民事調停法 第32条(鉱害調停事件・管轄)
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鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄とする。
この条文の基本情報
鉱害調停事件・管轄とは何ですか?
定義鉱害調停事件・管轄とは、民事調停法第32条に定められた規定で、「鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事調停法第32条(鉱害調停事件・管轄)は、日本の民事調停法に含まれる条文です。
- 民事調停法第32条の条文原文は「鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄とする。」で始まります。
- 民事調停法第32条は第四節 鉱害調停に置かれています。
- 民事調停法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 民事調停法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事調停法第32条の前の条は民事調停法第31条です。
- 民事調停法第32条の次の条は民事調停法第33条です。
- 民事調停法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000222 - 本サイト収録
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000222/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事調停法32条は、鉱業法に定める鉱害の賠償をめぐる調停事件を、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄と定める。相手方住所地の簡易裁判所という原則の特則である。
Q · 鉱山のせいで家が傾いたとき、調停はどこの裁判所に申し立てればいいの?
損害が起きた場所を管轄する地方裁判所に申し立てる
民事調停法32条により、鉱業法に定める鉱害の賠償をめぐる調停は、損害の発生地を管轄する地方裁判所の管轄となります。通常の民事調停は相手方住所地の簡易裁判所が原則(同法3条)ですが、鉱害は現地で因果関係と被害額を確認する必要があるため特則が置かれています。相手方の本社が遠方にあっても、被害地の地裁で手続が進みます。賠償責任自体は鉱業法109条の無過失責任が土台になります。
解説
普通の民事調停は、相手の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てるのが原則である(民事調停法3条)。ところが鉱山が原因の被害だけは扱いが違う。鉱業法が定める鉱害の賠償をめぐる調停は、損害が起きた土地を管轄する地方裁判所に持ち込む。鉱害とは、採掘のための土地の掘削、坑水や廃水の流出、捨石や鉱さいの堆積、鉱煙の排出によって他人に与えた損害のことだ。相手の本社が東京にあっても、家が傾いたのが福岡なら福岡の地裁が舞台になる。理由ははっきりしている。現地を見なければ、因果関係も被害額も判断できないからだ。しかも鉱業法上の鉱害賠償は無過失責任(相手に落ち度がなくても負う責任、鉱業法109条)である。あなたが証明すべき中心は「相手の不注意」ではなく、「鉱業との因果関係」と「損害」に移る。地元の地裁で、無過失責任を土台に話し合いを始められる。この組み合わせを知っているかどうかで、交渉の出発点が変わる。
法的な位置づけ
民事調停法32条は鉱害調停の管轄を定める規定であり、鉱業法に定める鉱害の賠償の紛争に関する調停事件について、損害の発生地を管轄する地方裁判所を管轄裁判所とする。相手方の住所地等を管轄する簡易裁判所を原則とする同法3条に対する特則として、事件の性質に応じた裁判所の種類と土地管轄を同時に定めている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被害の記録を日付入りで残す 壁のひび、建物の傾き、井戸水や田の水質変化を日付入りで撮影し、測定値(傾斜角、水位、水質)を継続的に記録する。後の因果関係立証の基礎資料になる
- 2.原因となりうる鉱区と鉱業権者を特定する 経済産業局の鉱業原簿や商業登記簿で、被害地周辺の鉱区と現在・過去の鉱業権者をたどる。会社が解散・合併している場合は承継先まで確認する
- 3.損害発生地を管轄する地方裁判所に申し立てる 被害地を管轄する地方裁判所の民事受付に鉱害調停として申し立てる。申立書には被害の場所・内容・発生時期・求める賠償額を具体的に記載する。事前に受付へ電話で確認すると手続が空回りしない
- 4.不成立なら2週間以内に訴えを起こす 調停が不成立となった場合、通知を受けた日から2週間以内に訴えを提起すれば、調停申立て時に訴えを提起したものとみなされる(民事調停法19条)。時効が迫る事案では最優先で準備する
よくある質問 AI による整理
Q1鉱害調停とは何ですか?
