そのものが許認可の審査や取引先・スポンサーの信用に響く点にある
- 「会社と社員、どちらが罰せられるのか」という問い自体がずれている。189条は二者択一ではない。行為者を罰することを前提に、「そのうえで」法人も罰する構造である。会社が罰金を払っても、行為者本人の前科が消えるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰の対象 | 189条:行為者+法人・事業主(両罰) | 184条等の各本条:違反行為をした個人 185条:個人のみ(189条の両罰対象から除外) |
| 法人への罰金額 | 各本条の罰金刑と同額(法人重科なし) | 各本条に定める刑(罰金・懲役等)は個人に適用 法人への罰金規定なし |
| 告訴の扱い | 189条2項:186条2項の告訴の効力を行為者・法人間で相互に及ぼす | 各本条自体は告訴効力の拡張規定を持たない 186条2項:告訴を要する旨を定める前提規定 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾の放送関連法令の制裁は主に行政罰(罰鍰)で、法人等の代表者・職員の故意過失を組織の故意過失と推定する点で、日本の過失推定説と発想が近い
単位犯罪として単位に罰金を科し、直接責任を負う主管者等も処罰する双罰制を採る
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料と監督義務違反で法人・事業主の責任を問う
フランスは法人の刑事責任を一般的に認め、機関又は代表者が法人のために行った犯罪について法人を処罰する
米国は使用者責任の法理により、従業員が職務の範囲内で会社の利益のために行った犯罪について法人の刑事責任を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方のコミュニティFMで、編成担当が手続を後回しにしたまま業務を進めていた。発覚したとき、担当者本人だけでなく運営会社にも罰金刑が科されうる。社長は「現場に任せていた」と言うが、その一言は免責の理由にならない
- ケーブルテレビ局の業務委託スタッフが違反行為をした場合、会社は「うちの社員ではない」と言い逃れできるのか? 両罰規定の「従業者」は雇用契約の有無ではなく、事実上その会社の指揮監督下で働いていたかで判断されると一般に解されている
- あなたは放送事業者の法務担当である。総務省から報告を求められ、現場が提出を渋っている。期限は今週金曜。現場の判断で放置すれば、会社ごと刑事罰の土俵に乗ることになる
- 告訴が必要な罪の被害者が、担当社員の名前だけを書いて告訴した。2項により、その告訴は会社にも効力を持つ。会社を別途名指しする手間はいらない
- 役員の一人が独断で業務に関する違反をした。行為者が法人の代表者であれば、会社の「監督が甘かった」かどうかを論じる余地はさらに狭くなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 違反行為の証拠(録音・録画、文書、日時)を確保する2. 行為者の氏名と所属事業者を特定する3. 告訴が必要な罪であれば、行為者を特定した時点で告訴状を出す。2項により法人にも効力が及ぶ4. 民事上の損害は、使用者責任(民法715条)での会社への請求も並行して検討する
訴えられた側:1. 法人として、違反に関わった業務の監督体制(研修、マニュアル、承認フロー、内部監査)の記録を直ちに保全する2. 行為者と会社の利害は対立しうるので、代理人弁護士を分けることを検討する3. 選任・監督に落ち度がなかったことの立証方針を固める4. 総務省への報告対応と再発防止策を早めに示し、行政上の処分への波及を抑える
時効(請求できる期限):告訴が必要な罪は、犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければならない(刑事訴訟法235条)。罰金刑のみの罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、犯罪行為が終わった時から進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):両罰規定による事業主処罰は、従業者の選任・監督上の過失を推定するものであり、事業主は無過失を立証すれば免責される。責任主義との調和を図る立場である。
無過失責任説(旧説):両罰規定は事業主に無過失責任を課すとする見解。責任主義(憲法31条)に反するとの批判を受け、現在の判例では採られていない。
- 放送法 第184条両罰規定の対象となる罰則の起点
- 放送法 第185条両罰規定の対象から除外された罰則
- 放送法 第186条告訴を要する罪を含む罰則(2項の前提)
- 刑事訴訟法 第238条告訴不可分の原則、2項はその拡張
- 刑法 第8条刑法総則の他の法令への適用
- 電波法 第114条無線局分野の同種両罰規定(現行効力を要確認)
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