要点国民年金法109条の5は、免除申請の処分や滞納処分など大臣の権限に係る事務を日本年金機構に行わせる規定。権限は大臣に留保されるため、処分の名義人は厚生労働大臣である。
Q · 年金事務所が出した免除の却下通知、不服を言う相手は日本年金機構でいいの?
訴える相手は機構ではなく国。処分者は厚生労働大臣です
国民年金法109条の5により、免除申請の受理と処分、督促、滞納処分などの事務は日本年金機構が行いますが、権限そのものは厚生労働大臣に留保されています。したがって処分の名義人は大臣であり、不服があるときは101条に基づき社会保険審査官へ審査請求し、取消訴訟の被告は国となります。3項により大臣が滞納処分等を自ら行うこととした場合には、5項に基づき対象者本人へその旨が通知されます。
国民年金の免除決定通知書を手に取ってみるといい。封筒も窓口も日本年金機構(年金事務所)だが、処分者の欄に並ぶ名前は厚生労働大臣のはずだ。109条の5はその仕掛けを作った条文である。免除申請の受理と処分、追納の承認、督促と差押え、戸籍事項証明書の受領、受給権者への診断命令まで、40を超える権限の「事務」を機構に行わせる。ただし権限そのものは大臣の手元に残したままだ。ここが効いてくる。処分に納得できないとき、あなたが向き合う相手は機構ではなく社会保険審査官であり、取消訴訟の被告は国になる。相手を取り違えた申立ては、中身を審理される前に終わる。さらに3項と5項は、機構が抱えきれない案件を大臣が自ら引き取る回路を用意している。滞納処分がその回路に乗ったとき、あなたには通知が届く。差出人の名前が変わることには、意味がある。
国民年金法109条の5は、厚生労働大臣の権限に係る事務のうち同条1項各号に掲げるものを日本年金機構に行わせる旨を定める規定である。権限の帰属主体は厚生労働大臣に留保され、機構は事務を実施するにとどまる。3項は大臣が権限を自ら行う場合を、4項は公示を、5項は滞納処分等の対象者への通知を定める。
厚生労働大臣の権限に係る事務を日本年金機構に行わせる規定です。1項各号に届出の受理、免除の処分、督促、滞納処分などが列挙され、権限自体は大臣に残ります。
窓口と実務は日本年金機構(年金事務所)が担いますが、それは109条の5第1項による事務の実施です。90条の免除処分の名義人は厚生労働大臣になります。
処分に不服がある場合は101条により社会保険審査官へ審査請求します。宛先を日本年金機構と書いた書面は手続に乗らないため、名義人と教示欄の確認が先です。
109条の5第3項により、機構から2項の求めがあり必要と認めるとき、または天災その他の事由で機構が事務を行うのが困難・不適当となったときに大臣が自ら行います。
5項により、引き継いだ滞納処分等の対象者が特定されている場合、大臣は本人に対しその旨と厚生労働省令で定める事項を通知しなければなりません。
109条の5第1項は92条の5第2項の報告徴収と同条3項の立入検査を事務として機構に委ねています。納付受託者に対する検査が典型例です。
104条による戸籍事項に関する証明書の受領が1項の列挙に含まれ、108条の資料提供の求めや108条の4で準用される住民基本台帳法の仕組みも機構の事務です。
あります。3条2項で共済組合等が行うこととされた事務と、3条3項で市町村長が行うこととされた事務は、109条の5の委任対象から明文で除かれています。
処分の取消しを求めるなら、訴える相手は機構ではない。本条は権限を厚生労働大臣に残したまま事務だけを機構に行わせる構造で、処分の名義は大臣、取消訴訟の被告は国になる。順路としてはまず101条により社会保険審査官へ審査請求する。業界裏話ヒント:窓口対応への苦情は機構の相談窓口、処分の当否は審査請求と、入口が完全に分かれている。両方を一通の書面に混ぜると、どちらの手続にも乗らない
順序がある。96条の督促を経たうえで、95条により国税徴収の例で徴収され、滞納処分に進む。その事務を担うのが機構で、2項では機構が大臣に自ら権限を行使するよう求めることもできる。業界裏話ヒント:機構が大臣に引き取りを求める案件は、高額または悪質と評価された案件である。5項の通知が届いたら扱いの階層が一段上がった合図で、その前に相談へ動けたかどうかが分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 事務の担い手 | 109条の5:日本年金機構が1項各号の事務を実施 | — |
| 権限の帰属 | 厚生労働大臣に留保(ただし書の号は大臣も自ら行使可) | — |
| 強制徴収との関係 | 95条・96条4項に基づく徴収と滞納処分の事務を機構が実施 | — |
| 不服申立ての相手方 | 処分者は厚生労働大臣、101条により社会保険審査官へ審査請求、訴訟の被告は国 | — |
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