要点厚生年金保険法84条の5は、実施機関が毎年度拠出金を納付し、拠出金算定対象額から拠出金と基礎年金拠出金保険料相当分を控除した残額を政府が負担すると定める。
Q · 共済年金が厚生年金に統合されたあと、保険料は結局どこへ流れているんですか?
四つの実施機関が拠出金を納め、残額は政府が引き受けます
厚生年金保険法84条の5第1項により、政府(厚生労働大臣)、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団という四つの実施機関が、毎年度それぞれ拠出金を納付します。額の決め方は次条(84条の6)にあり、標準報酬総額の割合による按分です。そして第2項により、拠出金算定対象額から各実施機関の拠出金合計額と基礎年金拠出金保険料相当分を差し引いた残額は、実施者たる政府の負担とされます。会社員でも公務員でも私学教職員でも、給付の裏側を走る配管は同じ一本です。
給与明細から天引きされる厚生年金保険料が、どこを通って誰の給付になるのか。その配管図の一本が本条である。2015年10月の被用者年金一元化で、公務員の共済年金も私学教職員の共済年金も厚生年金に統合された。ところが保険料を集める窓口は今も四つに分かれている。政府(厚生労働大臣)、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団。この四つが実施機関であり、第1項は各実施機関に毎年度の拠出金納付を義務づける。額の決め方は次条にあり、標準報酬総額の割合による按分だ。そして効いてくるのが第2項である。必要額から各実施機関の拠出金と国庫負担相当分を差し引いた残額を引き受ける最終調整弁の席は、政府側に一つだけ置かれている。あなたが公務員でも会社員でも私学教職員でも、受け取る老齢厚生年金の裏側には、この同じ一本の配管が走っている。
厚生年金保険法84条の5は、被用者年金一元化後の費用分担を定める規定であり、各実施機関に毎年度の拠出金納付を義務づけ、拠出金算定対象額から実施機関の拠出金合計額及び基礎年金拠出金保険料相当分を控除した残額を政府の負担とする。財政の現況及び見通しの作成時には、厚生労働大臣が将来にわたる予想額を算定する。
厚生年金の保険料徴収や記録管理を行う四つの主体を指す。政府(厚生労働大臣)、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団であり、厚生年金保険法2条の5が定める。
本条第1項により、四つの実施機関がそれぞれ毎年度納付する。額は次条の定めに従い標準報酬総額の割合で按分され、政治的な交渉ではなく機械的な物差しで決まる仕組みになっている。
2015年10月1日である。平成24年法律第63号により共済年金が厚生年金へ統合され、本条の費用分担ルールも同時に施行された。給付の算定式と費用の按分が共通化された点が実質である。
別物である。基礎年金拠出金は国民年金の給付費へ回る負担で、その2分の1は国庫が負う(80条1項)。本条の拠出金は厚生年金の給付費のために各実施機関が納めるものである。
共済年金は廃止され、公務員も厚生年金の被保険者である。ただし保険料の徴収と記録管理は共済組合連合会が実施機関として行い、旧職域部分に代わる年金払い退職給付が別枠で設けられている。
私立学校教職員の保険料率は会社員の18.3%へ向けて段階的に引き上げられており、2027年に統一される予定である。按分の土台と率の統一は別スケジュールで走るため、最新の改正状況を確認してほしい。
折半である。厚生年金保険料は事業主と被保険者が半額ずつ負担する(厚生年金保険法82条1項)。実施機関はこうして集めた保険料を原資として、本条第1項の拠出金を納付する。
税金ではない。本条第2項の政府負担は、実施機関の一つとしての政府が引き受ける保険料財源の残額である。税財源による国庫負担は基礎年金拠出金の2分の1として控除項目に置かれ、条文上は線が分かれている。
消えていない。2015年10月の被用者年金一元化で共済年金は厚生年金へ統合され、共済組合や私学事業団は保険料を集めて給付を行う実施機関(第2条の5)として残った。集めた保険料は本条第1項の拠出金として制度全体の給付費に回る。業界裏話ヒント:一元化後はどの実施機関の窓口でも請求を受け付けるが、期間ごとの記録を持つのは当時の実施機関である。加入歴が複数にまたがる人は、請求前に各期間の記録を突き合わせておくと往復が減る。
政府は少なくとも5年ごとに財政の現況及び見通しを作る義務を負う(第2条の4)。そのとき本条第3項により、厚生労働大臣は各実施機関が納めるべき拠出金と政府の負担について将来にわたる予想額まで算定する。所得代替率の数字は、その長期推計の出口にすぎない。業界裏話ヒント:報道されるのは代替率だけだが、公表資料には負担側の見通しも載る。自分が属する実施機関の欄を先に見れば、保険料や負担の議論がどちらへ動くかが読める。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 負担の性質 | 84条の5:実施機関の拠出金納付義務と、控除後残額の政府負担(保険料財源) | — |
| 誰が動くか | 四つの実施機関+実施者たる政府 | — |
| 発動の契機 | 毎年度(第1項)/財政の現況及び見通しの作成時(第3項) | — |
| 本条との関係 | 費用分担の枠組み条文 | — |
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