建築基準法 第68条の2(市町村の条例に基づく制限)
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- 市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画(以下「地区整備計画等」という。)が定められている区域に限る。)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる。
- 2.前項の規定による制限は、建築物の利用上の必要性、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画又は沿道地区計画の区域にあつては適正な都市機能と健全な都市環境を確保するため、集落地区計画の区域にあつては当該集落地区計画の区域の特性にふさわしい良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図るため、それぞれ合理的に必要と認められる限度において、同項に規定する事項のうち特に重要な事項につき、政令で定める基準に従い、行うものとする。
- 3.第一項の規定に基づく条例で建築物の敷地面積に関する制限を定める場合においては、当該条例に、当該条例の規定の施行又は適用の際、現に建築物の敷地として使用されている土地で当該規定に適合しないもの又は現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該規定に適合しないこととなる土地について、その全部を一の敷地として使用する場合の適用の除外に関する規定(第三条第三項第一号及び第五号の規定に相当する規定を含む。)を定めるものとする。
- 4.第一項の規定に基づく条例で建築物の構造に関する防火上必要な制限を定める場合においては、当該条例に、第六十五条の規定の例により、当該制限を受ける区域の内外にわたる建築物についての当該制限に係る規定の適用に関する措置を定めるものとする。
- 5.市町村は、用途地域における用途の制限を補完し、当該地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、第一項の規定に基づく条例で、第四十八条第一項から第十三項までの規定による制限を緩和することができる。
この条文の基本情報
市町村の条例に基づく制限とは何ですか?
定義市町村の条例に基づく制限とは、建築基準法第68条の2に定められた規定で、「市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第68条の2(市町村の条例に基づく制限)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第68条の2の条文原文は「市町村は、地区計画等の区域(地区整備計画、特定建築物地区整備計画、防災街区整備地区整備計画、歴史的風致維持向上地区整備計画、沿道地区整備計画又は集落地区整備計画…」で始まります。
- 建築基準法第68条の2は第七節 地区計画等の区域に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第68条の2の前の条は建築基準法第68条です。
- 建築基準法第68条の2の次の条は建築基準法第68条の3です。
- 建築基準法第68条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第68条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/68_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法68条の2は、市町村が地区計画等の区域内で建築物の敷地・構造・建築設備・用途の制限を条例で定められると規定する。条例化された制限は建築確認の審査対象となる。
Q · 地区計画が決まったら、もう自由に家を建てられないんですか?
条例化された事項だけが建築確認で縛ります
建築基準法68条の2により、市町村は地区整備計画等が定められた区域内で、建築物の敷地・構造・建築設備・用途に関する事項を条例で制限として定めることができます。条例化された事項は建築確認の審査対象となり、適合しない設計には確認済証が下りません。逆に条例化されていない事項は、都市計画法58条の2の届出と勧告にとどまり、勧告に従わなくても建築自体は可能です。拘束力の有無は都市計画図ではなく、市町村の条例集を見なければ分かりません。
解説
回覧板で「この地区に地区計画が決まりました」と知らされても、たいていの人はそこで読むのをやめる。決定的なのはその次の一手だ。都市計画法だけで決まった地区計画は、建てる前に市町村へ届け出て、違っていれば勧告を受ける、それで終わる(都市計画法58条の2)。勧告に従わなくても建物は建つ。ところが市町村が本条に基づいて条例を作った瞬間、同じ内容が建築確認の審査項目に変わる。条例に合わない設計図には確認済証が下りず、着工そのものができない。敷地面積の最低限度が条例に入れば、親から継いだ広い土地を二つに割って片方を売るという出口も塞がれる。あなたが本当に見るべきは、市役所の掲示板に貼られた都市計画図ではなく、その市町村の条例集のほうである。
