宅地建物取引業法 第36条(契約締結等の時期の制限)
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宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。
この条文の基本情報
契約締結等の時期の制限とは何ですか?
定義契約締結等の時期の制限とは、宅地建物取引業法第36条に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第36条(契約締結等の時期の制限)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第36条の条文原文は「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第36条は第一節 通則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第36条の前の条は宅地建物取引業法第35条の2です。
- 宅地建物取引業法第36条の次の条は宅地建物取引業法第37条です。
- 宅地建物取引業法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法36条は、工事完了前の宅地・建物について、開発許可や建築確認など政令で定める処分があった後でなければ、業者が売買・交換の契約を締結・媒介できないと定める。
Q · 建築確認が下りる前でも、業者と売買契約を結んでいいの?
結べません。宅建業法36条が業者に禁じています
宅地建物取引業法36条により、宅地造成・建物建築の工事完了前は、都市計画法29条1項・2項の開発許可や建築基準法6条1項の建築確認など政令で定める許可等の処分があった後でなければ、業者は売買・交換の契約を締結できません。自ら当事者となる場合、代理する場合、媒介する場合のいずれも対象です。違反した業者は指示処分・業務停止処分(65条)の対象になります。ただし禁止されるのは売買と交換だけで、貸借の契約は対象外です。また業者間取引でもこの規制は外れません。
解説
モデルルームで間取り図を前にして、「今月中にご契約いただければこの区画を押さえられます」と言われたとする。その物件、まだ更地かもしれない。宅地建物取引業法36条は、造成工事や建築工事が完了する前の宅地・建物について、都市計画法29条1項・2項の開発許可や建築基準法6条1項の建築確認など、政令で定める許可等の処分が下りた後でなければ、業者が売買・交換の契約を結ぶことを禁じている。自ら売主でも、代理でも、媒介でも同じであり、予約も含まれる。つまり「確認申請中ですが、先に契約だけ」は、それ自体が業法違反である。多くの人が見落とすのは、この禁止が売買と交換に限られ、貸借には及ばない点だ。そして相手が同業の宅建業者であっても、この規制は外れない。署名の前に確認済証の番号と交付日を尋ねる、その一言だけで相手の姿勢は変わる。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法36条は契約締結時期の制限を定める規定であり、宅地造成または建物建築の工事完了前は、都市計画法29条の開発許可、建築基準法6条の建築確認その他政令で定める許可等の処分を受けた後でなければ、宅地建物取引業者が当該物件の売買・交換契約の締結および媒介を行うことを禁じる。自ら当事者となる場合も代理・媒介の場合も同様であり、貸借は対象外である。
手順
- 1.契約前に許可等の処分の有無を特定する 未完成物件の売買では、間取りや価格より先に「開発許可番号」「建築確認済証の番号と交付日」を確認する。重要事項説明書の該当欄が空白なら、その時点で36条の前提が満たされていない可能性が高い
- 2.処分日と契約予定日を並べて突き合わせる 確認済証・開発許可書の交付日と契約書に記載される契約日を時系列で並べる。契約日が処分日より前になっていれば36条違反であり、署名を止めて日程の後ろ倒しを求める
- 3.金銭を渡す前に名目と但し書きを確認する 処分前に申込証拠金・預り金を渡さない。やむを得ず渡す場合は領収書の但し書きを確認する。「手付金」と書かれていると解約手付の議論に持ち込まれるため、名目の訂正を求める
- 4.やり取りを日時付きで保存する 「確認は来週下りる見込みです」といった口頭の説明も、日時と担当者名を付けてメモに残す。広告、LINE、メール、パンフレットを保存し、後の解除・返還交渉や免許行政庁への申告の材料にする
- 5.違反が判明したら解除・返還を書面で請求する 契約日が処分日より前だと確定したら、内容証明郵便で契約解除と手付金・申込証拠金の全額返還を請求し、並行して免許行政庁(大臣免許か知事免許かで窓口が決まる)に事実を申告する意思を伝える
よくある質問 AI による整理
Q1宅地建物取引業法36条とは何ですか?
契約締結時期の制限を定めた規定です。宅地造成・建物建築の工事完了前は、開発許可や建築確認など政令で定める許可等の処分が下りた後でなければ、業者は売買・交換の契約を結べません。
Q2青田売りは違法ですか?
青田売り自体は違法ではありません。違法になるのは、開発許可や建築確認など必要な処分が下りる前に売買契約を締結した場合です。処分後であれば工事未完成でも契約できます。
Q3建築確認前に結んだ売買契約は無効ですか?