鉱業法に定める鉱害の賠償をめぐる紛争を、裁判所の調停委員会の仲介で話し合って解決する手続です。民事調停法32条・33条に特則があります。
Q2鉱害調停の申立先はどこですか?
損害の発生地を管轄する地方裁判所です(民事調停法32条)。相手方の住所地や本社所在地ではなく、被害が起きた場所が基準になります。
Q3鉱害とは何を指しますか?
鉱物の採掘のための土地の掘削、坑水・廃水の放流、捨石・鉱さいの堆積、鉱煙の排出によって他人に与えた損害を指し、鉱業法109条が定めます。
Q4炭鉱跡の地盤沈下は鉱害になる?
地下の坑道の掘削が原因で地盤が沈下したのであれば鉱害にあたりえます。ただし因果関係の立証が必要で、他の原因との切り分けが争点になります。
Q5鉱害の賠償請求はいつまでできる?
損害と賠償義務者を知った時から3年、損害発生から20年が目安です(鉱業法115条)。進行中の損害は起算点に特則があり、最新の改正状況の確認が必要です。
Q6鉱害調停を簡易裁判所に出したらどうなる?
管轄違いとなり、民事調停法4条に基づき管轄裁判所への移送などで処理される可能性があります。申立前に地裁の受付で確認するのが確実です。
Q7鉱害調停が不成立になったらどうする?
不成立の通知を受けてから2週間以内に訴えを起こせば、調停申立ての時に訴えを提起したものとみなされます(民事調停法19条)。
Q8閉山した鉱山の被害でも賠償を求められる?
鉱業権消滅後に生じた損害も、消滅時の鉱業権者が賠償責任を負います(鉱業法109条)。ただし会社の解散・合併による承継先の調査が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1鉱山の被害って、普通に簡易裁判所へ調停を出したらダメなんですか?
鉱業法に定める鉱害の賠償をめぐる調停は、民事調停法32条により、損害が起きた場所を管轄する地方裁判所の管轄である。簡易裁判所に出すと、管轄違いとして移送などの処理になりうる(同法4条)。実務のポイント:申し立てる前に地裁の民事受付へ問い合わせ、鉱害調停として受け付けてもらえるか確認しておくと、手続が空回りしない。鉱害にあたるか微妙な事案では、どちらの調停として組み立てるかの判断そのものが戦略になる
Q2閉山して何十年も経った炭鉱のせいで家が傾いたら、もう誰も責任を取らないんですよね?
そうとは限らない。鉱業法109条は、鉱業権が消滅した後に生じた損害についても、消滅時の鉱業権者に賠償責任を負わせている。実務のポイント:壁になるのは法律よりも相手が実在するかどうかである。会社が解散や合併を経ていることが多く、承継先を商業登記簿と鉱業原簿でたどれるかで勝負が決まる。石炭鉱害にはかつて国の特別措置による復旧制度があり(現在は終了)、自治体に当時の資料が残っていることもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「民事調停はどこでも簡易裁判所」という前提で申立書を作ると、出す先から間違える。鉱害の賠償をめぐる調停は、損害が起きた場所を管轄する地方裁判所の管轄である。立てるべき問いは「どこの簡裁か」ではなく「損害はどこで起きたか」だ
- 鉱害が無過失責任であることは知っていても、その責任がどこまで及ぶかは意外と知られていない。鉱業権が消滅した後に生じた損害でも、消滅時の鉱業権者が責任を負う(鉱業法109条)。閉山から長い年月が経った地盤沈下でも、責任を負う相手が存在しないとは限らない。ただし会社の解散や合併で実際の請求先を特定するのが難しくなるため、商業登記簿と鉱業原簿の調査が先決になる
- 被害者の目には「調停はただの話し合いで、強制力はない」と映る。法律の上では、成立した調停の合意は裁判上の和解と同じ効力を持ち(民事調停法16条)、強制執行の根拠になる。軽い気持ちで不利な条項に合意すると、後から覆すのは極めて難しい。この認識の落差があなたを追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄裁判所の種類 | 民調法32条:地方裁判所 | 民調法3条:簡易裁判所(原則) 民調法4条:管轄外の申立ては移送等で処理 |
