地方公務員法 第61条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 一第五十条第一項に規定する権限の行使に関し、第八条第六項の規定により人事委員会若しくは公平委員会から証人として喚問を受け、正当な理由がなくてこれに応ぜず、若しくは虚偽の陳述をした者又は同項の規定により人事委員会若しくは公平委員会から書類若しくはその写の提出を求められ、正当な理由がなくてこれに応ぜず、若しくは虚偽の事項を記載した書類若しくはその写を提出した者
- 二第十五条の規定に違反して任用した者
- 三第十八条の三(第二十一条の四第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して受験を阻害し、又は情報を提供した者
- 四何人たるを問わず、第三十七条第一項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、唆し、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者
- 五第四十六条の規定による勤務条件に関する措置の要求の申出を故意に妨げた者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第61条は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第61条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 地方公務員法第61条は第五章 罰則に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第61条の前の条は地方公務員法第60条です。
- 地方公務員法第61条の次の条は地方公務員法第62条です。
- 地方公務員法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法61条は、違法な争議行為のあおり・唆し、15条違反の任用、試験情報の漏洩などを3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金で処罰する。
Q · 公務員がストに参加したら、逮捕されて刑事罰を受けるの?
参加だけなら刑事罰なし。あおった側は処罰対象
地方公務員法61条4号が処罰するのは、違法な争議行為の遂行を共謀し、唆し、あおり、又は企てた者です。ストに参加しただけの職員は本条の刑事罰の対象ではなく、懲戒処分の問題になります(37条2項)。ただし「何人たるを問わず」とあるため、呼びかけた側は公務員でなくても対象になりえます。刑は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
解説
「公務員のストは違法」ということまでは多くの人が知っている。だが、どこから刑事事件になるのかを知る人は少ない。地方公務員法61条は、ストに参加しただけの職員を罰していない。罰するのは、違法な争議行為を共謀し、唆し、あおり、企てた者である。しかも「何人たるを問わず」とあるので、公務員ではない上部団体の役員や外部の活動家も対象になる。同じ条文には、ほかに四つの行為が並ぶ。縁故を優先して採用した任命権者、採用試験の情報を漏らした職員、審査請求の場で人事委員会に嘘をついた証人、措置要求を握りつぶそうとした上司である。五つに共通するのは、公務員制度の公正さを支える仕組みそのものを壊す行為だという点だ。刑は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金で、守秘義務違反(60条、1年以下)より重い。ストの参加者は懲戒の問題、呼びかけ役は刑事の問題になる。その線がどこにあるかを知っていれば、あなたは自分の立ち位置を選べる。
法的な位置づけ
地方公務員法61条は、地方公務員制度の公正を支える五つの仕組みを刑罰で保護する罰則規定である。人事委員会・公平委員会の審査における証言・書類提出義務違反、成績主義に反する任用、採用試験の阻害・情報提供、違法な争議行為の共謀・唆し・あおり・企て、勤務条件に関する措置要求の妨害を、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
よくある質問 AI による整理
Q1地方公務員法61条とは何ですか?
地方公務員制度の公正を守るための罰則規定です。争議のあおり、縁故任用、試験情報の漏洩、審査での虚偽陳述、措置要求の妨害の5類型を処罰します。
Q2地方公務員法61条の罰則はどれくらい重い?
3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。守秘義務違反を定める60条(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)より重く設定されています。
Q3公務員のストは違法?
地方公務員法37条1項により、地方公務員の争議行為は禁止されています。参加者は懲戒処分の対象となり、あおった者などは61条4号で刑事罰の対象になります。
Q4縁故採用は犯罪になる?
15条(任用の根本基準)に違反して任用した者は61条2号で処罰されえます。金銭の授受がなく贈収賄が成立しない場合でも、任用自体が独立した犯罪になりえます。
Q5採用試験の問題を漏らしたらどうなる?
18条の3に違反して受験を阻害し又は情報を提供した者は、61条3号により3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象となります。
Q6公平委員会の証人喚問を断るとどうなる?
正当な理由なく出頭しない場合や虚偽の陳述をした場合、61条1号の犯罪になります。書類提出を拒んだり虚偽の書類を出した場合も同様です。
Q7地方公務員法61条の公訴時効はいつまで?
