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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

厚生年金保険法 第85条(保険料の繰上徴収)

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  1. 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、全て徴収することができる。
  2. 一納付義務者が、次のいずれかに該当する場合
  3. 一国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。
  4. 二強制執行を受けるとき。
  5. 三破産手続開始の決定を受けたとき。
  6. 四企業担保権の実行手続の開始があつたとき。
  7. 五企業価値担保権の実行手続の開始があつたとき。
  8. 六競売の開始があつたとき。
  9. 二法人たる納付義務者が、解散をした場合
  10. 三被保険者の使用される事業所が、廃止された場合
  11. 四被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

この条文の基本情報

保険料の繰上徴収とは何ですか?

定義保険料の繰上徴収とは、厚生年金保険法第85条に定められた規定で、「保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、全て徴収することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 厚生年金保険法第85条(保険料の繰上徴収)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
  2. 厚生年金保険法第85条の条文原文は「保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、全て徴収することができる。」で始まります。
  3. 厚生年金保険法第85条は第五章に置かれています。
  4. 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
  5. 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 厚生年金保険法第85条の前の条は厚生年金保険法第84条の10です。
  7. 厚生年金保険法第85条の次の条は厚生年金保険法第86条です。
  8. 厚生年金保険法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第85条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115
  • 本サイト収録厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/85

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点厚生年金保険法85条は、法人の解散、事業所の廃止、船舶所有者の変更や船舶の滅失があった場合、保険料を納期前でも全額徴収できると定める。納期限の利益が失われ、滞納処分の前提が整う。

Q · 会社を解散したら、厚生年金保険料は納期限まで待ってもらえないんですか?

待てません。85条で納期前に全額徴収されます

厚生年金保険法85条により、法人の解散、事業所の廃止、船舶所有者の変更や船舶の滅失・沈没・運航不能があった場合、保険料は納期前であっても全て徴収することができます。平常時の納期限は翌月末日(同法83条)ですが、これらの事由が生じた瞬間に納期の利益が消えます。繰上徴収は単なる督促ではなく、督促・滞納処分(同法86条、国税徴収法の例による差押え)へ進む前提を早期に整えるものです。廃業・清算のスケジュールを組む際は、この一条が資金繰りの前提を覆します。

解説

会社を畳もうとしている経営者が最後に直面するのが、この条文である。厚生年金保険の保険料は本来、翌月末日という納期限まで待ってから納めればよい。ところが解散を決議した瞬間、事業所を廃止した瞬間、その「待ってもらえる権利」が消える。日本年金機構は納期限を待たず、全額をその場で徴収できる。あなたが知っておくべきなのは、この繰上徴収が単なる督促ではなく、滞納処分(国税徴収法の例に倣った差押え)の前提を早期に整える仕組みだという点だ。清算手続に入って財産の分配順序を考えている段階で、すでに保険料債権は「期限が来ている債権」に変わっている。廃業・解散のスケジュールを組むとき、この一条を見落とすと、想定していた清算原資が先に消える。順番を知っている人と知らない人で、最後に手元に残る金額が変わる。

法的な位置づけ

厚生年金保険法85条は保険料の繰上徴収を定める規定であり、法人たる納付義務者の解散、被保険者の使用される事業所の廃止、船舶所有者の変更または当該船舶の滅失・沈没・運航不能という列挙事由が生じた場合に、納期限の到来を待たず保険料の全額を徴収しうる旨を規定する。同法83条の納期限原則に対する例外として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.解散決議・事業所廃止の日付を決める前に未納残高を照会 管轄の年金事務所で、厚生年金保険料および健康保険料の未納残高・延滞金の見込額を確認する。解散登記や全喪届の日付は、この残高を把握してから逆算して決める
  2. 2.清算原資と弁済順序のシミュレーション 繰上徴収で保険料全額が即時徴収可能になる前提で、退職金・買掛金・租税公課を含む弁済順序を組み直す。公租公課の優先度と滞納処分のリスクを弁護士・社会保険労務士・税理士と確認する
  3. 3.年金事務所へ先に出向いて納付計画を協議 繰上徴収の通知を受けてから動くのではなく、廃業計画を持参して自ら相談する。分割納付や納付計画の受け入れ余地が変わる。協議内容は日付入りで記録を残す
  4. 4.解散・全喪の届出と被保険者資格喪失手続 解散登記後、適用事業所全喪届と被保険者資格喪失届を提出する。従業員への資格喪失日の通知と、離職後の国民年金・国民健康保険への切替案内も同時に行う
  5. 5.船舶譲渡が絡む場合は精算条項に社会保険料を明記 船舶所有者の変更・船舶の滅失は独立した繰上徴収事由となる。譲渡契約書の精算条項に社会保険料の負担区分と精算日を明記し、譲渡代金の入金時期と徴収時期のズレを埋める

よくある質問 AI による整理

Q1繰上徴収とは何ですか?

