地方公務員法 第21条(採用候補者名簿の作成及びこれによる採用)
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- 人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用については、人事委員会は、試験ごとに採用候補者名簿を作成するものとする。
- 2.採用候補者名簿には、採用試験において合格点以上を得た者の氏名及び得点を記載するものとする。
- 3.採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、人事委員会の提示する当該名簿に記載された者の中から行うものとする。
- 4.採用候補者名簿に記載された者の数が採用すべき者の数よりも少ない場合その他の人事委員会規則で定める場合には、人事委員会は、他の最も適当な採用候補者名簿に記載された者を加えて提示することを妨げない。
- 5.前各項に定めるものを除くほか、採用候補者名簿の作成及びこれによる採用の方法に関し必要な事項は、人事委員会規則で定めなければならない。
この条文の基本情報
採用候補者名簿の作成及びこれによる採用とは何ですか?
定義採用候補者名簿の作成及びこれによる採用とは、地方公務員法第21条に定められた規定で、「人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用については、人事委員会は、試験ごとに採用候補者名簿を作成するものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方公務員法第21条(採用候補者名簿の作成及びこれによる採用)は、日本の地方公務員法に含まれる条文です。
- 地方公務員法第21条の条文原文は「人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用については、人事委員会は、試験ごとに採用候補者名簿を作成するものとする。」で始まります。
- 地方公務員法第21条は第二節 任用に置かれています。
- 地方公務員法の公布日は昭和25年12月13日です。
- 地方公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 地方公務員法第21条の前の条は地方公務員法第20条です。
- 地方公務員法第21条の次の条は地方公務員法第21条の2です。
- 地方公務員法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261 - 本サイト収録
地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000261/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方公務員法21条は、人事委員会が試験ごとに合格点以上の者の氏名と得点を記載した採用候補者名簿を作り、任命権者がその中から採用すると定める。全員採用の義務はない。
Q · 公務員試験に最終合格したら、必ず採用されるの?
必ずではない。名簿に載った中から任命権者が選ぶ
地方公務員法21条により、人事委員会を置く自治体の採用試験では、合格点以上の者の氏名と得点が採用候補者名簿に記載され、任命権者は人事委員会が提示する名簿の中から採用者を選びます。全員の採用や得点順の採用を義務付ける規定はなく、名簿には人事委員会規則で定める有効期間があります。期間内に採用されなければ名簿記載の効果は失われます。
解説
合格通知が約束しているのは「採用」ではない。約束しているのは「名簿に名前と点数が載った」ことだけである。地方公務員法21条は、人事委員会を置く地方公共団体(都道府県、政令指定都市など)の採用試験について定めている。合格者は採用候補者名簿に記載され、任命権者(知事や教育委員会など、実際に人を採用する権限を持つ機関)が、人事委員会から提示された名簿の中から採用者を選ぶ。見落とされがちなのは、名簿が「採用してよい人のリスト」であって「採用しなければならない人のリスト」ではない点だ。名簿には得点も記載されるが、高い点数の順に採用する義務は条文のどこにもない。名簿には人事委員会規則で定める有効期間があり、その間に声がかからなければ名簿に載った効果は消える。一方で、辞退者が出れば名簿から繰り上げで連絡が来ることもある。合格発表の日に浮かれて民間企業の内定を全部断る前に、この仕組みを知っているかどうかで春の過ごし方が変わる。なお、人事委員会を置かない市町村の多くには、本条の名簿制度はそのままでは適用されない。
法的な位置づけ
地方公務員法21条は、人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用手続を定める規定である。人事委員会は試験ごとに合格点以上の者の氏名と得点を記載した採用候補者名簿を作成し、任命権者は提示された名簿の記載者の中から採用を行う。名簿の作成と採用方法の細目は人事委員会規則に委ねられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.名簿の条件を確認する 最終合格の通知を受けたら、試験案内と人事委員会規則で、名簿の有効期間、採用予定数、名簿が任命権者に提示される時期を確認する
- 2.採用実績と自分の位置を把握する 合格者数、採用予定数、過去の名簿からの採用実績を比べ、必要なら得点・順位の開示を請求して、採用見込みを数字で把握する
- 3.他の選択肢を維持したまま待つ 採用の見込みがはっきりするまで、民間企業などの内定を安易に辞退せず、人事委員会と任命権者に採用希望の意思と確実な連絡先を伝えておく
- 4.連絡がなければ問い合わせて記録する 有効期間の終わりが近づいても連絡がない場合、人事委員会と任命権者の人事担当に採用見込みと繰り上げの可能性を問い合わせ、日時と回答内容を記録に残す
- 5.損害が生じたら専門家に相談する 採用内定を一方的に取り消され、他の内定辞退などの具体的な損害が出た場合は、国家賠償請求の可否について弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1採用候補者名簿とは何ですか?
