宅地建物取引業者(個人に限り、未成年者を除く。)が宅地建物取引業の業務に関し行つた行為は、行為能力の制限によつては取り消すことができない。
要点宅地建物取引業法 47 条の 3 は、個人の宅地建物取引業者(未成年者を除く)が業務に関し行った行為を、行為能力の制限を理由に取り消せないと定める。意思能力を欠く場合の無効は別に残る。
Q · 契約した相手の個人業者に後見が付いていたら、契約は取り消されてしまいますか?
免許のある個人業者なら取り消せません(未成年業者は別)
宅地建物取引業法 47 条の 3 により、免許を受けた個人の宅地建物取引業者が業務に関し行った行為は、行為能力の制限を理由に取り消すことができません。成年被後見人・被保佐人であっても同じです。ただし未成年者は括弧書きで対象外とされ、取消しのリスクが残ります。また本条が封じるのは「取消し」だけであり、契約時に意思能力を欠いていた場合の無効(民法 3 条の 2)は別問題として残ります。
不動産の売買契約を結んだ相手が個人業者で、その業者に成年後見が付いていたと後から判明したら、契約はどうなるか。民法の原則なら、成年被後見人の法律行為は取り消せる(民法 9 条)。つまりあなたが手付を打ち、リフォーム業者を手配し、引越しの日取りまで決めた後で、契約が根こそぎ消える可能性があった。2019 年(令和元年)の法改正がこの穴を塞いだ。宅地建物取引業法 47 条の 3 は、個人の宅地建物取引業者が業務として行った行為について、行為能力の制限を理由とする取消しを封じている。背景には、成年被後見人・被保佐人を一律に免許から締め出す欠格条項が撤廃されたことがある。門戸を開く代わりに、取引の相手方が不意打ちを食らわない仕組みを同時に入れた。注意すべきは括弧書きである。未成年者は対象外だ。相手が未成年の個人業者なら、取消しのリスクは今も生きている。
宅地建物取引業法 47 条の 3 は、行為能力の制限を理由とする取消しの制限を定める規定である。個人の宅地建物取引業者(未成年者を除く)が宅地建物取引業の業務に関して行った行為について、民法 9 条・13 条による取消権の行使を排除し、取引の相手方の地位を安定させる。免許の入口審査(同法 5 条 1 項 1 号)が本人保護の役割を代替する。
個人の宅地建物取引業者(未成年者を除く)が業務として行った行為について、行為能力の制限を理由とする取消しを封じる規定です。令和元年に新設されました。
取れます。令和元年の改正で一律の欠格条項は撤廃され、現在は 5 条 1 項 1 号により「心身の故障により業務を適正に営めない者」に当たるかを個別審査します。
47 条の 3 の括弧書きで未成年者は除外されているため、営業の許可がない場合は民法上の取消しリスクが残ります。相手が個人業者なら年齢確認が有効です。
事実上ありません。後見登記等の登記事項証明書を請求できるのは本人・配偶者・四親等内の親族等に限られ、取引相手というだけでは請求資格がありません。
防げません。本条が排除するのは行為能力の制限を理由とする取消しのみで、契約時に意思能力を欠いていた場合の無効(民法 3 条の 2)はそのまま残ります。
適用されません。条文が「個人に限り」と明示しており、法人業者では代表者個人の行為能力ではなく代表権の有無が問題となります。
令和元年(2019 年)の成年被後見人等の権利制限適正化整備法により新設されました。同時に約 180 本の法律で同趣旨の見直しが行われています。
続けられる場合があります。免許権者である都道府県が個別審査するため、自主廃業を決める前に担当窓口へ相談することが実務上重要です。
免許を持つ個人業者であれば、後見や保佐が付いていても行為能力を理由に取り消されることはありません(47 条の 3)。ただし契約時に意思能力そのものを欠いていた場合は、取消しではなく無効です(民法 3 条の 2)。業界裏話ヒント:この違いが決済実務を左右します。不安があるなら、契約日に司法書士や第三者を同席させ、本人が物件と価格を自分の言葉で説明した記録を残す。この一手間が、後の無効主張を実質的に封じる証拠になります
営業の許可を受けた未成年者は、その営業について成年者と同一の行為能力を持つため(民法 6 条)、そもそも取消しの問題が起きません。許可のない未成年者は保護の必要度が高く、法定代理人の審査を通す仕組みが免許の基準側に置かれています(5 条 1 項 1 号)。業界裏話ヒント:未成年の個人業者は実務上ごく稀ですが、ゼロではない。相手が個人業者のときに生年月日を確認しておくと、この論点を最初から消せます
そうとは限りません。2019 年(令和元年)の改正で一律の欠格条項は撤廃され、現在は「心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない者」に当たるかを個別に審査します(5 条 1 項 1 号)。診断書等の提出を求められます。業界裏話ヒント:自主廃業してしまうと、再開時に新規免許の手続を一からやり直すことになります。返納を決める前に、まず免許権者である都道府県の担当窓口に事情を伝えて判断を仰ぐ。ここで結論が変わる例があります(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 47 条の 3:個人業者の業務上の行為に対する取消しの制限 | — |
| 保護される者 | 取引の相手方(契約の安定) | — |
| 適用の時点 | 契約締結後、取消しが主張された段階 | — |
| 適用外となる場面 | 未成年者の個人業者、法人業者、意思無能力による無効 | — |
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