長期5年未満の拘禁刑に当たる罪として公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q8公務員でない人も地方公務員法61条で処罰される?
4号は「何人たるを問わず」と定めているため、組合上部団体の役員や外部の活動家など、公務員でない者も争議のあおり等で処罰対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1組合の集会で「ストやろう」って言っただけで捕まるんですか?
発言の中身と勢いしだいである。61条4号の「あおり」は、違法な争議行為を実行させる目的で、実行の決意を生じさせたり強めたりする勢いのある刺激を与えることと解されている。雑談の中での賛否の表明まで当然に含まれるわけではない。実務のポイント:近年の立件例は多くなく、現実のリスクは懲戒処分と人事上の扱いにある。それでも、組合として出す文面は一度弁護士に通すのが現場の知恵である
Q2町長の知り合いの子が不自然に採用されたんですが、罰せられるのは誰ですか?
61条2号で罰せられるのは「15条に違反して任用した者」であり、町職員の任命権者である町長自身が主体になりうる。任用を命じたりそそのかしたりした者も62条で同じ刑に問われうる。採用された本人は原則として主体にならない。実務のポイント:金銭の授受がなければ贈収賄は成立しないが、任用そのものは独立して処罰されうる。立証の中心になるのは、採点表の改ざん履歴と面接評定票の差し替え記録である
Q3措置要求って本当に意味あるんですか?上司が怖くて出せません
措置要求(46条)は、給与や勤務時間などの勤務条件について、職員が人事委員会又は公平委員会に直接求める制度であり、上司の決裁は要らない。申出を故意に妨げた者は61条5号で処罰対象になる。実務のポイント:委員会の判定に不服がある場合、判定そのものを取消訴訟で争えるとした最高裁判例がある(最判昭和36.3.28)。言いっぱなしで終わる制度ではなく、司法につながる入口として作られている
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員がストをしたら逮捕されるのか」という問いの立て方がずれている。61条4号が罰するのは共謀・唆し・あおり・企てであり、ストに加わっただけの職員は刑事罰の対象ではない。参加者を待っているのは懲戒処分であり、37条2項により任命上・雇用上の権利を盾に対抗することもできない。刑事と懲戒の二本の線を混同すると、警戒すべき場所を見誤る
- 縁故採用は「道義的にまずい」程度の話だと思われがちだ。だが15条に違反した任用は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金で、守秘義務違反(60条、1年以下)より重い。法律は、採用のゆがみを秘密漏洩より重大な罪として扱っている。金銭のやり取りがなく贈収賄が成立しない場合でも、任用そのものが独立した犯罪になりうる
- 組合員から見れば「あおり」は熱のこもった呼びかけにすぎない。だが刑事法から見た射程は、それよりはるかに広い。最高裁は、処罰対象を違法性の強い争議や態様に限る「二重のしぼり」論を退けた(国家公務員について全農林警職法事件 最大判昭和48.4.25、地方公務員について岩手県教組学力テスト事件 最大判昭和51.5.21)。学説の批判は今も強いが、判例の立場は変わっていない。現場の感覚と判例の射程の間にあるこの溝が、呼びかけ役を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 61条:争議のあおり等、15条違反の任用、試験情報提供、審査での虚偽陳述、措置要求妨害 | 60条:守秘義務違反など 62条:61条1〜3号・5号の行為の企て・命令・容認・そそのかし・ほう助 |
| 法定刑 | 3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 各号の刑(61条と同じ刑) |
| 争議行為との関係 | 4号で共謀・唆し・あおり・企てを処罰(参加者は対象外) | 直接の関係なし 4号は対象外(4号自体が企てを含む) |
| 主体 | 4号は「何人たるを問わず」で公務員以外も含む | 原則として職員又は職員であった者 指示・関与した上司や第三者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務人員協会による罷工の発起・主催・参加を禁止する。日本のようなあおり行為への刑事罰という構造ではなく、行政上の規律が中心
韓国も地方公務員の集団行為を禁止し、違反に罰則を置く。日本と同様、公務員の争議に刑事罰を伴う類型
ドイツは官吏(Beamte)のスト禁止を憲法上の伝統的原則から導くが、担保は懲戒であり刑事罰ではない。職員(Angestellte)にはスト権がある
