地方公務員法 第18条の3(受験の阻害及び情報提供の禁止)
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試験機関に属する者その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別若しくは秘密の情報を提供してはならない。
この条文の基本情報
受験の阻害及び情報提供の禁止とは何ですか?
定義受験の阻害及び情報提供の禁止とは、地方公務員法第18条の3に定められた規定で、「試験機関に属する者その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別若しくは秘密の情報を提供してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第18条の3(受験の阻害及び情報提供の禁止)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第18条の3の条文原文は「試験機関に属する者その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別若しくは秘密の情報を提供してはならない。」で始まります。
- 地方公務員法第18条の3は第二節 任用に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第18条の3の前の条は地方公務員法第18条の2です。
- 地方公務員法第18条の3の次の条は地方公務員法第19条です。
- 地方公務員法第18条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第18条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第18条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/18_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法18条の3は、試験機関の者その他職員が、受験を妨げ又は不当に影響させる目的で特別・秘密の情報を提供することを禁じる。違反は61条で処罰対象となる。
Q · 役所の職員が知り合いの受験者に面接のヒントを教えたら違法になるの?
目的次第で違反。担当部署外の職員も対象になりうる
地方公務員法18条の3は、試験機関に属する者だけでなく「その他職員」全般に対し、受験を阻害し又は受験に不当な影響を与える目的で、特別若しくは秘密の情報を提供することを禁じています。募集要項や説明会資料などの公開情報を伝えるだけなら通常は該当しませんが、評価項目や面接の内部情報を有利にさせる目的で渡せば違反となり、61条の刑事罰と懲戒処分の対象になりえます。
解説
公務員試験の問題が漏れる事件で罰せられるのは、漏らした側である。地方公務員法18条の3は、試験機関に属する者だけでなく「その他職員」、つまり試験と無関係な部署の職員にも、受験を妨げる行為と、受験に不当な影響を与える目的で特別な情報や秘密の情報を渡す行為を禁じている。役所の総務課にいる叔父が、親戚の子に「今年の面接ではこれを聞かれるらしい」と耳打ちする。善意の世話焼きのつもりでも、目的次第で本条違反になり、61条の罰則(3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)と懲戒処分(公務員としての制裁、免職を含む)の対象になりうる。本条が守ろうとしているのは個々の受験者だけではない。試験で能力を確かめて採用するという仕組みそのもの(成績主義)である。コネで一人が合格すれば、その裏で誰か一人が落ちている。あなたが受験者なら不自然な合格に疑問を持つ根拠になり、職員ならどこまで話してよいかを判断する基準になる。
法的な位置づけ
地方公務員法第18条の3は、地方公務員の採用試験等の公正を確保するための禁止規定であり、試験機関に属する者その他の職員が、受験を阻害し又は受験に不当な影響を与える目的をもって、特別若しくは秘密の情報を提供する行為を禁止する。能力の実証に基づく任用(成績主義、同法15条)を担保する規定と位置づけられる。
手順
- 1.自分の得点・順位を確認する 不合格に疑問がある場合、まず自治体の簡易開示制度を使い、自分の得点・順位を確認する。多くの自治体は合格発表後の一定期間に限って受け付けているため、募集要項で期限を確認する
- 2.評価記録の開示請求を行う 得点に不自然な点があれば、個人情報保護法に基づく開示請求で面接評価票などの記録を求める。黒塗り部分があっても、評価項目数や点数の分布を確認する
- 3.漏えいの証拠を日付入りで保全する LINE のスクリーンショット、関係者の証言メモ、受験会場での見聞などを、日付・時刻・入手経路とともに記録する。改変を疑われないよう、原本データは消さずに保管する
- 4.人事委員会・公益通報窓口に通報する 保全した証拠を添えて、人事委員会、自治体の監察部門、公益通報窓口のいずれかに通報する。損害賠償を検討する場合は、国家賠償法に基づく請求の見通しを弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法18条の3とは?
地方公務員の採用試験の公正を守るため、職員が受験を妨げたり、不当な影響を与える目的で秘密情報を提供したりすることを禁じる規定です。
Q2公務員試験の情報漏えいの罰則は?
地方公務員法61条により、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象となりえます。刑罰とは別に、免職を含む懲戒処分も科されえます。
Q3「特別若しくは秘密の情報」とはどんな情報?
一般の受験者が入手できない情報です。試験問題に限らず、面接の評価項目、面接官の人選、合格ラインなどの内部情報も含まれうると解されています。
Q4「受験を阻害する」とは具体的に何?
受験申込みを妨げる、試験日時や会場を偽って伝える、受験を断念させるよう圧力をかけるなど、受験の機会そのものを妨げる行為が想定されます。
Q5試験機関に属する者とは誰のこと?
人事委員会・公平委員会など採用試験を実施する機関の委員や職員、試験委員などです。ただし本条は「その他職員」も対象に含めています。
Q6会計年度任用職員も対象になる?
会計年度任用職員は一般職の地方公務員であり、地方公務員法が適用されます。したがって本条の「職員」に含まれ、禁止の対象となりえます。
Q7採用試験の不正はどこに通報できる?
自治体の人事委員会、監察・コンプライアンス部門、公益通報窓口が主な窓口です。刑事事件として扱うべき場合は警察への相談も選択肢です。
Q8試験情報漏えいの公訴時効は何年?
61条の罪は法定刑の上限が3年のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。懲戒処分には法律上の時効がありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所に勤めてる叔父に面接の雰囲気を聞いたら、叔父が捕まったりしますか?
雰囲気や一般的な心構えなら、通常は本条違反にならない。問題になるのは、受験に不当な影響を与える目的で特別な情報や秘密の情報を渡した場合である(地方公務員法18条の3、61条)。実務のポイント:線引きの目安は「説明会で全受験者に言える内容かどうか」。評価項目や面接官の個人情報に踏み込むと、叔父の懲戒リスクが一気に上がる
Q2受験者の自分も罰せられるんですか?
