国民年金法 第136条の2(清算中の基金の能力)
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解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
この条文の基本情報
清算中の基金の能力とは何ですか?
定義清算中の基金の能力とは、国民年金法第136条の2に定められた規定で、「解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第136条の2(清算中の基金の能力)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第136条の2の条文原文は「解散した基金は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。」で始まります。
- 国民年金法第136条の2は第七款に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第136条の2の前の条は国民年金法第136条です。
- 国民年金法第136条の2の次の条は国民年金法第137条です。
- 国民年金法第136条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第136条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第136条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/136_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法136条の2は、解散した基金が清算の目的の範囲内で、清算の結了に至るまでなお存続するとみなす規定。清算人を相手に請求も訴訟もできるが、新たな給付契約は結べない。
Q · 加入していた国民年金基金が解散したら、もうその基金には何も請求できないのですか?
消えていません。清算が終わるまで基金は存続し、清算人に請求できます。
国民年金法136条の2により、解散した基金は清算の目的の範囲内において、清算の結了に至るまでなお存続するものとみなされます。したがって解散後も清算人を代表者として、請求も訴訟も可能です。逆に、基金に対して負っている未納掛金などの債務も解散では消えません。ただし「清算の目的の範囲内」という限定があるため、新規加入員の受入れや新たな給付契約の締結はできません。加入員の年金給付については、責任準備金相当額が国民年金基金連合会へ交付され、連合会が引き継ぐ仕組みです。
解説
解散という言葉を、終わりだと受け取ってはいけない。国民年金基金が解散しても、その基金は法律上まだ生きている。136条の2が定めるのは、清算の目的の範囲内で、清算が結了するまで基金はなお存続するとみなす、という擬制(法律が事実と違うことを、あえてそう扱うと決めること)である。効果は二方向に働く。あなたが基金に対して持つ請求権は、解散の瞬間に相手方を失うわけではない。清算人を代表者として、請求も訴訟もできる。逆に、あなたが基金に負っている未納掛金も消えない。同時に「清算の目的の範囲内」という縛りが効いてくる。新たに加入員を集めることも、新しい給付契約を結ぶことも、もうできない。片付けのためだけに開いている窓であり、それが閉まる日は解散の日ではなく、清算結了の日である。
法的な位置づけ
国民年金法136条の2は、解散した基金の存続擬制を定める規定であり、解散後も清算の目的の範囲内において、清算の結了に至るまで法人格が存続するものとみなす。清算人が代表者となり、債権の取立て、債務の弁済、残余財産の処理を行う権能が維持される一方、新規加入員の受入れや新たな給付契約の締結など、清算の目的の範囲を超える行為はできない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解散通知から公告日と債権申出期限を拾う 通知に書かれた解散日ではなく、清算人による債権申出の公告日と申出期限を最初に確認する。時計は公告日から動くため、ここを取り違えると期間内の申出そのものが間に合わなくなる
- 2.清算人の氏名と連絡先を登記で確認する 解散および清算人は登記事項であるため、登記事項証明書または登記情報提供サービスで清算人の氏名・住所を確認する。相手方から「窓口がない」と言われても、登記で代表者を特定できる
- 3.基金に対する債権を洗い出して期限内に書面で申し出る 未払給付、過納掛金、取引上の未収金など基金に対する債権をすべて洗い出し、金額と根拠資料を添えて申出期間内に清算人へ書面で申し出る。到達を証明できる方法(配達証明付き郵便等)を用いる
- 4.自分の責任準備金相当額が連合会へ移ったかを確認する 加入員・受給権者であれば、給付原資である責任準備金相当額が国民年金基金連合会へ交付されたかを、基礎年金番号など番号ベースで照会する。清算結了後のたらい回しを防ぐ
- 5.係争中なら相手方の表示を清算人に切り替えて手続を継続する 交渉や訴訟の途中で解散した場合、「解散したので終了」という主張は136条の2により成り立たない。相手方の表示を清算中の基金および清算人に改め、清算結了前に決着させる
よくある質問 AI による整理
Q1「清算の目的の範囲内」とはどういう意味ですか?
債権の取立て、債務の弁済、残余財産の処理など、片付けに必要な行為だけができるという意味です。新規加入員の受入れや新たな年金給付の約束は、目的の範囲を超えるためできません。
Q2国民年金基金が解散するのはどんなときですか?