米国連邦職員はスト参加自体が刑事罰の対象となりうる点で日本より厳しい。州公務員の扱いは州法により異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは町役場の人事課長である。最終合格発表まであと3日というとき、町長から「後援会長の孫だから面接点を上げておけ」と言われた。点数を書き換えて採用すれば、能力の実証に基づかない任用(15条違反)として61条2号の射程に入る。命じた側も62条で同じ刑に問われうる。断ったという記録を、今日のうちにメールで残すべきだ。
- 組合青年部の LINE グループに「来週は全員一斉に年休を取って窓口を閉めよう」と流したら、どうなる? 一斉休暇闘争は争議行為と評価されうる。参加した職員は懲戒処分の対象になり、呼びかけ文を作って拡散した側は61条4号の「あおり」を問われうる。送信ボタンの前と後で、あなたの立場は大きく変わる。
- 採用試験の出題委員を務める職員が、塾講師の友人に「今年は地方財政が出る」と漏らした。18条の3違反の情報提供であり、3年以下の拘禁刑の対象になる。
- 人手不足で勤務時間が膨らみ続けるので、人事委員会に措置要求を出そうとした。すると課長に「出したら来年の異動は覚悟しておけ」と言われた。申出を故意に妨げた者として、この課長は61条5号の対象になりうる。発言の録音があるかどうかで、その後の展開は変わる。
- 懲戒免職の取消しを求めて同僚が公平委員会に審査請求をした。証人として呼ばれたあなたは、元上司をかばって「その日の指示は聞いていない」と答えるつもりでいる。正当な理由なく出頭しないことも、虚偽の陳述をすることも、どちらも61条1号の犯罪になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 措置要求の妨害や不正な任用の指示を受けたら、日時・発言・同席者をその日のうちに記録する。録音やメールがあればなお良い2. 措置要求は職場を通さず、人事委員会又は公平委員会へ直接出せる3. 犯罪にあたると考えれば告発できる。公務員には職務上知った犯罪について告発する義務がある(刑事訴訟法239条2項) 4. 報復的な不利益処分を受けたら、期限内に審査請求をする(49条の2、49条の3)
訴えられた側:1. 争議関係なら、自分の行為が「参加」なのか「共謀・唆し・あおり・企て」なのかを弁護士と切り分ける。参加だけなら刑事罰の対象外である2. あおりに当たるかどうかは文書や発言の内容・影響力で争われるので、配布物や投稿は消さずに保全し、文脈ごと示す3. 任用や試験が問題なら、上司の指示の記録を早めに提出し、自分が主体的に関与したのではないことを組み立てる4. 並行して出される懲戒処分には、刑事手続とは別に審査請求で対抗する
時効(請求できる期限):61条の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑に当たる罪)で、犯罪行為が終わった時から起算する(同法253条1項)。関連する不利益処分への審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(地方公務員法49条の3)
学説
判例(合憲・非限定説):公務員の地位の特殊性と職務の公共性、人事委員会制度などの代償措置の存在を根拠に、争議行為の一律禁止とあおり等の処罰を合憲とし、処罰範囲の限定解釈を採らない
学説(限定解釈説・違憲論):憲法28条の労働基本権保障との関係で、処罰対象は違法性の強い争議の、さらに違法性の強いあおり行為に限るべきとする見解。一律処罰は過度に広範であるとの批判が根強い
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(平成28年(2016年)4月施行) 人事評価制度の導入に伴い、任用の根本基準(15条)に人事評価が加わった。あわせて本条の罰金額や引用条項が改正されたとみられるが、具体的な改正内容は要確認
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う整理で、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定とともに罰則として設けられた。政令201号以来の公務員争議行為禁止を刑罰で担保
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 地方公務員法 第37条争議行為等の禁止、4号の前提
- 地方公務員法 第46条勤務条件に関する措置要求、5号の保護対象
- 地方公務員法 第15条任用の根本基準、2号の前提
- 地方公務員法 第62条1-3号・5号の企て・命令・ほう助等の処罰
- 地方公務員法 第60条守秘義務違反等の軽い罰則との対比
- 国家公務員法 第110条国家公務員の争議あおり等の同種罰則
- 地方公営企業等の労働関係に関する法律 第11条企業職員の争議禁止、刑罰規定なし(現行効力を要確認)
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