納期限の到来を待たずに保険料の全額を徴収する制度です。厚生年金保険法85条が根拠で、法人の解散・事業所の廃止・船舶の滅失などの列挙事由に限られます。

Q2厚生年金保険料の納期限はいつまでですか?

原則として翌月末日です(厚生年金保険法83条)。ただし85条の繰上徴収事由が生じた場合、この納期の利益は失われ、納期前でも全額徴収されます。

Q3繰上徴収の対象になるのはどんな場合ですか?

法人たる納付義務者の解散、被保険者の使用される事業所の廃止、船舶所有者の変更、船舶の滅失・沈没・全く運航に堪えない状態の4類型です(85条各号)。

Q4繰上徴収に応じないとどうなりますか?

督促を経て滞納処分に進み、国税徴収法の例により財産が差し押さえられます(厚生年金保険法86条)。あわせて延滞金も発生します(同法87条)。

Q5厚生年金保険料の時効は何年ですか?

保険料を徴収する権利は2年で時効消滅します(厚生年金保険法92条)。ただし督促により時効は更新されるため、放置すれば消えるという理解は誤りです。

Q6健康保険料にも繰上徴収はありますか?

あります。健康保険法172条がほぼ同内容の繰上徴収を定めており、社会保険料は厚生年金と健康保険が同時に繰り上がる構造になっています。

Q7事業所を廃止したら届出は必要ですか?

必要です。適用事業所の全喪届を提出します(厚生年金保険法27条、同法施行規則13条)。この届出自体が繰上徴収の端緒にもなります。

Q8繰上徴収の処分に不服がある場合はどうしますか?

社会保険審査官への審査請求ができます。処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が期限です(社会保険審査官及び社会保険審査会法)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1会社を解散したら、未払いの保険料は消えるんですか?

消えません。むしろ85条により納期前でも全額徴収できる状態になり、法人が清算中でも保険料債権は存続します。徴収権の時効は2年(厚生年金保険法92条)ですが、督促によって時効は更新されます。実務のポイント:清算結了の登記を入れても、未納の公租公課があれば清算は実質的に終わっていないと扱われることがある。登記さえ済ませれば逃げ切れる、という発想で動くと、清算人個人が責任を問われる展開になりうる

Q2工場を一つ閉めるだけでも、繰上徴収の対象になるんですか?

なります。85条は「被保険者の使用される事業所が、廃止された場合」を明示しており、法人自体の存続とは無関係です。適用事業所の廃止は届出事項でもあります(厚生年金保険法27条)。実務のポイント:拠点整理や統廃合を進める会社で、法人が続くから大丈夫だろうと油断して未納を残したまま事業所廃止届を出すと、その届出自体が徴収側への通知になる。整理の順番を設計するなら、未納解消を先に置く

Q3船を売っただけで、なぜ年金保険料を先に取られるんですか?

