厚生年金保険法 第35条(端数処理)
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- 保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数が生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。
- 2.前項に規定するもののほか、保険給付の額を計算する場合において生じる一円未満の端数の処理については、政令で定める。
この条文の基本情報
端数処理とは何ですか?
定義端数処理とは、厚生年金保険法第35条に定められた規定で、「保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第35条(端数処理)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第35条の条文原文は「保険給付を受ける権利を裁定する場合又は保険給付の額を改定する場合において、保険給付の額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数…」で始まります。
- 厚生年金保険法第35条は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第35条の前の条は厚生年金保険法第34条です。
- 厚生年金保険法第35条の次の条は厚生年金保険法第36条です。
- 厚生年金保険法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法35条は、年金額の裁定・改定時に50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満を1円に切り上げると定める。ただし計算過程で生じる1円未満の端数処理は政令に委任されている。
Q · 年金の通知書の金額って、1円未満はどう処理されているの?
50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げます
厚生年金保険法35条1項により、保険給付を受ける権利を裁定するとき、または保険給付の額を改定するときは、50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げます。これは行政の裁量ではなく法律の命令であり、異なる処理がされていれば裁定処分の違法事由になり得ます。ただし、それ以外の計算過程で生じる1円未満の端数処理は同条2項で政令に委任されているため、条文だけを読んでも最終額を完全に再現することはできません。
解説
年金の裁定通知書に「1円」の差が出る理由を、あなたはたぶん考えたことがない。厚生年金保険法35条は、年金額を裁定するとき、また額を改定するとき、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げる、と定める。四捨五入と同じに見えるが、これは「役所の裁量」ではなく法律の命令である。ここが決定的だ。もし年金事務所が端数を勝手に切り捨てて通知してきたら、それは事務処理の誤りではなく法令違反であり、審査請求(社会保険審査官及び社会保険審査会法)で争える対象になる。さらに2項は、これ以外の計算過程で出る1円未満の端数の処理を政令に丸投げしている。つまりあなたの年金額は、法律だけを読んでも最後の1円までは再現できない。政令まで降りないと検算できない構造になっている。年金額の計算過程を自分で追いかけようとした人が、必ずここでつまずく。
法的な位置づけ
厚生年金保険法35条は、保険給付の額に生じる端数の処理を定める規定である。1項は裁定時および改定時における50銭未満の切捨てと、50銭以上1円未満の1円への切上げを法律自身が固定し、2項はそれ以外の計算過程で生じる1円未満の端数の処理を政令に委任する。給付額を確定する最終段階の丸めを法定した点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の金額と計算の基礎数値を書き出す 裁定通知書または改定通知書を用意し、年金額のほか、平均標準報酬額、被保険者期間の月数、加給年金額の有無、支給停止額など計算の基礎になる数値をすべて書き出す。原本はコピーを取り原本を保管する
- 2.ずれが「丸め由来」か「基礎数値の誤り」かを切り分ける 自分の試算と通知額の差が1円程度なら35条の端数処理が原因である可能性が高い。数十円以上、または月数・報酬額そのものが合わないなら、基礎数値(被保険者記録・標準報酬)の誤りを疑う
- 3.年金事務所に段階を特定して照会する 「計算が違う気がする」ではなく、「35条1項の裁定・改定時の端数処理と、2項の政令による計算過程の端数処理のどちらの段階の話か」を明示して尋ねる。回答者名と日時を記録する
- 4.記録の誤りが疑われれば訂正・再裁定を求める 被保険者記録の漏れや標準報酬の誤りが判明した場合、記録訂正を申し出て額の改定(再裁定)を求める。遡及して支給される分の有無も同時に確認する
- 5.納得できなければ期限内に審査請求を行う 裁定は行政処分であるため、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する。期限を過ぎると争う入口が閉じるため、通知書を開いた週に見直す
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険法35条とは何ですか?
年金など保険給付の額に生じる端数の処理を定めた規定です。裁定時と改定時は50銭を境に切捨て・切上げを行い、それ以外の計算過程の端数は政令が定めます。
Q2年金額の端数はいつ切り上げになりますか?
50銭以上1円未満の端数が生じたときに1円へ切り上げられます。50銭未満なら切り捨てです。適用場面は裁定するときと額を改定するときに限られます。
Q3年金の裁定とは何ですか?
受給権の存否と年金額を国が確認・確定する行為で、行政処分にあたります。裁定を受けて初めて支給が始まり、端数処理も35条1項に従って行われます。
Q4年金額の1円未満の端数は誰が決めているのですか?
最終額を確定する裁定・改定の丸めは法律(35条1項)が決め、途中計算で生じる1円未満の端数は35条2項の委任を受けた政令が決めています。
Q5年金額に納得できないときはどうすればいい?
裁定は行政処分なので、社会保険審査官への審査請求で争えます。処分があったことを知った日の翌日から3か月が期限で、通知書は必ず保管してください。
Q6在職老齢年金で毎月1円動くのはなぜ?
給与額に応じて支給停止額が変わるたびに改定が行われ、そのつど35条1項の丸めが発動するためです。誤りではなく条文が予定した挙動です。
Q7国民年金にも同じ端数処理がありますか?
国民年金法にも同旨の端数処理規定(17条)があります。基礎年金と厚生年金で扱いをそろえることで、二階建て年金全体の整合性が保たれています。
Q8年金の端数処理は四捨五入と同じですか?
結果は四捨五入と同じに見えますが、適用場面が裁定時と改定時に限定されている点が違います。途中計算の丸め方は政令次第で、常に同じとは限りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q11円くらい、文句を言うのは細かすぎますか?
