建築基準法 第77条の29(帳簿の備付け等)
クイックジャンプ
- 指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
- 2.前項に定めるもののほか、指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する書類で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。
この条文の基本情報
帳簿の備付け等とは何ですか?
定義帳簿の備付け等とは、建築基準法第77条の29に定められた規定で、「指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の29(帳簿の備付け等)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の29の条文原文は「指定確認検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、確認検査の業務に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない…」で始まります。
- 建築基準法第77条の29は第二節 指定確認検査機関に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の29の前の条は建築基準法第77条の28です。
- 建築基準法第77条の29の次の条は建築基準法第77条の29の2です。
- 建築基準法第77条の29には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の29 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の29(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の29は、指定確認検査機関に確認検査業務の帳簿の備付け・保存と、国土交通省令で定める関係書類の保存を義務づける。違反は業務停止命令や指定取消しの対象となる。
Q · 検査済証が見当たらないとき、民間の確認検査機関に記録は残っているの?
保存義務があるため記録から照会できる場合があります
建築基準法77条の29により、指定確認検査機関は確認検査の業務に関する帳簿を備え付けて保存し、国土交通省令で定める関係書類も保存しなければなりません。確認済証・検査済証そのものの再発行は原則できませんが、保存された記録に基づき台帳記載事項証明書などの形で審査・検査の事実を確認できる場合があります。記載事項・保存方法・保存期間はいずれも国土交通省令に委任され、違反は同法77条の35の監督処分の対象です。
解説
建築確認は今、役所だけがやっているわけではない。1998年の法改正以降、民間の「指定確認検査機関」があなたの家やマンションの確認済証・検査済証を出している。本条は、その民間機関に対して「確認検査の業務に関する帳簿を備え付けて保存せよ」「国土交通省令で定める書類を保存せよ」と命じる条文だ。地味に見えるが、あなたが将来この建物について「構造計算はどう審査されたのか」「誰が現場を検査したのか」を追跡できるかどうかは、この帳簿と保存書類が存在するかにかかっている。中古住宅を買うとき、検査済証が見当たらないとき、施工不良が10年後に発覚したとき、遡れる記録の出所はここだ。姉歯事件(2005年)で構造計算書偽装が見抜かれなかった後、この保存義務と国土交通大臣・都道府県知事の監督権限が一体で強化された。記録が残るということは、後から誰かが検証できるということである。
法的な位置づけ
建築基準法77条の29は、指定確認検査機関の記録保存義務を定める規定である。1項は確認検査の業務に関する国土交通省令所定の事項を記載した帳簿の備付けと保存を、2項は国土交通省令で定める確認検査関係書類の保存を義務づける。記載事項・保存方法・保存期間はいずれも国土交通省令に委任されている。
手順
- 1.確認済証の発行者が民間機関か行政庁かを特定する 手元の確認済証・検査済証の交付者欄を確認する。指定確認検査機関名が入っていれば民間機関、市区町村長・都道府県知事名なら特定行政庁。ここを取り違えると照会先が空振りする
- 2.その機関が現存するかを指定機関一覧で確認する 国土交通省および都道府県が公表する指定確認検査機関の一覧で、当該機関が現在も指定を受けているかを調べる。廃止済みなら指定権者(国土交通大臣または都道府県知事)へ引継ぎ記録の有無を照会する
- 3.保存記録の照会手続を機関に問い合わせる 本条の保存義務に基づく帳簿・書類から、確認済証番号、確認年月日、検査の実施記録を照会できるか確認する。あわせて特定行政庁で台帳記載事項証明書の交付と建築計画概要書の閲覧を申請する
- 4.記録が出てこない場合は法適合状況調査を見積もる 保存期間経過や機関廃止で記録が辿れない場合、建築士による法適合状況調査を検討する。費用と工期を把握し、売買契約前であれば価格・引渡条件の交渉材料として相手方に提示する
よくある質問 AI による整理
Q1指定確認検査機関とは何ですか?
国土交通大臣または都道府県知事の指定を受け、建築確認と完了検査を行う民間機関です(建築基準法77条の18以下)。1998年の法改正で民間開放され、現在の確認申請の多くを処理しています。
Q2建築確認の記録は何年保存されますか?
帳簿・書類の保存期間は建築基準法施行規則で定められ、帳簿は閉鎖後15年間が原則とされています。書類は種別ごとに期間が異なるため、照会前に最新の規則をご確認ください。
Q3確認検査機関が廃業したら記録はどうなりますか?