採用試験で合格点以上を得た人の氏名と得点を載せた名簿です。地方公務員法21条に基づき人事委員会が試験ごとに作成し、任命権者はこの中から採用します。
Q2採用候補者名簿の有効期間はいつまで?
条文には期間の定めがなく、各自治体の人事委員会規則で定められます。1年とする例が多く、期間を過ぎると名簿に載った効果は失われます。
Q3公務員試験 合格しても採用されないことはある?
あります。任命権者は名簿の中から選ぶだけで、全員を採用する義務はありません。採用予定数に達すれば、名簿に残ったまま期限を迎えることもあります。
Q4公務員試験の順位は採用に関係ある?
名簿には得点が記載され、実務では順位を重視する自治体が多いです。ただし高点順に採用する義務は条文になく、順位はあくまで判断材料の一つです。
Q5公務員試験 繰り上げ合格 連絡はいつ来る?
辞退者が出た時点で名簿から連絡が来ることがあります。国家公務員や他自治体の採用が確定する時期に辞退が出やすく、名簿の有効期間内に限られます。
Q6受けていない区分から採用の連絡が来るのはなぜ?
名簿の人数が採用予定数より少ない場合などに、人事委員会が他の最も適当な名簿の記載者を加えて提示できるためです(21条4項)。
Q7人事委員会がない市町村の採用はどうなる?
本条は人事委員会を置く団体の規定です。人事委員会を置かない市町村では、公平委員会や任命権者が試験を実施し、名簿制度はそのままでは適用されません。
Q8公務員試験の得点は開示請求できる?
名簿に得点が記載されるため、個人情報保護法に基づく開示請求や自治体の成績開示制度で確認できる場合があります。手続は自治体ごとに確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最終合格したのに採用されないことって、本当にあるんですか?
ある。21条3項は、任命権者が名簿に記載された者の中から採用すると定めているだけで、全員の採用を義務付けてはいない。名簿の有効期間(人事委員会規則で定める)内に採用されなければ、名簿の効果は切れる。実務のポイント:自治体は辞退者を見込んで、採用予定数より多めに合格者を出すことがある。合格者数、採用予定数、過去の採用実績の三つを比べれば、自分の順位がどれだけ安全かをおおよそ読める
Q2内定を取り消されたら、裁判で争えますか?
