航空法 第119条(事業の停止及び許可の取消し)
クイックジャンプ
- 国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第百条第一項の許可を取り消すことができる。
- 一この法律、この法律に基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。
- 二正当な理由がないのにこの章の規定により許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。
この条文の基本情報
事業の停止及び許可の取消しとは何ですか?
定義事業の停止及び許可の取消しとは、航空法第119条に定められた規定で、「国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第百条第一項の許可を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第119条(事業の停止及び許可の取消し)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第119条の条文原文は「国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内において期間を定めて事業の全部若しくは一部の停止を命じ、又は第百条第一項の許可を…」で始まります。
- 航空法第119条は第七章 航空運送事業等に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第119条の前の条は航空法第118条です。
- 航空法第119条の次の条は航空法第120条です。
- 航空法第119条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第119条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第119条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/119
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法119条は、国土交通大臣が法令・処分・許可条件に違反した本邦航空運送事業者に対し、6か月以内の事業の全部または一部停止を命じ、または100条の許可を取り消せると定める。
Q · 航空会社は大事故を起こさなくても、国から運航を止められることがあるの?
ある。法令や規程の違反だけで停止・許可取消の対象になる
航空法119条により、国土交通大臣は、本邦航空運送事業者が航空法や同法に基づく処分、許可・認可の条件に違反したとき、または正当な理由なく許可・認可事項を実施しないとき、6か月以内の事業の全部または一部の停止を命じ、または第100条の許可を取り消すことができます。要件は事故ではなく違反です。実務では業務改善勧告、事業改善命令(112条)を経て段階的に重くなるのが通例です。
解説
航空会社の許可は、一度取れば永久に飛べる通行証ではない。国土交通大臣は、本邦航空運送事業者(国内で許可を受けて有償で人や貨物を運ぶ航空会社)が、航空法や処分、許可・認可に付けた条件に違反したとき、または正当な理由なく許可・認可を受けた事項を実施しないとき、最長6か月の事業停止を命じるか、第100条の許可そのものを取り消すことができる。押さえておきたい点は三つある。第一に、要件は「事故」ではなく「違反」である。墜落がゼロでも、整備規程の手順の省略や改善命令の放置が積み重なれば、この条文の対象になる。第二に、停止は「全部」とは限らない。特定の路線や特定の機材だけを止める「一部停止」もありうる。第三に、「できる」という書き方は大臣の裁量(役所に委ねられた判断の幅)を意味する。実務では業務改善勧告、事業改善命令(112条)を経て段階的に重くなるのが通例で、本条は最後の段階に置かれている。現場で働く人にとっては、自分の一回の手抜きが会社全体の許可を揺らす事実の一つになりうる。乗客にとっては、予約した便が行政処分で飛ばなくなる可能性がゼロではないということである。
法的な位置づけ
航空法119条は、本邦航空運送事業者に対する事業停止命令および事業許可取消しの根拠規定である。法令・処分・許可等の条件への違反、または正当な理由のない許可・認可事項の不実施を要件として、国土交通大臣が6か月以内の期間を定めた事業の全部若しくは一部の停止、又は第100条第1項の許可の取消しを裁量により行うことができる旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1本邦航空運送事業者とは?
航空法100条の許可を受けて、他人の需要に応じ航空機で旅客や貨物を有償で運送する事業を営む日本の事業者を指します。大手航空会社から LCC、小型機の事業者まで含まれます。
Q2航空会社の事業停止は最長何か月?
航空法119条により、事業停止命令の期間は6か月以内です。停止は事業の全部だけでなく、特定路線や特定機材などの一部に限ることもできます。
Q3航空会社の許可取消 どんな場合?
航空法や同法に基づく処分、許可・認可の条件に違反したとき、または正当な理由なく許可・認可事項を実施しないときです。事故の有無は要件ではありません。
Q4航空会社の事業停止 前例はある?
本条に基づく全面停止や許可取消は極めて稀とされます。実務では業務改善勧告や事業改善命令(112条)で是正を求める段階的運用が中心です。
Q5事業停止処分の前に反論できる?