厚生年金保険は船員も被保険者とし、船舶所有者が事業主となる構造だからです。所有者が変わる、あるいは船が滅失・沈没・運航不能になると、保険料徴収の基盤が失われるため、85条は納期前徴収を認めています。実務のポイント:船舶譲渡の契約実務では、譲渡実行日と保険料の精算日をずらすと、旧所有者側に一括納付の資金負担が集中する。契約書の精算条項に社会保険料の取扱いを一行入れておくかどうかで、実行後の資金繰りが変わる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「保険料の納期限は翌月末日だから、廃業しても翌月末まで待てる」という理解は、平常時には正しいが、解散・廃止という異常時にはそのまま覆る。あなたが立てていた資金繰り表は、繰上徴収の一通で無効になる
  • 繰上徴収の存在自体は知っている経営者でも、その深刻さを見誤りやすい。繰上徴収は単に「早く払え」ではなく、納期限が到来した状態を作り出すこと、つまり滞納処分(財産の差押え)へ進むための前提を早期に成立させる意味を持つ。清算中の会社の口座や売掛金が差押えの対象になりうる
  • 「事業を止めたのだから、もう保険料は関係ない」と考える人がいるが、これは問いの立て方が誤っている。問うべきは「止めた後にいくら払うか」ではなく「止めるという行為そのものが、既発生の保険料債権の期限をどう動かすか」である。過去の未納分こそが、廃業の瞬間に一斉に牙を剥く
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面85条:解散・事業所廃止・船舶の滅失等による納期前の全額徴収83条:平常時の納期限(翌月末日)の原則
86条:督促と滞納処分(差押えの実行段階)
発動のトリガー列挙事由の発生(解散決議・事業所廃止・船舶所有者変更・船舶の滅失)毎月の保険料算定(自動的に到来)
納期限(繰上徴収後を含む)の経過と督促状の指定期限の徒過
事業主への効果期限の利益を失い、全額が直ちに徴収可能な債権になる翌月末日まで資金を留保できる
財産の差押え・換価に進む(国税徴収法の例による)
時間軸での位置納期限の前倒し(時計を早送りする段階)起点(通常の時計)
納期経過後(強制執行の段階、87条の延滞金も並行)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
勞工保險條例・稅捐稽徵法第25條

台湾も公課について納期前徴収の制度を持ち、納税義務者の解散・清算等を要件とする点で構造が近い

韓国
국세징수법 제14조(납기 전 징수)・국민연금법

韓国は国税徴収法の納期前徴収規定を社会保険料の徴収に準用する構造をとる

ドイツ
SGB IV § 23、§ 66

ドイツは社会保険料の納期を法定しつつ、徴収リスクが高まった場合の保全手段を別途用意する

アメリカ
26 U.S.C. § 6851、§ 6331

米国は雇用税について termination assessment により課税期間途中でも即時賦課・徴収を可能とする

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 取引先の倒産に巻き込まれ、社長は会社の解散を決議した。従業員の退職金、買掛金、税金、そして厚生年金保険料。どれから払うかを考えていたら、年金事務所から納期限より前の全額納付を求める通知が届く。解散決議の日が、そのまま繰上徴収のスイッチだったと後から気付く
  • 工場を一つ閉じることにした。会社自体は存続するので何も変わらないと思っていたが、その事業所で使用されていた被保険者の分の保険料は、事業所廃止によって繰上徴収の対象になる。法人の解散だけがトリガーではない
  • もし、漁業会社が持っていた船が沈没したらどうなる? 船員たる被保険者の保険料は、その船舶の滅失によって繰上徴収の対象となる。船舶所有者が変わった場合も同じ。海の上の出来事が、陸の保険料徴収スケジュールを一気に前倒しにする
  • あと10日で解散登記を入れる予定だった。清算人に就任する前に、未納保険料と繰上徴収の可能性を洗い出しておかないと、清算人自身が第二次納税義務や損害賠償のリスクを背負う。登記の前夜に慌てて社労士に電話することになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 被保険者(従業員)の立場であれば、事業所の廃止や会社の解散を知った時点で、自分の被保険者資格喪失日と、給与から控除された保険料が実際に納付されているかを年金事務所で確認する2. 給与天引きされていたのに事業主が未納だった場合でも、被保険者の年金記録は原則として保護されるが、記録の確認は早いほど良い3. 「ねんきん定期便」や年金事務所での照会で、加入期間の欠落がないかを点検する4. 会社が消滅すると事実確認が困難になるため、給与明細と源泉徴収票は廃業前に必ず自分で保管する

訴えられた側:1. 事業主として繰上徴収の通知を受けたら、無視は最悪手、放置すれば滞納処分(差押え)へ進む2. 直ちに年金事務所に出向き、資産状況と清算計画を開示して納付計画を協議する3. 清算手続中であれば、他の債権者への弁済順序と公租公課の優先度を専門家(弁護士・社会保険労務士・税理士)と整理する4. 事業譲渡や船舶譲渡が絡む場合、譲渡代金の入金時期と繰上徴収の時期のズレを事前に埋める交渉を行う

時効(請求できる期限):繰上徴収そのものに申立期限はないが、保険料を徴収する権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。督促を受けた場合、督促状の指定期限までに納付しないと滞納処分に進み、延滞金も発生する(同法87条)。処分に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法)。(最新の改正状況をご確認ください)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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