厚生年金保険法 第43条の5
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- 調整期間における基準年度以後再評価率の改定については、前条の規定にかかわらず、第一号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率(当該率が一を下回るときは、一。以下この条において「基準年度以後算出率」という。)を基準とする。
- 一物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
- 二調整率に当該年度の前年度の基準年度以後特別調整率(当該年度が基準年度である場合にあつては、当該年度の前年度の前条第五項に規定する特別調整率。次項第一号ロ及び第三項第二号において同じ。)を乗じて得た率
- 2.調整期間における次の各号に掲げる基準年度以後再評価率の改定については、前項の規定にかかわらず、当該各号に定める率を基準とする。
- 一前年度の標準報酬に係る基準年度以後再評価率イに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率(基準年度以後算出率が一となる場合にあつては、当該乗じて得た率に、一をハに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率で除して得た率を乗じて得た率)
- 一可処分所得割合変化率
- 二調整率に当該年度の前年度の基準年度以後特別調整率を乗じて得た率
- 三物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
- 二前々年度等の標準報酬に係る基準年度以後再評価率物価変動率に前号イに掲げる率及び同号ロに掲げる率を乗じて得た率(基準年度以後算出率が一となる場合にあつては、当該乗じて得た率に、一を同号ハに掲げる率に同号ロに掲げる率を乗じて得た率で除して得た率を乗じて得た率)
- 3.調整期間における当該年度に属する月の標準報酬に係る基準年度以後再評価率の設定については、前条第三項の規定にかかわらず、当該年度の前年度におけるその年度に属する月の標準報酬に係る基準年度以後再評価率(当該年度が基準年度である場合にあつては、再評価率)に、第一号に掲げる率及び第二号に掲げる率を乗じて得た率(基準年度以後算出率が一となる場合にあつては、当該乗じて得た率に、一を第三号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率で除して得た率を乗じて得た率)を基準とする。
- 一可処分所得割合変化率
- 二調整率に当該年度の前年度の基準年度以後特別調整率を乗じて得た率
- 三物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)
- 4.物価変動率又は名目手取り賃金変動率が一を下回る場合の調整期間における基準年度以後再評価率の改定又は設定については、前三項の規定にかかわらず、第四十三条の二第三項並びに第四十三条の三第一項及び第二項の規定を適用する。
- 5.第一項から第三項までの基準年度以後特別調整率とは、第一号の規定により設定し、第二号の規定により改定した率をいう。
- 一基準年度における基準年度以後特別調整率は、イに掲げる率にロに掲げる率を乗じて得た率とする。
- 一基準年度の前年度の前条第五項に規定する特別調整率
- 二物価変動率(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率)に調整率を乗じて得た率を基準年度以後算出率で除して得た率(物価変動率又は名目手取り賃金変動率が一を下回るときは、調整率)
- 二基準年度以後特別調整率については、毎年度、前号ロに掲げる率を基準として改定する。
- 6.前各項の規定による基準年度以後再評価率の改定又は設定の措置は、政令で定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第43条の5は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第43条の5の条文原文は「調整期間における基準年度以後再評価率の改定については、前条の規定にかかわらず、第一号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率(当該率が一を下回るときは、一。」で始まります。
- 厚生年金保険法第43条の5は第二節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第43条の5の前の条は厚生年金保険法第43条の4です。
- 厚生年金保険法第43条の5の次の条は厚生年金保険法第44条です。
- 厚生年金保険法第43条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第43条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第43条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/43_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法43条の5は、調整期間中、基準年度(実務上68歳到達年度)以後の年金改定率を物価変動率で算定しつつ、賃金がそれを下回る年は賃金に合わせ、調整率と繰越分を乗じて抑制する規定である。
Q · 68歳を過ぎたら、年金は物価が上がった分だけ増えるんですか?
