厚生年金保険法 第84条の6(拠出金の額)
クイックジャンプ
- 前条第一項の規定により実施機関が納付する拠出金の額は、当該年度における拠出金算定対象額に、それぞれ次に掲げる率を乗じて得た額の合計額から、当該実施機関が納付する基礎年金拠出金保険料相当分の額を控除した額とする。
- 一標準報酬按分率
- 二積立金按分率
- 2.前項の拠出金算定対象額は、当該年度における厚生年金保険給付費等の総額に、当該年度において政府等が負担し、又は納付する基礎年金拠出金保険料相当分の合計額を加えた額とする。
- 3.第一項第一号の標準報酬按分率は、第一号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率とする。
- 一実施機関ごとに、当該年度における当該実施機関の組合員(国家公務員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会にあつては、当該連合会を組織する共済組合の組合員)たる被保険者又は私立学校教職員共済制度の加入者たる被保険者に係る標準報酬の総額として政令で定めるところにより算定した額(第八十四条の八第一項において「実施機関における標準報酬の総額」という。)を、当該年度における厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬の総額として政令で定めるところにより算定した額で除して得た率を基準として、厚生労働省令で定めるところにより、実施機関ごとに算定した率
- 二当該年度以前の直近の財政の現況及び見通しにおける財政均衡期間における各年度の拠出金算定対象額の予想額に対する保険料、この法律に定める徴収金その他政令で定めるものの合計額の予想額の占める割合を平均したものとして厚生労働省令で定めるところにより算定した率(次項第二号において「保険料財源比率」という。)
- 4.第一項第二号の積立金按分率は、第一号に掲げる率に第二号に掲げる率を乗じて得た率とする。
- 一実施機関ごとに、当該年度の前年度における実施機関積立金の額及びこれに相当するものとして政令で定めるものの額の合計額(以下この号において「実施機関の積立金額」という。)を、当該年度の前年度における年金特別会計の厚生年金勘定の積立金の額及びこれに相当するものとして政令で定めるものの額の合計額(以下「厚生年金勘定の積立金額」という。)と実施機関の積立金額との合計額で除して得た率を基準として、厚生労働省令で定めるところにより、実施機関ごとに算定した率
- 二一から保険料財源比率を控除した率
- 5.厚生労働大臣は、第三項各号及び前項第一号に規定する厚生労働省令を定めるときは、実施機関を所管する大臣に協議しなければならない。
この条文の基本情報
拠出金の額とは何ですか?
定義拠出金の額とは、厚生年金保険法第84条の6に定められた規定で、「前条第一項の規定により実施機関が納付する拠出金の額は、当該年度における拠出金算定対象額に、それぞれ次に掲げる率を乗じて得た額の合計額から、当該実施機関が納付する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第84条の6(拠出金の額)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第84条の6の条文原文は「前条第一項の規定により実施機関が納付する拠出金の額は、当該年度における拠出金算定対象額に、それぞれ次に掲げる率を乗じて得た額の合計額から、当該実施機関が納付する…」で始まります。
- 厚生年金保険法第84条の6は第五章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第84条の6の前の条は厚生年金保険法第84条の5です。
- 厚生年金保険法第84条の6の次の条は厚生年金保険法第84条の7です。
- 厚生年金保険法第84条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第84条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第84条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/84_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法84条の6は、実施機関が納付する拠出金の額を、拠出金算定対象額に標準報酬按分率と積立金按分率を乗じ、基礎年金拠出金保険料相当分を控除して算定すると定める。
Q · 共済組合が厚生年金に納める拠出金って、どうやって金額が決まるんですか?
