地方税法 第684条(市町村法定外普通税の減免)
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市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村法定外普通税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより、当該市町村法定外普通税を減免することができる。但し、特別徴収義務者については、この限りでない。
この条文の基本情報
市町村法定外普通税の減免とは何ですか?
定義市町村法定外普通税の減免とは、地方税法第684条に定められた規定で、「市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村法定外普通税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第684条(市町村法定外普通税の減免)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第684条の条文原文は「市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において市町村法定外普通税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある…」で始まります。
- 地方税法第684条は第九節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第684条の前の条は地方税法第683条です。
- 地方税法第684条の次の条は地方税法第684条の2です。
- 地方税法第684条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第684条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第684条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/684
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法684条は、市町村長が天災・公私の扶助・特別の事情がある者に限り、条例の定めにより市町村法定外普通税を減免できると定める。特別徴収義務者は対象外。
Q · 被災したら、市町村独自の税は自動的に安くなるの?
自動では減らない。条例に基づく申請が必要
自動的には安くなりません。地方税法684条は、天災などで減免が必要と認められる者、公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者について、市町村長が条例の定めるところにより減免「できる」と定めるだけです。条例に減免規定がなければ減免はできず、規定があっても申請が前提です。罹災証明書などを添えて納期限前に申請するのが基本で、客から税を預かって納める特別徴収義務者は対象外です。
解説
全国に数えるほどしかない「市町村独自の税」には、国の税にはない落とし穴がある。熱海市の別荘等所有税、豊島区の狭小住戸集合住宅税、泉佐野市の空港連絡橋利用税などがその例だ。地方税法684条は、こうした市町村法定外普通税(地方税法に税目の定めがなく、市町村が条例で独自に作る使い道自由の税)を減免できる場面を定めている。対象は三つに限られる。天災その他特別の事情で減免が必要と認められる人、貧困のため生活保護などの扶助を受けている人、その他特別の事情がある人である。押さえるべき点は二つある。第一に、減免は市町村長が「できる」だけで、義務ではない。しかも当該市町村の条例に減免の定めがなければ、市町村長は減免したくてもできない。第二に、ただし書により、客から税を預かって納める特別徴収義務者は対象外である。だから、被災したら黙っていても税が軽くなるわけではない。条例の減免規定を確かめ、期限内に申請した人だけが減免を受けられる
法的な位置づけ
地方税法684条は市町村法定外普通税の減免を定める規定であり、市町村長は、天災その他特別の事情により減免を必要とすると認める者、貧困により生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、当該市町村の条例の定めるところにより減免することができる。特別徴収義務者は減免の対象から除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1法定外普通税とは何ですか?
地方税法に税目の定めがなく、市町村などが条例で独自に新設する使い道自由の税です。新設・変更には総務大臣との協議・同意が必要です(地方税法669条)。
Q2地方税の減免申請はいつまでにすればいい?
期限は各市町村の条例で決まり、納期限前とする例が多いです。申請前に納付すると減免を受けられないことがあるため、通知が届いたらすぐ条例を確認してください。
Q3生活保護を受けていると市町村独自税は減免できる?
地方税法684条は「公私の扶助を受ける者」を減免の対象に挙げていますが、具体的な扱いは条例しだいです。自動で免除されるわけではなく、税務課への申請が必要です。
Q4地方税の減免申請に必要な書類は?
条例・規則で定める減免申請書に加え、罹災証明書、生活保護受給証明書、被害状況の写真など、減免事由を客観的に示す書類を添付するのが一般的です。
Q5納付した後でも減免を申請できる?
多くの自治体は納期限前の申請を求めており、納付後の減免・還付は原則として期待できません。ただし扱いは条例ごとに違うため、税務課に確認してください。
Q6自分の市の独自税や減免規定はどこで確認できる?
各市町村がウェブで公開している例規集で、税目ごとの条例を開いて「減免」の条文を探します。税務課の窓口や公式サイトの税金ページでも案内されています。
Q7失業や長期入院は「特別の事情」に当たる?
条文の「その他特別の事情がある者」に含まれる可能性はありますが、該当するかは条例とその運用で決まります。条例の文言と過去の運用例を確認するのが第一歩です。
Q8東京23区の独自税にも684条は適用される?
地方税法1条2項により、市町村に関する規定は特別区に準用されます。豊島区の狭小住戸集合住宅税のような特別区の法定外普通税にも同じ枠組みが及びます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1台風で別荘が壊れたんですけど、別荘税って勝手に安くなったりしないんですか?
なりません。地方税法684条は、減免を市町村長が「できる」としているだけで、具体的な手続は条例に任されています。条例の様式で申請し、罹災証明書を添える必要があります。実務のポイント:減免の審査では、被害の程度を示す客観的な書類が決め手になります。被災直後に、片付ける前の写真を撮っておくだけで、後の証明の負担が大きく変わります
Q2旅館をやってて宿泊税を預かってるんですが、コロナみたいな時は減免してもらえますか?
まず、宿泊税の多くは法定外目的税で、本条(法定外普通税)とは別の条文が適用されます。そのうえで、法定外普通税についても、特別徴収義務者は本条ただし書で減免の対象外とされています。実務のポイント:預かった税は客のお金という扱いになるため、経営が苦しくても減免の発想自体が通りません。現実的な交渉材料は、徴収猶予や納入期限の延長が使えないかという点です
Q3減免を断られたら、もうあきらめるしかない?
