建築基準法 第77条の60
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国土交通大臣は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについては、第七十七条の五十八第一項の登録をしないことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第77条の60は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第77条の60の条文原文は「国土交通大臣は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについては、第七十七条の五十八第一項の登録をしないことが…」で始まります。
- 建築基準法第77条の60は第一節 建築基準適合判定資格者の登録に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第77条の60の前の条は建築基準法第77条の59です。
- 建築基準法第77条の60の次の条は建築基準法第77条の61です。
- 建築基準法第77条の60には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の60 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第77条の60(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/77_60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法77条の59の2は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行えない者として国土交通省令で定めるものについて、国土交通大臣が登録を拒否できると定める裁量規定である。
Q · 精神科に通院していると、建築基準適合判定資格者の登録は拒否されるんですか?
通院歴だけでは拒否されません。見られるのは業務適正性です
建築基準法77条の59の2は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行えない者として国土交通省令で定めるものについて、国土交通大臣が登録を「しないことができる」と定めます。省令の基準は疾患名の列挙ではなく、精神の機能の障害により確認検査に必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えるかという機能基準です。したがって通院歴それ自体は拒否理由になりません。拒否は行政処分であり、行政手続法8条の理由提示義務がかかり、審査請求や取消訴訟で争えます。
解説
建築基準適合判定資格者検定に合格しても、登録が自動的に下りるわけではない。本条は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令が定めるものについて、国土交通大臣が登録を「しないことができる」と書く。読み飛ばしてはならないのは末尾である。「してはならない」ではなく「しないことができる」、つまり拒否は義務ではなく裁量だ。しかも省令が定める中身は病名の一覧ではなく、精神の機能の障害により、確認検査の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者、という機能の基準である。通院歴があること自体は、この基準に一ミリも触れない。さらに拒否は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であるから、理由の提示義務がつき、不服申立ての道が開く。あなたが握っているのは、病名で自動的に切られない地位と、切られたときに理由を問いただす手続上の権利の二つである。
法的な位置づけ
建築基準法77条の59の2は、建築基準適合判定資格者登録における相対的欠格事由を定める規定である。心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについて、国土交通大臣に登録を拒否する裁量を与える。2019年の関係法律整備により、成年被後見人等を理由とする一律の欠格条項に代えて導入された個別審査型の規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請前に主治医の所見を設計する 登録申請の前に、確認検査の業務に必要な認知・判断・意思疎通に支障がない旨を明記した診断書を取得する。通院中とだけ書かれた紙では審査の入口が変わるため、記載内容を医師に具体的に依頼する
- 2.登録申請書を提出する 建築基準法77条の58第1項の登録申請を国土交通大臣に対して行う。申請書には病名を告白する欄が用意されているわけではなく、問われるのは業務適正性であることを踏まえて添付資料を構成する
- 3.拒否通知が届いたら理由提示欄を逐語で写す 行政手続法8条により、拒否処分には理由の提示が必要である。理由欄に書かれた認定事実を逐語で書き写し、省令のどの要素を欠くと判断されたのかを一点に絞り込む。理由が抽象的なら、その不備自体が争点になる
- 4.審査請求か再申請かを期間内に決める 争うなら審査請求(処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、行政不服審査法18条)または取消訴訟(処分があったことを知った日から6か月以内、行政事件訴訟法14条)。覆せる医学的資料が先に揃うなら再申請の方が早い局面も多い
よくある質問 AI による整理
Q1建築基準適合判定資格者の欠格事由とは?
登録を拒否されうる事情のことです。本条は心身の故障により確認検査の業務を適正に行えない者として国土交通省令で定めるものを対象とし、拒否は大臣の裁量とされています。
Q2心身の故障 建築基準法 何条ですか?
建築基準適合判定資格者の登録については建築基準法77条の59の2が定めます。登録の根拠規定は同法77条の58第1項です。
Q3成年被後見人でも建築主事になれる?
後見開始の審判を受けたことだけを理由に一律排除する条項は2019年に撤廃されました。現在は業務適正性を個別に審査する仕組みに置き換わっています。
Q4登録拒否されたらどうすればいい?