増えません。賃金の伸びと調整率で削られます
厚生年金保険法43条の5により、基準年度(実務上68歳到達年度)以後の年金額は物価変動率を基礎に改定されますが、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る年は低い方の賃金に合わせられます。さらに調整率と前年度の基準年度以後特別調整率(過去に実施できなかったマクロ経済スライドの繰越分)を乗じるため、物価上昇分がそのまま反映されることはありません。ただし第4項により、物価または賃金がマイナスの年は名目額を下回らせない扱いが維持されます。
解説
毎年1月、厚生労働省が翌年度の年金額改定を発表する。ニュースは「年金〇%引上げ」とだけ報じるが、その裏で二本の別々の計算式が走っていることまでは報じない。68歳を境に、あなたの年金は賃金連動から物価連動へ切り替わる。それを定めるのが本条だ。ただし切替後も無条件に物価へ乗るわけではない。物価の伸びが賃金の伸びを上回った年は、低い方の賃金へ引きずり下ろされる(第1項第1号の括弧書き)。さらに「調整率」と「基準年度以後特別調整率」が掛けられる。後者こそ2018年度に入ったキャリーオーバー装置で、デフレで見送ったマクロ経済スライドの未調整分が消えずに積み立てられ、物価と賃金が伸びた年にまとめて回収される。令和5年度、物価は2.5%上がったのに既裁定者の年金は1.9%だった。差の0.6%のうち半分は、過去に見送った調整の後払いである。
法的な位置づけ
厚生年金保険法43条の5は、調整期間中における基準年度以後再評価率の改定方法を定める規定である。基準年度以後の受給者については、物価変動率を基礎としつつ、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は低い方の賃金変動率を用い、これに調整率と前年度の基準年度以後特別調整率を乗じて得た率を改定の基準とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.年金額改定通知書を前年分と並べる 毎年6月に届く年金額改定通知書を前年分と並べ、年金額が何%動いたかを自分で計算する。通知書には改定率の内訳が書かれていないため、まず結果の数字だけを確定させる
- 2.厚生労働省の1月公表資料で内訳を確認 厚生労働省が毎年1月に公表する年金額改定資料で、物価変動率・名目手取り賃金変動率・当年度の調整率・前年度からの繰越分(基準年度以後特別調整率)の四つを確認し、自分の計算結果と突き合わせる
- 3.数字が合わなければ標準報酬記録を照合 改定率が公表値と一致しないなら、原因は本条の計算式ではなく自分の標準報酬月額・被保険者期間の記録である可能性が高い。ねんきんネットで被保険者記録を1か月単位で照合する
- 4.誤りは年金事務所へ、不服は審査請求へ 記録の誤りは年金事務所に訂正を申し出る。処分そのものに不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する(厚生年金保険法90条)
よくある質問 AI による整理
Q1基準年度以後再評価率とは何ですか?
基準年度(65歳到達年度から3年を経過した年度、実務上68歳到達年度)以後の受給者について、標準報酬を現在価値に換算する際に用いる率です。厚生年金保険法43条の5が改定方法を定めています。
Q2調整率はどうやって決まりますか?
公的年金の被保険者総数の変動率と、平均余命の伸びを勘案した一定率を基礎に算出されます。被保険者が増えれば抑制は緩み、減れば強まる仕組みで、毎年度の具体的な数値は政令で定められます。
Q3調整期間はいつまで続きますか?
終期は財政検証で見通しが示され、その結果により変動します。報酬比例部分と基礎年金部分で終了時期が異なると試算されており、最新の財政検証の公表資料で確認する必要があります。
Q4名目手取り賃金変動率とは何ですか?
現役世代の手取り賃金の変動を示す率で、物価変動率に実質賃金変動率と可処分所得割合変化率を反映して算出されます。新規裁定者の改定の基礎となり、既裁定者にも上限として作用します。
Q5物価が下がった年、年金はどうなりますか?
第4項により、物価変動率または名目手取り賃金変動率が1を下回る年は本条の調整式を適用せず、43条の2第3項および43条の3の規定によります。名目額を下回らせない歯止めが働きます。
Q6可処分所得割合変化率とは何ですか?
現役世代の賃金に占める手取り(可処分所得)の割合の変化を示す率です。第3項により、当該年度に属する月の標準報酬に係る再評価率を設定する際の基礎として用いられます。
Q7年金額の改定はいつ発表されますか?
毎年1月に厚生労働省が翌年度の年金額改定を公表し、4月分(実際の支給は6月)から適用されます。物価変動率・名目手取り賃金変動率・調整率の内訳も同時に公表されます。
Q8年金額の改定は誰が決めるのですか?
第6項により、基準年度以後再評価率の改定・設定の措置は政令で定められます。法律が計算の枠組みを定め、毎年度の具体的な率は政令で確定する二層構造です。
この条文についての質問 AI による整理
Q168歳になると年金の増え方が変わるって本当ですか?
本当である。厚生年金保険法43条の3・43条の5により、基準年度(65歳到達年度から3年を経過した年度、実務上は68歳になる年度)以降は物価変動率を基礎に改定され、それ以前は名目手取り賃金変動率が使われる。実務のポイント:物価が賃金を上回った年は既裁定者も賃金に合わせられるため、実際には両者の改定率が同じ数字になる年の方が多い。「68歳で有利になる」と期待して繰下げを設計すると外れる
Q2マクロ経済スライドが発動しなかった年って、得したことになるんですか?