給料シェアと積立金シェア、二本の按分率で決まります
厚生年金保険法84条の6により、実施機関が納める拠出金は、拠出金算定対象額に「標準報酬按分率」と「積立金按分率」を乗じた額の合計から、基礎年金拠出金保険料相当分を控除して算定します。標準報酬按分率は組合員の標準報酬の総額シェアに保険料財源比率を乗じた率、積立金按分率は積立金シェアに「1から保険料財源比率を控除した率」を乗じた率です。つまり保険料でまかなえる部分は給料規模に応じて、積立金を取り崩す部分は積立金の保有量に応じて負担する設計になっています。
解説
2015年10月1日、公務員と私学教職員の共済年金は厚生年金に統合された。ただし統合とは、保険料を一つの口座に集めることではない。国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団は、今も自分の組合員から保険料を集め、そのうえで厚生年金全体の給付費の持ち分を拠出金として納める。本条はその持ち分の算式である。持ち分は二本立てで決まる。一本目の標準報酬按分率は組合員の給料の総額シェア、二本目の積立金按分率は積立金の保有シェア。前者には保険料でまかなえる割合(保険料財源比率)を掛け、後者にはその残りを掛ける。給付費のうち保険料で払える部分は給料に応じて、積立金を取り崩して払う部分は積立金に応じて負担する、という設計だ。そこから基礎年金拠出金の保険料相当分を差し引いた額が、その実施機関に届く請求書になる。公務員や私学教職員なら、あなたの標準報酬もこの算式の分子に載っている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法第84条の6は、被用者年金一元化後に各実施機関が納付する拠出金の額の算定方法を定める規定である。当該年度の拠出金算定対象額に、標準報酬の総額シェアに保険料財源比率を乗じた標準報酬按分率と、積立金シェアに残余の比率を乗じた積立金按分率をそれぞれ乗じ、その合計額から基礎年金拠出金保険料相当分を控除した額が拠出金の額となる。按分率の具体的算定は厚生労働省令に委任される。
手順
- 1.拠出金算定対象額を確定する 当該年度の厚生年金保険給付費等の総額に、その年度において政府等が負担または納付する基礎年金拠出金保険料相当分の合計額を加算し、同条2項の拠出金算定対象額を確定する。これが二本の按分率を乗じる母数になる
- 2.標準報酬按分率を算定する 自機関の組合員・加入者に係る標準報酬の総額を、政令で定める算定方法に従って算出する。給与システムの内部集計値をそのまま使わず、政令準拠の台帳を別建てで管理する。これを厚生年金全体の標準報酬の総額で除した率に、保険料財源比率を乗じる
- 3.積立金按分率を算定する 前年度における実施機関積立金の額と政令で定める相当額の合計を、厚生年金勘定の積立金額と実施機関の積立金額の合計で除す。その率に「1から保険料財源比率を控除した率」を乗じて積立金按分率を得る
- 4.基礎年金拠出金保険料相当分を控除し納付額を確定する 拠出金算定対象額に二本の按分率をそれぞれ乗じた額を合計し、自機関が納付する基礎年金拠出金保険料相当分を控除する。控除漏れは二重負担に直結するため、基礎年金側の納付記録と突合する
- 5.省令協議段階で意見を出し、算定根拠を年度別に保存する 同条5項により、厚生労働大臣は按分率に関する厚生労働省令を定めるとき所管大臣に協議しなければならない。省令案の協議・意見公募の段階が算定方法に意見を反映できる実質的な窓であり、公布後は算定根拠一式を年度別に保存して事後照会に備える
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険法84条の6とは何ですか?
被用者年金一元化後、共済組合等の実施機関が厚生年金に納める拠出金の額の算定方法を定めた条文です。標準報酬按分率と積立金按分率という二本の按分率を使います。
Q2標準報酬按分率とは?
実施機関の組合員の標準報酬の総額が厚生年金全体の標準報酬の総額に占める率を基準とし、これに保険料財源比率を乗じた率です。給料規模に応じた負担分を表します。
Q3積立金按分率はどう計算しますか?
前年度の実施機関積立金額を、厚生年金勘定の積立金額と実施機関の積立金額の合計で除した率を基準とし、これに「1から保険料財源比率を控除した率」を乗じて算定します。
Q4保険料財源比率はどこで決まるのですか?
直近の財政の現況及び見通しにおける財政均衡期間で、各年度の拠出金算定対象額の予想額に対し保険料等の合計額の予想額が占める割合を平均したものとして、厚生労働省令が定めます。
Q5拠出金算定対象額とは何ですか?
当該年度の厚生年金保険給付費等の総額に、その年度に政府等が負担または納付する基礎年金拠出金保険料相当分の合計額を加えた額です(同条2項)。按分率を乗じる母数になります。
Q6実施機関とはどこを指しますか?
