民事調停法 第26条(管轄)
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前条の調停事件は、紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。
この条文の基本情報
管轄とは何ですか?
定義管轄とは、民事調停法第26条に定められた規定で、「前条の調停事件は、紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第26条(管轄)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第26条の条文原文は「前条の調停事件は、紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する簡易裁判所の管轄とする。」で始まります。
- 民事調停法第26条は第二節 農事調停に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第26条の前の条は民事調停法第25条です。
- 民事調停法第26条の次の条は民事調停法第27条です。
- 民事調停法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法26条は、農事調停事件を農地等の所在地を管轄する地方裁判所の管轄とし、当事者が合意すればその所在地を管轄する簡易裁判所にも申し立てられると定める。
Q · 田んぼや畑の貸し借りでもめたとき、調停はどこの裁判所に申し立てればいいの?
原則は農地所在地の地方裁判所、合意で同地の簡易裁判所も可
民事調停法26条により、農事調停は紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所に申し立てるのが原則です。当事者が合意すれば、その所在地を管轄する簡易裁判所を選ぶこともできます。一般の民事調停(3条)が相手方住所地の簡易裁判所を原則とするのと異なり、基準は土地の所在地です。窓口を誤ると移送や自庁処理の判断(4条)が入り、時間を失います。
解説
民事調停は原則、相手方の住所地の簡易裁判所に申し立てる(民事調停法3条)。ところが農地の貸し借りをめぐる争いだけは、出発点が違う。民事調停法26条は、農事調停(25条)を農地等の所在地を管轄する地方裁判所に持ち込むと定めている。簡易裁判所に申し立てられるのは、当事者が合意し、しかもその農地の所在地を管轄する簡易裁判所を選んだ場合に限られる。農地の争いが地方裁判所に回されるのは、大正13年の小作調停法以来、地主と小作人の対立を重い事件として扱ってきた名残である。注目すべきは基準になる場所で、相手の住所ではなく「土地の所在地」が決め手になる。都会に住む相続人が田舎の田んぼをめぐって争う場合、戦う場所は自宅の近くではなく田んぼの近くになる。申立書を出す窓口を一つ間違えるだけで移送の手続(4条)が挟まり、数週間がそのまま消えていく。
法的な位置づけ
民事調停法26条は、農地または農業経営に付随する土地・建物その他の農業用資産の貸借その他の利用関係の紛争に関する農事調停事件(同法25条)の管轄を定める規定である。紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所を原則の管轄とし、当事者の合意がある場合に限り、その所在地を管轄する簡易裁判所の管轄も認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.農地の所在地を登記で確認する 争いになっている農地の登記事項証明書を法務局で取得し、所在地(市区町村・地番)を確定する。複数筆にまたがる場合はすべて確認する
- 2.所在地を管轄する裁判所を調べる 裁判所ウェブサイトの管轄区域一覧で、農地所在地を管轄する地方裁判所と簡易裁判所を特定する。相手方の住所や自分の住所ではなく、土地の所在地が基準になる点に注意する
- 3.簡易裁判所を使うなら書面で合意する より身近な簡易裁判所を使いたい場合は、相手方と「農地所在地を管轄する○○簡易裁判所で調停する」旨を合意し、書面に残す。所在地を管轄しない簡易裁判所は合意しても選べない
- 4.農事調停を申し立てる 賃貸借の経緯、小作料(賃料)の受領記録、現況写真などを添えて、管轄裁判所に農事調停の申立書を提出する。手数料は収入印紙で納める
- 5.不成立なら2週間以内に訴える 調停不成立の通知を受けたら、その日から2週間以内に訴えを提起する。期限内であれば調停申立ての時に訴えたものとみなされ、時効の点で不利にならない(民事調停法19条)
よくある質問 AI による整理
Q1農事調停とは何ですか?
農地や農業用の土地・建物の貸し借りなど、利用関係の争いを裁判所で話し合って解決する民事調停の一類型です。民事調停法25条が対象を定めています。
Q2農事調停の申立先はどこですか?