減免申請の却下は行政処分(役所が個人に直接下す決定)なので、審査請求ができます(行政不服審査法18条、3か月以内)。実務のポイント:争うときに効くのは、自治体の過去の減免の運用です。同じ程度の被害で減免が認められた例があるのに自分だけ却下されたのなら、平等の観点から裁量の逸脱を主張できます。情報公開請求で、過去の減免件数や基準を取り寄せるのが第一手です
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害に遭えば税は当然軽くなる」と思われがちだが、条文は「減免することができる」と書いているだけである。市町村長の裁量に委ねられており、そもそも条例に規定がなければ減免の余地はない。被災の事実だけでは、何も始まらない
- 減免の制度があることは知っていても、申請のタイミングの重さを知らない人が多い。多くの自治体の条例や運用は、納期限前の申請を求めている。納付した後に「やっぱり減免を」と言っても、払い戻しは原則として期待できない(各市町村の条例をご確認ください)
- 「生活保護を受けているか、天災に遭ったか」の二択だと思うのは、問いの立て方がずれている。条文には「その他特別の事情がある者」という受け皿がある。失業や長期入院が当たるかどうかは、条例と運用しだいである。最初に問うべきは「自分は対象か」ではなく、「この市の条例は『特別の事情』をどう書いているか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる税 | 地方税法684条:市町村法定外普通税 | 地方税法367条:固定資産税 地方税法6条:地方税全般(課税免除・不均一課税) |
| 要件 | 天災その他特別の事情・公私の扶助・その他特別の事情がある者に限る | 684条と同じ三類型(天災等・公私の扶助・特別の事情) 公益上その他の事由により課税を不適当とする場合 |
| 性格 | 個々の納税者の事情に着目した事後的な減額・免除 | 個々の納税者の事情に着目した事後的な減額・免除 一定の対象をあらかじめ課税しない(または税率を変える)制度的措置 |
| 特別徴収義務者の扱い | ただし書で明文により除外 | 固定資産税は普通徴収のため、該当する定めなし 該当する定めなし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも直轄市・県(市)・郷(鎮、市)が自治条例で特別税課などを開徴でき、減免も各自治条例で定める。法律の枠内で自治体に課税自主権を認める構造は日本と近い
韓国は法定外税の新設余地が小さい一方、条例による地方税の減免を法律で認め、その範囲を法律で統制する
ドイツの市町村は州の自治体公課法に基づき地域的な消費税・奢侈税(別荘税 Zweitwohnungsteuer など)を課し、個別の不衡平は租税通則法の免除(Erlass)で救済する
フランスは納税者の困窮を理由とする恩恵的な減免(remise gracieuse)を税務行政の裁量として認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 熱海の別荘が豪雨による土砂で半壊した。それでも翌年度の別荘等所有税の納税通知書は普段どおり届く。条例の減免規定を読み、罹災証明書を添えて申請しない限り、税額は一円も変わらない
- 生活保護を受け始めた月に、市町村独自税の納付書が届いたらどうなる? 条文は「公私の扶助を受ける者」を減免の対象に挙げているが、自動的に免除されるわけではない。福祉事務所のケースワーカーではなく、市の税務課への申請が必要である
- あなたは客から独自税を預かって市に納める側の事業者で、売上が激減し、預かった税の納入が苦しくなった。ただし書があるので、減免の対象にはならない。預かった税は客のお金という扱いになる。行き詰まる前に、徴収猶予などの別の制度を税務課に相談する道を探るべきだ
- 減免申請を出したのに却下通知が届いた。審査請求の期限は、知った日の翌日から3か月である。机の引き出しに通知を入れたまま放っておくと、そのまま争う道がなくなる
- 知人が「被災したのに市が独自税をまけてくれない」とこぼしている。最初に確かめるべきは、その市の条例に減免規定があるかどうかだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の例規集(ウェブで公開)で、該当する税の条例を開き、減免の条文を探す2. 対象事由、申請期限、添付書類(罹災証明書、生活保護受給証明書など)を確かめる3. 納期限前に減免申請書を提出し、控えを保管する4. 却下されたら、理由を書面で確かめたうえで、3か月以内に審査請求を検討する。取消訴訟は原則として審査請求の裁決を経てからになる
訴えられた側:特別徴収義務者として市から納入を求められている事業者の場合、ただし書により減免は受けられない。1. 預かった税と自社の売上を、帳簿の上で分けて管理する2. 納入が苦しいときは、地方税法の徴収猶予などの制度が使えないか、早めに税務課に相談する3. 客から預かった税を流用すると、条例の罰則や滞納処分の対象になりうる
時効(請求できる期限):減免申請の期限は各市町村の条例で決まり、納期限前とする例が多い(各市町村の条例をご確認ください)。却下処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:減免は租税法律主義・地方税条例主義の例外にあたるため、条例に明確な根拠を要する。市町村長の判断は裁量に属するが、平等原則や条例の趣旨に照らした裁量の逸脱・濫用は違法となりうる。
特別徴収除外の趣旨:特別徴収義務者が納入する税は本来の納税者から預かった金銭であり、義務者自身の担税力を理由に減免すると預かり金の目減りを招くため、ただし書で対象から除外されていると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法の制定。市町村法定外普通税の章に、天災・公私の扶助・特別の事情を要件とする減免規定と特別徴収義務者の除外が置かれた
- 2.平成12年(2000年) 改正:地方分権一括法の施行により、法定外普通税の新設・変更が自治大臣の許可制から総務大臣との協議・同意制に移行(本条の減免規定の枠組み自体は維持)
- 地方税法 第669条法定外普通税の新設変更と総務大臣協議
- 地方税法 第671条総務大臣が同意すべき要件
- 地方税法 第6条公益等による課税免除・不均一課税
- 地方税法 第367条固定資産税の減免、同型の減免規定
- 地方税法 第19条の12審査請求前置、取消訴訟の前提
- 行政不服審査法 第18条減免却下処分への審査請求期間
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間
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