民事調停法 第24条(宅地建物調停事件・管轄)
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宅地又は建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地若しくは建物の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
この条文の基本情報
宅地建物調停事件・管轄とは何ですか?
定義宅地建物調停事件・管轄とは、民事調停法第24条に定められた規定で、「宅地又は建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地若しくは建物の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第24条(宅地建物調停事件・管轄)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第24条の条文原文は「宅地又は建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件は、紛争の目的である宅地若しくは建物の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄…」で始まります。
- 民事調停法第24条は第一節 宅地建物調停に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第24条の前の条は民事調停法第23条の5です。
- 民事調停法第24条の次の条は民事調停法第24条の2です。
- 民事調停法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法24条により、宅地・建物の貸借など利用関係の紛争の調停は、物件所在地を管轄する簡易裁判所の管轄となる。合意すれば所在地の地方裁判所も選べる。
Q · 大家が遠くに住んでいたら、家賃の調停はどこの裁判所でやるの?
部屋がある場所の簡易裁判所で行う
民事調停法24条により、宅地や建物の貸し借りなど利用関係をめぐる調停は、物件の所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てます。大家や管理会社の住所は基準になりません。当事者が合意すれば、物件所在地を管轄する地方裁判所を選ぶこともできますが、東京や大阪など所在地と無関係の裁判所を合意で選ぶことはできません。
解説
大家が東京に住んでいても、管理会社が大阪にあっても、関係ない。福岡のアパートをめぐる家賃や明渡しの調停は、原則としてそのアパートがある場所を管轄する簡易裁判所に申し立てる。民事調停法24条は、宅地や建物の貸し借り、そのほか土地建物の利用関係をめぐる調停事件(裁判官と民間の調停委員が間に入って話し合いでまとめる手続)について、管轄の基準を「人がどこに住んでいるか」から「物件がどこにあるか」に切り替えている。一般的な調停は相手方の住所地の簡裁が原則(3条)なので、ここが大きく違う。合意で変えられるのも「物件所在地を管轄する地方裁判所」までで、東京や大阪の裁判所を自由に選ぶことはできない。現地を見て、地元の相場を知る調停委員に判断させるための設計である。つまり借主にとっては、遠方の大家と争うときでも地元で戦えることが法律で保証されている。逆に、地方に収益物件を持つオーナーは、トラブルのたびに現地へ出向く覚悟が要る
法的な位置づけ
民事調停法24条は宅地建物調停事件の管轄を定める規定であり、宅地または建物の貸借その他の利用関係の紛争に関する調停事件を、紛争の目的である宅地・建物の所在地を管轄する簡易裁判所、または当事者が合意で定める所在地管轄の地方裁判所の管轄とする。相手方住所地を原則とする一般調停(同法3条)に対する特則である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.物件所在地の管轄簡裁を調べる 紛争の目的である宅地・建物の所在地を確認し、裁判所ウェブサイトの管轄区域表で管轄する簡易裁判所を特定する。相手方の住所地ではない点に注意する
- 2.地裁を選ぶか当事者で合意する 所在地を管轄する地方裁判所で調停をしたい場合は、相手方と書面で合意しておく。所在地と無関係の裁判所は合意しても選べない
- 3.申立書と証拠をそろえる 簡裁窓口の定型申立書に紛争の要点を記入し、賃貸借契約書、更新時の書面、家賃の振込記録、周辺相場の資料、写真などを添付する
- 4.申立てと手数料の納付 管轄簡裁に申立書を提出し、収入印紙と郵便切手を納める。期日の呼出しを待ち、遠方当事者がいる場合はウェブ会議等の利用可否を書記官に確認する
- 5.不成立時は2週間以内に提訴を検討 調停が不成立となった場合、通知を受けた日から2週間以内に同じ請求で訴えを起こせば、調停申立時に提訴したものとみなされる(19条)。期限を手帳に記録する
よくある質問 AI による整理
Q1宅地建物調停とは何ですか?
宅地や建物の貸し借りなど利用関係の紛争を、裁判官と調停委員が間に入り話し合いで解決する民事調停の一類型です。管轄は物件所在地が基準です。
Q2家賃の調停 どこの裁判所に申し立てる?