指定の取消しや業務廃止の場合、保存書類は指定をした国土交通大臣または都道府県知事に引き継がれる建付けです。ただし実務上の照会は機関が現存するうちの方が確実です。
Q4台帳記載事項証明書はどこでもらえますか?
確認済証・検査済証の交付台帳を管理する特定行政庁(市区町村・都道府県の建築指導課等)で交付を受けられます。民間機関が確認した案件も行政庁へ報告されるため台帳に載ります。
Q5建築計画概要書とは何ですか?
確認申請時に提出される建築物の概要書面で、特定行政庁で閲覧できます。検査済証が手元にない場合に、適法に建築確認を受けた事実を裏づける資料として使われます。
Q6帳簿の保存義務に違反するとどうなりますか?
建築基準法77条の35に基づき、業務停止命令や指定の取消しの対象になりえます。事務手続の不備ではなく、事業継続に直結する法定義務違反として扱われます。
Q7検査済証がない建物は売買できますか?
売買自体は可能ですが、金融機関の融資審査や用途変更・増築で支障が出ます。確認検査機関の保存記録や建築計画概要書、建築士による法適合状況調査で補うのが実務です。
Q8法適合状況調査とは何ですか?
検査済証のない建物について、建築士が図面・現況を調査し建築基準法への適合状況を確認する調査です。国土交通省がガイドラインを示しており、用途変更や増築の前提になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査済証をなくしたんですが、確認検査機関に言えば再発行してもらえますか?
確認済証・検査済証そのものの再発行は原則としてできない。ただし本条の保存義務により機関には記録が残っているため、「台帳記載事項証明書」等の形で交付を受けられる場合がある。特定行政庁が扱う建築計画概要書の閲覧も併用できる。実務のポイント:金融機関や買主が本当に求めているのは原本ではなく「適法に建てられた証拠」であることが多い。台帳記載事項証明書で話が通るケースがかなりあるので、原本紛失で取引を諦める前に、相手が何を必要としているかを確認すべきだ
Q2民間の会社が建築確認をやってるって、本当に大丈夫なんですか?
指定確認検査機関は国土交通大臣または都道府県知事の指定を受け(本法77条の18以下)、本条の帳簿・書類保存義務、報告・立入検査(77条の31)、監督処分(77条の35)という三層の規律を受ける。その処分は行政処分(役所が事業者に直接下す具体的な決定)であり、指定取消しもありうる。実務のポイント:指定機関の処分歴は公表されている。大規模物件の確認を依頼する側なら、機関選定の前に監督処分歴を確認する実務がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「建築確認は役所がやるもの」という前提そのものが現状と合っていない。1998年の改正で民間機関に開放され、現在の確認申請の大半は指定確認検査機関が処理している。あなたの家の確認済証を発行したのは、市役所ではなく民間企業である可能性の方が高い。誰に照会すべきかを間違えると、記録に辿り着けない
- 帳簿の備付け義務は「形式的な事務手続」と軽く見られがちだが、その深刻度が理解されていない。帳簿・書類の保存を怠れば、本法77条の35に基づく業務停止命令や指定の取消しの対象になりうる。事業の存続そのものが、書庫の管理体制に紐づいている
- 「記録は機関が自主的に管理しているだけ」と思われているが、法律上、記載事項も保存方法も保存期間も国土交通省令で定められた法定義務である。機関の裁量で「この案件はもういいだろう」と処分できる性質のものではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 77条の29:帳簿の備付け・保存と関係書類の保存義務 | 77条の31:行政庁による報告徴収・立入検査 77条の35:業務停止命令・指定の取消し |
| 作動するタイミング | 確認検査業務を行う限り常時(平時の記録管理) | 行政庁が必要と認めたとき(検証の局面) 違反や不適正が認定されたとき(制裁の局面) |
| 機関側の実務負担 | 記載事項の網羅・保存期間管理・書庫/電子保存体制 | 資料提出と立入対応、帳簿の即時提示 是正計画の提出と業務停止による事業影響 |
| 利用者(建築主・買主)への効果 | 後から審査・検査の痕跡を辿れる根拠になる | 記録の正確性が行政によって担保される 不適正な機関が市場から排除される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は建築確認を民間機関へ全面開放しておらず、主管建築機関が図説審査と工事中検査の記録を自ら保持する。民間審査機関の記録保存義務という枠組み自体が日本に固有
韓国は工事監理者の監理報告と建築物台帳を軸に記録を残す構造で、確認検査を担う民間指定機関に保存義務を課す日本型とは設計が異なる
