警察法 第75条(国家公安委員会の助言義務)
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国家公安委員会は、内閣総理大臣に対し、本章に規定する内閣総理大臣の職権の行使について、常に必要な助言をしなければならない。
この条文の基本情報
国家公安委員会の助言義務とは何ですか?
定義国家公安委員会の助言義務とは、警察法第75条に定められた規定で、「国家公安委員会は、内閣総理大臣に対し、本章に規定する内閣総理大臣の職権の行使について、常に必要な助言をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第75条(国家公安委員会の助言義務)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第75条の条文原文は「国家公安委員会は、内閣総理大臣に対し、本章に規定する内閣総理大臣の職権の行使について、常に必要な助言をしなければならない。」で始まります。
- 警察法第75条は第六章 緊急事態の特別措置に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第75条の前の条は警察法第74条です。
- 警察法第75条の次の条は警察法第76条です。
- 警察法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法75条は、緊急事態の布告下で首相が警察を統制する際、国家公安委員会が首相に常に必要な助言をする義務を定める。助言に拘束力はない。
Q · 緊急事態のとき、国家公安委員会は首相に対して何をするの?
首相の警察統制について常に助言する義務を負う
警察法75条により、国家公安委員会は、緊急事態の布告(71条)が発せられ首相が警察を一時的に統制している間、首相の職権行使について常に必要な助言をしなければなりません。首相から求められなくても自ら助言する義務がありますが、助言に法的拘束力はなく、首相は異なる判断をすることができます。首相の判断を事後にチェックするのは、布告後20日以内に求める国会承認(74条)です。
解説
日本の警察には、首相が直接指揮できないようにする仕組みがある。政治家が警察を私兵にしないよう、間に国家公安委員会(民間出身者を中心とする5人の委員と委員長からなる合議体)を置いている。ただし、この仕組みが外れる場面が一つだけある。大規模な災害や騒乱が起きて、内閣総理大臣が警察法71条の「緊急事態の布告」を出したときだ。布告が出ると、首相が警察を一時的に直接統制し、警察庁長官は首相の命令を受けて全国の都道府県警察を指揮する。75条は、その場面でも国家公安委員会を外さないための規定である。委員会は首相に対して「常に」必要な助言をしなければならない。首相から意見を求められたときだけではなく、自分から言う義務がある。ただし、助言に首相を縛る力はない。首相の判断を止める権限ではなく、口を挟み続ける役目である。この違いを押さえておくと、「緊急事態で権力が暴走したらどうなるのか」という議論を具体的な条文で読めるようになる。
法的な位置づけ
警察法75条は、同法第6章「緊急事態の特別措置」に置かれた規定であり、内閣総理大臣が緊急事態の布告に基づき警察を一時的に統制する際、国家公安委員会に対し、首相の職権行使について常に必要な助言を行う義務を課す。助言は法的拘束力を持たず、首相の決定権を制約するものではない。
よくある質問 AI による整理
Q1警察法75条とは何ですか?
緊急事態の布告下で首相が警察を統制するとき、国家公安委員会が首相に常に必要な助言をする義務を定めた規定です。
Q2警察法の緊急事態の布告とは?
大規模な災害や騒乱などの際、治安維持のため特に必要なとき、首相が国家公安委員会の勧告に基づいて発する布告です(警察法71条)。
Q3緊急事態の布告は誰が出すのですか?
内閣総理大臣です。ただし国家公安委員会の勧告に基づくことが要件とされ、首相が単独の発意だけで出せる仕組みにはなっていません(71条)。
Q4緊急事態の布告の国会承認はいつまで?
布告を発した日から20日以内に国会に付議して承認を求める必要があります。国会閉会中や衆議院解散中は、その後最初に召集される国会で速やかに求めます(74条)。
Q5国家公安委員会の委員は何人?
委員長と5人の委員で構成されます。委員長は国務大臣が充てられ、委員は首相が両議院の同意を得て任命します。
Q6布告中、警察庁長官は何をするの?
首相の命令を受け、布告区域を管轄する都道府県警察の警視総監や警察本部長に命令・指揮を行い、必要に応じて他県からの応援派遣も命じます(73条)。
Q7警察法の緊急事態の布告は過去に出された?
1954年の現行警察法制定以来、発せられた例は公表されている範囲では確認されていません。制度は存在するが未発動の状態です。
Q8国家公安委員会が助言しなかったら違法?
