地方税法 第335条(個人の道府県民税に係る督促、滞納処分等)
クイックジャンプ
市町村は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促状を発し、滞納処分をし、及び交付要求をする場合には、この法律又は森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該個人の道府県民税に係る地方団体の徴収金及び同法第二条第五号に規定する森林環境税に係る徴収金について併せて督促状を発し、滞納処分をし、及び交付要求をするものとする。
この条文の基本情報
個人の道府県民税に係る督促、滞納処分等とは何ですか?
定義個人の道府県民税に係る督促、滞納処分等とは、地方税法第335条に定められた規定で、「市町村は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促状を発し、滞納処分をし、及び交付要求をする場合には、この法律又は森林環境税及び森林環境譲与税に関する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第335条(個人の道府県民税に係る督促、滞納処分等)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第335条の条文原文は「市町村は、個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促状を発し、滞納処分をし、及び交付要求をする場合には、この法律又は森林環境税及び森林環境譲与税に関する…」で始まります。
- 地方税法第335条は第六款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第335条の前の条は地方税法第334条です。
- 地方税法第335条の次の条は地方税法第336〜340条です。
- 地方税法第335条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第335条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第335条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/335
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法335条により、市町村は市町村民税の督促・滞納処分・交付要求を行う際、道府県民税と森林環境税の徴収金も原則として併せて行う。
Q · 住民税の督促状に県民税や森林環境税まで載っているのはなぜ?
市役所が三つの税をまとめて督促・差押えするから
地方税法335条により、市町村は個人の市町村民税について督促状を発し、滞納処分や交付要求をする際、個人の道府県民税と国税である森林環境税に係る徴収金も原則として併せて行います。県民税はもともと市町村が市町村民税と併せて賦課徴収しているため(同法41条)、督促から差押えまで窓口は市役所の納税課ひとつです。ただし同法48条により道府県知事が滞納処分を引き継ぐ例外もあります。
解説
市役所の封筒で届く住民税の督促状は、市の税金だけの請求書ではない。地方税法335条によって、市町村は個人の市町村民税を督促し、差し押さえ(滞納処分)し、交付要求(他の債権者が始めた競売などに「税金分を先に回せ」と割り込む手続)をするとき、道府県民税と国税である森林環境税(1人年額1,000円)も原則としてまとめて扱う。つまり、あなたが交渉する相手は県でも国でもなく、市役所の納税課ひとつである。督促状を発した日から10日を過ぎても完納しないと、市町村は差し押さえなければならない(同法331条)。「県民税は県から別に来るだろう」と考えて待つ人もいるが、その間に給与や預金への差押えが三つの税をまとめて進む。窓口がひとつだと分かっていれば、分納(分割納付)の相談も一回で済む。
法的な位置づけ
地方税法第335条は、市町村が個人の市町村民税に係る地方団体の徴収金について督促、滞納処分及び交付要求を行う際、同法又は森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に特別の定めがある場合を除き、個人の道府県民税及び森林環境税に係る徴収金についても併せて行うことを定める徴収一元化の規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.督促状の内訳と発付日を確認する 督促状を開封し、市町村民税・道府県民税・森林環境税の内訳、延滞金、督促状の発付日を確認する。発付日から10日を過ぎると差押えが義務となるため、期限をカレンダーに記入する
- 2.10日以内に市町村の納税課へ連絡する 督促状に記載された市町村の納税課へ電話し、一括で納付できない事情を伝えて分納の相談日を決める。県や税務署ではなく、督促状を発した市町村が窓口となる
- 3.収支資料を持参して分納計画を示す 給与明細、家計の収支、預金残高などの資料を持参し、毎月確実に払える金額を示して分納を申し出る。一括納付が困難な場合は換価の猶予の申請も併せて検討する
- 4.差押え通知を受けたら内容を確認し、必要なら審査請求する 差押調書や差押通知書で、どの財産がいくら差し押さえられたかを確認する。既に納付済み、課税する市町村の誤りなど処分に誤りがある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1住民税の督促状とは?
納期限までに住民税を納めなかった人に市町村が送る、納付を求める正式な通知です。差押えの前提となる手続で、県民税・森林環境税の分も併せて記載されます。
Q2住民税の督促状はいつ届く?
督促状は原則として納期限後20日以内に発せられます(地方税法329条)。普通徴収なら各期の納期限を過ぎてから1か月以内に届くのが目安です。
Q3森林環境税とは?
国内に住所のある個人に1人年額1,000円を課す国税です。令和6年度から、住民税の均等割と併せて市町村が賦課徴収しています。
Q4住民税の延滞金はいつからかかる?
納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞金がかかります。割合は年ごとの特例基準割合で変動するため、市町村の案内で確認が必要です。
Q5住民税は分納できる?
市町村の納税課に相談すれば分納に応じてもらえることが多いです。一括納付が困難な場合は換価の猶予(地方税法15条の6)の申請も検討できます。
Q6引っ越したら住民税の督促はどこから来る?
住民税はその年の1月1日に住所があった市町村が課税するため、督促状も原則としてその市町村から届きます。交渉相手は旧住所地の納税課です。
Q7住民税の滞納に時効はある?
地方税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅します(地方税法18条)。ただし督促や差押えで時効は更新されるため、放置して消えることは稀です。
Q8交付要求とは?
他の債権者が始めた競売や強制執行の手続に、税の滞納分を配当するよう市町村が参加を求める手続です。本条により三つの税をまとめて要求します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県民税だけ先に払って、市民税は後回しにできますか?