ドイツは建築規制が州法事項で、Prüfingenieur・Prüfsachverständige という民間審査資格者に検査記録の作成・保存を義務づける。民間関与と記録義務をセットにする発想は日本と近い
米国はモデルコードを各州・自治体が採用する方式で、special inspector の報告書を building department が保管する。保存期間は自治体の record retention schedule により大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築12年の中古マンションを買おうとしたら、売主が検査済証を紛失していた。確認検査を担当したのは民間の指定確認検査機関。その機関に問い合わせれば、本条の保存義務に基づく帳簿・書類から確認済証番号や検査記録を照会できる可能性がある。図面がなくても、審査の痕跡は残っている
- あなたが指定確認検査機関の実務担当者で、事務所の書庫が限界に来た。「古い案件だから捨てていいか」と上司に聞く前に確認すべきは、施行規則が定める保存期間(帳簿は原則15年、書類も種別ごとに期間が定められている)だ。期間内の廃棄は業務停止命令や指定取消の理由になる(本法77条の35)
- もし、あなたが買った建売住宅で10年後に構造の不具合が発覚したとしたら? 施工業者は倒産、設計者は廃業。残っているのは確認検査機関の帳簿だけ。そこに誰がいつ何を審査したかが記録されている。これが責任追及の出発点になる
- 確認検査機関に対する立入検査の予告が来た。あと5日。帳簿の記載漏れ、書類の欠落があれば、その場で指摘される。国土交通省令の記載事項を一項目ずつ突き合わせる時間は、もうこの週末しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 建物の確認済証・検査済証を探し、発行者が指定確認検査機関か特定行政庁かを特定する2. 民間機関なら、その機関が現存するか(国土交通省・都道府県の指定機関一覧で確認)を調べ、保存されている帳簿・書類の照会手続を問い合わせる3. 機関が廃止済みなら、指定した行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)へ引継ぎ記録の有無を照会4. 記録が存在しない場合、建築士による法適合状況調査を検討し、費用と工期を売主・相手方との交渉材料に組み込む
訴えられた側:1. 指定確認検査機関として記録不備を指摘された場合、まず国土交通省令の記載事項・保存期間と自社の実際の保存状況を一件ずつ突き合わせ、欠落範囲を正確に把握する2. 欠落が判明した部分は隠さず、復元可能な範囲(申請者控え、社内システムのログ、電子データ)から補完する3. 是正計画と再発防止策(保存期間管理の仕組み化、担当者の属人化解消)を文書で提出4. 監督処分は77条の35に基づく段階的なもので、誠実な是正は処分の軽重に影響する
時効(請求できる期限):本条自体に権利行使の時効はないが、帳簿・書類の保存期間は国土交通省令(建築基準法施行規則)で定められており、帳簿は原則として閉鎖後15年間、書類は種別ごとに期間が定められている(最新の改正状況をご確認ください)。保存期間を過ぎた記録は適法に処分されうるため、照会は早いほど確実。建物の瑕疵を理由とする請求には、契約不適合責任の期間制限(民法566条、知った時から1年以内の通知)や一般の消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年)が別途かかる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:建築基準法改正により建築確認・検査が民間に開放され、指定確認検査機関制度が創設された。これに伴い、機関の帳簿備付け・書類保存義務を定める規定が置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:構造計算書偽装問題(2005年)を受けた建築基準法等の改正により、指定確認検査機関に対する報告徴収・立入検査・監督処分を含む規律が強化され、記録保存義務の実効性も高められた
- 建築基準法 第77条の18指定確認検査機関の指定要件、本条の名宛人を定義
- 建築基準法 第77条の31報告徴収・立入検査、帳簿の実効性を担保
- 建築基準法 第77条の35保存義務違反に対する業務停止・指定取消
- 建築基準法 第6条の2指定確認検査機関による確認、帳簿記載の対象業務
- 建築基準法 第7条完了検査と検査済証の交付、保存書類の中核
- 建築士法 第24条建築士事務所の図書保存義務と対をなす記録体系
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第94条構造耐力上主要な部分の10年瑕疵担保責任と記録追跡の接点
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める