法的な位置づけ
建築基準法68条の2は、地区計画等の区域のうち地区整備計画等が定められた区域において、市町村が建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項を条例で制限として定める権限を規定する。条例化された事項は建築確認の審査対象となり、都市計画法58条の2の届出勧告とは異なる法的拘束力を持つ。
手順
- 1.対象地番が条例区域かを窓口で確定させる 市町村の建築指導課または都市計画課に地番を伝え、建築基準法68条の2第1項の条例区域か、制限項目(敷地面積の最低限度・外壁後退・高さ・用途・形態意匠)は何かを確認し、条例の条文そのものを入手する。都市計画図だけでは条例化の有無は分からない
- 2.敷地面積の最低限度と適用除外規定を照合する 敷地面積の最低限度に抵触する場合、条例に必ず置かれている3項の適用除外規定を読み、条例の施行または適用の日の時点でその土地が建築物の敷地として使用されていたかを確認する。基準時は契約日でも登記日でもなく施行日の現況である
- 3.緩和条例の有無も同時に確認する 制限の条例だけでなく、68条の2第5項に基づく用途制限の緩和条例があるかも確認する。国土交通大臣の承認を得て48条1項から13項の制限が緩められている区域では、用途地域の色分けだけで出店可否を判断すると機会を逃す
- 4.都市計画案の縦覧中なら意見書を出す 地区計画がまだ案の段階であれば、縦覧期間(2週間)内に意見書を提出する(都市計画法16条、17条)。条例施行後は内容そのものを争う道が実質的に閉じるため、この期間が最も影響力の大きい窓になる
- 5.土地の取得・分割の意思決定前に結論を反映させる 買付証明の提出前、または遺産分割協議書に押印する前に、条例の制限内容を前提として分割後の各区画が建築可能かを検証する。分割した瞬間に3項の適用除外が外れ、両区画とも建て替え不能になる事態を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1地区計画とは何ですか?
都市計画法12条の4に基づき、比較的小規模な区域を単位として、建築物や道路・公園の配置などをきめ細かく定める都市計画です。地区整備計画が定められた区域が建築基準法68条の2の条例の対象になります。
Q2地区計画と用途地域の違いは何ですか?
用途地域は市全体を大きく区分する面的なゾーニングで、地区計画は街区単位の細やかな設計ルールです。地区計画は条例化されて初めて建築確認の審査対象になる点が、法律で直接効く用途地域と異なります。
Q3敷地面積の最低限度は誰が決めるのですか?
地区計画の地区整備計画で定められた内容を、市町村が建築基準法68条の2第1項の条例に落とし込むことで効力を持ちます。数値は地区ごとに異なるため、市町村の条例本文の確認が必要です。
Q4地区計画の条例はどこで調べられますか?
市町村の例規集(自治体サイトの条例検索)と、建築指導課または都市計画課の窓口で確認できます。都市計画図には条例化の有無まで記載されないことが多く、窓口照会が確実です。
Q5地区計画の条例に違反したらどうなりますか?
通常は確認申請の段階で不適合として差し戻されます。着工後に発覚した場合は完了検査で検査済証が交付されず、特定行政庁による是正命令(建築基準法9条)の対象にもなり得ます。
Q6地区計画は途中で変更できますか?
都市計画の変更手続(都市計画法21条)により変更可能です。案の縦覧期間中に意見書を提出できますが、条例が施行された後は内容を争うより適用除外や緩和規定を探す局面に移ります。
Q7集落地区計画でも用途制限の緩和はできますか?
できません。建築基準法68条の2第5項は集落地区計画を明示的に除外しています。制限の付加は可能ですが、48条の用途制限を緩める条例は置けない点が他の地区計画と異なります。
Q8地区計画条例は既存の建物にも適用されますか?
既存建築物には建築基準法3条2項の既存不適格の考え方が及び、敷地面積制限については同法68条の2第3項が市町村に適用除外規定を置くよう義務づけています。ただし敷地全部を一の敷地として使う場合に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの地区、地区計画が決まったって聞いたんですけど、もう自由に建てられないんですか?
決まっただけなら建てられる。地区整備計画の事項のうち市町村が本条1項の条例にしたものだけが建築確認の審査対象になり、条例化されていない事項は都市計画法58条の2の届出と勧告にとどまる。実務のポイント:市町村サイトの都市計画図には条例化の有無まで書かれていないことが多い。建築指導課に「ここは68条の2条例の区域ですか」と聞くのが最短ルートである
Q2土地が最低敷地面積に足りないんですが、もう建て替えできないってことですか?