部屋や建物がある場所を管轄する簡易裁判所です(民事調停法24条)。大家や管理会社の住所地ではありません。
Q3調停の管轄を合意で東京にできる?
できません。24条で合意により選べるのは、物件所在地を管轄する地方裁判所だけです。所在地と無関係の裁判所は選べません。
Q4管轄違いの裁判所に調停を申し立てたらどうなる?
原則として管轄裁判所へ移送されます(民事調停法4条)。事情により申し立てた裁判所が自ら処理する場合もありますが、時間を失うおそれがあります。
Q5宅地建物調停の申立費用はいくら?
申立手数料は請求額に応じた収入印紙と、呼出用の郵便切手が必要です。訴訟より手数料は低めです。金額は各簡易裁判所の案内で確認してください。
Q6原状回復費用のトラブルも宅地建物調停になる?
建物の賃貸借をめぐる紛争なので、宅地建物の利用関係の紛争として物件所在地の簡易裁判所に調停を申し立てることができます。
Q7宅地建物調停は弁護士なしでできる?
できます。簡易裁判所の窓口に定型の申立書があり、本人でも申し立てられます。争点が複雑なら弁護士や認定司法書士への相談が有効です。
Q8借地の地代トラブルも同じ管轄?
同じです。宅地の貸借も対象なので、土地の所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てます。地代の増減額の争いは調停前置です(24条の2)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大家は県外に住んでるんですけど、調停ってどこでやるんですか?
部屋がある場所を管轄する簡易裁判所です(民事調停法24条)。大家の住所は関係ありません。当事者が合意すれば、所在地を管轄する地方裁判所に申し立てることもできます。実務のポイント:遠方の大家は管理会社に任せきりのことが多く、本人が期日に出られないと話し合いが進みません。その状況自体が、借主側の交渉材料になります
Q2家賃の値上げ、いきなり裁判を起こされることってありますか?
家賃・地代の増減額を争う場合は、訴えを起こす前にまず調停を申し立てなければなりません(24条の2)。訴訟が先に起こされても、裁判所は原則として事件を調停に回します。実務のポイント:当事者双方が書面で合意すれば、調停委員会が定める調停条項に従う仕組み(24条の3)も使えます。鑑定費用をかけずに決着させたいときの選択肢です
間違えやすい点 AI による整理
- 「調停は相手の住所地の裁判所に申し立てるもの」と覚えている人は多い。それ自体は一般の調停(3条)では正しいが、宅地建物の利用関係をめぐる調停は例外で、物件所在地が基準になる。原則だけを知っていると、管轄違いの申立てをして移送で時間を失う
- 合意で管轄を決められると聞いて、「契約書に東京地裁と書いておけば東京で調停できる」と考えるオーナーがいる。24条で合意により選べるのは物件所在地を管轄する地方裁判所だけである。賃貸借契約書の管轄条項は、訴訟の場面と調停の場面とで効き方が違うことを知らないと、条項を入れた意味がなくなる
- 家賃トラブルの話し合いを「調停にするか訴訟にするか」で迷う人は多いが、地代・家賃の増減額を争う場面では、そもそも訴訟から始める選択肢がない(調停前置、24条の2)。管轄の前に、手続の入口が法律で一本に絞られている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の基準 | 24条:宅地・建物の所在地 | 3条:相手方の住所・居所・営業所等 24条の2:(管轄は24条に従い)地代借賃増減の調停前置を規定 |
| 対象事件 | 宅地・建物の貸借その他の利用関係の紛争 | 一般の民事紛争 地代・借賃の増減額請求事件 |
| 合意による管轄 | 所在地を管轄する地方裁判所に限り可 | 当事者が合意で定める地方裁判所または簡易裁判所 訴え提起前にまず調停が必要 |
| 誤った申立ての扱い | 4条による移送・自庁処理 | 4条による移送・自庁処理 訴訟が先行しても原則として調停に付される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は不動産賃料の増減など一定の不動産紛争に起訴前の強制調解を定め、不動産紛争は所在地の法院を管轄とする考え方をとる
