地方公務員法 第17条(任命の方法)
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- 職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる。
- 2.人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む。以下この節において同じ。)を置く地方公共団体においては、人事委員会は、前項の任命の方法のうちのいずれによるべきかについての一般的基準を定めることができる。
この条文の基本情報
任命の方法とは何ですか?
定義任命の方法とは、地方公務員法第17条に定められた規定で、「職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第17条(任命の方法)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第17条の条文原文は「職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる。」で始まります。
- 地方公務員法第17条は第二節 任用に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第17条の前の条は地方公務員法第16条です。
- 地方公務員法第17条の次の条は地方公務員法第17条の2です。
- 地方公務員法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法17条は、職員の職に欠員が生じた場合、任命権者が採用・昇任・降任・転任のいずれかの方法で職員を任命できると定め、人事委員会はその一般的基準を定めることができる。
Q · 役所で空いたポストは、どうやって埋められるの?
採用・昇任・降任・転任の四つから任命権者が選んで埋める
地方公務員法17条1項により、職員の職に欠員が生じた場合、任命権者(知事、市町村長、教育委員会など)は採用・昇任・降任・転任のいずれかの方法で職員を任命できます。どの方法を選ぶかは原則として任命権者の裁量ですが、人事委員会を置く団体では、人事委員会が一般的基準を定めることができます(同条2項)。なお、本人の意に反する降任は本条ではなく28条の分限処分として扱われ、法定の事由と処分説明書の交付が必要です。
解説
役所のポストが一つ空いたとき、その椅子を埋める道は四本しかない。外から人を迎える「採用」、一段上げる「昇任」、一段下げる「降任」、横に動かす「転任」である。地方公務員法17条は、この四つのうちどれを使うかを任命権者(知事、市町村長、教育委員会など、職員を任命する権限をもつ機関)に委ねている。見落とされがちな点が二つある。第一に、降任は罰とは限らない。本人が希望した降任は本条の任命として行える。一方、本人の意に反する降任は28条の分限処分(公務の能率を保つための身分上の措置)となり、法律が定める事由がなければできない。処分説明書の交付や審査請求の対象にもなる。同じ「降格」でも、どちらの扉から入ったかで、あなたが使える防御手段はまるで違う。第二に、四つの方法の選び方について一般的基準を定められるのは人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む)だけである。それを置かない団体では基準という外枠がなく、15条の成績主義と個々の条文だけが歯止めになる。
法的な位置づけ
地方公務員法17条は任命の方法を定める規定であり、職員の職に欠員が生じた場合に、任命権者が採用・昇任・降任・転任のいずれかの方法により職員を任命できる旨を規定する。人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む)を置く地方公共団体では、人事委員会がいずれの方法によるべきかの一般的基準を定めることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員の任命権者とは誰ですか?
職員を任命する権限をもつ機関で、知事、市町村長、議会の議長、教育委員会、選挙管理委員会などが当たります。任命権者ごとに所属職員の人事を行います(6条)。
Q2公務員の昇任と降任の違いは?
昇任は現に任命されている職より上位の職制上の段階の職に、降任は下位の段階の職に任命することです(15条の2)。どちらも17条の任命方法の一つです。
Q3公務員の転任とは何ですか?
昇任・降任に当たらない形で、他の職に任命することです(15条の2)。部署間異動や出先機関への異動が典型で、職制上の段階は変わりません。
Q4公務員 異動 拒否 できる?
転任は任命権者の裁量による任命であり、正当な理由なく拒否すれば職務命令違反として懲戒の対象となり得ます。報復目的など裁量濫用が疑われる場合は別途争う余地があります。
Q5希望降任制度とは何ですか?
職員本人の申出に基づき、下位の職に任命する仕組みです。17条の降任として行われ、分限処分や懲戒処分には当たりません。制度の有無と要件は自治体ごとに異なります。
Q6人事委員会の一般的基準とは?
欠員を採用・昇任・降任・転任のどの方法で埋めるべきかについて、人事委員会が定める一般的な基準です(17条2項)。定めるかどうかは人事委員会の判断に委ねられています。
Q7公務員の降任は違法になる?
