民事調停法 第20条の3(訴訟手続等の中止)
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- 調停の申立てがあった事件について訴訟が係属しているとき、又は第二十条第一項若しくは第二十四条の二第二項の規定により事件が調停に付されたときは、受訴裁判所は、調停事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。ただし、事件について争点及び証拠の整理が完了した後において、当事者の合意がない場合には、この限りでない。
- 2.前項の規定は、調停の申立てがあった事件について非訟事件が係属しているとき、又は第二十条第四項において準用する同条第一項の規定により非訟事件が調停に付されたときについて準用する。
この条文の基本情報
訴訟手続等の中止とは何ですか?
定義訴訟手続等の中止とは、民事調停法第20条の3に定められた規定で、「調停の申立てがあった事件について訴訟が係属しているとき、又は第二十条第一項若しくは第二十四条の二第二項の規定により事件が調停に付されたときは、受訴裁判所は、調停…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第20条の3(訴訟手続等の中止)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第20条の3の条文原文は「調停の申立てがあった事件について訴訟が係属しているとき、又は第二十条第一項若しくは第二十四条の二第二項の規定により事件が調停に付されたときは、受訴裁判所は、調停…」で始まります。
- 民事調停法第20条の3は第一節 通則に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第20条の3の前の条は民事調停法第20条の2です。
- 民事調停法第20条の3の次の条は民事調停法第21条です。
- 民事調停法第20条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第20条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第20条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/20_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法20条の3により、受訴裁判所は調停事件が終わるまで訴訟手続を中止できる。ただし争点及び証拠の整理完了後は、当事者の合意が必要となる。
Q · 裁判の途中で調停を申し立てたら、訴訟は止まるの?
自動では止まらない。中止するかは裁判所の裁量
民事調停法20条の3により、調停の申立てがあった事件で訴訟が係属しているとき、又は付調停(同法20条1項・24条の2第2項)がされたとき、受訴裁判所は調停事件が終了するまで訴訟手続を中止することができます。条文は「できる」と定めており、中止は自動ではありません。また、争点及び証拠の整理が完了した後は、当事者の合意がなければ中止できません。中止中は訴訟上の期間の進行も止まります(民事訴訟法132条2項)。
解説
裁判の途中で「話し合い」に切り替えたい、あるいは相手が急に調停を申し立ててきた。そのとき訴訟がどうなるかを決めるのが本条である。受訴裁判所(今あなたの訴訟を担当している裁判所)は、調停が終わるまで訴訟手続を「中止」できる。中止とは、訴訟を取り下げるのでも終わらせるのでもなく、一時停止ボタンを押すことだ。停止中は期日が入らず、控訴期間などの期間も進まない(民事訴訟法132条2項)。注目すべきは、条文が「中止しなければならない」ではなく「できる」と書いている点である。中止するかどうかは裁判所が決める。さらにただし書がある。争点と証拠の整理が終わった後は、当事者の合意がなければ中止できない。終盤まで進んだ訴訟を、片方の都合で調停に持ち込んで引き延ばすことはできない。要するに、調停カードを切るタイミングは訴訟の序盤ほど効く。この順番を知っているかどうかで、紛争の進み方が変わる。
法的な位置づけ
民事調停法20条の3は、調停の申立てがあった事件について訴訟が係属している場合、又は付調停(同法20条1項・24条の2第2項)がされた場合に、受訴裁判所が調停事件の終了まで訴訟手続を中止できる旨を定める規定である。争点及び証拠の整理完了後は、当事者の合意を中止の要件とする。第2項は非訟事件に準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴訟の進行段階を確認する 調停を検討する前に、訴訟で争点及び証拠の整理が完了しているかを確認する。期日調書や弁論準備手続の終結記録を見れば判断できる。完了後なら中止には相手方の合意が必要になる
- 2.調停を申し立てる 相手方の住所地などを管轄する簡易裁判所に調停申立書を提出する。訴訟事件と同じ紛争であることが分かるよう、事件番号を申立書に記載しておく
- 3.受訴裁判所に中止を求める上申書を出す 調停を申し立てたことを受訴裁判所に伝え、民事調停法20条の3に基づいて訴訟手続の中止を求める上申書を提出する。黙っていると、裁判所は調停の存在を知らないまま期日を進めることがある
- 4.中止決定の有無を書記官に確認する 中止が決定されたかを担当書記官に確認する。決定がなければ、次回期日も書面の提出期限もそのまま生きている
- 5.調停の結果に応じて動く 調停が成立すれば調書の内容を確認する。不成立なら訴訟の再開に備え、中止中に準備した主張と証拠で期日に臨む
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟手続の中止とは何ですか?
