放送法 第73条の2(還元目的積立金)
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- 協会は、毎事業年度の損益計算において第二十条第一項及び第二項の業務(前条第二項第一号に掲げる業務を除く。)から生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額のうち総務省令で定めるところにより計算した額を還元目的積立金として積み立てなければならない。
- 2.還元目的積立金は、協会が次項の規定により収支予算を作成し国会の承認を受けた場合において当該収支予算に係る事業年度の損益計算において前項に規定する収支差額が零を下回るときに、当該下回る額を当該事業年度の予想収支差額(当該収支予算で定める当該収支差額が零を下回る場合における当該下回る額をいう。次項において同じ。)を限度として補う場合を除き、取り崩してはならない。ただし、総務大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
- 3.協会は、中期経営計画の期間の最後の事業年度の前事業年度に係る収支差額の処理を行つた後、還元目的積立金の額から当該最後の事業年度の予想収支差額を減じた額(第五項第二号において「予想積立額」という。)が零を上回るときは、当該中期経営計画の期間の次の中期経営計画の期間(同項において「還元実施期間」という。)の事業年度については、還元受信料額により受信料収入(協会の受信料による収入をいう。同項において同じ。)の予想額を計算した収支予算を作成しなければならない。ただし、当該収支予算を作成しないことについて合理的な理由がある場合は、この限りでない。
- 4.前項ただし書に規定する場合において、同項に規定する収支予算を作成しないときにおける第七十条第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項及び第二項中「中期経営計画」とあるのは、「中期経営計画及び第七十三条の二第三項ただし書に規定する理由を記載した書類」とする。
- 5.第三項に規定する「還元受信料額」とは、還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額が第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じた額を超えない額となるように計算した受信料の額をいう。
- 一基準受信料額(還元実施期間において第一項に規定する業務に係る収入の予想額の合計額と当該業務に係る支出の予想額の合計額が同額となるように計算した受信料の額をいう。)により計算した当該還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額
- 二当該還元実施期間の直前の中期経営計画の期間に計算した予想積立額
この条文の基本情報
還元目的積立金とは何ですか?
定義還元目的積立金とは、放送法第73条の2に定められた規定で、「協会は、毎事業年度の損益計算において第二十条第一項及び第二項の業務(前条第二項第一号に掲げる業務を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第73条の2(還元目的積立金)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第73条の2の条文原文は「協会は、毎事業年度の損益計算において第二十条第一項及び第二項の業務(前条第二項第一号に掲げる業務を除く。」で始まります。
- 放送法第73条の2は第七節 財務及び会計に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第73条の2の前の条は放送法第73条です。
- 放送法第73条の2の次の条は放送法第74条です。
- 放送法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法73条の2は、NHKの本来業務の黒字を還元目的積立金として積み立てさせ、中期経営計画終了時の残額を次期の受信料値下げに充てることを原則とする規定である。
Q · NHKが黒字を出したら、受信料は必ず下がるの?
原則は値下げ。合理的な理由があれば据え置きも可
放送法73条の2により、NHKは本来業務の黒字のうち総務省令で計算した額を還元目的積立金として積み立てます。中期経営計画の終了時に積立金が残る見込みなら、次期計画期間は受信料を引き下げた前提(還元受信料額)で収支予算を作らなければなりません(3項)。ただし合理的な理由があれば作成しなくてよく、その場合は理由を記載した書類を予算とともに国会へ提出します(4項・70条)。
解説
NHK が黒字を出しても、その黒字は自由に使えない。放送法73条の2は、受信料で営む本来業務の収支が黒字になった年、総務省令で計算した額を「還元目的積立金」として強制的に積み立てさせる。この積立金を取り崩せるのは、国会が承認した赤字予算の穴埋めをする場合か、総務大臣の認可を受けた場合に限られる。核心は3項以降にある。中期経営計画(NHK の数年単位の経営計画)が終わる時点で積立金が残る見込みなら、次の計画期間は、その残りを差し引いて受信料を下げた前提で予算を組まなければならない。下げない場合は、下げない「合理的な理由」を書いた書類を国会に出す必要がある。毎月の受信料は NHK の言い値ではない。黒字が出れば値下げを原則とし、値下げしない側に説明責任を負わせる仕組みが法律に組み込まれている。予算審議のニュースを見るとき、あなたが確かめるべきは積立金の残高と、値下げしない理由の書類である
法的な位置づけ
還元目的積立金とは、放送法第73条の2に基づき、日本放送協会が本来業務の収支差額の黒字から総務省令の計算により積み立てる積立金である。取崩しは国会承認予算の予想収支差額の範囲内での赤字補填または総務大臣の認可がある場合に限られ、中期経営計画終了時の残額は次期計画期間の受信料引下げ(還元受信料額)の原資となる。
よくある質問 AI による整理
Q1還元目的積立金とは?