36条は業者を取り締まる行政規制であり、契約が当然に無効になるとは一般に考えられていません。私法上の効力は解釈が分かれる論点で、実務上は解除と返還の交渉が中心になります。
Q4「政令で定める許可等の処分」には何が含まれますか?
条文が例示する都市計画法29条1項・2項の開発許可、建築基準法6条1項の建築確認のほか、宅地建物取引業法施行令2条の5が列挙する各法令の許可・認可等が含まれます。
Q5宅建業法36条は業者間の取引にも適用されますか?
適用されます。業者間取引の適用除外(78条2項)は自ら売主となる場合の一群の制限が対象で、36条は含まれません。プロ相手でも処分前の売買契約は打てません。
Q6宅建業法36条と33条は何が違いますか?
33条は広告開始時期の制限で貸借も対象、36条は契約締結時期の制限で売買・交換のみが対象です。貸借は「広告はできないが契約はできる」という逆転が起きます。
Q7モデルルームでの先着順申込は36条違反になりますか?
申込書の名称ではなく実質で判断されます。予約も36条の射程に入るため、実質的に契約や予約と評価される申込を処分前に受ければ、業者側の違反リスクが生じます。
Q8中古住宅の売買にも36条は適用されますか?
既に工事が完了している物件は36条の対象外です。本条が規律するのは造成工事・建築工事の完了前の宅地・建物に限られ、完成済み物件の売買は時期制限を受けません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1建築確認が下りる前に申込金を払っちゃいました。返してもらえますか?
申込は契約ではないので、申込みを撤回すれば預り金・申込証拠金は原則として返還されるべきものです。業者が返還を拒むこと自体、宅地建物取引業法47条の2第3項および同法施行規則が禁じる行為に当たりえます。実務のポイント:「預り金」「申込証拠金」「手付金」と名目が変わっても判断は変わりません。見るべきは領収書の但し書きで、そこに「手付金」と書かれていると解約手付の議論に持ち込まれます。受け取った瞬間に文言を確認してください
Q2貸借なら本当に建築確認前でも契約していいんですか?
36条の文言は売買・交換に限られるため、貸借の契約は禁止対象外です。ただし33条の広告開始時期の制限は貸借も含むので、確認前に「入居者募集」の広告を出すこと自体は違反になります。契約はできても広告はできないという逆転が起きます。実務のポイント:現地看板もポータルサイト掲載もチラシも広告です。確認番号の記載がない募集情報は、それだけで行政の指摘対象になりえます
Q3違反した業者はどうなるんですか?逮捕されるんですか?
36条違反そのものに刑事罰は用意されておらず、免許行政庁による指示処分・業務停止処分(65条)、情状が特に重い場合の免許取消(66条)という行政処分が中心です。業務停止命令に従わなければ、その段階で刑事罰の問題になります(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:過去の監督処分歴は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで誰でも無料で確認できます。契約前に相手の商号を入れて検索する買主は、ほとんどいません
Q4未完成の物件で手付金を払うのが、そもそも不安なんですが
未完成物件を業者が自ら売主として売る場合、受領する手付金等が代金の5パーセントまたは1000万円を超えるときは、保全措置を講じなければ受領できません(41条)。措置がなければ、買主は支払いを拒めます。実務のポイント:契約書に「保全措置を講じる」と書いてあるだけでは完了していません。保証委託契約の保証書や保管証の現物が自分の手元に来て初めて成立します。書面が届かないまま入金しないでください
間違えやすい点 AI による整理
- 「違反した契約は無効になるのか」という問いの立て方そのものが的を外している。36条は業者を取り締まる行政規制であり、締結された契約が当然に無効となるとは一般に考えられていない(私法上の効力については実務上、解釈が分かれている論点である)。あなたが現実に握れる武器は無効主張ではなく、免許行政庁への申告を背景にした解除と返還の交渉である
- 買主から見れば「確認前でも契約したのは自分の判断」だが、法律から見れば禁止規範が向けられているのは業者側だけで、買主に義務違反はない。この落差を知らないまま交渉に入ると、自分にも落ち度があると思い込み、最初から一歩引いた位置で金額を譲ることになる
- 業者同士の取引なら規制は外れると理解している人が少なくない。宅地建物取引業法で業者間の適用除外があるのは、自ら売主となる場合の一群の制限(78条2項)であって、36条はそこに含まれていない。プロ相手であっても、確認前の売買契約は打てない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制される場面 | 36条:契約の締結・媒介の時期 | 33条:広告の開始時期 41条:手付金等の受領時期と保全 |
