建築基準法 第93条の2(書類の閲覧)
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特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第十二条第一項及び第三項の規定による報告に関する書類のうち、当該処分若しくは報告に係る建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令で定めるものについては、国土交通省令で定めるところにより、閲覧の請求があつた場合には、これを閲覧させなければならない。
この条文の基本情報
書類の閲覧とは何ですか?
定義書類の閲覧とは、建築基準法第93条の2に定められた規定で、「特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第十二条第一項及び第三項の規定による報告に関する書類のうち、当該処分若しくは報告に係る建築物若しくは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第93条の2(書類の閲覧)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第93条の2の条文原文は「特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分並びに第十二条第一項及び第三項の規定による報告に関する書類のうち、当該処分若しくは報告に係る建築物若しくは…」で始まります。
- 建築基準法第93条の2は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第93条の2の前の条は建築基準法第93条です。
- 建築基準法第93条の2の次の条は建築基準法第93条の3です。
- 建築基準法第93条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第93条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第93条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/93_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法93条の2は、建築確認などの処分に関する書類のうち国土交通省令が定めるものを、閲覧の請求があれば閲覧させる義務を特定行政庁に課す規定である。請求できる人に法律上の制限はない。
Q · 隣のビルや中古住宅の建築書類って、他人でも役所で見られるんですか?
見られます。請求できる人に法律上の制限はありません
建築基準法93条の2により、特定行政庁は閲覧の請求があった場合、国土交通省令で定める書類を閲覧させなければなりません。請求権者を所有者や利害関係人に限る文言はなく、第三者でも原則として理由を告げずに請求できます。対象は建築計画概要書や処分の概要書など、権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして建築基準法施行規則11条の3が指定した範囲に限られ、設計図書そのものは含まれません。また本条が義務づけているのは閲覧であって、写しの交付までは定めていません。
解説
中古マンションの内見で気に入った部屋があり、仲介業者が「検査済証はありませんが、この年代だと珍しくないんですよ」とさらりと言う。その一言を検証できるかどうかが、建築基準法93条の2を知っているかどうかで決まる。本条は特定行政庁(建築行政を担当する市区町村長または都道府県知事、要するに確認や違反是正の権限を持つ役所)に対し、確認その他の処分に関する書類と、12条1項・3項の定期報告に関する書類のうち、国土交通省令が定めるものを、閲覧請求があれば閲覧させる義務を課している。請求できる者を所有者や利害関係人に限定する文言は、条文のどこにもない。赤の他人でも請求でき、原則として理由の説明も要らない。建築計画概要書には建築主の氏名、設計者、工事施工者、敷地面積、建築面積、階数、配置図が載る。「いつ、誰が、どんな建物を建てる確認を取ったのか」が、窓口で紙一枚として目の前に出てくる。
法的な位置づけ
建築基準法93条の2は、建築確認その他の建築基準法令による処分および定期報告に関する書類のうち、国土交通省令が指定するものについて、特定行政庁に閲覧させる義務を課す規定である。請求権者を限定せず、公開の範囲を請求者の属性ではなく対象書類の側で画する点に構造上の特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象建物と地番を確定する 住居表示と地番は一致しないことが多いため、登記情報提供サービスや公図で地番を先に控える。地番が分からないまま窓口に行くと、台帳の検索ができず出直しになる
- 2.管轄する特定行政庁を特定する 市区町村に建築主事が置かれていればその市区町村の建築指導課、置かれていなければ都道府県の土木事務所・建築事務所が窓口になる。閲覧場所と閲覧時間は各特定行政庁が公告しているため、事前に確認する
- 3.窓口では書類名で請求する 「建築計画概要書の閲覧をお願いします」と書類名で切り出す。あわせて「建築基準法令による処分の概要書(台帳記載事項)」も別物として請求する。目的から話すと用件を尋ねられ手続が止まりがちなので、書類名を先に告げる
- 4.確認すべき項目を漏れなく記録する 確認済証の番号と交付年月日、検査済証の有無と番号、申請された用途・階数・建築面積・延べ面積、配置図、建築主と設計者と工事施工者の氏名を記録する。とくに検査済証欄が空白かどうかは、融資審査と将来の増築可否を左右する
- 5.閲覧を拒まれたら根拠条文を示す 対象書類であるにもかかわらず閲覧を拒まれた場合は、建築基準法93条の2および建築基準法施行規則11条の3を示し、拒否の理由を書面で示すよう求める。保存期間経過により書類自体が存在しない場合もあるため、その旨も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1建築計画概要書とは何ですか?