| 土地管轄の基準 | 損害の発生地 | 相手方の住所・居所・営業所・事務所の所在地(または合意で定める簡裁・地裁) 管轄を有する裁判所へ移送するのが原則 |
| 対象事件 | 鉱業法に定める鉱害の賠償の紛争に限る | 民事に関する紛争一般 管轄違いの申立て全般 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では鉱業を含む公害紛争について行政機関による調処制度があり、裁判所の調解とは別ルートが用意されている
ドイツは連邦鉱業法で鉱害(Bergschaden)の賠償責任を規律し、地域によっては鉱害の裁判外紛争解決機関も設けられている
米国は連邦法で採掘による地盤沈下等への対策を定めるが、損害賠償の多くは州法と州裁判所で扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 旧産炭地で買った中古住宅の床が数年で傾き始めた。責任は誰にあり、何を求められるのか? 原因が地下の古い坑道の陥没なら鉱害にあたり、損害が起きた場所の地方裁判所に調停を申し立てる道がある。鉱業権がすでに消滅していても、消滅した時点の鉱業権者が賠償責任を負う(鉱業法109条)
- あなたは地方の金属鉱山会社の総務担当である。下流の農家から「坑水で田んぼが枯れた」として、現地の地方裁判所の調停期日の呼出状が届いた。期日まであと3週間しかない。本社近くの裁判所で手続が進む前提の準備は通用しない。現地の水質データ、排水記録、坑道図を今すぐ揃えるしかない
- 親族の井戸が突然枯れた。近くの鉱山の掘削が原因かもしれない。簡易裁判所の窓口に行く前に、申立先が地方裁判所であることを確認しておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害の経過を記録する:ひび、傾き、水質の変化を日付入りで撮影し、測定値を残す2. 原因として考えられる鉱区と鉱業権者を、経済産業局の鉱業原簿や商業登記簿でたどる3. 損害が起きた場所を管轄する地方裁判所に調停を申し立てる。被害の場所、内容、求める賠償額を具体的に書く4. 不成立になれば、通知から2週間以内に訴えを起こす(民事調停法19条)
訴えられた側:1. 呼出状が届いたら、損害発生地の地裁で進む事件類型だと理解し、現地で対応できる体制を組む2. 操業記録、排水データ、坑道図で因果関係を検証する。無過失責任でも因果関係そのものは争える3. 被害者側に責められるべき事情があったり、天災などの不可抗力が重なっていたりする場合は、賠償の責任と範囲の判断で考慮するよう主張する(鉱業法113条) 4. 地域で評判が広がる前に早期に合意することも、現実的な選択肢として試算する
時効(請求できる期限):調停の申立て自体に期限はない。ただし鉱害の賠償請求権は、被害者が損害と賠償義務者を知った時から3年、損害の発生から20年で消滅する(鉱業法115条。進行中の損害は進行がやんだ時から起算する。最新の改正状況をご確認ください)。調停不成立の通知から2週間以内に訴えれば、申立ての時点で訴えがあったものとみなされる(民事調停法19条)
学説
通説:本条は、鉱害紛争が技術的で規模が大きく、現地での実態把握を要することから、事物管轄を地方裁判所に、土地管轄を損害発生地に定めた専属的な特則と理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:民事調停法制定時に、鉱害調停に関する特則として置かれた
- 民事調停法 第3条相手方住所地の簡裁管轄という原則
- 民事調停法 第4条管轄違いの場合の移送処理
- 民事調停法 第16条調停成立は裁判上の和解と同一効力
- 民事調停法 第19条不成立後2週間内の訴え提起の特例
- 民事調停法 第33条鉱害調停への調停条項制度の準用
- 鉱業法 第109条鉱害賠償の無過失責任と責任主体
- 鉱業法 第115条鉱害賠償請求権の消滅時効(現行効力を要確認)
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