訴訟を終わらせず、係属したまま一時停止することです。中止中は期日が入らず、訴訟上の期間の進行も停止します(民事訴訟法132条2項)。
Q2付調停とは何ですか?
訴訟を担当する受訴裁判所が、職権で事件を調停に回す手続です(民事調停法20条1項)。争点及び証拠の整理完了後は当事者の合意が必要です。
Q3調停中、訴訟の期間はどうなる?
訴訟手続が中止されていれば、控訴期間などの訴訟上の期間の進行は止まります。中止決定がない限り期間は進むため注意が必要です。
Q4付調停で調停が成立したら訴訟はどうなる?
受訴裁判所が付調停した事件で調停が成立すると、訴えの取下げがあったものとみなされ(民事調停法20条2項)、訴訟は終了します。
Q5調停が不成立になったら訴訟は再開する?
調停事件が終了すれば中止の理由がなくなり、訴訟は止まった地点から再開します。中止中も証拠の保全や主張の準備は続けておくべきです。
Q6家賃の値上げで、いきなり訴訟はできる?
賃料増減請求事件は原則として先に調停を経る必要があります(民事調停法24条の2)。調停を経ずに訴えると、原則として調停に付されます。
Q7非訟事件でも手続は中止される?
されます。民事調停法20条の3第2項により、非訟事件が係属している場合や非訟事件が調停に付された場合にも、同じ中止の規定が準用されます。
Q8家事事件でも訴訟は中止できる?
家事調停については家事事件手続法275条が訴訟手続の中止を別に定めています。民事調停か家事調停かで根拠条文が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判中に調停を申し立てたら、次の期日は行かなくていいんですか?
いいえ。民事調停法20条の3は「中止することができる」と定めるだけで、自動的には止まりません。裁判所が中止を決めるまでは、期日も書面の提出期限も生きています。実務のポイント:調停を申し立てたら、受訴裁判所へ「調停を申し立てたので訴訟手続の中止を求める」という上申書を同時に出すのが実務の定石です。何も言わなければ、裁判所は調停の存在を知らないまま期日を進めることがあります
Q2相手が判決直前に調停を申し立ててきました。これって止められちゃうんですか?
争点及び証拠の整理が完了した後であれば、あなたが同意しない限り中止はできません(民事調停法20条の3第1項ただし書)。付調停についても同じ制限があります(同法20条1項ただし書)。実務のポイント:期日の調書に「争点整理手続終結」と記録されているかを確認します。この記録があるかどうかで交渉の主導権が決まるので、弁論準備手続の終結時に調書の記載を確かめておきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停を申し立てれば訴訟は自動的に止まる」と考える人は多いが、条文は「中止することができる」としか書いていない。中止するかどうかは裁判所の裁量であり、訴訟がそのまま進むこともある。調停を出したからといって、訴訟の準備書面の提出期限を放っておくのは危険である
- 中止は「訴訟が終わる」ことではない。ここを取り違えると大きな落差が生まれる。あなたの感覚では「もう話し合いの段階に移った」かもしれないが、法律上は訴訟が係属したまま止まっているだけだ。調停が不成立になれば、止まった地点からそのまま再開する。逆に調停が成立すれば、付調停の事件では訴えの取下げがあったものとみなされ(民事調停法20条2項)、訴訟は跡形もなく消える。どちらに転んでも対応できる準備が要る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 民事調停法20条の3:調停終了まで訴訟手続を中止できる | 民事調停法20条:受訴裁判所が事件を職権で調停に付す 民事調停法24条の2:賃料増減請求事件の調停前置 |
| 誰が動かすか | 受訴裁判所の裁量(中止は義務ではない) | 受訴裁判所の職権 法律上当然(調停を経ずに訴えれば原則として付調停) |
| 当事者の合意が要る場面 | 争点及び証拠の整理完了後の中止 | 争点及び証拠の整理完了後の付調停 例外として調停に付さない場合の判断に関わる |