建築確認を申請するときに提出する書類で、建築主・設計者・工事施工者の氏名、敷地面積、建築面積、階数、配置図などが記載されます。建築基準法93条の2に基づき誰でも閲覧できます。
Q2建築計画概要書には何が書いてありますか?
建築主・設計者・工事監理者・工事施工者の氏名、敷地の地名地番、用途、敷地面積、建築面積、延べ面積、階数、高さ、確認済証や検査済証の番号と年月日、そして配置図が載ります。
Q3建築計画概要書はどこで閲覧できますか?
対象の建物を管轄する特定行政庁の窓口です。市区町村に建築主事がいればその建築指導課、いなければ都道府県の土木事務所等になります。閲覧場所と時間は各庁が公告しています。
Q4建築計画概要書の閲覧に手数料はかかりますか?
閲覧自体は無料としている特定行政庁が多い一方、台帳記載事項証明の交付は数百円程度の手数料を定めている例が一般的です。金額は各庁の条例・規則で異なるため事前確認が必要です。
Q5建築計画概要書のコピーはもらえますか?
本条が義務づけているのは閲覧であり、写しの交付までは定めていません。撮影を認める窓口、書き写しのみの窓口があり、写しが必要なら情報公開条例に基づく開示請求という別ルートになる場合があります。
Q6台帳記載事項証明書とは何ですか?
確認済証や検査済証の番号・交付年月日など、建築確認台帳の記載内容を特定行政庁が証明する書面です。概要書が残っていない古い建物でも、台帳にだけ記録が残っていることがあります。
Q7民間の指定確認検査機関が出した確認でも役所で閲覧できますか?
できます。指定確認検査機関の確認に関する書類も特定行政庁に提出・保存される仕組みになっており、本条の閲覧対象になります。民間確認だから役所に何も残らない、というのは誤解です。
Q8設計図面や構造計算書も閲覧できますか?
できません。閲覧対象は権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令が指定した書類に限られ、間取りや構造計算書などの設計図書そのものは対象外です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他人の家の書類を勝手に見たら、怒られたりしませんか?
本条は請求できる人を限定していません。国土交通省令(建築基準法施行規則11条の3)が指定した書類であれば、特定行政庁には閲覧させる義務があり、閲覧理由の申告も原則として必要ありません。実務のポイント:窓口では「建築計画概要書の閲覧をお願いします」と書類名で切り出すと手続がすぐ進みます。「あの家のことを調べたくて」と用件から話すと目的を尋ねられ、話が止まりがちです。
Q2検査済証がない建物って、買っても大丈夫なんですか?
違法建築と決まったわけではありません。完了検査の受検率が低かった時代の物件が多いためです。ただし増築や用途変更の確認申請、金融機関の融資、売却時の評価で必ず壁になります。実務のポイント:検査済証がなくても、指定確認検査機関などによる建築基準法適合状況調査(国土交通省のガイドラインに基づく手続)で代替できるルートがあります。数十万円の費用はかかりますが、その存在を知っていること自体が売主との価格交渉の根拠になります。
Q3昔の建物なので資料は残っていない、と言われました。本当ですか?
