建築基準法 第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)
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建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
この条文の基本情報
建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置とは何ですか?
定義建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置とは、建築基準法第91条に定められた規定で、「建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第91条(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第91条の条文原文は「建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三…」で始まります。
- 建築基準法第91条は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第91条の前の条は建築基準法第90条の3です。
- 建築基準法第91条の次の条は建築基準法第92条です。
- 建築基準法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法91条は、敷地が二つ以上の用途地域にわたる場合、敷地面積の過半が属する地域の規定を敷地全体に適用すると定める。ただし容積率・建蔽率・高さ制限・防火地域は除外される。
Q · 土地が二つの用途地域にまたがっていたら、どっちのルールで建てるんですか?
用途は過半の地域で決まるが、高さや防火は除外される
建築基準法91条により、敷地が複数の区域・地域・地区にわたる場合は、敷地面積の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます(過半主義)。ただし同条の括弧書きで、容積率(52条)と建蔽率(53条)は面積按分、絶対高さ・斜線・日影(54条〜56条の2)は地域ごとの個別適用、高度地区も除外、防火地域・準防火地域は敷地ではなく建築物単位で判定されます(65条)。「過半だから全部こっち」で計画を進めると、確認申請の段階で止まります。
解説
土地の重要事項説明書で、用途地域の欄に二つの名前が並んでいたことはないだろうか。第一種低層住居専用地域と近隣商業地域、といった具合に。建築基準法91条は、その状態の処理を決めている。答えは過半の勝ち。敷地面積の過半が属する地域のルールが、敷地全部に適用される。過半が近隣商業なら、低層住専側の部分にも近隣商業の用途制限がかかり、店舗を建てられる。ここまでは調べれば出てくる。問題はその先だ。91条は本文の括弧書きの中に、大量の除外を抱えている。容積率(52条)と建蔽率(53条)は過半主義ではなく面積按分の加重平均、絶対高さ・斜線制限・日影規制(54条から56条の2)は地域ごとに別々に適用、防火地域と準防火地域に至っては判定単位が敷地ではなく建築物。一つの敷地の上に、測り方の違う物差しが同時に立っている。過半だから全部こっち、で進めた計画は、確認申請の窓口で止まる。
法的な位置づけ
建築基準法91条は、建築物の敷地が禁止または制限を受ける区域・地域・地区の内外にわたる場合の適用関係を定める規定であり、その建築物または敷地の全部について、敷地の過半が属する区域・地域・地区の規定を適用する。ただし容積率、建蔽率、高さ・斜線・日影に関する各規定、高度地区、防火地域および準防火地域は、同条の括弧書きにより適用対象から除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1用途地域がまたがる敷地とは何ですか?
一つの敷地が二つ以上の用途地域の境界線をまたいでいる状態です。建築基準法91条により、用途制限は敷地面積の過半が属する地域の規定が敷地全体に適用されます。
Q2建築基準法91条の過半主義とは何ですか?
敷地が区域・地域・地区の内外にわたる場合、建築物または敷地の全部について、敷地の過半が属する地域の規定を適用するという原則です。ただし同条の括弧書きで多くの規制が除外されています。
Q3用途地域がまたがる場合の容積率の計算方法は?
容積率は91条から除外され、法52条7項により地域ごとの指定容積率に各部分の敷地面積を掛けて合計し、敷地全体の面積で割る面積按分(加重平均)で算定します。建蔽率も法53条2項で同様です。
Q4高度地区は過半主義の対象ですか?
対象外です。91条の括弧書きで高度地区は明示的に除外されており、敷地が高度地区の内外にわたる場合は、高度地区が指定された部分にその制限が個別に適用されます。
Q5用途地域の境界線はどこで確認できますか?
市区町村が公開する都市計画図(都市計画情報システム)で確認できます。ただし図面上の線と実際の公図・地番の対応は市区町村の都市計画課での確認が確実で、過半の判定には実測面積が必要になります。
Q6敷地の過半はどのように測りますか?
建築基準法上の敷地(施行令1条1号)の面積を基準に、各用途地域に属する部分の面積を比較し、2分の1を超える方が過半となります。敷地の設定範囲が変われば過半も変わります。
Q7日影規制は用途地域がまたがるとどうなりますか?