本人の意に反する降任は、28条の分限事由(勤務実績不良、適格性欠如、廃職・過員など)がなければ違法となり得ます。審査請求や取消訴訟で争えます。
Q8公務員の昇任は年功序列ですか?
法律上は年功ではなく、人事評価その他の能力の実証に基づき、職務遂行能力と適性を有すると認められる者から行うとされています(21条の3)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1希望降任って、出世コースから完全に外れちゃうんですか?
希望降任は本人の意思に基づく任命(17条)であり、分限処分でも懲戒処分でもないため、処分歴としては残らない。制度上、再び昇任する道も閉ざされない。ただし給料の級は下がる。実務のポイント:希望降任の要綱に「一定期間は再昇任の対象としない」という条項を置いている自治体もある。申出書を出す前に要綱の再昇任条項を読むかどうかで、数年後の選択肢が変わる
Q2遠い出先機関への異動、裁判で取り消せますか?
給料や職級が変わらない転任は、不利益がないとして取消訴訟の訴えの利益が否定されやすい。同じ市内の中学校間での教員の転任について、訴えの利益を否定した最高裁判例もある(最判昭和61.10.23)。実務のポイント:勝負どころは取消ではなく、異動の目的である。内部告発や組合活動への報復が疑われる場合は、国家賠償法1条による損害賠償請求という別の道がある。ただし時系列の記録がなければ、この道は開かない
Q3うちの町には人事委員会がないけど、何か違いがあるの?
人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む)を置く団体では、任命方法の一般的基準を定めることができる(17条2項)。置かない団体にはその外枠がなく、任命権者が15条の成績主義に沿って個別に判断する。人事委員会は都道府県と指定都市では必ず置かれ、多くの市町村は公平委員会を置く(7条)。実務のポイント:小規模自治体の公平委員会は、近隣の団体と共同で設置されていることが多い。審査請求の提出先がどこか、例規集で事前に確かめておけば慌てずに済む
間違えやすい点 AI による整理
- 「人事異動は業務命令だから、どんな転任でも黙って従うしかない」と思われがちである。転任そのものは確かに争いにくい。だが、給料や職級の低下を伴う実質的な降任や、報復目的が疑われる異動は、不利益処分や裁量権の濫用として争う余地がある。判断されるのは「異動」という名札ではなく、中身である
- 「降格されたから懲戒処分を受けた」という問いの立て方そのものがずれている。懲戒処分は戒告・減給・停職・免職の四種類(29条)で、降任は含まれない。意に反する降任は懲戒ではなく分限処分(28条)であり、目的は制裁ではなく公務能率の維持とされる。どの制度で争うのかを取り違えると、主張も証拠も的外れになる
- 職員から見れば、昇任は長年の勤務へのご褒美である。だが法律から見れば、昇任は欠員を埋めるための任命方法の一つにすぎず、人事評価などに基づいて職務遂行能力と適性を判断した結果として行われる(21条の3)。昇任を順番待ちの感覚で捉え、評価面談を軽く扱う人ほど、この落差に足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 地方公務員法17条:欠員補充のための任命方法(採用・昇任・降任・転任) | 地方公務員法28条:意に反する降任・免職などの分限処分 地方公務員法21条の3:昇任の方法(能力実証に基づく選抜) |
| 本人の同意 | 不要(任命権者の裁量)。希望降任は本人申出に基づき本条で行う | 本人の意に反して行われる処分 不要。昇任試験または選考を経る |
| 法定要件 | 欠員の発生。人事委員会の一般的基準があればそれに沿う | 勤務実績不良、心身の故障、適格性欠如、廃職・過員のいずれか 人事評価等に基づき標準職務遂行能力と適性を有すること |
| 職員側の争い方 | 転任は訴えの利益が否定されやすい。裁量濫用なら国家賠償の余地 | 処分説明書(49条)を受け、人事委員会・公平委員会へ審査請求(49条の2) 昇任の不選考自体は争いにくく、評価の苦情処理制度を活用 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は中央・地方を通じて同一の公務人員法制が適用され、任用は考試及格を原則とし、陞遷は陞遷法で甄審手続が定められる。日本のように自治体ごとの人事委員会が基準を定める構造ではない
ドイツは憲法レベルで適性・能力・専門的業績による公職就任(Bestenauslese)を保障し、Länder と Kommunen の官吏に BeamtStG が適用される