本条の義務は、特定行政庁が現に保存している書類が前提です。建築計画概要書が制度として整備されたのは比較的新しく、それ以前の建物は概要書そのものが存在しないことがあります。実務のポイント:概要書がなくても、確認済証の番号と交付年月日だけが台帳に残っている場合があり、台帳記載事項証明として出てきます。「概要書」と「台帳」は別物なので、窓口では必ず二つとも尋ねてください。
間違えやすい点 AI による整理
- 「他人の建物の書類なんて、所有者か利害関係人でないと見られない」と思われているが、93条の2に請求権者を絞る文言はない。絞られているのは請求する人ではなく、閲覧させる書類の方である。権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令が指定した範囲(建築計画概要書、処分の概要書、定期報告の概要書など)に限って、誰の請求でも開く構造になっている
- 検査済証がないことは知っていても、その深刻度を測り損ねている人が多い。単に紙がないという話ではなく、増築や用途変更の確認申請が事実上通らない、金融機関の住宅ローンやフラット35の対象から外れる、買い手が付かず売却価格が下がる、という連鎖が待っている。台帳の検査済証欄が空白だと判明した瞬間、その物件の値札は現実には数百万円単位で動く
- 「閲覧できるならコピーも当然もらえる」という前提そのものが誤っている。本条が特定行政庁に義務づけているのは閲覧であり、写しの交付までは定めていない。スマートフォンでの撮影を認める特定行政庁もあれば、手書きの書き写しのみとする窓口もあり、写しが欲しい場合は情報公開条例に基づく開示請求という別ルートになることもある(実務上、自治体ごとに運用が分かれている)
- あなたから見れば自宅の書類は私的な情報だが、法律から見れば建築物は周辺住民の安全と生活環境に直結する公共的な存在であり、その確認の履歴は公開を前提とした情報である。この落差を知らずに建築主として名前を出すと、近隣説明の初手で不意打ちを食らう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠と性質 | 建築基準法93条の2:建築行政情報の閲覧(特定行政庁の義務) | 建築基準法6条・7条:確認と完了検査そのもの(処分の本体) 情報公開条例・情報公開法3条:一般的な開示請求制度 |
| 請求できる人 | 限定なし。第三者でも原則として理由の説明は不要 | 建築主(申請者)。第三者は申請できない 何人でも可(条例により住民等に限る例もある) |
| 得られるもの | 建築計画概要書・処分の概要書・定期報告の概要書の閲覧 | 確認済証・検査済証の交付(紛失時の再交付は不可、台帳記載事項証明で代替) 文書の開示(写しの交付を含む)。ただし不開示情報は黒塗り |
| 写し・スピード | 閲覧が義務。写しの交付は本条の義務ではなく、当日その場で完結することが多い | 台帳記載事項証明は手数料を払えば交付される 写しの交付まで可能だが、決定まで2週間程度を要するのが通例 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では建築管理情報へのアクセスが建築法内の専用条文ではなく、一般的な政府情報公開法制と各県市の建管処の運用に委ねられている。日本のように建築基準法自体に閲覧義務規定を置く方式とは制度配置が異なる
韓国は建築物台帳を制度の中心に据え、オンラインの建築行政システムで誰でも閲覧・発給を受けられる。紙の概要書を窓口で閲覧する日本より、デジタル化が先行している点が対照的
ドイツは連邦統一の規定を持たず、建築記録(Bauakte)の閲覧は州法と情報自由法に基づく。近隣者など利害関係の有無が閲覧可否に影響する州もあり、日本のように請求権者を無限定とする例とは一線を画す
米国では building permit records が地方自治体の公記録として扱われ、多くの自治体がオンラインの permit portal で公開している。請求権者を限定しない点は日本と共通するが、根拠が建築法ではなく公記録法である点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 築30年の戸建てに買付を入れる直前。仲介業者は「検査済証は紛失」と言うが、実際には完了検査そのものを受けていない物件が相当数ある。市役所の建築指導課で建築計画概要書と台帳記載事項を確認すれば、確認済証は出ているのに検査済証の欄が空白、という事実がその場で判明する。将来の増築や金融機関の融資審査で必ず効いてくる情報を、契約前に握れるかどうかの分かれ目