できます。行政手続法13条により、許可取消には聴聞、事業停止には弁明の機会の付与が原則として必要です。違反の程度と処分の重さの釣り合いを主張できます。
Q6国交省の処分に不服 どうする?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は知った日から6か月以内です。運航を続けるには執行停止(行政事件訴訟法25条)の申立ても検討します。
Q7整備規程違反は119条の対象?
対象になりえます。整備規程は国交大臣の認可事項であり、その違反は本条1号の「許可若しくは認可に付した条件」や処分への違反として評価されうるからです。
Q8航空会社の処分歴 どこで調べる?
国土交通省・航空局が報道発表で事業改善命令や業務改善勧告を公表しています。航空券を買う前に会社名と「改善命令」で検索するのが手早い方法です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1航空会社が事業停止になったら、買ったチケットってお金戻ってくるんですか?
本条は国が停止を命じる権限を定めるだけで、返金のルールは書いていない。払戻しは運送約款と契約法(民法)で決まる。行政処分による運休は乗客側の事由ではないので、全額払戻しか他便への振替を求めるのが基本である。実務のポイント:一部停止の場合、会社は別路線や後日便への振替を先に提示し、返金を後回しにすることがある。振替を受けるかどうかは乗客が選べる場合が多いので、最初の提案をそのまま受け入れなくてよい
Q2ニュースで見る「改善命令」と「事業停止」って何が違うんですか?
事業改善命令(112条)は「ここを直せ」という命令で、運航は続けられる。本条の停止は運航そのものを止める。改善命令に従わなければ「処分への違反」となり、本条1号の要件を満たす。実務のポイント:改善命令のさらに前に、法令上の根拠を持たない「業務改善勧告」「厳重注意」がある。勧告は行政指導(役所からのお願いに近い働きかけ)なので取消訴訟では争えないが、その記録は後の処分を判断するときの材料として積み上がっていく
Q3小さいヘリの遊覧飛行の会社にも、こんな厳しい処分ってあるんですか?
有償で旅客を乗せる遊覧飛行は、一般に航空運送事業として第100条の許可が必要とされ、本条の対象になる。会社の規模による例外はない。実務のポイント:小規模事業者ほど運航管理と整備の担当者が兼務になりやすく、規程と実態のずれが立入検査で見つかりやすい。許可を受けずに有償で遊覧飛行を行えば、本条の処分ではなく無許可経営として罰則の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「航空会社が事業停止になるのは大事故を起こしたときだけ」という問いの立て方自体がずれている。本条の要件は事故ではなく、法令・処分・許可条件への「違反」と、許可・認可事項の「不実施」である。死傷者ゼロでも、規程違反や改善命令の無視が積み重なれば対象になりうる
- 許可取消の存在は知っていても、「一部停止」の重さを知らない人は多い。特定路線や特定機材だけを止める処分は全面停止より軽く見えるが、主力路線を止められれば売上の柱が抜け、空港の発着枠や路線の評判といった、処分が終わった後も戻らない損失が残る
- 現場の整備士や運航管理者から見れば「一回くらい手順を省略した」は現場の裁量である。しかし法律から見れば、それは国交大臣の認可を受けた規程への違反であり、会社の許可を揺らす事実の一件として記録される。この見え方の落差が、現場の人間を当事者に変えてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の内容 | 航空法119条:6か月以内の事業の全部・一部停止、または事業許可の取消 | 航空法112条:事業改善命令(運航規程の変更など是正措置を命じる) 航空法100条:航空運送事業の許可(処分の対象となる地位そのもの) |
| 運航への影響 | 停止範囲の運航は不可、取消なら事業継続不可 | 運航は継続しつつ是正を進める 許可がなければ有償の航空運送事業は営めない |
| 段階上の位置 | 最終段階。改善命令違反は本条1号の「処分への違反」に当たりうる | 中間段階。行政指導(勧告)の後、停止・取消の前 入口段階。許可基準(101条)を満たして取得 |
| 事前手続 | 取消は聴聞、停止は弁明の機会(行政手続法13条) | 不利益処分として原則弁明の機会(行政手続法13条) 申請に対する処分として審査基準による審査 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も民用航空運輸業を許可制とし、違反時の停業や許可廃止を主管機関(交通部民用航空局)に認める構造は日本と類似する。具体的条番号と期間の上限は人的検証が必要