韓国は住宅賃貸借紛争調停委員会を設け、裁判所外の専門調停機関で賃貸借紛争を扱う点が日本と異なる
ドイツは住居等の賃貸借紛争について物件所在地の区裁判所を専属管轄とし、物件所在地を基準とする発想が日本と共通する
フランスは県単位の調停委員会が賃料などの賃貸借紛争の調停を担い、地域単位で処理する点が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大家が亡くなり、相続した息子は東京在住。仙台のアパートに住むあなたに、突然「来月から家賃を2万円上げる」と通知が来た。値上げに納得できないなら、あなたは仙台の簡裁で調停を待てばよい。大家側が東京で手続を始めることは原則としてできない
- あなたは横浜在住で、札幌に投資用のワンルームを持っている。入居者が3か月家賃を滞納し、明渡しの話し合いを調停でやりたい。申立先は札幌の簡易裁判所。期日のたびに飛行機代がかかることを、物件を買う前に計算していただろうか
- 地主から借地の地代を値上げしたいと言われたが、地主はいきなり訴訟を起こすと言っている。そんなことはできるのか? 地代・家賃の増減額をめぐる争いは、訴訟の前にまず調停を経なければならない(24条の2)。その調停の申立先も、土地所在地の簡裁である
- 退去時の原状回復費用で、管理会社から40万円を請求された。少額訴訟より先に調停という選択肢がある。申立先は部屋の所在地の簡裁
- 調停が不成立に終わり、書記官から通知が届いた。不成立の通知を受けた日から2週間以内に同じ請求で訴えを起こせば、調停を申し立てた時に訴えを起こしたものとみなされる(19条)。時効の期限がぎりぎりの請求なら、この2週間を逃すと命取りになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 物件の所在地を確認し、そこを管轄する簡易裁判所を裁判所ウェブサイトの管轄区域表で調べる2. 家賃・地代の増減額の争いなら、訴訟の前に調停が必要(24条の2)。簡裁窓口の定型申立書を使えば本人でも申し立てられる3. 賃貸借契約書、更新時の書面、家賃の振込記録、周辺相場の資料を揃える4. 不成立になった場合は、通知から2週間以内に訴えを起こせば調停申立時の提訴とみなされる(19条)ことを覚えておく
訴えられた側:1. 調停の呼出状が届いたら、申立先が物件所在地の簡裁(または合意した所在地の地裁)か確認する。違う場合は移送の可能性を書記官に確かめる2. 遠方なら、調停委員会の判断でウェブ会議や電話会議が使える場合があるため早めに相談する(最新の運用は各裁判所に要確認) 3. 欠席が続くと不成立や調停に代わる決定(17条)につながりうる。決定には告知を受けた日から2週間以内に異議を出せる(18条) 4. 代理人を立てるなら、所在地に近い弁護士または認定司法書士(簡裁の代理権の範囲内)を検討する
時効(請求できる期限):24条自体に期限はない。調停不成立の通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立時に訴えを提起したものとみなされる(民事調停法19条)。調停に代わる決定への異議は告知から2週間以内(同18条)。請求権そのものには一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される
学説
通説:宅地建物調停の管轄を物件所在地に固定する趣旨は、賃料相場や建物の状況など現地事情に通じた調停委員会に判断させる点にあり、合意管轄も所在地の地方裁判所に限定される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法の制定により、借地借家調停法など戦前の個別調停法を統合し、宅地建物調停の特則として本条が置かれた
- 民事調停法 第3条一般調停事件の管轄、相手方住所地が原則
- 民事調停法 第4条管轄違いの場合の移送・自庁処理
- 民事調停法 第24条の2地代借賃増減請求事件の調停前置
- 民事調停法 第24条の3書面合意による調停条項の裁定
- 民事調停法 第19条不成立後2週間以内の提訴の効果
- 借地借家法 第11条地代等増減請求権、宅地調停の主な対象
- 借地借家法 第32条借賃増減請求権、建物調停の主な対象
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