- もし隣の空き地に、ある朝いきなり仮囲いとシートが立ち上がったら? 事業者が説明会を開くまで待つ必要はない。概要書を閲覧すれば、建築主、設計者、確認を出したのが特定行政庁か民間の指定確認検査機関か、用途、階数、建築面積、配置図まで先に掴める。話し合いのテーブルに、相手の提出済みの数字を持って座れる
- 自宅を新築したあなたのもとに、面識のない近隣住民が氏名を名指しで訪ねてくる。概要書には建築主の氏名が載り、誰でも閲覧できる。この制度は自衛の武器であると同時に、あなた自身が照らされる側にも回る
- 近隣のマンション建築計画に確認処分の違法を主張したい。審査請求の期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)で、しかも工事が完了すると建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるとするのが判例(最判昭和59.10.26)。基礎工事が始まってしまえば実質的に手遅れであり、閲覧で処分の存在と日付を確定させる作業が、残り数週間の勝負を決める
- 相続した実家を売りに出したら、買主側の業者から「増築部分の確認申請が見当たらない」と指摘された。親が何をどう建て足したのか、当の親はもういない。概要書と台帳を辿れば、当時の確認済証の番号と交付年月日、申請された延べ面積が出てくる。登記簿にも通帳にも残らない経緯が、建築行政の書庫にだけ残っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象物件を管轄する特定行政庁を特定する(市区町村に建築主事がいなければ都道府県の土木事務所) 2. 窓口では目的を語らず書類名で請求する。「建築計画概要書」と「建築基準法令による処分の概要書(台帳記載事項)」の二つは別物として両方告げる3. 地番と住居表示は一致しないことが多いので、登記情報から地番を控えて行く4. 確認済証の番号と交付年月日、検査済証の有無、申請された延べ面積と階数を記録する5. 閲覧を拒まれたら根拠条文(本条および建築基準法施行規則11条の3)を示し、拒否理由の書面交付を求める
訴えられた側:1. 近隣紛争や売却が視野に入ったら、まず自分の建物の概要書を自分で閲覧し、第三者が何を見られる状態なのかを先に把握する2. 建築主の氏名と住所が公開前提である以上、近隣からの接触窓口は施工者や代理人に一本化しておく3. 台帳上の申請内容と現況(増築、用途変更、駐車場の位置)に食い違いがないか点検する。食い違いは違反是正措置(法9条)の端緒になり、指摘される前に是正の道筋を作れるかで結末が変わる
時効(請求できる期限):閲覧請求そのものに期限はない。ただし閲覧で得た情報をもとに建築確認処分を争うなら、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条1項)。加えて工事が完了すると建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるとするのが判例(最判昭和59.10.26)であり、実務上の締切は法定期間ではなく工事の進捗である。また古い物件は概要書自体が保存されていない場合があり、資料の側にも時間切れがある(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:本条は請求権者を限定せず、公開範囲を対象書類の側で画する構造を採る。建築物が周辺住民の安全と生活環境に直結する公共的存在であることから、確認の履歴は公開を前提とした情報と位置づけられ、建築主のプライバシー・防犯上の配慮は省令による対象書類の限定で担保されると理解されている。
実務上の理解:本条の義務は閲覧に限られ、写しの交付義務を含まないため、写しが必要な場合は各自治体の情報公開条例に基づく開示請求という別ルートによる、という整理が一般的である。撮影の可否を含め運用は特定行政庁ごとに分かれる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:指定確認検査機関による確認制度の導入などを含む建築基準法の大改正の一環として、建築行政情報の閲覧に関する規定が設けられた。民間機関が確認を行う体制へ移行するにあたり、処分に関する情報への公的なアクセス経路を確保する趣旨と理解されている。
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