厚生年金保険法2条の5が定める主体で、日本年金機構のほか、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団が含まれます。
Q7基礎年金拠出金保険料相当分はなぜ控除されるのですか?
実施機関は基礎年金拠出金を別途納付するため、これを控除しないと同じ費用を二重に負担することになるからです。二重計上を避けるための調整項目です。
Q8被用者年金一元化はいつからですか?
平成24年(2012年)の被用者年金一元化法により、平成27年(2015年)10月1日から共済年金が厚生年金に統合されました。本条はその際に新設された費用分担規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共済年金はなくなったのに、どうして今も共済組合に届出するんですか?
制度は統合されましたが、共済組合等は「実施機関」(厚生年金保険法2条の5)として残り、保険料の徴収、記録管理、給付の決定と支払を担当し続けているためです。本条はその実施機関が納める拠出金の額を定めます。実務のポイント:複数の被用者年金制度に加入歴がある人は、期間ごとに各実施機関がそれぞれ年金を決定・支払います。請求窓口は一本化されていても、振込も源泉徴収票も複数から届く。老後の資金管理で「一つ来ていない」と慌てる原因の多くがこれです
Q2私学共済の保険料率って、公務員や民間と同じなんですか?
一元化により最終的に同一水準へ揃える設計ですが、私学共済は段階的な引上げの途中で、統一時期は民間や国家・地方公務員より遅れます(最新の改正状況をご確認ください)。本条の按分計算は、この料率差ではなく標準報酬の総額と積立金のシェアで負担を配分します。実務のポイント:私学の教職員は、昇給がなくても手取りが毎年わずかに減る年があります。原因は評価でも減給でもなく料率の段階引上げで、給与明細の控除欄を前年同月と並べれば一目で分かります
Q3積立金を多く持っている組合ほど拠出金が増えるって、真面目に積み立てた方が損じゃないですか?
損ではありません。積立金は最終的に自分の制度の給付原資として取り崩されるもので、本条4項は「保険料で賄えない部分は積立金を持つ主体が持ち分に応じて負担する」と整理しただけです。実務のポイント:この式には方向性があります。少子高齢化で保険料財源比率が下がるほど、1から保険料財源比率を引いた積立金側の重みが増える。つまり将来の見通しが厳しくなるほど、積立金を厚く持つ実施機関の負担割合が構造的に上がっていきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「共済年金は廃止された」ことは多くの人が知っている。だが知られていないのは、共済組合等が廃止されず「実施機関」(厚生年金保険法2条の5)として保険料の徴収、記録管理、給付の決定と支払を担い続けているという点だ。制度が消えたのではなく、給付の設計が厚生年金に揃えられ、費用の分担だけが本条の按分計算に置き換わった
- 「うちの組合の拠出金が増えたら組合員の保険料が上がるのでは」という問いの立て方自体が正確ではない。保険料率は一元化により法定で統一される方向にあり、拠出金の増減がそのまま料率に転嫁される仕組みではない。負担の調整は実施機関の財政の内側で起きる(最新の改正状況をご確認ください)
- あなたから見れば、毎月天引きされる掛金は自分の将来の年金の積み立てである。法律から見れば、それは実施機関単位で集計される標準報酬の総額の一項目であり、按分率の分子を構成する数字にすぎない。この落差を理解していないと、年金財政のニュースを読んでも自分との接続点が最後まで見えない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が定める内容 | 84条の6:拠出金の額の算定方法(二本の按分率) | 84条の5:実施機関の拠出金納付義務そのもの 2条の4:財政の現況及び見通しの作成(保険料財源比率の算定源) |
| 実務上の使いどころ | 年度ごとの納付額を計算するとき | 納付義務の有無と主体を確認するとき 5年ごとの財政検証を踏まえ中期見通しを立てるとき |
| 委任の有無 | 標準報酬の総額・積立金額は政令、按分率は厚生労働省令に委任 | 納付手続の細目を政令等に委任 作成方法・公表を法定 |
| 個人への影響経路 | 自分の標準報酬が按分率の分子に算入される | 直接の権利義務は生じない(機関間の関係) 将来の給付水準見通しを通じて間接的に影響 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は労工と公教の年金が別制度として並立しており、日本の一元化のように複数の実施機関が同一の給付費を按分して負担する規定は置かれていない。負担配分ではなく制度間の給付水準格差が改革論点となってきた