農地等の所在地を管轄する地方裁判所が原則です(民事調停法26条)。当事者が合意すれば、同じ所在地を管轄する簡易裁判所にも申し立てられます。
Q3農事調停は相手の住所地の裁判所でできる?
原則できません。農事調停の基準は相手方の住所ではなく農地等の所在地です。相手の住所地の裁判所が農地を管轄していなければ、管轄違いになります。
Q4農事調停の申立てに期限はある?
申立て自体に期限はありません。ただし賃料などの債権は消滅時効(民法166条)にかかるため、請求権の時効期間を確認したうえで早めに動く必要があります。
Q5農事調停を間違った裁判所に出したらどうなる?
管轄違いの申立ては原則として管轄裁判所へ移送されます(民事調停法4条)。手続自体は続きますが、移送の分だけ解決までの時間が延びます。
Q6相続した農地の貸し借りトラブルも農事調停でできる?
できます。相続人は貸主の地位を承継するため、借主との利用関係の争いは農事調停の対象になり得ます。申立先は相続人の住所ではなく農地の所在地で決まります。
Q7農地の賃貸借の解約に知事の許可は必要?
原則として都道府県知事の許可が必要です(農地法18条)。ただし農事調停で成立した合意解約は許可が不要とされています(同条1項ただし書)。
Q8農事調停が不成立になったら訴訟はいつまで?
不成立などの通知を受けた日から2週間以内に訴えを起こせば、調停申立ての時に訴えたものとみなされます(民事調停法19条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1田んぼの貸し借りの揉め事って、近所の簡易裁判所じゃダメなんですか?
原則は農地の所在地を管轄する地方裁判所です(民事調停法26条)。簡易裁判所を使えるのは、当事者が合意し、しかも農地の所在地を管轄する簡易裁判所を選んだ場合に限られます。実務のポイント:申立て前に相手と簡易裁判所を使うことを一筆交わしておくと、窓口が近くなるうえ、相手にとっても「話し合いに応じる」という意思表示になります
Q2農地の賃貸借を話し合いで終わらせるのに、わざわざ調停を使う意味はありますか?
あります。農地の賃貸借の合意解約には原則として都道府県知事の許可が必要ですが、農事調停で成立した合意解約は許可が要りません(農地法18条1項ただし書)。実務のポイント:農業委員会を経由する許可手続は時間がかかることが多いため、当事者の合意がすでにほぼ固まっていても、あえて調停を使って一度で決着させるのが実務の知恵です(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 調停は全部簡易裁判所でやるものだと思われがちだが、農事調停は地方裁判所が原則である。簡易裁判所で扱えるのは、当事者が合意し、農地の所在地を管轄する簡易裁判所を選んだ場合に限られる。その点で、簡易裁判所が原則の宅地建物調停(24条)とは正反対の設計になっている
- 「どこの裁判所に出すか」は事務的な問題だと軽く見られやすいが、法律から見れば管轄は手続の入口そのものである。管轄違いの申立ては原則として移送され(4条)、その間の時間は当事者が負担することになる。相手の住所地ではなく土地の所在地が基準になるため、都市に住む相続人ほどこの点でつまずきやすい
- そもそも「裁判所に行くか、当事者だけで解約するか」という二択で考えるのが誤りである。農地の賃貸借の合意解約には原則として都道府県知事の許可が必要だが、農事調停で成立した合意解約は許可が要らない(農地法18条1項ただし書)。調停そのものが、行政の関門を通らずに済む道になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象事件 | 民調26条:農事調停(農地等の利用関係の紛争) | 民調3条:一般の民事調停 民調24条:宅地建物調停 |
| 原則の管轄裁判所 | 農地等の所在地を管轄する地方裁判所 | 相手方の住所等を管轄する簡易裁判所 宅地・建物の所在地を管轄する簡易裁判所 |
| 合意で選べる裁判所 | その所在地を管轄する簡易裁判所 | 当事者が合意で定める地方裁判所または簡易裁判所 その所在地を管轄する地方裁判所 |
