要点国民年金法 113 条の 3 は両罰規定を定め、従業者等が業務に関して 111 条の 2 又は 113 条の 2 の違反行為をしたとき、行為者のほか法人にも罰金刑を科す。人格のない社団等も対象となる。
Q · 従業員が年金の届出で違反したら、会社まで罰金を払うことになるんですか?
会社にも罰金が科されます。代表者の認識は要件ではありません。
国民年金法 113 条の 3 により、法人又は人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その業務又は財産に関して 111 条の 2(不正受給)又は 113 条の 2(第五号・第六号を除く)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人にも各本条の罰金刑が科されます。代表者が知らなかったことは免責事由になりません。判例は事業主の選任監督上の過失を推定する構成を採るため、監督を尽くした証拠を法人側が示せなければ責任を免れないのが実務です。
罰金を払うのは誰か。国民年金の届出や報告をめぐって違反が起きたとき、多くの人は「担当者が怒られて終わり」だと考える。113条の3はその常識を壊す。法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務または財産に関して111条の2(偽りその他不正の手段による受給)または前条113条の2の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人にも各本条の罰金刑を科す。一つの違反で、刑事責任が二つ動く。さらに効いてくるのが第1項の括弧書きだ。ここでいう法人には、法人格のない社団または財団で代表者もしくは管理人の定めがあるものが含まれる。登記のない業界団体や任意のNPOでも、被告人席に座ることになる。第2項はその手続まで用意し、代表者または管理人が訴訟行為につき団体を代表するほか、法人を被告人とする刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
国民年金法第 113 条の 3 は両罰規定であり、法人又は人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その業務又は財産に関して第 111 条の 2 又は第 113 条の 2 の違反行為をした場合に、行為者の処罰に加えて、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すことを定める。法人には代表者又は管理人の定めがある人格のない社団等が含まれ、第 2 項が刑事訴訟手続の準用を規定する。
違反行為をした個人を罰するのに加え、その者を使用する法人や事業主にも罰金刑を科す仕組みです。国民年金法では 113 条の 3 が定めており、一つの違反で刑事責任が二重に発生します。
法人に科されるのは「各本条の罰金刑」であり、111 条の 2 又は 113 条の 2 の各条が定める罰金額の範囲で決まります。法人には拘禁刑を科せないため、罰金刑のみが対象です。
法人登記をしていない社団又は財団のうち、代表者又は管理人の定めがあるものです。会則で会長や事務局長を決めていれば該当し、113 条の 3 第 1 項の括弧書きで法人と同じ扱いになります。
選任監督上の注意を尽くしたと立証できれば免責の余地があります。社内規程、研修記録、二重チェック体制、過去の是正指示など、違反前から存在した記録が唯一の材料になります。
条文が明文で除外しているためです。除外された号の違反は行為者のみが処罰され、法人には罰金刑が及びません。どの号に当たるかで会社のリスクが変わるため、条文の確認が必要です。
残ります。法人に自由刑は科せませんが、罰金刑の記録は法人に帰属し、公共調達の資格審査や許認可の欠格判断で照会対象となります。数年後の入札や M&A の評価にも影響します。
対象です。条文は「その法人又は人」と定めており、法人だけでなく個人事業主も従業者の違反行為について罰金刑を科されます。従業員を雇う時点でリスクが発生します。
法人に科されるのは罰金刑のみであり、罰金刑にあたる罪の公訴時効は 3 年(刑事訴訟法 250 条 2 項 6 号)と解されています。起算点は違反行為が終わった時です。
原則として科される。113条の3は行為者を罰するほか法人に各本条の罰金刑を科すと定め、代表者の認識を要件にしていない。判例は法人の選任監督上の過失を推定するため、監督を尽くした証拠を出せなければ免責されない。業界裏話ヒント:労働基準法121条には違反防止措置を講じた事業主を免責する明文の但書があるが、国民年金法の両罰規定にこの但書はない。免責は判例法理で争うほかなく、必要な証拠量が最初から違う
代表者または管理人の定めがあれば対象になる。113条の3第1項の括弧書きが人格のない社団等を法人に含め、第2項で代表者が訴訟行為につき団体を代表し、法人を被告人とする刑事訴訟に関する法律の規定(刑事訴訟法27条など)が準用される。業界裏話ヒント:この第2項がなければ、法人格のない団体を被告人として起訴する手続が存在しない。手続規定までわざわざ置いたということは、立法者が任意団体の処罰を本気で想定しているという意味だ
実務では行為者個人の立件が先行し、法人はそれに付随して処罰される。113条の3が「行為者を罰するほか」法人へ罰金刑を科す構造だからだ。なお前条の第五号および第六号の違反は両罰の対象から除かれている。業界裏話ヒント:法人が罰金前科を負うと、公共調達の資格審査や許認可の欠格判断で数年単位の影響が出る。個人の略式罰金で完結させられるなら会社にとって安い、という計算が自主申告のタイミング設計に効いてくる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される主体 | 113 条の 3:行為者に加えて法人・人(人格のない社団等を含む) | — |
| 科される刑の種類 | 113 条の 3:法人には各本条の罰金刑のみ(自由刑は科せない) | — |
| 成立の前提 | 113 条の 3:業務又は財産に関する違反であること+選任監督上の過失(判例上推定) | — |
| 防御の焦点 | 113 条の 3:社内体制・研修記録による監督義務履行の立証 | — |
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