75条は「しなければならない」と定める法的義務なので、怠れば義務違反となります。ただし罰則はなく、国会での検証など政治的責任の問題として扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国家公安委員会が首相の方針に反対したら、首相は従わないといけないんですか?
従う義務はない。警察法75条が定めているのは「助言」の義務であり、同意や拒否の権限ではない。首相の判断を事後にチェックするのは、布告から20日以内に求める国会承認(74条)である。実務のポイント:法律が「助言」「勧告」「同意」のどれを使っているかで、権限の強さは大きく変わる。条文の動詞に注目すれば、誰に決定権があるかがすぐにわかる。
Q2コロナの緊急事態宣言のとき、警察も首相の直接指揮下に入っていたんですか?
入っていない。あの宣言は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、警察の指揮系統は変わらなかった。警察法71条の緊急事態の布告は、制定以来一度も出されていない(公表されている範囲で)。実務のポイント:報道では同じ「緊急事態」という言葉が複数の法律について使われる。根拠法を確認するまで、同じ制度だと考えないほうがよい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「国家公安委員会の助言があるなら、首相は勝手に警察を動かせない」と思われがちだが、それは違う。75条の助言には法的な拘束力がなく、首相は助言と異なる判断をしてもよい。首相を事後にチェックするのは、布告から20日以内の国会承認(74条)である
- 新型コロナのときの緊急事態宣言と、警察法の緊急事態の布告を同じものだと考えると、話がかみ合わなくなる。前者は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、警察の指揮系統は変わらない。後者は警察の指揮系統そのものを首相の直接統制に切り替える。名前は似ているが、別の法律に基づく別の制度である
- 「平時の警察を指揮しているのは首相だ」という認識がそもそもの誤りである。平時の警察庁を管理するのは国家公安委員会で、首相は委員長と委員の任命権(国会の同意が必要)を持つにとどまる。首相が警察を直接統制できるのは布告が出たときに限られる。75条が助言を義務づけているのは、この例外状態においてである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 警察法75条:布告下の首相の職権行使への国家公安委員会の助言義務 | 警察法71条:首相による緊急事態の布告の発令 警察法74条:布告の国会承認と廃止 |
| 国家公安委員会・国会の関与形態 | 常に必要な助言(求めがなくても行う義務) | 国家公安委員会の勧告が布告の前提 国会が20日以内に承認・不承認を判断 |
| 首相に対する拘束力 | なし(首相は助言と異なる判断が可能) | 勧告がなければ布告を発せない(入口の要件) あり(不承認・廃止議決で布告は速やかに廃止) |
| 機能するタイミング | 布告の発令から廃止までの統制期間中ずっと | 布告の発令時 布告発令後の事後統制 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には国家公安委員会に相当する合議体はなく、非常時は総統の緊急命令と立法院の事後追認(10日以内)で統制する。第三者機関による常時助言の仕組みは置かれていない
韓国は日本と同様に国家警察委員会を置くが、行政安全部所属の審議・議決機関であり、緊急時の首相への助言義務という形の規定ではない
ドイツは内的緊急事態において連邦政府が州警察に指示できると定め、連邦議会・連邦参議院の要求による解除を歯止めとする。合議体による助言ではなく議会統制型である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 憲法改正の緊急事態条項をめぐって、ワイドショーのコメンテーターが「今の日本には非常時の仕組みが何もない」と断言した。本当にそうだろうか? 警察法71条から75条には、首相による警察の直接統制、国会承認、国家公安委員会の助言という三つの仕組みがすでに書かれている。何もないのではない。昭和29年(1954年)の制定以来、緊急事態の布告は一度も出されていない(公表されている範囲で)
- あなたは地方公務員試験や行政書士試験の勉強で、警察法の章立てを覚えている最中だ。試験まであと三週間。「助言」と「同意」の違いが選択肢でひっかけとして出たら、75条を思い出せば判断できる。委員会がするのは助言であり、首相の判断を止める同意権ではない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:現行警察法(昭和29年法律第162号)の制定により、第6章「緊急事態の特別措置」の一条として国家公安委員会の助言義務が規定された
- 警察法 第71条緊急事態の布告、助言が前提
- 警察法 第72条布告時の首相による警察統制
- 警察法 第73条布告時の長官による都道府県警察指揮
- 警察法 第74条布告の国会承認と廃止
- 警察法 第5条国家公安委員会の任務と所掌
- 災害対策基本法 第105条災害緊急事態の布告、並行する非常時制度
- 自衛隊法 第78条命令による治安出動、警察力の補完
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