厚生年金保険法 第87条(延滞金)
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- 前条第二項の規定によつて督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセント(当該納期限の翌日から三月を経過する日までの期間については、年七・三パーセント)の割合を乗じて計算した延滞金を徴収する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合又は滞納につきやむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。
- 一保険料額が千円未満であるとき。
- 二納期を繰り上げて徴収するとき。
- 三納付義務者の住所若しくは居所が国内にないため、又はその住所及び居所がともに明らかでないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
- 2.前項の場合において、保険料額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となる保険料は、その納付のあつた保険料額を控除した金額による。
- 3.延滞金を計算するにあたり、保険料額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
- 4.督促状に指定した期限までに保険料を完納したとき、又は前三項の規定によつて計算した金額が百円未満であるときは、延滞金は、徴収しない。
- 5.延滞金の金額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
- 6.第四十条の二の規定による徴収金は、前各項の規定の適用については、保険料とみなす。この場合において、第一項中「年十四・六パーセント(当該納期限の翌日から三月を経過する日までの期間については、年七・三パーセント)」とあるのは、「年十四・六パーセント」とする。
この条文の基本情報
延滞金とは何ですか?
定義延滞金とは、厚生年金保険法第87条に定められた規定で、「前条第二項の規定によつて督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセン…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第87条(延滞金)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第87条の条文原文は「前条第二項の規定によつて督促をしたときは、厚生労働大臣は、保険料額に、納期限の翌日から保険料完納又は財産差押の日の前日までの期間の日数に応じ、年十四・六パーセン…」で始まります。
- 厚生年金保険法第87条は第五章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第87条の前の条は厚生年金保険法第86条です。
- 厚生年金保険法第87条の次の条は厚生年金保険法第87条の2です。
- 厚生年金保険法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法87条は、督促を受けた保険料に年14.6パーセント(最初の3か月は年7.3パーセント)の延滞金を課す規定。督促状の指定期限までに完納すれば徴収されない。
Q · 社会保険料を滞納したら、延滞金はいくらついて、どうすれば止まりますか?
督促状の指定期限までに完納すれば延滞金は徴収されません
厚生年金保険法87条1項により、督促を受けた保険料には納期限の翌日から完納又は財産差押えの日の前日まで、年14.6パーセント(最初の3か月は年7.3パーセント)の延滞金がかかります。ただし同条4項により、督促状に指定された期限までに完納すれば延滞金は徴収されず、計算額が100円未満の場合も徴収されません。全額が無理でも、同条2項により一部を納付した日以後はその納付額を控除した残額のみが計算基礎となるため、早く一部入金するほど以後の負担は縮みます。
解説
督促状が届いてから電卓を叩き始めるのでは遅い。厚生年金保険料を納期限までに納めず、86条2項の督促を受けると、この条文が自動的に起動する。起算は納期限の翌日、終期は完納または財産差押えの日の前日。最初の3か月は年7.3%、それを過ぎると年14.6%が日割りで積み上がる。だが本当に効くのは、条文の後半に隠れている三つのスイッチだ。第一に、保険料の一部を納めた日以後は、その残額にしか延滞金は付かない(2項)。全額そろうまで待つのが最悪手である。第二に、督促状に指定された期限までに完納すれば、延滞金は徴収されない(4項)。督促=延滞金確定ではない。第三に、6項が牙をむく。不正受給の返還金(40条の2)を滞納した場合だけは3か月の軽減期間が消え、初日から年14.6%が走る。あなたが今いるのがどのスイッチの手前かで、支払う金額は桁が変わる。
法的な位置づけ
厚生年金保険法87条にいう延滞金とは、督促を受けた保険料が納期限までに納付されなかった場合に、納期限の翌日から完納又は財産差押えの日の前日までの日数に応じて課される金銭をいう。割合は年14.6パーセント、納期限の翌日から3か月を経過する日までは年7.3パーセントとされ、督促状に指定した期限までの完納その他一定の場合には徴収されない。
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金の延滞金とは何ですか?
督促を受けた保険料を納期限までに納めなかった場合に、日数に応じて課される金銭です。厚生年金保険法87条1項が根拠で、納期限の翌日から完納又は財産差押えの日の前日までが計算期間となります。
Q2厚生年金保険料の延滞金の計算方法は?
保険料額(1,000円未満切捨て)に、日数と割合を乗じて日割りで計算します。最初の3か月は年7.3パーセント、それ以降は年14.6パーセント。算出額の100円未満は切り捨てられます(87条3項・5項)。
Q3延滞金の利率は何パーセントですか?