そうとは限らない。3項は、条例施行の際に現に建築物の敷地として使われている土地について適用除外を置くよう市町村に義務づけている。ただし「その全部を一の敷地として使用する場合」に限られる。実務のポイント:この限定があるため、分割した瞬間に救済が消える。相続で土地を分ける前に建築指導課へ寄る一手間が、二区画とも建て替え不能になる事態を防ぐ
Q3低層住居専用地域なのに、近所にコンビニが建ったのはどうしてですか?
本条5項による緩和の可能性が高い。市町村は国土交通大臣の承認を得て、条例で48条1項から13項までの用途制限を緩和できる。ただし集落地区計画の区域は対象外である。実務のポイント:出店場所を探すとき、用途地域の色分けだけ見て候補から外すのは早い。地区計画の区域は、緩和条例によって地図の色が実質的に書き換わっていることがある
Q4条例を知らずに建ててしまったら、どうなりますか?
通常は確認申請の段階で不適合として差し戻される。仮に着工後に発覚すれば完了検査で検査済証が下りず、特定行政庁の是正命令(建築基準法9条)の対象にもなる。実務のポイント:検査済証のない建物は、売却時の買主の住宅ローン審査や借り換えで壁になる。工事費の問題として片付けると、十年後に売値で二重に払うことになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「地区計画が決まったのだから、住民は当然それに縛られる」と思われている。実際は逆で、条例化されていない事項は都市計画法58条の2の届出と勧告どまり、勧告を無視しても建築確認は下りる。拘束力を生む最後のスイッチが本条1項の条例であり、そのスイッチが入っているかどうかは都市計画図を見ても分からない
- 敷地面積の最低限度に引っかかる土地でも救済があることは知られている。だがその救済の狭さは知られていない。本条3項が市町村に置かせる適用除外は「その全部を一の敷地として使用する場合」に限られる。既存の土地をそのまま一つで使う限り建て替えられるが、分割した瞬間に救済は消える。相続と同時に資産価値が落ちる土地が、この一文から生まれている
- 「条例は規制を足すものだ」という前提で探すから、5項を見落とす。本条は市町村に制限を課す権限だけでなく、国土交通大臣の承認を条件に48条の用途制限を緩める権限も与えている。問うべきは「どんな制限が足されたか」ではなく「この地区では何が足され、何が外されたか」の両方である
- あなたから見れば地区計画条例は「建物の外観の話」に見える。法律から見れば、条例が触れられるのは敷地、構造、建築設備、用途の四つ全部だ。用途が入るということは、その土地で何の商売ができるかまで条例で決まるということ。外観の話だと思って読み飛ばすと、事業計画そのものが立たない場所を買うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 拘束力の性質 | 建築基準法68条の2:条例化された事項は建築確認の審査対象、不適合なら確認済証が下りない | 都市計画法58条の2:届出と勧告のみ、勧告に従わなくても建築可能 建築基準法48条:法律が直接定める用途制限、用途地域指定のみで効力発生 |
| 定める主体 | 市町村(条例) | 市町村(届出先)、内容は都市計画決定 国(法律)、都市計画で用途地域を指定 |
| 対象事項 | 建築物の敷地・構造・建築設備・用途の4分野(地区計画等の内容として定められたもの) | 地区整備計画に定められた事項全般の届出 建築物の用途のみ |
| 既存への配慮 | 敷地面積制限は3項で適用除外を条例に置く義務、防火制限は4項で65条の例による | 既存建築物は届出対象外 建築基準法3条2項の既存不適格として扱われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は細部計畫で街区単位のルールを定め、直轄市・県市政府が土地使用分區管制規則を定める。日本のように「都市計画決定+条例化」の二段構えを明示的に置かず、管制規則が直接効力を持つ点が異なる
韓国の地区単位計画は建ぺい率・容積率・高さ・用途を区域内で細かく定め、計画決定自体が許可基準として直接働く。日本の条例化ステップに相当する段階がない
ドイツの Bebauungsplan は自治体の条例(Satzung)として制定され、計画の内容がそのまま建築許可の基準になる。計画と条例が一体である点が日本との最大の差