韓国は国土交通部長官による免許取消・事業停止を定め、一部事由では取消が必要的とされる点で、裁量規定の日本より厳格な面がある
EU 域内では運航許可(Betriebsgenehmigung)の停止・取消は EU 規則が枠組みを定め、加盟国当局が執行する二層構造である
米国は運輸省(DOT)が air carrier certificate の停止・取消権限を持ち、安全面は FAA の運航証明(Part 119)による別系統の規制が並走する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは地方の小型機定期便会社で整備部門を任されている。人手不足の繁忙期に、整備規程で定めた点検項目を数回省いた記録が、国交省の立入検査で見つかった。整備規程は認可事項であり、違反は本条1号の入口になる。社内では「現場判断」で済んでいた話が、会社の許可の問題に変わる
- もし予約している LCC が事業停止命令を受けたら、来月の航空券はどうなる? 停止は全路線とは限らず、特定路線だけの一部停止もありうる。まず確認すべきは、自分の便がその範囲に入っているかどうかと、運送約款の払戻し・振替の規定である
- 国交大臣から許可取消の処分通知が届いた。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は処分を知った日から6か月。執行停止を申し立てなければ、争っている間も機体は地上に留め置かれ、乗員の雇用とリース料の支払いだけが続いていく
- 飲酒検査のすり抜けが、一人ではなく複数の乗員で、しかも改善命令の後も続いていた。一人の問題が、会社の許可の問題に変わる瞬間である
- 整備士をしている友人から「上司に記録の書き換えを頼まれた。断ったら干されるし、黙っていたら会社が潰れるかもしれない」と相談された。公益通報者保護法の保護要件と、国交省航空局への通報ルートを先に確かめておけば、友人が一人で抱え込まずに済む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 乗客として影響を受けたら、停止が全部か一部か、自分の便が対象範囲に入るかを確認する2. 運送約款の払戻し・振替規定を読み、会社側の事由による欠航として扱うよう求める3. 旅行会社経由なら旅行会社に、カード決済ならカード会社に返金の可否を相談する4. 本条は乗客に直接の請求権を与えないため、損害賠償は運送契約上の責任(民法415条)として組み立てる5. 安全違反を知る従業員は、公益通報者保護法の要件を確認してから社内窓口か国交省航空局に通報する
訴えられた側:1. 報告徴収・立入検査の段階で事実関係を自ら整理し、是正計画を先に提出する2. 改善命令を受けていれば、その履行状況を証拠として残す3. 取消なら聴聞、停止なら弁明の機会(行政手続法13条)で、違反の程度と処分の重さが釣り合っているかを争い、一部停止への限定を主張する4. 処分後は審査請求または取消訴訟を検討し、同時に執行停止(行政事件訴訟法25条)を申し立てて運航継続の道を探る
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。停止期間の上限は6か月。処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政裁量論):本条の「できる」は処分の有無と種類(全部停止・一部停止・取消)の選択に関する効果裁量を認めたものと解されるが、その行使は比例原則や平等原則に服し、違反の程度に比して過重な処分は裁量権の逸脱・濫用となりうる
通説(取消と撤回の区別):本条の「許可を取り消す」は、適法に成立した許可を後発的事由により将来に向けて失効させるもので、講学上の「撤回」に当たる。不利益処分として行政手続法上の聴聞を要する
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正、平成12年(2000年)施行 需給調整規制の廃止に伴い、定期航空運送事業の免許制が許可制に改められ、本条の取消対象も第100条の許可に整理されたとみられる。改正年と文言変更の範囲は人的検証が必要
- 航空法 第100条取消対象となる航空運送事業の許可
- 航空法 第101条許可基準、事業適格性の判断軸
- 航空法 第104条運航規程・整備規程の認可、違反の主な発生源
- 航空法 第112条事業改善命令、停止に先立つ是正段階
- 航空法 第134条報告徴収・立入検査(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条取消は聴聞、停止は弁明の機会
- 行政事件訴訟法 第25条処分の執行停止による運航継続
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める