条文本則は年14.6パーセント、納期限の翌日から3か月を経過する日までは年7.3パーセントです。ただし法附則の特例により実際の割合は本則より低い水準で運用されており、最新値は日本年金機構の公表値で確認します。
Q4延滞金はいつから発生しますか?
起算日は納期限の翌日です。終期は保険料を完納した日、又は財産差押えの日の前日。督促を受けたことが徴収の前提であり、督促がなければ本条は起動しません(87条1項)。
Q5社会保険料を滞納するとどうなりますか?
まず86条2項による督促状が届き、指定期限を過ぎると国税滞納処分の例により預金や売掛金が差し押さえられます。延滞金は差押えの日の前日まで積み上がり続けます。
Q6延滞金が徴収されないのはどんな場合ですか?
督促状に指定した期限までに完納したとき、計算額が100円未満のとき、保険料額が1,000円未満のとき、繰上徴収のとき、公示送達で督促したとき、滞納にやむを得ない事情があると認められるときです。
Q7不正受給の返還金にも延滞金はつきますか?
つきます。40条の2の徴収金は保険料とみなされますが、87条6項により最初の3か月を年7.3パーセントとする軽減が適用されず、初日から年14.6パーセントで計算されます。
Q8社会保険料の滞納は時効で消えますか?
保険料等を徴収する権利は2年で時効消滅します(厚生年金保険法92条1項)。ただし督促は時効の更新事由となるため、督促状が発せられた時点で2年のカウントは振り出しに戻ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1督促状が来ちゃったんですけど、もう延滞金は確定ですか?
確定ではない。督促状に指定された期限までに保険料を完納すれば、延滞金は徴収されない(87条4項)。督促は延滞金の発生要件であって、同時に免れる最後の窓口でもある。実務のポイント:督促状の指定期限は納期限から相当の期間を置いて指定される(86条2項)。この日付が実務上の最終猶予であり、窓口で「あと数日待ってほしい」と口頭で頼んでも、この期限自体は動かないのが原則だ。
Q2一括では払えません。分割にしてもらえますか?
法律上の当然の権利ではないが、実務では年金事務所が資金繰りの状況を見て納付計画の相談に応じている。分割中も残額には延滞金が付き続けるが、納付した日以後はその納付分を控除した金額が計算基礎になる(87条2項)。実務のポイント:納付額はまず保険料本体に充当される取扱いが一般的で、少額でも早く入れるほど以後の延滞金の基礎が縮む。相談に行くタイミングも重要で、差押えの予告が出る前か後かで担当者の裁量幅が変わる。
Q3うちの会社が社会保険料を滞納していたら、私がもらう年金は減りますか?
原則として減らない。厚生年金保険料の納付義務者は事業主であり(82条2項)、被保険者の年金額は資格の取得喪失と標準報酬月額の記録で計算される。滞納の延滞金も事業主に課される(87条1項)。実務のポイント:本当に怖いのは滞納ではなく、そもそも資格取得届が提出されていないケースだ。この場合は記録自体が存在せず、後から遡って直すには賃金台帳や出勤簿などの立証資料が要る。給与明細と ねんきん定期便の照合を年1回やっておく価値はここにある。
間違えやすい点 AI による整理
- 年14.6%は高い、と知っている人は多い。だが深刻なのは率ではなく、この条文が滞納処分と一本の線でつながっている点だ。督促後は国税滞納処分の例により売掛金や預金が差し押さえられ、しかも延滞金は差押えの日の前日まで積み上がり続ける(1項)。これは利息の問題ではなく、取引先に差押通知が届いて信用が飛ぶかどうかの問題である。
- 「延滞金をいくら減額してもらえるか」と考えた時点で、問いそのものが外れている。本条に一般的な減額の裁量規定はない。実際の争点は値切りではなく、1項ただし書の「やむを得ない事情」に当たるか、4項の完納・100円未満という不徴収ラインの内側に落とせるか、という該当性の判断である。交渉ではなく、要件を取りに行く作業だ。
- 本則どおり年14.6%で請求が来ると思い込んでいる人が多いが、法附則の特例により、近年の実際の割合は本則より大幅に低い水準で運用されている。年金事務所から届いた金額が自分の計算と合わないのはそのためである(最新の割合は日本年金機構の公表値をご確認ください)。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 87条:督促後に発生する延滞金の割合と計算方法を定める | 86条:督促と、督促後の国税滞納処分の例による強制徴収を定める 92条:保険料等を徴収する権利の2年の消滅時効を定める |