| 調停成立時の訴訟 | 中止状態が解消し、調停事件は終了する | 訴えの取下げがあったものとみなされる(同条2項) 付調停後に成立すれば20条2項の取下げ擬制の対象 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では第一審の訴訟係属中に両当事者の合意で事件を調解に移付でき、その間訴訟程序は停止される。日本のように裁判所の裁量で中止する構造とは異なり、当事者合意が出発点となる
韓国では受訴裁判所が必要と認めるとき事件を調停に回付できる。訴訟と調停をつなぐ仕組みとして日本の付調停に近い
ドイツでは裁判所が当事者に調停(Mediation)などを提案でき、当事者が応じれば裁判所は手続の休止(Ruhen des Verfahrens)を命じる
フランスでは裁判官が当事者の同意を得て調停人を指名する司法調停制度があり、調停期間中も裁判官は事件を保持する
米国の連邦地方裁判所はADRプログラムの整備が義務づけられ、調停等への付託と訴訟の進行調整が裁判所規則で運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家賃の値上げで大家と揉め、大家がいきなり地方裁判所に訴えてきた。ところが賃料増減の紛争は原則として先に調停を経る決まりがある(民事調停法24条の2)。裁判所は事件を調停に付し、訴訟は止まる。気が付けば、あなたは法廷ではなく調停委員の前に座っている
- 相手方の立場で考えてみる。訴訟が書面のやり取りで半年以上進み、証人尋問の日程まで決まった段階で、急に「調停を申し立てたので訴訟を止めてほしい」と言い出したら、通るのか? 争点と証拠の整理が終わっていれば、あなたが同意しない限り裁判所は止められない。時間稼ぎは封じられている
- 工事代金の訴訟で、裁判官が「建築の専門家を調停委員に入れて話し合いませんか」と付調停を提案してきた。訴訟は止まるが、調停が不成立になれば訴訟が再開する。止まっている間に相手の資金繰りが悪化することもある。回答期限は次回期日までだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴訟中に相手が調停を申し立てたら、まず受訴裁判所が中止したかどうかを書記官に確認する。中止の決定がなければ、訴訟の期限はそのまま進んでいる2. 引き延ばしが疑われる場合は、争点及び証拠の整理が完了しているかを確認し、完了していれば中止に同意しない意思を明確に伝える3. 調停に応じる場合は、不成立になれば訴訟が再開することを前提に、訴訟の証拠を保全しておく
訴えられた側:1. 訴えられた側として話し合いで解決したいなら、訴訟の序盤で調停を申し立て、受訴裁判所に中止を求める上申書を出す2. 賃料増減の紛争であれば、調停を経ずに訴えが起こされたことを指摘し、調停に付すよう求める(民事調停法24条の2) 3. 争点整理が終わった後で調停を望むなら、相手方の同意を得る交渉が先になる4. 中止中でも答弁や証拠の準備は止めない
時効(請求できる期限):中止そのものに時効はなく、中止は調停事件が終了するまで続く。中止中は訴訟上の期間の進行が停止する(民事訴訟法132条2項)。訴訟を経ずに調停を申し立てて不成立となった場合、通知を受けた日から2週間以内に訴えを起こせば、調停申立ての時に訴えを提起したものとみなされる(民事調停法19条)。それ以外は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
- 民事調停法 第20条受訴裁判所による付調停と取下げ擬制
- 民事調停法 第24条の2賃料増減請求事件の調停前置
- 民事調停法 第19条調停不成立後2週間内の訴え提起
- 民事調停法 第16条調停成立の効力、裁判上の和解と同一
- 民事訴訟法 第132条中止中の期間進行停止
- 家事事件手続法 第275条家事調停における訴訟手続の中止
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