ならない。43条の5第5項の基準年度以後特別調整率が未調整分を保持し、翌年度以降へ繰り越す(2018年度施行のキャリーオーバー)。令和5年度は当年度分0.3%に令和3・4年度の繰越0.3%が加わり、合計0.6%が差し引かれた。実務のポイント:繰越残高は毎年1月の年金額改定の公表資料に載る。来年度どれだけ引かれるかは、その時点でほぼ読める
Q3年金額の計算がおかしい気がします。どこに文句を言えばいいですか?
本条の計算式は全受給者共通なので、そこを争っても動かない。疑うべきは自分の標準報酬記録と被保険者期間である。ねんきんネットで照合し、誤りがあれば年金事務所へ。処分に不服なら社会保険審査官へ審査請求(厚生年金保険法90条、原則3か月以内)。実務のポイント:記録訂正で過去分が増えた場合、通常5年の時効(同法92条)を超えた分も年金時効特例法で支給されうる。「5年より前だから諦める」は誤り
Q4繰下げ受給すれば、この目減りは取り返せますか?
増額率は1か月0.7%、70歳で42%、75歳で84%(厚生年金保険法44条の3)。ただし増えた額もその後は本条の調整対象で、目減りの速度は変わらない。取り返すのではなく、削られる元本を大きくしているだけである。実務のポイント:繰下げ待機中は加給年金が受け取れず増額もされない。在職老齢年金で支給停止された部分も増額の対象外。窓口では聞かなければ説明されない
間違えやすい点 AI による整理
- マクロ経済スライドで年金が目減りすることは知っている人が多い。だが本当に深刻なのは、その効き方が受給者によって違う点だ。財政検証の試算では、本条が扱う報酬比例部分の調整は2020年代のうちに終わる見通しである一方、基礎年金側(国民年金法27条の5)の調整は2030年代後半から、ケースによっては2050年代まで続くとされる。厚生年金の上乗せが厚い人ほど早く調整が終わり、基礎年金しかない人ほど長く削られる。制度の逆進性はここに出る(最新の財政検証をご確認ください)
- 「68歳以降は物価に連動するのだから、インフレでも実質価値は守られる」は誤り。第1項第1号の括弧書きにより、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る年は、賃金の方に合わせられる。現役世代の賃金が伸びない限り、既裁定者の年金は物価に追いつけない構造になっている。令和6年度・令和7年度はいずれも物価が賃金を上回り、新規裁定者と既裁定者の改定率が同じ数字に揃った
- 「マクロ経済スライドが発動しなかった年は得をした」という問いの立て方自体が誤っている。第5項の基準年度以後特別調整率により、発動できなかった分は消滅せず翌年度以降へ繰り越される。発動しなかったのではなく、支払いが先送りされただけだ。2018年度以降、この繰越しは制度として明文化されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる受給者 | 43条の5:調整期間中で基準年度(実務上68歳到達年度)以後の既裁定者 | 43条の3:基準年度以後の改定原則(調整期間外を含む) 43条の2:基準年度前の新規裁定者 |
| 改定の基礎となる指標 | 物価変動率(賃金を上回る年は名目手取り賃金変動率) | 物価変動率 名目手取り賃金変動率 |
| マクロ経済スライドの有無 | 調整率+前年度の基準年度以後特別調整率(繰越分)を乗じる | 調整期間外は乗じない 43条の4により調整率+特別調整率を乗じる |
| マイナス局面の扱い | 第4項により本条を適用せず、43条の2第3項・43条の3へ戻す | 名目額の下限が維持される 名目額の下限が維持される |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は消費者物価指数の累計成長率が一定水準に達した時点で給付額を調整する不定期方式が中心で、日本のような被保険者数・平均余命を織り込む自動抑制装置は導入されていない
韓国は物価連動を基本とし、給付水準の逓減は所得代替率の段階的引下げという立法的手法で行ってきた。日本のような毎年度の自動調整率は採用していない
基本養老金の「正常調整メカニズム」を法律で宣言するにとどまり、賃金上昇と物価上昇を勘案して国務院が毎年調整率を決定する政策裁量型。計算式は法律上明示されていない
ドイツは賃金変動を基礎に、被保険者と受給者の比率を反映する持続可能性係数で抑制する。抑制の指標として賃金を主軸に置く点が、物価を主軸に置く日本の基準年度以後の方式と対照的
フランスは物価連動による年次改定を原則としつつ、財政法により改定率を政治的に凍結・圧縮する運用が繰り返されてきた。自動装置ではなく毎年の立法判断で調整する点が異なる
米国は CPI-W に基づく完全物価連動で、賃金上限や自動抑制係数を持たない。財政均衡は将来の給付削減立法に委ねられており、日本のような繰越型の抑制装置は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし来年、物価が3%上がったのに年金額改定通知が1.8%だったら、残りの1.2%はどこへ消えたのか? 一部は当年度のマクロ経済スライド、一部は過去のデフレ期に見送られた未調整分(第5項の基準年度以後特別調整率)の回収である。通知書にこの内訳は書かれていない。厚生労働省の1月のプレスリリースを見に行かない限り、あなたは理由を知らないまま金額だけを受け取ることになる
