厚生年金保険法 第86条(保険料等の督促及び滞納処分)
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- 保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、前条の規定により保険料を徴収するときは、この限りでない。
- 2.前項の規定によつて督促をしようとするときは、厚生労働大臣は、納付義務者に対して、督促状を発する。
- 3.前項の規定による督促状は、納付義務者が、健康保険法第百八十条の規定によつて督促を受ける者であるときは、同法同条の規定による督促状に併記して、発することができる。
- 4.第二項の督促状により指定する期限は、督促状を発する日から起算して十日以上を経過した日でなければならない。ただし、前条各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 5.厚生労働大臣は、納付義務者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、国税滞納処分の例によつてこれを処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、区又は総合区とする。以下同じ。)に対して、その処分を請求することができる。
- 一第二項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないとき。
- 二前条各号のいずれかに該当したことにより納期を繰り上げて保険料納入の告知を受けた者がその指定の期限までに保険料を納付しないとき。
- 6.市町村は、前項の規定による処分の請求を受けたときは、市町村税の例によつてこれを処分することができる。この場合においては、厚生労働大臣は、徴収金の百分の四に相当する額を当該市町村に交付しなければならない。
この条文の基本情報
保険料等の督促及び滞納処分とは何ですか?
定義保険料等の督促及び滞納処分とは、厚生年金保険法第86条に定められた規定で、「保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、前条の規定により保険料を徴…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第86条(保険料等の督促及び滞納処分)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第86条の条文原文は「保険料その他この法律の規定による徴収金を滞納する者があるときは、厚生労働大臣は、期限を指定して、これを督促しなければならない。ただし、前条の規定により保険料を徴…」で始まります。
- 厚生年金保険法第86条は第五章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第86条の前の条は厚生年金保険法第85条です。
- 厚生年金保険法第86条の次の条は厚生年金保険法第87条です。
- 厚生年金保険法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法86条は、保険料を滞納した者に厚生労働大臣が期限を指定して督促すると定める。指定期限は督促状発送日から10日以上先で、経過後は国税滞納処分の例により差押えができる。
Q · 年金事務所から督促状が届いたら、いつから差し押さえられるんですか?
督促状の指定期限を過ぎると、判決なしで差押えが可能になります
厚生年金保険法86条により、保険料を滞納すると厚生労働大臣(実務の窓口は日本年金機構)は期限を指定して督促しなければなりません。督促状で指定される期限は、発する日から起算して10日以上を経過した日です(4項)。この指定期限までに納付がないと、5項により国税滞納処分の例で預金・売掛金・不動産を差し押さえることが可能になります。裁判所の判決や債務名義は不要です。差押えを避けるには、期限が到来する前に年金事務所の徴収担当へ連絡し、換価の猶予または納付の猶予の申請を検討することになります。
解説
年金事務所は、あなたの会社を裁判所に訴えない。訴える必要がないからだ。保険料を滞納すると、まず督促状が届く。この一通を単なる催促の紙だと思っているなら、認識を入れ替えたほうがいい。督促状に書かれた期限(発送日から起算して10日以上先、86条4項)を過ぎた瞬間、厚生労働大臣(実務の窓口は日本年金機構)は国税滞納処分の例により、判決も債務名義もなしに預金・売掛金・不動産を差し押さえられる(同条5項)。民間の債権者なら訴訟に1年かける工程を、行政は書類一通と10日で飛び越える。しかも督促は87条の延滞金を発動させ、92条の2年の徴収時効を更新する。督促状は請求書ではない。あなたの財産に対する執行のスイッチであり、時計の巻き直しでもある。
法的な位置づけ
厚生年金保険法86条は、保険料等の滞納に対する督促と滞納処分を定める規定である。厚生労働大臣は期限を指定して督促状を発し、その期限は督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日とされる。指定期限までに納付がないときは、国税滞納処分の例により処分し、又は納付義務者の居住地若しくは財産所在地の市町村に処分を請求することができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.督促状の指定期限を最初に特定する 封を切ったら本文より先に指定期限の日付を探し、カレンダーに落とす。発送日から起算して10日以上先の日が入っているか(86条4項)、繰上徴収の記載がないかを確認する。この日付が滞納処分の起動条件であり、以後の全ての行動の基準日になる
- 2.滞納の内訳と対象期間を確定する 納入告知書と督促の履歴を並べ、どの月分がいくら残っているかを一覧化する。被保険者負担分(84条の控除済み分)と事業主負担分を分けて把握すると、窓口での説明と優先順位づけが速くなる。徴収権の2年時効(92条)との関係で、督促の有無と時期も同時に記録する
- 3.指定期限が来る前に年金事務所の徴収担当へ連絡する 期限前なら分割納付の設計から話が始まり、期限後は差押えの解除交渉になる。電話で状況を伝え、換価の猶予または納付の猶予の申請可否と必要書類を確認する。口頭の相談で終わらせず、申請書を出す前提で日程を決める
- 4.猶予申請の書類を揃えて提出する 財産収支状況書や納付計画など、収支と財産の実態を示す書類を作成して提出する。申請による換価の猶予には納期限からの申請期限が設けられているため、書類作成に数日かかる前提で逆算する(最新の運用状況をご確認ください)
- 5.売掛金と入金経路を先に点検し、一部でも入金する 差押えは預金より先に売掛金へ及ぶことがあり、取引先への差押通知は信用に直結する。主要な入金経路と口座を洗い出して優先順位をつけ、全額が無理でも一部を納付して元本を減らす。延滞金は完納日まで積み上がるため、一部納付でも総額を圧縮できる
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険料の督促状とは何ですか?