| 貸借への適用 | 適用なし(売買・交換のみ) | 適用あり(貸借の広告も制限) 適用なし(売買が前提) |
| 解禁のトリガー | 政令で定める許可等の処分があった後 | 政令で定める許可等の処分があった後 保全措置を講じた後(一定額以下は例外) |
| 業者間取引での扱い | 適用除外なし(78条2項の対象外) | 適用除外なし 自ら売主制限として業者間は適用除外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は預售屋(青田売り)を契約書の必須記載事項で規律し、建造執照の番号・核発日の記載を求めることで、建築許可前の販売を実質的に封じる。日本が業者への禁止規範で入るのに対し、台湾は定型化契約の内容規制で入る点が対照的
韓国は선분양(先分譲)を正面から認めたうえで、입주자모집승인という行政の承認を販売開始の関門に置く。日本の36条が「許可等の処分後でなければ契約不可」とする構造と機能的に近い
ドイツは契約締結そのものより金銭の受領を規制し、Baugenehmigung の取得等の要件を満たすまで Bauträger は代金を受領できない。日本でいえば36条と41条の役割を金銭側に寄せた設計
米国は連邦法が開示義務(property report の交付等)を軸に据え、未完成不動産の販売規制は州の subdivision 法・condominium 法に分散する。禁止規範ではなく開示規制を主軸とする点で日本と発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 「確認申請は来週下りる予定なので、契約は今日でも大丈夫です」と言われたら、どうなる? 下りる予定は下りたことではない。この時点で締結された売買契約は36条違反であり、業者は指示処分や業務停止処分(65条)の対象になる。あなたが払った申込証拠金の返還を求める材料にもなる
- あなたは宅建業者の営業担当。上司から「月末の数字が足りない、確認は下りる見込みだから先に契約書を巻け」と指示された。従えば処分を受けるのは担当者個人ではなく会社の免許そのものである。個人の成績と引き換えにできる代償ではない
- 更地を見ながら重要事項説明を受けた。開発許可の欄が空白だった。その場で署名を止めてよい
- 友人が「新築の建売を押さえた」と嬉しそうに報告してきた。現地はまだ基礎も見えない。確認済証は出ているのか、その一問を投げられるかどうかで、友人の数百万円の行方が変わる
- 竣工前の新築アパートで入居申込を受けた。売買なら禁止だが、賃貸借の媒介は36条の対象外である。同じ建物、同じ工事段階でも、契約の種類で結論が正反対になる
- 手付金を払った翌週、売主業者が資金繰りに行き詰まったという噂が流れた。契約日は建築確認の交付日より前。残された時間は短く、保全措置の有無と免許行政庁への相談を同じ週のうちに動かす必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書の日付と建築確認済証・開発許可の交付日を並べる、処分日が後なら36条違反が成立する2. 重要事項説明書、広告、LINEやメールを保存し、口頭の「下りる見込みです」も日時付きで記録3. 業者の免許行政庁に事実を伝え、指示処分・業務停止処分の申告を行う意思を示す4. 並行して手付金・申込証拠金の返還と契約解除を内容証明郵便で請求し、日付を残す
訴えられた側:1. 締結済み契約を許可等の処分日と突き合わせ、違反件数と経緯を時系列で確定させる2. 免許行政庁へ自主報告する、発覚経路が買主の申告か自主報告かで処分の重さが変わる3. 買主には白紙解除と全額返還を先に提示、被害拡大を止めた事実が情状になる4. 確認済証の写しを添付しなければ契約書が発行できない社内運用に変える、担当者の記憶に頼る運用は必ず再発する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、行政処分にも期間の定めはないが、時間が経つほど申告の実効性は落ちる。買主側の返還請求は、契約に基づくものであれば民法166条(権利を行使できると知った時から5年、または行使できる時から10年)、不法行為構成なら民法724条(損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年)。宅地建物取引業法37条の2のクーリング・オフを使う場合は、書面で告げられた日から8日以内
学説
取締規定説(一般的な理解):36条は業者の営業活動を取り締まる行政規制であり、違反して締結された売買契約が当然に無効となるものではないと理解される立場。制裁の中心は指示処分・業務停止処分などの行政処分に置かれる。
私法上の効力を否定的に評価する立場:許可等の処分前の売買は買主の保護目的に正面から反するとして、事案によっては私法上の効力を否定的に評価すべきとする見解。私法上の効力については実務上も解釈が分かれる論点とされる。
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