要点厚生年金保険法 23 条の 2 は、育児休業等を終了し 3 歳未満の子を養育する被保険者が申出をすれば、復帰後 3 か月の報酬の平均で標準報酬月額を改定できると定める。
Q · 育休から復帰して時短にしたのに、社会保険料が育休前のまま高いのはどうして?
申出をしていないから。申出で 3 か月平均に改定できる
標準報酬月額は原則として毎年 9 月の定時決定(厚生年金保険法 21 条)まで動かず、途中で下げるには随時改定(23 条)の「固定的賃金の変動かつ 2 等級以上の差」という要件が必要です。時短の減額が 1 等級にとどまると、そのままでは翌年 8 月まで実態と合わない保険料を払い続けます。23 条の 2 は、育児休業等を終了し 3 歳未満の子を養育する被保険者が事業主を経由して申出をした場合に、復帰後 3 か月間の報酬の平均で標準報酬月額を改定できるとしており、等級差は 1 等級でも足ります。申出は任意で、本人が動かなければ手続は始まりません。
育休明けに時短勤務へ切り替え、手取りが3割減ったのに、給与明細の社会保険料は育休前の高い金額のまま並んでいる。これは会社のミスではなく、厚生年金の原則ルールがそうなっているだけだ。標準報酬月額は毎年9月の定時決定(21条)まで動かないのが建前で、途中で下げるには随時改定(23条)の「固定的賃金の変動かつ2等級以上の差」という高いハードルを越えなければならない。時短分の減額が1等級にとどまれば、あなたは翌年8月まで実態と合わない保険料を払い続ける。23条の2は、その袋小路に育休復帰者専用の抜け道を開けた条文である。3歳未満の子を養育している被保険者が、事業所を経由して申出をすれば、復帰後3か月の報酬の平均で標準報酬月額を改定できる。等級差は1等級でも足りる。ただし申出は任意であり、あなたが黙っていれば誰も代わりに動かない。
厚生年金保険法 23 条の 2 は育児休業等終了時改定を定める規定であり、育児休業等を終了した被保険者が 3 歳未満の子を養育する場合において、事業主を経由した申出を要件として、終了日の翌日が属する月以後 3 か月間に受けた報酬の平均額により標準報酬月額を改定するものである。定時決定および随時改定に対する特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
育休等を終了した被保険者が申出をすると、復帰後 3 か月間の報酬の平均で標準報酬月額を改定できる制度です。厚生年金保険法 23 条の 2 が根拠で、随時改定の 2 等級要件は不要です。
使えます。随時改定(23 条)は 2 等級以上の差が必要ですが、23 条の 2 にはその制限がありません。時短で 1 等級しか下がらない典型ケースを救うために設けられた特則です。
その月は計算から除外され、残りの月の平均で改定されます。復帰後 3 か月すべてが 17 日未満の場合は、改定自体ができません。復帰直後の欠勤や無給休暇が多い見込みなら要注意です。
育児休業等終了日の翌日から起算して 2 月を経過した日の属する月の翌月からです(2 項)。復帰から実際に保険料が下がるまで、おおむね 4 か月分は高い保険料を払い続けます。
第一号厚生年金被保険者は勤務先の事業主を経由して実施機関(日本年金機構)へ提出します。第二号・第三号厚生年金被保険者(公務員等)は 3 項により事業主経由が不要です。
使えません。1 項但書により、育児休業等終了日の翌日に産前産後休業を開始している被保険者は対象外です。この場合は産前産後休業終了時改定(23 条の 3)の出番になります。
不要です。3 項により、第二号・第三号厚生年金被保険者については「事業主を経由して」の文言が外れ、主務省令の定めるところにより実施機関へ直接申し出る形になります。
厚生年金保険法 26 条の特例で、3 歳未満の子を養育して報酬が下がった期間について、年金額の計算上は従前の高い標準報酬月額を使うものです。保険料を下げても年金額を維持できます。
23条の2は育児休業等を終了したことが前提なので使えない。随時改定(23条)の要件、つまり固定的賃金の変動と2等級以上の差、3か月とも17日以上を満たすかどうかの勝負になる。業界裏話ヒント:ただし26条の養育期間特例は育休の有無を問わず、3歳未満の子を養育していて報酬が下がった被保険者に使える。育休を取らずに時短にした父親も対象だが、実務では父親側が申し出ていないケースが圧倒的に多い
23条の2の改定時期は2項で固定されており、過去に納めた保険料を後から取り戻すのは原則として難しい。翌年9月の定時決定(21条)を待つ形になる。実務上の取扱いは年金事務所で確認してほしい(最新の取扱いをご確認ください)。業界裏話ヒント:一方で26条の養育期間特例は申出日の前月までの2年間まで遡れる。保険料は戻らなくても年金額の側は2年分救済できるので、諦める前に遡及申出を出す
減る。健康保険の出産手当金は支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均で計算されるため(健康保険法99条2項、102条)、下げた月が平均に入り込む。厚生年金の年金額は26条で守られるが、健康保険の現金給付は守られない。業界裏話ヒント:第二子の産休が数か月後に控えている人は、保険料の減額分と手当金の減額分を並べて計算してから申し出るべきで、専門家でも見落としやすい論点である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の入口 | 23 条の 2:育児休業等の終了 + 3 歳未満の子の養育 + 本人の申出 | — |
| 等級差の要件 | 1 等級の差でも改定できる | — |
| 計算対象月の扱い | 終了日の翌日が属する月以後 3 か月。支払基礎日数 17 日未満の月は除外 | — |
| 効力の始期と終期 | 終了日の翌日から 2 月経過した日の属する月の翌月から、その年の 8 月まで(7〜12 月開始なら翌年 8 月まで) | — |
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