厚生年金保険法86条に基づき、保険料を滞納した納付義務者に厚生労働大臣が発する書面です。単なる催促ではなく、指定期限の徒過が滞納処分の法定要件となる手続です。
Q2督促状の指定期限はいつになりますか?
督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日でなければなりません(86条4項)。ただし85条の繰上徴収事由に当たる場合は、この10日以上の期間保障はありません。
Q3社会保険料を滞納すると何が差し押さえられますか?
国税滞納処分の例により、預金・売掛金・不動産・動産などが対象になります(86条5項)。実務では取引先への通知を伴う売掛金差押えが先行することもあり、信用への影響が大きい財産です。
Q4社会保険料の延滞金はいつから発生しますか?
督促状の指定期限までに完納しないと、87条により納期限の翌日から完納日までの日数に応じて加算されます。率は年度ごとに変動するため、最新の公表値の確認が必要です。
Q5厚生年金保険料の徴収権の時効は何年ですか?
2年です(92条)。ただし納入の告知や督促によって時効は更新されるため、督促状を受け取った時点で進行は振り出しに戻ります。放置しても時効の利益にはつながりません。
Q6督促なしで差し押さえられることはありますか?
あります。85条の繰上徴収事由(破産手続開始の決定、解散、強制執行を受けるときなど)に該当する場合、86条1項但書により督促は不要とされ、10日の猶予もありません。
Q7差し押さえられた財産を取り戻すことはできますか?
完納すれば差押えは解除されます。全額納付が難しい場合でも、換価の猶予や納付の猶予が認められれば換価(売却)が止まることがあります。手続は国税滞納処分の例によります。
Q8社会保険料の滞納処分を市町村が行うことはありますか?
あります。厚生労働大臣は居住地や財産所在地の市町村に処分を請求でき、市町村は市町村税の例で処分します。この場合、徴収金の4パーセントが当該市町村に交付されます(86条5項6項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1督促状が来ちゃったんですけど、分割で払わせてもらうことってできますか?
できる余地がある。86条5項が国税滞納処分の例によると定める結果、換価の猶予・納付の猶予といった猶予制度の枠組みが及び、実務でも分割納付が組まれている。実務のポイント:申請による換価の猶予には納期限から6か月以内という申請期限がある。窓口は「相談に来てください」としか言わないが、口頭の相談で済ませるか申請書を出すかで、延滞金の一部免除が得られるかどうかが変わる(最新の運用状況をご確認ください)。
Q2会社が社会保険料を滞納しているらしいんですが、私の将来の年金は減りますか?
減らない。厚生年金の納付義務者は事業主であり(82条2項)、年金額は納付実績ではなく標準報酬月額の記録で決まる。危ないのは滞納ではなく、資格取得届や算定基礎届自体が出ていない場合だ。実務のポイント:記録の訂正を求めるとき、給与明細の保険料控除欄が最も強い証拠になる。会社が倒産した後では誰も出してくれない。在職中に控除欄の写しを残す人はほとんどいないが、これが十年後に効く。
間違えやすい点 AI による整理
- 督促状が来ることは誰でも知っている。知られていないのはその重さだ。督促には三つの効果が同時に乗る。滞納処分の前提要件を満たすこと(86条5項)、延滞金の徴収根拠になること(87条)、2年の徴収時効を更新すること(92条)。放置は「支払いを先延ばしにしている」のではなく、執行の準備を進めさせながら時効の望みも自ら消している状態である。
- 「どうやって差押えを止めるか」という問いの立て方そのものが誤っている。止める手段は交渉術ではなく制度として法定されており、国税滞納処分の例が及ぶ結果、換価の猶予・納付の猶予という申請手続が用意されている。問うべきは「いつまでに、何の書類を出すか」だ。申請による換価の猶予には納期限から6か月以内という期限があり、頭を下げる回数ではなく提出日が結果を分ける(最新の運用状況をご確認ください)。
- 経営者から見れば、社会保険料の滞納は資金繰りの遅れである。法律から見れば景色が違う。滞納額の半分は、事業主が従業員の報酬から控除して預かった被保険者負担分(84条)であり、自分の懐が痛んでいない金銭を国に渡していない状態だ。この落差を理解しないまま窓口で「払えない」と繰り返すと、話が噛み合わないまま差押えに進む。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動する場面 | 86条:通常の滞納。督促状を発し、指定期限の徒過で滞納処分へ | 85条:破産手続開始の決定・解散・強制執行など、待てない事由の発生 87条:督促を受けた者が指定期限までに完納しないとき |