取消訴訟で争うのは難しい。最判昭和57.5.27は、東京都の職員採用内定の通知について、採用発令の準備として行われる事実上の行為であり、行政処分ではないと判断した。争うとすれば、国家賠償法1条に基づく損害賠償が中心になる。実務のポイント:賠償の対象は、内定を信じてほかの内定を断ったことによる損害など、信頼を裏切られたことによる損害が中心で、認められるかどうかは事案ごとに分かれる。辞退メールや転居の契約書など、内定を信じて行動した証拠を残しておくことが、後で効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「最終合格=採用確定」と思われがちだが、法的には名簿に記載されたにすぎない。任命権者は名簿の中から選ぶのであって、全員を採用する義務はない。民間企業の内定と同じ感覚でほかの選択肢を捨てると、行き場を失いかねない
- 受験者から見れば、得点は順位表であり、上から順に呼ばれるものに見える。だが法律から見れば、得点は任命権者が判断する材料の一つにすぎず、高点順に採用する義務は条文にない。実務では順位を重視する自治体が多いものの、それは運用であって受験者の権利ではない。この落差があるから、上位で合格したのに連絡が来ないという事態が起こりうる
- 「不採用処分を取り消させたい」という発想そのものが、つまずきの元になる。最高裁は、職員の採用内定の通知は行政処分(役所が個人に直接下す、法的効果を持つ決定)にあたらないと判断している(最判昭和57.5.27)。取消訴訟ではそもそも争えないため、国家賠償など別の手段を検討することになる。その成否は事案ごとに分かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 21条:試験合格後、名簿作成から採用者の選択まで | 17条の2:採用を競争試験によるか選考によるかの方法 22条:採用後の条件付採用期間 |
| 主な判断主体 | 人事委員会が名簿を作成・提示し、任命権者が選ぶ | 人事委員会(または任命権者)が採用方法を定める 任命権者が勤務成績により正式採用を判断 |
| 受験者・職員の地位 | 名簿記載者は採用候補にすぎず、採用請求権はない | 試験・選考の対象者 職員だが身分保障が限定された条件付採用職員 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では高等考試・普通考試の及格者が訓練を経て分発される仕組みで、原則として任用に結び付く点が日本の名簿制度より強い。
韓国も合格者を採用候補者名簿に登載し、有効期間内に任用する構造で、日本と近い。
ドイツは統一的な名簿制度ではなく、ポストごとの公募と Bestenauslese(最適者選抜)原則で選考する。
米国連邦ではかつて上位3名から選ぶ rule of three が採られ、名簿から選ぶ裁量の幅を法定していた。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県庁の上級試験に最終合格した。ところが3月になっても採用の連絡がない。問い合わせると「今年度は採用予定数に達した」と言われた。名簿に載っていても、採用を求める権利は生まれない。名簿の有効期間が切れるまで、もう数週間しかない。人事委員会と任命権者の両方に、採用の見込みと繰り上げの可能性を今すぐ確認し、回答を記録に残す必要がある
- もしあなたが市の人事課の担当者で、名簿3位の受験者を飛ばして8位の受験者を採用したら、違法になるのか? 条文上、任命権者には名簿の中から選ぶ裁量がある。ただし、縁故や性別を理由にした恣意的な飛ばしは、平等取扱いの原則(13条)や能力の実証(15条)に反し、それ自体が違法の火種になる
- 技術職の合格者が採用予定数に足りない。この場合、人事委員会は別の区分の名簿からも候補者を加えて提示できる(21条4項)。受けていない区分から声がかかるのは、この規定があるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 合格通知とあわせて、名簿の有効期間、採用予定数、名簿が提示される時期を、試験案内や人事委員会規則で確認する2. 連絡がないまま時間が過ぎたら、人事委員会と任命権者の人事担当に採用の見込みを問い合わせ、回答を記録する3. 自分の得点や順位は、個人情報保護法に基づく開示請求や自治体の成績開示制度で確認する4. 採用の見込みがはっきりするまで、ほかの内定を安易に手放さない5. 内定を一方的に取り消されて具体的な損害が出た場合は、国家賠償を請求できるかどうか弁護士に相談する
訴えられた側:1. 名簿から誰を選んだか、その理由を、能力の実証(15条)と平等取扱い(13条)に照らして説明できる形で記録する2. 縁故、性別、思想信条など、試験と無関係な理由で順位を飛ばさない3. 名簿の人数が足りないときは、21条4項と人事委員会規則に沿って他の名簿から提示を受け、手続の根拠を残す4. 内定の通知には、辞令までの見通しと取消の可能性を明記し、受験者に過大な期待を抱かせない
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。名簿の有効期間は人事委員会規則で定められ、1年とする例が多い。期間が過ぎれば、名簿に載った効果は失われる。採用内定の取消などによる損害賠償の請求権は、国家賠償法4条により民法724条が適用され、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:名簿記載は採用の資格を与えるにとどまり、記載者に採用を求める権利は生じない。任命権者には名簿内での選択裁量があるが、平等取扱い(13条)と能力の実証(15条)による制約を受ける。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方公務員法の制定に伴い、試験による任用と候補者名簿の制度を設ける。
- 2.平成26年(2014年) 改正:能力及び実績に基づく人事管理を目的とする改正で、任用の規定が整理され、名簿は採用候補者名簿として規定される形となった(2016年4月施行)。
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