額そのものは小さいが、裁定は行政処分なので、誤りがあれば改定の対象になる。しかも同じ丸めルールが加給年金額や支給停止額にも連鎖する(35条2項の政令)。実務のポイント:社会保険労務士が1円の食い違いを見たとき疑うのは丸めではなく、その前段の標準報酬記録である。1円の差は、記録の誤りが表に出た唯一のサインであることが実務上珍しくない。
Q2自分で年金額を計算しても、公式の額とぴったり合わないのはなぜですか?
掛け算の順序ではなく、丸めの段階が違うことが原因であることが多い。35条1項は裁定時と改定時の丸めしか定めておらず、途中計算の1円未満の扱いは2項が政令に委ねている。実務のポイント:日本年金機構が公表する「ねんきんネット」の試算額と裁定額がずれることがあるのも同じ理由で、試算は簡便な丸め方をしている。試算額を根拠に交渉や生活設計をすると、最後にずれる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「四捨五入だから常識どおり」と読み流す人が大半だが、問題は丸め方ではなく丸めるタイミングである。35条1項が働くのは裁定時と改定時、つまり最終額を確定する段階。それ以前の計算過程の端数は2項により政令の管轄で、丸め方が同じとは限らない。どこで丸めるかを知らないまま検算すれば、永遠に合わない。
- 「たかが1円の話」と考える人は、深刻度を取り違えている。この1円は毎月、そして数十年にわたり支給される。さらに同じ端数処理ルールが加給年金額・支給停止額・分割後の額にも連鎖する。1円の誤りは1円では終わらず、額を構成する各要素に伝播する。
- 年金事務所から示された額は「行政のシステムが出した数字だから動かせない」と受け取られがちだが、法律から見れば裁定は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、端数処理の誤りは処分の違法事由になる。あなたから見れば単なる印字ミス、法律から見れば取消し・変更を求められる処分の瑕疵。この落差を知らない人は、争えるものを黙って受け入れている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 35条:給付額に生じる端数の丸め方を定める | 33条:保険給付を受ける権利の裁定(額を確定する場面そのもの) 43条:老齢厚生年金の額の計算(丸めの対象となる本体規定) |
| 発動する場面 | 裁定するとき・額を改定するとき | 受給権発生後、請求に基づき権利を確認するとき 平均標準報酬額と被保険者期間から額を算出するとき |
| 決めているのは誰か | 1項は法律、2項の計算過程は政令 | 法律(実施は厚生労働大臣=日本年金機構) 法律(給付乗率等は改正法・政令が補完) |
| 争う入口 | 端数処理の誤り=裁定処分の瑕疵として審査請求 | 裁定そのものに対する審査請求(3か月以内) 基礎数値の誤りとして記録訂正・再裁定を請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も年金給付額の計算単位と端数の扱いを法令・施行細則の二層で定める点は共通。細目を下位法令に委ねる構造が日本の35条2項と近い
韓国も年金額のウォン未満の端数処理を法令で定める。基礎年金と所得比例部分で扱いをそろえる考え方は日本と類似
ドイツは年金計算に用いる各種係数や金額の丸めを法典内で規定し、計算過程の丸めまで法律レベルで固定する度合いが日本より高い
米国は給付額をドル未満で切り捨てる方式が基本で、受給者に不利な方向に一律に丸める点が、50銭を境に上下する日本方式と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職して初めての年金裁定通知書が届いた。手元の計算では月額換算で1円ずれている。年金事務所に電話しても「システムの計算です」としか言われない。35条と政令の端数処理を持ち出せば、担当者の説明の解像度が一段上がる。
- 在職老齢年金で支給停止額が毎月動く人。改定のたびに端数処理が走るので、月ごとに1円単位で額が揺れることがある。「先月と違う」は誤りではなく、35条が予定した挙動である。
- もし、あなたが遺族厚生年金の額を自分で検算して、公表の計算式と1円合わなかったとしたら? 疑うべきは自分の掛け算ではなく、どの段階で端数を丸めたかという順序である。丸める場所が一手違うだけで結果は1円ずれる。
- 年金分割(離婚時分割)の按分割合を決める協議中。分割後の見込額を双方が電卓で出したが、社会保険事務所の通知額と微妙に食い違う。協議書に「概算」と書いておかないと、後で「話が違う」と揉める種になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁定通知書・改定通知書を保管し、記載された年金額と計算の基礎(平均標準報酬額、被保険者期間の月数)を書き出す2. 自分の試算と食い違うなら、食い違いが1円未満の丸め由来か、基礎数値そのものの誤りかを切り分ける3. 年金事務所に照会し、35条1項と2項のどちらの段階の処理かを明示的に尋ねる4. 基礎数値の誤り(記録漏れ、標準報酬の誤り)が疑われるなら、審査請求の期限内に社会保険審査官へ審査請求を行う
訴えられた側:年金の支給側(実務担当・社会保険労務士)として説明を求められた場合、1. 裁定・改定時の丸め(1項)と、計算過程の丸め(2項の政令)を分けて図解する2. 適用した政令の条項を特定して示す3. 端数処理の順序が公表の計算式と異なる場合、その根拠を明示する4. 誤りがあれば速やかに額の改定手続を取り、遡及支給の要否を確認する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。年金給付を受ける権利(基本権)の消滅時効は5年(厚生年金保険法92条、支分権も原則5年)。裁定という行政処分に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)の全部改正により現行法が成立し、保険給付額の端数処理に関する規定が置かれた(各改正の詳細は e-Gov の改正履歴を要確認)
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