日影規制(法56条の2)は91条から除外され、地域ごとに個別適用されます。さらに対象区域外の建築物でも、高さ10メートルを超えて対象区域内に日影を落とす場合は規制が及びます(同条5項)。
Q8法22条1項の区域がまたがる場合はどうなりますか?
91条の括弧書きは法22条1項の市街地の区域を除外しています。屋根の不燃化規制は過半主義で一本化されず、その区域に属する部分について個別に適用関係を検討する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1土地の広告に用途地域が二つ書いてあるんですが、結局どっちで考えればいいんですか?
用途制限(何を建てられるか)は敷地面積の過半が属する地域に一本化される(法91条、法48条)。だが容積率と建蔽率は面積按分の加重平均(法52条7項、法53条2項)、高さ・斜線・日影は地域ごとの個別適用。一つの答えにはならない。実務のポイント:不動産広告の「建ぺい率60%/容積率200%」は、またがり地で広い方の数値だけを載せている場合がある。按分後の実数は自分で計算するか、売主に按分計算書を出させる
Q2敷地の切り方で過半を変えるのって、ずるくないんですか?
建築基準法上の敷地は一の建築物または用途上不可分の関係にある建築物がある一団の土地(施行令1条1号)で、建築主が合理的な範囲で設定できる。分け方で過半が動くのは法の想定内である。ただし規制回避だけを目的とした不自然な設定は特定行政庁に否認されうる(実務上、判断が分かれる)。実務のポイント:この調整が効くのは基本設計まで。間取りを決めてから相談しても、動かせる余地はほとんど残っていない
Q3建物のほとんどが準防火地域なんですが、角だけ防火地域にかかってます。どうなりますか?
防火地域・準防火地域は91条の括弧書きで除外されており、判定単位も敷地ではなく建築物。建物が両地域にわたる場合は原則として厳しい方、つまり防火地域の規定が建物全体に適用される(法65条)。防火壁で区画されていれば区画ごとの判定になる。実務のポイント:この角一つで要求される耐火性能が上がり、工事費の桁が変わることがある。土地を買う前に地域境界線と建物の配置予定を重ねて見ておけば、建物を数メートルずらすだけで回避できる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの敷地はどっちの用途地域なのか」という問いの立て方が、そもそも半分ずれている。用途制限は過半で一つに決まるが、容積率・建蔽率は按分、高さ・斜線・日影は地域ごとに別個に生き残る。一つの答えを探し続けている限り、設計はどこかで必ず破綻する
- 過半主義を知っている人でも、その「過半」が敷地面積で測られること、そしてその敷地の範囲を建築主側が設定できることまでは意識していないことが多い。建築基準法上の敷地は一の建築物または用途上不可分の建築物がある一団の土地(施行令1条1号)であり、分け方次第で過半は動く。つまり91条は受け身のルールではなく、操作可能な変数を含んでいる。ただし規制回避だけを狙った不自然な敷地設定は特定行政庁に否認されうる(実務上、判断が分かれる)
- 防火地域も過半で決まると思われがちだが、防火地域・準防火地域は91条の括弧書きで除外されており、しかも判定単位が敷地ではなく建築物である。建物が両地域にわたる場合は原則として厳しい方、つまり防火地域の規定が建物全体に及ぶ(法65条)。敷地の大半が準防火でも、建物の角が防火地域に入り込めば全体が防火地域扱いになりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判定方式 | 91条:敷地の過半が属する地域の規定を敷地全体に適用 | 52条・53条:地域ごとの面積按分(加重平均) 65条:敷地ではなく建築物単位、原則として厳しい方を全体に適用 |
| 対象となる規制 | 用途制限(48条)など、敷地全体で一体的に判断すべき規制 | 容積率・建蔽率という量として配分できる規制 防火地域・準防火地域の構造規制 |
| 判定の単位 | 敷地(施行令1条1号) | 敷地内の各地域に属する部分の面積 建築物(防火壁で区画されていれば区画ごと) |