NHKの本来業務の黒字から総務省令で計算した額を積み立てる積立金です。放送法73条の2が根拠で、将来の受信料引下げの原資になります。
Q2還元受信料額とは何ですか?
次期中期経営計画の期間中、受信料収入の予想合計額が「収支均衡させる基準受信料額による収入-予想積立額」を超えないよう計算した受信料の額です(5項)。
Q3NHK受信料の値下げはいつ決まる?
中期経営計画の最終年度の前年度の収支差額処理後に、積立金の残る見込みを判定します。残るなら次期計画期間の予算が値下げ前提で組まれます。
Q4NHK受信料はだれが決める?
受信料の額は、NHKが作成し総務大臣の意見を付して提出される収支予算を国会が承認することで定まります(放送法70条)。本条はその予算の組み方を縛ります。
Q5還元目的積立金の残高はどこで確認できる?
NHKが公表する決算資料・財務諸表、収支予算、中期経営計画で確認できます。国会審議の際に提出される資料も手がかりになります。
Q6還元目的積立金の積立対象となる業務は?
放送法20条1項・2項の業務から生じた収支差額が対象です。ただし73条2項1号に掲げる業務は除かれ、NHK全体の黒字がそのまま対象になるわけではありません。
Q7積立額の計算方法はどう決まる?
本条1項は「総務省令で定めるところにより計算した額」と規定し、具体的な算式を総務省令に委ねています。正確な計算式は省令原文で確認が必要です。
Q82023年の受信料値下げと積立金は関係ある?
2023年10月の受信料の約1割値下げは、この還元の仕組みと結び付いていると説明されます。具体的な原資の内訳はNHKの公表資料で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1NHK が黒字なら、払いすぎた受信料って返してもらえるんですか?
個別に返金される仕組みではありません。放送法73条の2は黒字の一部を積立金にさせ、次の中期経営計画の期間に受信料を下げる形で還元させます。実務のポイント:還元は「将来の値下げ」として実行されるため、その時点で契約している世帯が恩恵を受けます。過去に多く払った人へ遡って返す制度ではない、という点は意外と知られていません
Q2値下げしないで据え置くことってできちゃうんですか?
できます。73条の2第3項ただし書は「合理的な理由」があれば値下げ予算を組まなくてよいとしています。ただしその場合、4項により理由を記載した書類を予算と一緒に国会へ出す必要があります。実務のポイント:本当の攻防はこの理由書の中身です。ニュースは値下げ額しか報じないことが多いので、国会提出資料を自分で確認した人だけが据え置きの論拠を検証できます
Q3積立金って、NHK が困ったら勝手に使えるんじゃないの?