本条の名宛人は「試験機関に属する者その他職員」なので、情報を受け取っただけの受験者は本条では処罰されない。ただし、職員に働きかけて情報を出させた場合は共犯の問題が生じうるし、賄賂を渡せば贈賄罪(刑法198条)になる。実務のポイント:処罰されなくても、不正が発覚すれば採用取消しを争う立場になる。捕まらないことと合格が守られることは別の問題である
Q3不合格の理由を知りたい。役所は教えてくれる?
多くの自治体は受験者本人に得点や順位を簡易開示しており、個人情報保護法に基づく開示請求で評価記録を求めることもできる。本条の違反を疑うなら、ここが唯一の客観的な入口になる。実務のポイント:面接評価票は一部黒塗りになることが多い。それでも評価の項目数や点数の分布は見える場合があり、他の開示結果と比べると不自然さが浮かぶことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 問題を漏らさなければ大丈夫だと考えがちだが、禁じられているのは試験問題の漏えいだけではない。面接官の人選、評価項目、合格ラインの内部情報など、一般の受験者が手にできない情報は広く「特別若しくは秘密の情報」に当たりうる。問題文を渡したかどうかではなく、他の受験者より有利になる情報を渡したかどうかで判断される
- 試験の担当部署でなければ関係ないと思われがちだが、条文ははっきり「その他職員」と書いている。水道局の職員でも清掃事務所の職員でも、どこかで情報を得て受験者に流せば対象になる。部署の壁は免罪符にならない
- 受験者の視点では「親切な先輩からのアドバイス」でも、法律は不公正な競争の起点として見る。本条違反とされるのは情報を出した職員だが、不正によって得た合格は、採用の取消しや任用の効力が争われる形で受験者本人にも跳ね返ることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 18条の3:試験機関に属する者その他職員 | 34条:職員(退職後も含む) |
| 禁止される行為 | 受験の阻害、特別若しくは秘密の情報の提供 | 職務上知り得た秘密を漏らすこと全般 |
| 目的要件 | 受験を阻害し、又は不当な影響を与える目的が必要 | 目的を問わず、秘密を漏らせば該当 |
| 罰則 | 61条:3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 60条:1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では試験業務従事者の秘密保持を典試法で定め、試題の漏えいは刑法の公務員洩密罪で処罰されうる。目的要件を置く日本の本条とは構造が異なる
韓国も公務員法に試験・任用の妨害行為禁止規定を置き、成績主義の担保という趣旨は日本と共通する
中国は2015年の刑法改正で国家試験の試題・答案の不正提供を独立の犯罪とした。公務員採用試験も対象に含まれる
米国連邦法は、競争採用に参加する権利を欺罔や妨害で侵害することを禁止人事行為として定める。メリットシステム保護の発想は日本の本条の源流に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市役所の人事課に勤める親戚から「面接官は去年と同じ人だから、この話題を出すとウケる」と LINE が来た。受け取った受験者本人は本条の処罰対象ではない。ただ、そのやり取りは送った職員にとって、違反の目的を示す証拠そのものになる
- 教員採用試験の二次で、同じ塾出身の受験者たちだけが模範解答のような答えをそろえていたら、どうなる? 偶然なのか漏えいなのかは本条の「特別若しくは秘密の情報」に当たるかどうかで分かれる。情報公開請求で採点記録を取り寄せるのが、疑いを確かめる第一歩になる
- あなたは試験問題の作成委員に選ばれた係長である。自宅で問題案を印刷し、高校生の子が同じ年に受験する。「見られていない」と言い切れるかどうかが、あなたの職業人生を左右する
- 議員の後援者から「うちの息子を頼む」と頼まれた幹部職員が、面接評価の一部を書き換えた。情報提供ではなく受験の阻害や不当な影響に当たる類型で、贈収賄が絡めば刑法の問題にも広がる。2008年に発覚した大分県の教員採用試験汚職は、採用取消しにまで至った
- 合格発表まであと2週間。職場の飲み会で「今年の面接の評価表ってこんな項目だよ」と話してしまった翌朝、同僚の一人が受験生の親だったと知った。話した目的が何だったのかが、これから問われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不合格の場合は、自治体の簡易開示制度などで自分の得点・順位を確認する2. 不自然な点があれば、個人情報保護法に基づいて評価記録の開示請求を行う3. 漏えいの具体的な情報(LINE、証言)があれば日付入りで保存し、人事委員会、自治体の監察部門、公益通報窓口に通報する4. 損害賠償を求めるなら、国家賠償法1条による請求を弁護士と検討する(因果関係の立証が壁になる)
訴えられた側:1. 渡した情報が公開済みだったか(募集要項、過去問公開、説明会資料)を洗い出す。公開情報なら「特別若しくは秘密の情報」に当たらない余地がある2. 本条は目的犯なので、受験を妨げたり不当に影響を与えたりする目的がなかったことを、経緯で具体的に示す3. 懲戒の調査と刑事の捜査は別の手続なので、供述の前に弁護士に相談する4. 事実関係を早期に報告するかどうかは、処分の重さに影響しうる
時効(請求できる期限):61条の罪(法定刑の上限が3年)の公訴時効は、違反行為から3年(刑事訴訟法250条2項6号)。懲戒処分には法律上の時効がない。受験者の国家賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(国家賠償法4条、民法724条)
学説
通説:本条は目的犯であり、受験を阻害し又は不当な影響を与える目的がなければ成立しない。公開済みの情報や一般的な助言は「特別若しくは秘密の情報」に当たらず、日常的な交流や採用説明会は許容されると解される
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