韓国は国民年金と公務員年金等の職域年金を統合せず、加入期間の連携によって受給権を確保する方式を採る。制度間の費用按分ではなく期間通算で接続している点が日本と異なる
中国も2015年に機関事業単位(公務員・公的機関職員)の養老保険を企業職工の基本養老保険と同一の枠組みへ移行させた。日本の一元化とほぼ同時期の改革だが、按分率方式ではなく統合基金と省級調整の方式による
ドイツの公務員(Beamte)は法定年金保険の外にある恩給制度(Beamtenversorgung)で税財源により給付されるため、実施機関間で給付費を按分する本条のような算式は存在しない
フランスは régimes spéciaux を残したまま、制度間の人口構成の差を埋める財政調整(compensation)を法定している。制度を統合せずに費用を移転する点で、統合したうえで按分する日本方式と対照的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし財政検証で保険料財源比率が下がったら、あなたの組合の負担はどう動く? 直近の財政検証は2024年(令和6年)に公表され、次はおおむね5年後。比率が下がるほど積立金シェアに掛かる重みが増し、積立金を多く抱える実施機関ほど拠出金が膨らむ。中期財政計画にこれを織り込む担当者には、検証結果の公表から予算編成までの数か月しか窓がない
- 共済組合の年金財務担当として、年度末に組合員の標準報酬の総額を集計する。ところが本条3項1号が要求するのは「政令で定めるところにより算定した額」であって、あなたの組合が給与システムで普段使っている集計値ではない。定義がずれたまま締切が近づく。内部管理用の数字をそのまま出せば、按分率そのものが狂う
- 私学の教員として20年。ねんきん定期便には「厚生年金保険」とだけ書かれている。あなたが払った掛金は、私学事業団を通じて厚生年金全体の給付費に流れ込んでいる
- 自治体の議会で職員給与の引上げが議論されている。同僚から「給与が上がったら年金の拠出金も増えるんですか」と聞かれる。標準報酬の総額シェアが上がれば按分率も上がるという一本の線が、人件費の議論と年金勘定の間にここで通っている
取るべき行動
被害を受けた側:組合員・被保険者の立場なら、まず自分がどの実施機関に属するか(国共済、地共済、私学事業団、日本年金機構)を確認する。加入歴が複数にまたがるなら、期間ごとに給付を決定・支払う主体が分かれる。ねんきん定期便と各実施機関の記録を突き合わせ、標準報酬の記録漏れがないか点検する。記録の誤りは給付額に直結し、按分計算の基礎にもなる
訴えられた側:算定・納付する側の実務なら、3項1号の標準報酬の総額は政令の算定方法に従うものであり、内部の給与集計とは別物として台帳を分ける。4項1号の実施機関積立金の額も政令が定める範囲で確定させる。省令改正の協議段階で所管大臣を通じて意見を出し、公布後は算定根拠を年度別に保存する。事後の照会に耐える証跡が唯一の防御になる
時効(請求できる期限):本条自体に個人が行使する権利の期限はない。拠出金は年度単位で算定・納付され、算定の前提となる財政の現況及び見通しは少なくとも5年ごとに作成される(厚生年金保険法2条の4)。個人側の期限は同法92条1項で、保険料その他の徴収金を徴収し又は還付を受ける権利は2年、保険給付を受ける権利は5年で時効消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)被用者年金一元化法、平成27年(2015年)10月1日施行 被用者年金制度の一元化に伴い新設。共済年金を厚生年金に統合したうえで、各実施機関が負担する拠出金の額を、標準報酬按分率と積立金按分率という二本の按分率で算定する仕組みを導入した。施行後の技術的改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 新設:被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律により新設。共済年金を厚生年金に統合したうえで、各実施機関が納付する拠出金の額を標準報酬按分率と積立金按分率の二本立てで算定する仕組みを導入した
- 2.平成27年(2015年) 施行:同年10月1日に一元化が施行され、国家公務員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会・日本私立学校振興共済事業団が実施機関として本条の拠出金納付主体となった
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める