理由提示欄で省令のどの要素を欠くと認定されたか特定し、審査請求で争うか、医学的資料を整えて再申請するかを選びます。期間制限があるため早期の判断が必要です。
Q5登録拒否は行政処分ですか?
行政処分です。したがって行政手続法8条の理由提示義務がかかり、行政不服審査法の審査請求や行政事件訴訟法の取消訴訟の対象になります。
Q6診断書には何を書いてもらえばいい?
確認検査の業務に必要な認知・判断・意思疎通に支障がない旨の所見です。通院中とだけ書かれた診断書とは審査の入口が変わります。
Q7心身の故障の基準は省令のどこ?
建築基準法施行規則の関連規定に委任されています。精神の機能の障害により業務に必要な認知・判断・意思疎通を適切に行えない者という機能基準で、疾患名の列挙ではありません(最新の規定をご確認ください)。
Q8一度拒否されたら再申請できる?
できます。本条の拒否はその時点の状態を理由とする処分であり、法定の待機期間はありません。状態の変化を示す資料を整えて出し直せます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うつ病で通院しているんですが、建築主事にはなれないんですか?
通院や病名それ自体は拒否理由にならない。本条が委任する国土交通省令の基準は、精神の機能の障害により確認検査に必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない状態かどうかであり、疾患名のリストではない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:審査側が実際に見るのは診断書の書きぶりである。通院中としか書かれていない紙と、業務遂行に支障なしの一文が入った紙では、審査の入口が別物になる。その一文を医師に頼めること自体を、患者側はまず知らない。
Q2一度拒否されたら、もう一生無理ということですか?
違う。本条の拒否はその時点の状態を理由とする処分であって、永久の資格剥奪ではない。状態が変われば再申請でき、処分自体も審査請求(3か月以内)や取消訴訟(6か月以内)で争える。実務のポイント:争うより再申請の方が早い局面は多い。ただし行政手続法8条により示された認定事実は次の判断でも参照されるので、拒否理由の書面は必ず保管し、その一点を正面から覆す資料を作ってから出し直す。
Q3後見開始の審判を受けたら、資格は自動で消えますか?
消えない。2019年の関係法律の整備で、成年被後見人または被保佐人であることを理由に一律に資格を奪う欠格条項はこの分野でも撤廃され、現在は本条のように個別に業務適正性を見る仕組みへ置き換わっている。実務のポイント:条文が変わっても、社内規程や申請書式が旧文言のまま残っている組織は珍しくない。後見が付いたので退職を、と言われたら根拠条文を出させる。出てこないことがほとんどで、その瞬間に交渉の主導権が移る。
間違えやすい点 AI による整理
- 後見開始の審判を受ければ資格は自動的に消えると信じられているが、その連動は2019年の関係法律整備で切断された。現在残っているのは、身分ではなく業務適正性を個別に審査する仕組みだけである。
- 「どの病気が該当するのか」という問いの立て方そのものが誤っている。省令は疾患名を列挙していない。判定対象は状態であって診断名ではないので、病名を探しに行く限り答えは永久に見つからず、用意すべき資料も的を外し続ける。
- あなたの側から見れば通院歴は守るべき個人の健康情報だが、法の側から見れば確認検査の適正性という公益判断の材料である。この落差を放置したまま「言わなければ大丈夫」で申請すると、後日の事情変更の扱いで一気に不利になる。先に医学的所見を自分から設計して出す方が、情報の主導権は残る。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 77条の59の2:心身の故障を理由とする登録拒否の裁量 | 77条の58:建築基準適合判定資格者登録そのものの根拠 77条の62:登録後の事情変更による消除等(現行効力を要確認) |
| 作用する時点 | 登録申請の審査段階(入口) | 登録の成立要件そのもの 登録後(出口) |
| 効果の性質 | 「しないことができる」=裁量。必要的拒否ではない | 要件を満たせば登録される 消除等の処分(要件は別途規定) |
| 争う手段 | 行政手続法8条の理由提示を起点に審査請求・取消訴訟 | 不登録も処分として争訟対象 消除処分の取消しを求める争訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も身分や障害を理由とする一律排除を原則禁止し、職務遂行能力による個別判断へ寄せている。ただし建築確認相当の業務は建築主管機関の審査体制に組み込まれ、日本のような資格者登録拒否の単独条文は置かれていない
韓国も成年後見制度の導入後、身分による一律欠格を見直し、業務遂行能力による個別審査へ移行する改正が各資格法で進んだ。日本の2019年整備法と同型の動き