- 67歳の妻と68歳の夫が、同じ年に同じ金額から年金を受け取り始めた。翌年の改定通知の額が違う。妻はまだ新規裁定者で賃金連動、夫は基準年度に入った既裁定者で物価連動だからだ
- あなたが企業の人事担当で、退職予定者から「年金はこれから増えますか」と聞かれる。「物価が上がれば増えます」と答えたら半分間違いだ。本条の下では物価上昇分から調整率と繰越分が差し引かれ、賃金に対する年金の相対的な水準は毎年下がっていく設計になっている。説明を誤ると、その人の退職後の資金計画ごと狂う
- 年金額改定通知書が届いてから3か月。金額に納得できないなら社会保険審査官への審査請求はこの期間内でなければ受け付けられない。ただし本条の計算式そのものを争っても勝ち目はほぼない。争える余地があるのは自分の標準報酬記録や被保険者期間の誤りであり、その照合に使える時間が3か月しかない(年金額改定通知に処分性があるかは実務上、解釈が分かれている)
- 70歳まで繰り下げれば42%増、75歳なら84%増。だがその増えた年金も68歳以降は本条の物価連動プラスマクロ調整の対象になる。増額率は固定でも、その後の目減り速度は繰り下げなかった人とまったく同じである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 毎年6月に届く年金額改定通知書を前年分と並べ、改定率を自分で計算する2. 厚生労働省が1月に公表する年金額改定資料で、物価変動率・名目手取り賃金変動率・調整率(当年度分と繰越分の内訳)を確認する3. 数字が合わないなら、原因は本条の計算式ではなく自分の標準報酬記録である可能性が高い。ねんきんネットで被保険者記録を照合する4. 誤りは年金事務所へ。処分に不服なら社会保険審査官へ審査請求する
訴えられた側:1. 現役世代なら、将来の年金を「今の水準×物価上昇」で試算しない。財政検証の所得代替率見通しを前提に置き換える2. 長く削られるのは主に基礎年金側なので、上乗せは厚生年金の加入期間を延ばす方が効率がよい3. 家族や部下に説明を求められたら「物価が上がっても年金は同じだけ上がらない、しかも見送った分は翌年以降に繰り越される」の二点に絞る。制度の細部より、この非対称性こそが相手の意思決定を変える
時効(請求できる期限):本条による改定自体に期限はない。年金を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)が、記録訂正に基づく増額分は「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律」により5年より前の分も支給されうる。処分に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(同法90条)、再審査請求は決定書謄本送付の翌日から2か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:マクロ経済スライドは、給付水準を現役世代の負担能力に接続させ制度の持続可能性を確保するための財政調整手法であり、給付額の絶対的保障ではなく世代間の負担配分の調整として理解される。本条の物価連動は購買力の完全保障ではなく、賃金上限と調整率による相対的な逓減を織り込んだ設計とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)年金制度改正 マクロ経済スライドの導入に伴い新設。基準年度(実務上68歳到達年度)以後の再評価率について、物価変動率を基礎としつつ調整率を乗じる仕組みと、物価が賃金を上回る場合に賃金へ合わせる括弧書きを定めた
- 平成28年(2016年)改正、平成30年(2018年)度施行 基準年度以後特別調整率を導入し、デフレ等で実施できなかったマクロ経済スライドの未調整分を翌年度以降へ繰り越すキャリーオーバーを明文化。あわせて賃金変動率が物価変動率を下回る場合に賃金へ合わせるルールが令和3年(2021年)度から徹底された
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:マクロ経済スライドの導入に伴い新設。基準年度以後の再評価率について、物価変動率を基礎としつつ調整率を乗じる仕組みと、物価が賃金を上回る場合に賃金へ合わせる括弧書きを定めた
- 2.平成28年(2016年)改正・平成30年(2018年)度施行 改正:基準年度以後特別調整率を導入し、デフレ等で実施できなかった調整の未調整分を翌年度以降へ繰り越すキャリーオーバーを明文化。賃金変動率が物価変動率を下回る場合に賃金へ合わせる取扱いも整理された
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