督促も差押えも、市町村が市民税・県民税・森林環境税をまとめて扱うのが原則である(地方税法335条)。窓口は一つで、納めたお金も市町村が受け取ってから県へ払い込まれるため、「県の分だけ先に」という指定は実務上ほぼ意味がない。実務のポイント:交渉で力を持つのは払う順番ではなく、毎月いくらを確実に払えるかという具体的な数字である。分納の金額を示した時点で、差押えの優先度を下げる自治体は多い
Q2督促状を無視したら、本当にすぐ給料を差し押さえられるんですか?
法律上は、督促状の発付日から10日を過ぎれば差押えが義務になる(同法331条)。裁判所の判決は必要なく、市町村は勤務先や銀行に財産の照会もできる。実務のポイント:実際に先に差し押さえられやすいのは、照会で残高が分かる預金口座である。給料日直後の口座が差し押さえられ、家賃が引き落とせなくなる例も多い。給与の差押えには差押禁止額があるが、口座に入った後のお金はその保護を受けにくい
間違えやすい点 AI による整理
- 「県民税は県の税なのだから、県の税務事務所に相談すれば別扱いにしてもらえる」と考えがちだが、個人の道府県民税は市町村が市町村民税と併せて賦課徴収する(地方税法41条)。督促や差押えも本条によって一括で行われるため、原則として交渉窓口は市役所である。ただし同法48条によって県が直接滞納処分を引き継ぐ場合があり、その場合は県が相手になる
- 督促状を「ただの催促の手紙」と思っている人は多いが、そこが一番危ない。督促は差押えの前提となる手続で、督促状を発した日から10日を過ぎても完納しないと、市町村は差し押さえなければならない(同法331条)。裁判所を通す必要もないため、給与や預金がいきなり差し押さえられることになる
- 森林環境税は国税だから地方の滞納とは別、と見るのは役所の側から見た整理である。払う側にとっては、住民税の均等割と同じ紙で請求され、同じ差押えでまとめて回収される。納税者にとって、徴収の現場で国税と地方税の区別はほぼ意味を持たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 335条:督促・滞納処分・交付要求の段階で県民税・森林環境税も併せて行う | 41条:個人道府県民税を市町村が市町村民税と併せて賦課徴収する 331条:督促後10日経過で市町村が差押えをしなければならない |
| 手続の段階 | 滞納後の督促から滞納処分・交付要求まで | 課税(賦課)と通常の徴収の段階 督促後の差押えの段階 |
| 主体と例外 | 市町村が一括して行う。法律に特別の定めがあれば例外 | 市町村が賦課徴収し、県へ払い込む 48条により道府県知事が滞納処分を引き継ぐ場合がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では滞納税は稽徴機関が行政執行署へ移送して強制執行するのが原則で、日本のように課税団体自らが差押えまで行う仕組みとは異なる
韓国も地方自治体が督促・滞納処分を自ら行う点で日本に近く、地方所得税などを市・郡・区が徴収する
ドイツでは租税通則法の執行規定を、州の地方公課法が地方税に準用する構造をとる
連邦税は IRS が notice and demand の後に levy を行う。州・地方税の徴収は各州法に委ねられ、一元化の度合いは州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 3月に会社を辞めた。それまで給与から天引きされていた住民税は、退職後に普通徴収(自分で納付書で払う方式)へ切り替わる。6月に届いた納付書を新生活の郵便物に紛れさせたまま放置し、秋に督促状が届いた。県民税分も森林環境税分も同じ一枚に載っている。ここから10日が勝負である
- 1月2日に引っ越したのに、督促状は前に住んでいた市から届いた。住民税はその年の1月1日に住所があった市町村が課税するので、それ自体は誤りではない。交渉相手は今住んでいる市ではなく前の市の納税課である
- あなたが自宅に抵当権をつけて融資した貸主だったとしたら、どうなる? 債務者の家が競売にかかると、市町村が市民税・県民税・森林環境税をまとめて交付要求してくる。地方税は原則として他の債権より優先されるので(地方税法14条)、配当計画が崩れることがある。ただし抵当権の設定日と税の法定納期限等のどちらが先かで優先順位は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:督促や差押えが誤っていると考える場合(すでに納付済み、課税する市町村の誤り、税額の誤りなど)は、まず領収書や住民票の除票を揃えて納税課に事実確認を求める。それでも解決しなければ、督促や差押えは行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので審査請求ができる。競売の配当で交付要求に押し負けた債権者の場合は、抵当権の設定日と法定納期限等の先後を確認し、配当表に異議を出すかどうかを検討する
訴えられた側:滞納している自覚があるなら、督促状の発付日から10日以内に納税課へ連絡し、収入・支出の資料を持参して分納計画を示す。一括で払えない場合は、換価の猶予の申請(地方税法15条の6)を検討する。給与が差し押さえられても、生活費相当分は差押禁止とされている(同法331条6項が準用する国税徴収法76条)。差押通知を受けたら、何がいくら差し押さえられたのかをまず確認する
時効(請求できる期限):督促状は納期限後20日以内に発せられ(地方税法329条)、発付日から10日を過ぎても完納しないと差押えが義務となる(同法331条)。換価の猶予の申請は原則として納期限から6か月以内(同法15条の6)。徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(同法18条)が、督促や差押えで更新される。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成31年(2019年) 改正:森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律の制定に伴い、森林環境税に係る徴収金も市町村民税と併せて督促・滞納処分・交付要求する旨が規定された(森林環境税の課税は令和6年度分から)
- 地方税法 第41条個人道府県民税を市町村が併せて賦課徴収
- 地方税法 第329条個人市町村民税の督促の時期
- 地方税法 第331条督促後10日経過時の差押え義務
- 地方税法 第48条道府県知事による滞納処分の特例
- 地方税法 第18条地方税の徴収権の5年消滅時効
- 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律 第2条森林環境税に係る徴収金の定義
- 国税徴収法 第76条給与の差押禁止額(滞納処分で準用)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める