解散事由は国民年金法135条が定めます。加入員の減少などにより事業の継続が困難となった場合や、代議員会の議決を経て厚生労働大臣の認可を受けた場合などが典型です。
Q3解散した基金の清算人は誰がなるのですか?
清算人の選任は国民年金法136条が定めます。原則として理事がその職務を引き継ぎ、代表者として清算事務を行います。氏名は登記事項として外部から確認できます。
Q4解散した基金への債権はいつまでに申し出ればいいですか?
清算人が公告する債権申出期間内です。この期間を過ぎた債権者は原則として残余財産の分配から除かれます。起点は解散日ではなく公告日なので、公告の掲載日を最初に確認してください。
Q5清算結了後でも基金に請求できますか?
できません。存続擬制は清算の結了までです。清算が結了して法人格が消滅すれば請求の相手方そのものが存在しなくなるため、争いがあるなら結了前に決着させる必要があります。
Q6解散した基金の年金は誰が払うのですか?
加入員・受給権者の給付に必要な責任準備金相当額が国民年金基金連合会へ交付され、以後の年金給付は連合会が引き継ぎます。問い合わせ先は清算中の基金ではなく連合会になります。
Q7基金の解散には登記が必要ですか?
解散と清算人については登記が必要であり、清算結了時にも登記がされます。清算人の氏名や住所は登記情報で確認できるため、連絡先が分からない場合は登記事項証明書を取得します。
Q8未納の掛金は基金が解散すれば消えますか?
消えません。存続擬制により清算人が債権を取り立てるため、解散後に清算人名義の請求が届くことがあります。ただし掛金を徴収する権利には国民年金法102条の消滅時効があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入っていた国民年金基金が解散したら、今まで払った掛金はどうなるんですか?
解散しても基金は清算の目的の範囲内で存続し(136条の2)、加入員の給付に必要な責任準備金相当額は国民年金基金連合会へ交付され、以後の年金給付は連合会が引き継ぎます。掛金がそのまま消えるわけではありません。実務のポイント:問い合わせ先を基金だと思い込んでいると、清算結了後にたらい回しになります。解散通知を受け取った時点で、自分の記録が連合会側に正しく移っているかを番号ベースで確認しておくと、受給開始時の照会が一発で終わる
Q2解散した基金を相手に、裁判って起こせるんですか?
起こせます。136条の2により清算の目的の範囲内で存続するとみなされるため、訴え、訴えられる資格(当事者能力)が残り、清算人が代表します。清算結了までが期限です。実務のポイント:相手方が「解散したので窓口がない」と言ってくるケースは実務で珍しくありませんが、清算人は登記事項として調べられます。登記情報を先に取ってから連絡すると、その一手で相手の対応が事務的な拒絶から実質的な協議へ変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「解散した=法人が消滅した」と理解している人が大半だが、法律上の消滅は清算結了の登記が終わったときである。解散はスイッチが切られた瞬間ではなく、片付けが始まった合図にすぎない。相手が消えたと思って請求を諦めるのは、まだ立っている建物の前で引き返すのに等しい
- 存続すること自体は知っていても、「清算の目的の範囲内において」という七文字の重さを見落としている人が多い。この限定は、基金がもはや新規の加入員を受け入れることも、新たな年金給付の約束を作ることもできないという意味である。あなたの原資が今までどおり運用され増え続けている、という前提はここで崩れる
- 「解散した基金から年金をもらえるのか」という問いの立て方自体がずれている。解散した基金の加入員に対する年金給付は、責任準備金相当額が国民年金基金連合会へ移されたうえで、連合会が引き継ぐ仕組みになっている。あなたが確認すべきは基金の生死ではなく、自分の分の原資が連合会に正しく移ったかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 136条の2:解散後、清算結了までの法人格の存否 | 135条:どういう場合に解散するか(解散事由) 136条:清算を誰が担うか(清算人) |
| 時間軸上の位置 | 解散の日から清算結了の日までの区間 | 解散の日(区間の始点) 解散後、清算事務の開始時点で作動 |
| 利用者にとっての意味 | 請求できる相手方がまだ存在するという根拠 | 基金が解散する条件を確認する材料 誰に連絡し、誰を相手方として表示するか |
| 限界・注意点 | 清算の目的の範囲外の行為はできない/結了で消滅 | 解散だけでは権利義務は消滅しない 清算人の権限も清算の目的の範囲に限定される |