| 時間の起点 | 納期限の翌日(83条の納期限が起点を画する) | 納期限経過後、相当の期間を置いて指定される督促状の期限 権利を行使できる時から2年、督促により更新 |
| 止め方・逃げ道 | 督促状の指定期限までの完納、一部納付による基礎額の縮減、100円未満不徴収、やむを得ない事情 | 指定期限までの完納により滞納処分に至らない 督促や差押えがなければ2年経過で徴収権が消滅 |
| 不正受給返還金の扱い | 40条の2の徴収金は保険料とみなされ、最初の3か月の軽減なし(6項) | 同様に督促・滞納処分の対象 同じく2年の消滅時効の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も投保単位(事業主)の保険料滞納に日割りの滞納金を課し、上限割合と強制執行への接続を法定する点で構造が近い
韓国も滞納期間に応じて連体金を段階的に加算し、上限を設ける方式を採る。日本の3か月区切りと同様の段階構造を持つ
ドイツは月単位で1パーセントの滞納加算金を課す。年率換算では日本の本則より高いが、月単位の丸め方式で計算構造が異なる
米国は社会保障税(FICA)を含む雇用税の納付遅延・預託遅延に加算税を課す。特に源泉徴収分の未納には重い制裁が用意されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 資金繰りが詰まり、今月の社会保険料を一回飛ばした。翌月、年金事務所から督促状が届く。ここで「どうせもう延滞金がついている」と諦めて封筒を放置すると、指定期限を過ぎた瞬間に延滞金が現実の請求額になる。4項を知っていれば、その期限までに完納すれば延滞金はゼロで終わったはずだった。
- もし従業員10人の会社が保険料50万円を3か月滞納したら、延滞金はいくらになる? 本則の年7.3%で計算すれば約9,200円、そこから100円未満は切り捨てられる(5項)。しかも本則の率は法附則の特例で引き下げられて運用されており、請求額はさらに下がる。自分で検算できるかどうかが、年金事務所の窓口での交渉の出発点になる。
- 不正受給の返還金を滞納した。この場合、最初の3か月の軽減はない。初日から年14.6%が走る(6項)。
- 督促状の指定期限まであと5日。全額は無理でも、その日までに動かせる現金を一部でも入れれば、以後の延滞金は残額にしか付かない(2項)。5日間で売掛金の前倒し回収をかける意味は、まさにそこにある。完納まで届けば、4項で延滞金そのものが消える。
取るべき行動
被害を受けた側:給与明細では厚生年金保険料が控除されているのに、会社の滞納が疑われる場合。1. ねんきんネットまたは年金事務所で自分の被保険者記録と標準報酬月額を確認する。2. 資格取得届自体が出ていないと記録がそもそも存在しないので、加入年月日を必ず照合する。3. 記録に欠落があれば年金事務所へ調査を申し出る。事業主が控除しながら納付しない行為は罰則の対象になりうる。4. 会社の滞納それ自体では原則としてあなたの年金額は減らないので、まず記録の有無を押さえる。
訴えられた側:1. 督促状の指定期限の日付を最初に確認する。その日までの完納で延滞金は徴収されない(4項)。2. 完納が無理でも、期限までに一部を入金する。以後の延滞金の基礎額はその分だけ減る(2項)。3. 同時に年金事務所へ資金繰り表を持参して納付計画を相談し、やむを得ない事情の主張を記録に残す。4. 差押えを受けても延滞金は差押えの日の前日で止まる計算構造なので、放置ではなく着地点の設計に切り替える。
時効(請求できる期限):保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収する権利は、2年を経過したときに時効によって消滅する(厚生年金保険法92条1項)。督促は時効の更新事由となるため、督促状が出た時点で2年のカウントは振り出しに戻る。延滞金自体の計算は納期限の翌日が起算点、完納または財産差押えの日の前日が終期(同法87条1項)。
学説
通説:本条の延滞金は、納付遅延に対する遅延利息的性格と、期限内納付を確保するための制裁的性格を併有する公法上の金銭給付と解されている。租税における延滞税と同様の機能を果たすものと位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法の全部改正(昭和29年法律第115号)により、督促を受けた保険料に係る延滞金の徴収規定として現行の条番号に置かれた
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