| 管轄の基準点 | 土地の所在地(相手の住所は無関係) | 相手方の住所・居所・営業所等 土地・建物の所在地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では耕地の小作紛争はまず郷鎮市区公所の耕地租佃委員会で調解し、不成立なら県市の委員会で調處、なお不服なら司法機関へ移送する。行政前置の多段構造で、日本の裁判所調停とは担い手が異なる
韓国の民事調停法には農地紛争専用の管轄特則は見当たらず、一般の管轄規定で処理される。日本のような類型別管轄は採られていない
ドイツは農業事件を区裁判所に置かれた農業裁判所(Landwirtschaftsgericht)で扱い、農地所在地を基準に土地管轄を定める。専門部で扱う発想は日本の地方裁判所原則と通じる
米国は裁判所の管轄特則ではなく、連邦補助を受けた州の農業調停プログラムで農地・農業信用紛争の裁判外解決を促す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 東京に住むあなたが、亡くなった父から長野の田んぼを相続した。地元の農家が40年前から借りて耕しているが、契約書はない。返してほしいと頼んでも話が進まない。この場合に申し立てる先は東京の簡易裁判所ではなく、長野の田んぼの所在地を管轄する地方裁判所である
- 相手と「近所の簡易裁判所で話し合おう」と口頭で約束していたら、どうなる? その簡易裁判所が農地の所在地を管轄していなければ、合意をしても26条の要件を満たさない。選べるのは「その所在地を管轄する」簡易裁判所だけである
- あなたは農地を借りて耕している側だ。地主の息子から突然、来月までに出て行けと内容証明が届いた。農事調停を申し立てるなら、畑のある地域の地方裁判所に一通出すだけで足りる。
- 地主との交渉が決裂し、調停不成立の通知が届いた。そこから2週間以内に訴えを起こせば、調停を申し立てた日に訴えたものとして扱われる(19条)。カレンダーの残り日数が、時効の盾が使えるかどうかを決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 争いになっている農地の所在地を登記事項証明書で確認し、その地域を管轄する地方裁判所を調べる2. 相手と話ができる状態なら、所在地を管轄する簡易裁判所で調停することを書面で合意しておく3. 賃貸借の経緯や小作料の受領記録などを集め、農事調停(25条)を申し立てる4. 合意解約で決着させるなら、調停の中で成立させることで知事の許可を省ける(農地法18条)
訴えられた側:1. 申立書が届いたら、申立先が農地の所在地を管轄する裁判所かどうかを確認する。違っていれば移送を求める余地がある(4条) 2. 耕作の継続を望むなら、農地法による賃貸借の保護(解約に知事の許可が必要であること)を前提に調停で主張を組み立てる3. 退去する場合は、離作料などの補償を調停条項に明記させる
時効(請求できる期限):調停の申立て自体に期限はない。ただし賃料などの債権には一般消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。調停不成立などの通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立ての時に訴えたものとみなされる(民事調停法19条)
学説
通説:農事調停を地方裁判所の原則管轄とするのは、農地の利用関係が耕作者の生活基盤と地域農業秩序に直結し、慎重な審理を要するためと説明される。所在地基準は、現地事情に通じた裁判所に審理させる趣旨とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法の制定により、大正13年(1924年)の小作調停法など個別の調停法が統合され、農事調停の管轄規定として本条が置かれた
- 民事調停法 第25条農事調停の対象事件を定める前提条文
- 民事調停法 第3条一般調停の管轄原則(簡易裁判所)
- 民事調停法 第24条宅地建物調停の管轄、本条と対照的
- 民事調停法 第4条管轄違いの場合の移送・自庁処理
- 民事調停法 第19条調停不成立後2週間以内の訴え提起の特則
- 農地法 第18条農事調停による合意解約は知事許可不要
- 農地法 第3条農事調停による権利移動の許可例外(号番号は現行効力を要確認)
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