他国ではどう定めているか 6 か国
「法人至清算終結止,在清算之必要範圍內,視為存續」。日本と同じ存続擬制の構造だが、限定文言が「清算の目的」ではなく「清算に必要な範囲」となっている点で表現が異なる
解散した法人は清算の目的範囲内でのみ権利を有し義務を負うと規定。能力の限定という形で書かれており、存続擬制を正面から書く日本の条文とは立法技術が異なるが、結論は同一
清算期間中は法人が存続するが清算と無関係な活動をしてはならない、と規定。存続の肯定と目的外行為の禁止を同一条文で並べる
清算の目的が要求する限りにおいて、社団は存続するものとみなされる。日本の存続擬制の直接の祖型にあたる規定と理解されている
清算の必要のために、清算結了の公告まで法人格が存続する。終期を「公告」に置く点が、登記を終期とする日本の実務との比較材料になる
解散後も winding up と清算のために法人の存在が継続し、訴え・訴えられる資格が残る。コモンロー上は解散=即消滅だった原則を制定法で修正した経緯を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している国民年金基金が解散すると通知が来たら、これまで払い込んだ掛金はどこへ行く? 清算人は債権を申し出るよう公告し、その期間を過ぎた債権者は原則として分配の枠から外れる。通知を引き出しに入れて後で読もうと思った数週間が、そのまま権利の生死になる。動くべき起点は、解散の日ではなく公告の日である
- 未納の掛金を残したまま基金が解散した。もう請求されないと思っていたところに、清算人名義の請求書が届く。存続擬制は、あなたを守る盾であると同時に、あなたを追う手でもある
- 基金と給付額をめぐって争っている最中に、その基金の解散が決まった。相手方から「基金は解散したので本件は終了です」と言われる。実際には清算人が訴訟上の地位を引き継ぐのであって、争いが自動的に消えるわけではない。136条の2を知らない側だけが、勝てたはずの手続を自分から畳む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 解散通知を受け取ったら、解散日ではなく債権申出の公告日と申出期限を最初に確認する2. 未払いの給付、過納の掛金、取引上の未収金など、基金に対して持つ債権をすべて洗い出し、金額と根拠資料をそろえて期限内に清算人へ書面で申し出る3. 加入員・受給権者であれば、自分の分の責任準備金相当額が国民年金基金連合会へ交付されたかを併せて確認する4. 交渉や訴訟が進行中なら、相手方の表示を清算人に切り替えて手続を継続する
訴えられた側:1. 基金に対して未納掛金などの債務がある場合、解散によって消えていないことを前提に、金額と時効の起算点を確認する2. 清算人の権限は清算の目的の範囲に限られるので、範囲を超えた要求(新規契約の締結、清算と無関係な合意)には応じる必要がない3. 清算人側に立つ場合は、目的範囲外の行為をすると個人責任を問われうるため、業務を債権取立て・債務弁済・残余財産処理に限定する4. 争いがあるなら、清算結了前に決着させる。結了後は相手方が消えて手続が煩雑になる
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はないが、実質的な期限は二つある。第一に、清算人が公告する債権申出期間(これを徒過すると原則として分配から除斥される)。第二に、年金給付を受ける権利および掛金を徴収する権利の消滅時効で、国民年金法102条により5年である(最新の改正状況をご確認ください)。加えて、清算結了によって法人格が消滅すれば、相手方そのものが存在しなくなる
学説
通説(清算法人の能力に関する一般的理解):解散した法人は消滅せず、清算の目的の範囲内で権利能力・行為能力・当事者能力を保持し、清算結了によって初めて法人格が消滅すると解される。本条はこの一般法理を国民年金基金について確認的に規定したものと位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 要検証 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の制定に伴い民法の法人規定が整理された際(平成18年/2006年関係法律整備)に、清算法人の能力に関する規定が各特別法へ個別に置かれた流れの中で本条が置かれたと解されるが、新設年および新設か改正かの区別は未検証。人的確認を要する
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