米国は州・地方ごとに Civil Service Commission 等が任用基準を定める分権型で、独立人事機関が基準を定める点は日本の人事委員会と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 係長になって二年、親の介護で残業を続けられない。自分から「主任に戻してほしい」と申し出たら、懲戒のような記録が残るのだろうか? 希望降任制度を設けている自治体は多く、本人の申出による降任は17条の任命の一つとして扱われる。給料の級は下がるが、分限処分や懲戒処分の履歴にはならない(制度の有無と運用は自治体ごとに要確認)
- あなたは市の人事課長で、課長ポストが一つ空いた。庁内に適任者がいない。17条は昇任だけに縛らず、採用によって外部から埋めることも認めている。ただし採用は競争試験または選考によらなければならず(17条の2)、「知り合いの民間人をそのまま指名する」ことはできない
- 意に反する降任の辞令と処分説明書を受け取った。審査請求の期限は、処分を知った日の翌日から3か月。辞令を引き出しにしまったまま過ごす3か月が、最大の敵になる
- 同期から「本庁から遠い出先機関に飛ばされた、違法じゃないか」と LINE で相談された。転任は本条が認める任命方法の一つで、給料や職級が下がらないかぎり、原則として不利益処分としては争いにくい。ただし内部告発への報復やハラスメント目的が疑われるなら話は別で、そこまでの経緯を記録しているかどうかが分かれ目になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 辞令が採用・昇任・降任・転任のどれに当たるか、給料表の級が下がるかを確認する2. 意に反する降任であれば処分説明書(49条)を受け取る。交付がなければ請求する3. 人事委員会または公平委員会に審査請求を行う(49条の2)。取消訴訟は原則として裁決を経てから提起する(51条の2) 4. 報復や嫌がらせが疑われる転任では、上司とのやり取りをメールや日付入りのメモで残し、職員団体や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 本人の希望による降任であれば、申出を書面で受け取り、任意であったことを記録に残す2. 意に反する降任は、28条の事由(勤務実績不良、適格性欠如、職制の改廃など)を人事評価などの客観的資料で裏付け、処分説明書を交付する3. 人事委員会の一般的基準がある団体では、その基準と矛盾しないかを事前に確認する4. 転任で人員を調整する場合も、目的と必要性を起案文書に残し、報復人事と疑われる余地をなくしておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。意に反する降任などの不利益処分を争う審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に行う必要がある(49条の3)。裁決後の取消訴訟は、裁決を知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:17条の任命方法の選択は原則として任命権者の裁量に属する。ただし15条の成績主義、21条の3以下の昇任・転任の要件、28条の分限事由による制約を受け、裁量の逸脱・濫用があれば違法となる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(平成28年(2016年)4月1日施行) 能力・実績に基づく人事管理を導入した改正に伴い、任命方法の定義規定(15条の2)が設けられ、採用の方法などが17条の2以下に整理されたとされる。本条の文言変更の詳細は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定により、任命の方法に関する規定として設けられた
- 2.平成26年(2014年) 改正:能力・実績に基づく人事管理の導入に伴い、任命方法の定義(15条の2)が新設され、採用の方法などが17条の2以下に整理された(平成28年4月1日施行。本条文言の変更詳細は要検証)
- 地方公務員法 第15条任用の根本基準、能力実証主義
- 地方公務員法 第15条の2採用・昇任・降任・転任の定義
- 地方公務員法 第17条の2採用は競争試験または選考による
- 地方公務員法 第21条の3昇任の方法、能力と適性の判断
- 地方公務員法 第28条意に反する降任の分限事由
- 教育公務員特例法 第11条教員の採用・昇任は選考による特則
- 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第37条県費負担教職員の任命権の特則
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