原則として使えません。2項により、取り崩せるのは国会承認済み予算の想定赤字を補う場合で、しかもその予想赤字額が上限です。ただし総務大臣の認可があれば例外的に取り崩せます。実務のポイント:国会審議を経る予算と異なり、大臣認可は行政内部の判断で完結します。値下げ原資が減るかどうかは、この認可の公表資料に表れます
間違えやすい点 AI による整理
- 「NHK の受信料は NHK が自分で決めている」と思われがちだが、受信料の額は収支予算を国会が承認することで定まる(放送法70条)。本条はその予算の組み方そのものに「黒字なら値下げ」という枠をはめている
- 値下げ義務があることは知っていても、例外の重さは見落とされやすい。3項ただし書の「合理的な理由」があれば値下げしなくてよく、2項ただし書により総務大臣の認可があれば積立金を取り崩せる。値下げは原則であって絶対ではない。例外の運用を監視する役目は、国会と公開資料を読む市民にある
- 「黒字=値下げ」と単純に考えると見誤る。対象は第20条第1項・第2項の業務から生じた収支差額であり、積み立てる額も総務省令の計算式で決まる。NHK 全体の当期黒字がそのまま値下げに回るわけではない
- 「受信料制度に文句を言っても無駄だ」という問いの立て方自体がずれている。争点は払うか払わないかだけではない。払った受信料の余剰をどう戻させるかという、もう一つの戦場が法律に用意されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 放送法73条の2:本来業務の黒字の積立てと受信料への還元 | 放送法70条:収支予算・事業計画・資金計画の国会承認 放送法64条:受信設備設置者の受信契約締結義務 |
| 国会の関与 | 値下げ見送り時は理由書を予算とともに国会へ提出(4項で70条を読替) | 予算そのものを国会が承認し、受信料額が定まる 契約締結義務自体に国会の個別関与はない |
| 視聴者への影響 | 将来の受信料額の引下げ(還元受信料額) | 各年度の受信料額の確定 受信契約の締結と支払義務の発生 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は受信料制度を持たず、公共電視は政府捐贈と自主収入で運営される。黒字を視聴者負担の引下げに戻すという発想自体が制度上存在しない
韓国はKBSのテレビ受信料を法定し、額はKBS理事会の議決と国会承認を経て定まる。黒字還元を義務付ける日本型の積立規定は確認できない
ドイツでは独立機関KEFが公共放送の財政需要を審査して受信料額を勧告し、余剰は次期算定で考慮される。第三者機関型である点が日本の国会予算承認型と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- NHK の決算で数百億円規模の黒字が出たと報じられた。その黒字は職員の賞与や新しい番組に回るのか? 少なくとも本来業務から出た黒字については、法律がまず積立金に入れさせる。使い道はあなたの受信料の値下げが原則である
- 中期経営計画の最終年度が近づいている。積立金が残る見込みなのに次期計画で受信料据え置きが示されたら、国会に提出される「合理的な理由」を記載した書類が論点になる。予算審議まで数か月しかない
- 2023年10月、受信料が約1割下がった。その原資の一部はこの積立金の仕組みにある。値下げは NHK の厚意ではなく、法律が組んだ設計である
- NHK 経理部の担当者として赤字予算を組んだ年、想定以上に赤字が膨らんだ。積立金で補えるのは、国会承認済み予算に定めた予想赤字額までにとどまる。それを超えて取り崩すには総務大臣の認可が要る
- 受信料の未払いを請求されている友人が「値下げされたのだから昔の分も安くなるはずだ」と言っている。そうはならない。請求額は各時期に国会が承認した予算の受信料額が基準になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. NHK が公表する決算資料、収支予算、中期経営計画で還元目的積立金の残高を確認する2. 中期経営計画の最終年度前後に、次期予算が還元受信料額を前提にしているかを照合する3. 値下げを見送る場合は、放送法70条により国会へ提出される理由書を読み、合理性に疑問があれば地元選出の国会議員や総務省の意見募集を通じて指摘する4. 個人として値下げ分の返還を裁判で求める権利までを本条が定めているわけではない点に注意する
訴えられた側:1. 受信料の未払いを請求されている場合、値下げ後の額が過去分に遡って適用されるわけではない。各期間に適用された受信料額を確認する2. 請求の対象期間を特定し、5年を超える古い分は消滅時効を援用できる可能性がある3. NHK 側で予算を担当する場合は、取崩しの可否(2項)と値下げ見送りの理由(3項、4項)を文書で説明できる状態にしておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。運用上の期限は中期経営計画の最終年度で、その前年度の収支差額処理後に値下げの要否が決まる。受信料債権は5年の消滅時効にかかるとした最高裁判例がある(最判平成26.9.5、現行は民法166条。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)放送法改正 還元目的積立金と還元受信料額の制度を導入したとされる。施行日、および令和6年(2024年)改正による業務範囲や引用条番号の変更の有無は要検証
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:放送法改正により還元目的積立金および還元受信料額の制度を導入。施行日および令和6年(2024年)改正による引用条番号・業務範囲の変更の有無は要確認
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