ドイツは州の建築法規で検査技術者の任命要件を定め、身体的・精神的適性は個別の任命審査で判断される。連邦単一の欠格条項ではなく州ごとの規律という点が日本と構造的に異なる
米国は州ごとの licensing board と ICC 認証の組合せで資格を管理する。ADA により障害を理由とする一律排除は原則禁止され、essential job functions を遂行できるか、および reasonable accommodation で対応可能かという枠組みで判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 検定に合格した年にうつ病と診断され、半年通院したとしたら、登録申請はどうなるのか。申請書に病名を告白する欄が用意されているわけではない。審査で問われるのは、確認検査に必要な認知、判断、意思疎通が業務水準で機能しているかであり、そこを主治医の所見で埋められれば、通院歴そのものは障害物にならない。
- あなたが指定確認検査機関の技術管理側に立っているとする。確認検査員が脳梗塞から復帰したいと申し出てきた。現場は「戻すか切るか」の二択で考えがちだが、本条の基準が見ているのは人格や病歴ではなく業務適正性である。担当範囲と検査体制を組み替えて適正性を確保する道が、排除より先に検討されるべき順序になる。
- 親に後見人を付けるべきか、きょうだいで揉めた。かつては「本人の資格が飛ぶ」が反対理由の筆頭だった。その理由は2019年の法改正で法律上は消えている。
- 登録を拒否する旨の通知が届いた。審査請求ができるのは、処分があったことを知った日の翌日から三か月。理由の提示欄を読み、省令のどの要素を欠くと認定されたのかを一点に絞り込み、その一点に応える医学的資料を揃える。残り時間は、書類を集め始めてから数えると想像よりはるかに短い。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申請前に主治医から、確認検査の業務に必要な認知、判断、意思疎通に支障がない旨を明記した診断書を取得する。2. 服薬や通院で状態が安定していることを示す経過資料を揃える。3. 拒否通知が来たら、理由の提示欄に書かれた認定事実を逐語で書き写し、省令のどの要素を欠くと判断されたかを特定する。4. 争う場合は審査請求、覆せる医学的資料が先に揃うなら再申請、この二択を期間の残りで決める。
訴えられた側:1. 審査または雇用の側に立つなら、判断材料を身分や診断名ではなく業務遂行能力の具体的事実に限定する。2. 拒否や配置転換の前に、業務範囲の調整や体制で適正性を確保できないかを先に検討し、その検討経過を記録する。3. 拒否処分をするなら、省令のどの要素をどの事実で認定したかを書面に具体的に書く。理由が抽象的なままだと、行政手続法8条違反として処分自体が取り消される。4. 社内規程に旧来の成年被後見人一律排除の文言が残っていないか点検する。
時効(請求できる期限):本条の登録拒否そのものに申請期限はなく、状態が変われば再申請でき、法定の待機期間もない。拒否処分を争う場合は、審査請求が処分があったことを知った日の翌日から3か月以内かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が処分があったことを知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)新設 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により新設。成年被後見人または被保佐人であることを理由とする一律の欠格条項に代えて、心身の故障により業務を適正に行えない者として国土交通省令で定めるものについて、大臣が個別に登録を拒否できる裁量規定へ置き換えた
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律により新設。成年被後見人または被保佐人であることを理由とする一律の欠格条項に代えて、心身の故障により業務を適正に行えない者として国土交通省令で定めるものについて大臣が個別に登録を拒否できる裁量規定へ置き換えた
- 建築基準法 第77条の58本条が拒否の対象とする登録そのものの根拠
- 建築基準法 第5条登録の前提となる資格者検定の規定
- 建築基準法 第4条建築主事の任命は本登録が前提
- 建築基準法 第77条の24確認検査員の選任も本登録者に限定
- 建築基準法 第77条の62登録後の事情変更による消除等(現行効力を要確認)
- 建築士法 第8条同一文型の相対的欠格事由(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第8条拒否処分に理由の提示を義務づける一般法
- 行政不服審査法 第18条拒否処分を争う審査請求期間の定め
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