| 事前手続の要否 | 督促が必須。督促状の発送が滞納処分の前提要件 | 督促を要しない(86条1項但書)。納期を繰り上げて告知 督促があることが延滞金徴収の前提 |
| 与えられる猶予 | 督促状発送日から起算して10日以上(4項) | 10日以上の期間保障なし(4項但書) 猶予ではなく、完納日まで日々加算される負担 |
| 納付側から見た効果 | 差押えの起動条件が特定日に確定し、92条の2年時効も更新される | 予告なく納期が前倒しされ、準備期間が消える 元本とは別に金銭負担が増え、完納まで止まらない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も保険者が滞納金を加算したうえで、公法上の金銭給付義務として行政執行機関へ移送する構造をとり、裁判所の判決を経ない点で日本と同型
韓国も督促を経て国税滞納処分の例により徴収する。徴収事務が国民健康保険公団に統合されている点が日本の日本年金機構方式と異なる
中国は徴収機関が期限を定めて納付を命じ、口座からの振替決定や人民法院への差押え申立てによる。裁判所の関与が残る点で日本の完全な自力執行とは異なる
ドイツも事業主が総社会保険料の納付義務を負い、徴収機関が行政強制執行により取り立てる。自力執行という基本構造は日本と共通
米国は社会保障税を IRS が徴収し、notice and demand の後に levy(差押え)へ進む。督促相当の通知を前置する構造は日本の督促と機能的に類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 督促状の指定期限を1日過ぎたら、翌日いきなり差し押さえられるのか? 法律上は可能だ。86条5項は「指定の期限までに納付しないとき」を滞納処分の要件として書いており、こちらから猶予を申し出ない限り、年金事務所は待つ義務を負わない。
- 従業員8人の建設会社。元請からの入金が遅れ、社会保険料の納付を2か月飛ばした。今朝届いた督促状の指定期限まで、残り10日。ここで多くの社長が預金残高だけを見張るが、実務で先に差し押さえられるのは売掛金であることが多い。取引先に差押通知が届いた時点で、失うのは資金ではなく次の受注だ。
- 友人が働く会社の経理担当から「うちは社会保険料を半年滞納している」と聞いた。友人は自分の将来の年金が消えるのかと青ざめている。厚生年金の納付義務者は事業主(82条2項)であり、被保険者の年金額は標準報酬月額の記録で決まる。滞納で潰れるのは会社であって、従業員の年金記録ではない。
取るべき行動
被害を受けた側:勤務先の滞納を知った従業員側の動き。1. ねんきんネットまたはねんきん定期便で、自分の被保険者記録と標準報酬月額が正しく登録されているか確認する2. 給与明細の社会保険料控除欄を毎月保管する。会社が消えた後では入手できない3. 記録に空白や誤りがあれば、年金事務所に記録の訂正請求を行う。控除の事実を示す給与明細が最有力の証拠になる4. 賃金未払を伴う場合は、社会保険とは別軌道で労働基準監督署への申告を検討する
訴えられた側:滞納している事業主側の動き。1. 督促状の指定期限を最初に確認し、カレンダーに落とす(86条4項) 2. 期限到来前に年金事務所の徴収担当へ連絡し、換価の猶予または納付の猶予の申請を検討する。財産収支状況書など提出書類の準備に数日かかる3. 差押えは預金より先に売掛金へ及ぶことがある。取引先への通知が信用に直結するため、資金の置き場と入金経路を先に点検する4. 延滞金は完納日まで積み上がるため、全額が無理でも一部を入れて元本を減らす
時効(請求できる期限):督促状で指定される期限は、督促状を発する日から起算して10日以上を経過した日(86条4項)。この期限の徒過が滞納処分の要件となる(同条5項)。ただし85条の繰上徴収事由(破産手続開始の決定、解散、強制執行を受けるときなど)に当たる場合は、督促も10日の猶予も与えられない(86条1項但書・4項但書)。徴収権自体の消滅時効は2年(92条)で、納入の告知および督促により更新される
改正沿革 AI による整理
- 要検証 社会保険庁の廃止と日本年金機構の発足に伴い、督促および滞納処分の主体表記が変更されたほか、5項の市町村の範囲について地方自治法上の総合区に関する文言が加わったとみられる。改正年次と新設・改正の区別は未検証のため、人的確認を要する
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