米国は州の授権法に基づき自治体が直接ゾーニング条例を定める。最低敷地面積(minimum lot size)規制は広く普及する一方、住宅供給を阻害する exclusionary zoning として近年批判と改革の対象にもなっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の土地が280平方メートル。兄弟二人で分けて片方を売る話でまとまりかけたとき、市の建築指導課から「この地区は敷地面積の最低限度200平方メートルの条例区域です」と言われる。分けた瞬間、両方とも建て替えのできない土地になる。遺産分割協議書にハンコを押す前に確認すべきだったのは、登記簿ではなく条例だった
- もし、土地の売買契約を結んだ翌月に地区計画条例が施行されたとしたら? 本条3項は、条例の施行または適用の際に現に建築物の敷地として使用されている土地について適用除外を置くよう市町村に義務づけている。つまり施行日にその土地がどういう状態だったかが分水嶺になる。契約日でも登記日でもなく、施行日の現況である
- 設計事務所に勤めるあなたが、用途地域と高さ制限だけ確認して基本設計を進めた。確認申請の窓口で「この地区は68条の2条例で外壁後退1.5メートル、屋根勾配と外壁の色彩まで縛りがあります」と差し戻された。施主への説明と再設計の費用は誰が負担するのか。条例の見落としは、用途地域の見落としと同じ重さで効いてくる
- 自宅一階を改装してカフェを開く。第一種低層住居専用地域だから無理だと諦めかけたが、この地区は地区計画の沿道型で、市町村が国土交通大臣の承認を得て48条の用途制限を緩和する条例を置いていた(本条5項)。制限の条例だけを探していたら、緩和の条例を見落とす
- 都市計画案の縦覧が始まり、期間はあと14日。この段階で意見書を出せば地区整備計画の内容そのものに触れられるが、条例が施行されてしまえば、あとは個別の許可や適用除外を探す戦いに変わる。回覧板の一枚を捨てるか読むかで、その後十年の土地の使い方が決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の建築指導課または都市計画課で、対象地番が本条1項の条例区域か、制限項目は何かを確認し、条例の条文そのものを入手する2. 敷地面積の最低限度に抵触する場合は、条例に必ず置かれている3項の適用除外規定を読み、施行日時点の現況が要件を満たすか判断する3. 都市計画案の縦覧中であれば意見書を提出する(都市計画法17条) 4. 既存の建物があるなら、建築確認台帳の記載事項証明で当初の適法性と3条3項の既存不適格該当性を押さえる
訴えられた側:1. 条例違反を指摘されたら、まず自分の建物が条例の施行前から存在するか、3項または4項の経過措置に該当しないかを確認する2. 条例が2項の枠(政令で定める基準、合理的に必要と認められる限度)を超えていないかは争点になりうる3. 特定行政庁から是正命令(建築基準法9条)が出た場合、建築審査会への審査請求の期限を最優先で押さえる4. 完了検査が通らない状態のまま放置すると、検査済証がないことが将来の売却と融資で効いてくる。設計変更での適合化と争う道のコストを早期に比較する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。実務上の時計は三つ。都市計画案の縦覧は2週間で、意見書はその期間内(都市計画法17条)。3項の適用除外の基準時は条例の施行または適用の日の現況。是正命令などの処分を争う場合、建築審査会への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(建築基準法94条、行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 昭和55年(1980年) 都市計画法と建築基準法の改正による地区計画制度の創設に伴い、地区整備計画の内容を市町村条例で建築制限化する規定として新設された(改正年および当時の条番号は要人的検証)
- その後の累次改正 防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画、集落地区計画の各制度創設に伴い対象区域が段階的に拡張され、5項の用途制限緩和も追加されている。各改正年と新設か改正かの区別は要人的検証
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