| 計画への影響 | 過半側の用途で建物用途が決まる | 按分後の実数が広告表示より小さくなることがある 建物の角が防火地域に入るだけで全体の耐火性能が上がる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も使用分区ごとに建築規制を課すが、基地が複数分区にまたがる場合の処理は法律本体ではなく各都市計画の土地使用分区管制要点に委ねられており、日本の91条のような統一的な過半主義の明文は置かれていない
韓国は日本と同様に明文で処理を定めるが、原則として面積が小さい部分が一定規模以下の場合に大きい方の規定を適用するという規模基準を採る点で、日本の過半主義と設計思想が異なる
ドイツは Bebauungsplan が地塊レベルで用途と建築密度を細かく指定するため、日本の広域な用途地域のように敷地が地域境界をまたぐ場面自体が構造的に生じにくい
米国では split lot の扱いが自治体条例ごとに分かれ、過半ルールを採る自治体、厳しい方を全体に及ぼす自治体、部分ごとに適用する自治体が併存する。連邦統一の基準は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、契約した土地の過半が第一種低層住居専用地域だと決済後に判明したら? 計画していた三階建ての賃貸併用住宅は、10メートルの絶対高さ制限(法55条)に潰される。手付解除の期限は一週間後。重要事項説明書の用途地域欄と公図をもう一度広げる時間は、まだ残っている
- 実家の土地を相続した。公図を広げると、南半分が近隣商業地域、北半分が第一種住居地域。どちらが過半かで、建てられる店舗の種類も、買い手が付く値段も変わる。
- あなたが設計者として、敷地の過半が商業地域だからと店舗併用住宅の確認申請を出した。ところが敷地の一部が第一種低層住居専用地域にかかっており、そこに建つ棟が10メートルを超えていた。審査機関から訂正指示が入る。用途は91条で通ったのに高さで止まる、括弧書きを読み飛ばした典型例である
- 隣地に突然マンションの建築計画が持ち上がり、冬の日照が奪われそうだ。あなたの家が日影規制の対象区域外でも、隣地の建物が高さ10メートルを超えて対象区域内に日影を落とすなら規制は及ぶ(法56条の2第5項)。日影規制が91条の過半主義に吸収されていないからこそ、境界の向こうにいるあなたにも主張の足場が残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 隣地の計画で日照・環境上の不利益を受けそうなら、まず建築計画概要書(特定行政庁で閲覧可能)で敷地の用途地域構成と過半の判定を確認する2. 高さ・斜線・日影は91条の過半主義から除外され地域ごとに適用されるため、境界のこちら側の規制が生きていないかを個別に検証する3. 日影規制は対象区域外の建物からも及ぶ場合がある(法56条の2第5項) 4. 計算違いが疑われるなら特定行政庁の建築指導課に申し出るとともに、建築確認への審査請求の期限を同時に確認する
訴えられた側:1. 是正指導や訂正指示を受けたら、指摘された規制が過半主義の対象か除外対象かをまず条文の括弧書きで切り分ける2. 用途制限(法48条)の判定であれば過半の面積計算根拠を提出、高さ・斜線であれば地域ごとの適用を前提に計画を修正する3. 敷地設定自体を見直せる段階なら、用途上不可分性(施行令1条1号)を崩さない範囲で再設定を検討4. 確認済証交付後の変更は計画変更確認申請が必要、工程とコストを先に試算してから方針を決める
時効(請求できる期限):91条自体に期間の定めはない。ただし建築確認や是正命令を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。建築確認の取消訴訟は工事完了で訴えの利益が失われるため、着工前の判断が事実上の期限になる
学説
実務通説:91条の過半主義は、用途制限のように敷地全体で一体的に判断すべき規制についてのみ適用の一本化を図る趣旨と理解されている。量として配分可能な容積率・建蔽率、隣接地の生活環境を直接守る高さ・斜線・日影、建築物の性能を問う防火規制は、同条括弧書きによりそれぞれ別の処理に委ねられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:建築基準法の制定(昭和25年法律第201号)に伴い、区域・地域・地区制の全面的な適用を前提として、敷地が境界の内外にわたる場合の適用関係を定める規定として置かれた
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