要点国民年金法 36 条は、障害基礎年金の支給停止を定める。労働基準法の障害補償を受けられるときは 6 年間、障害等級に該当しない間は支給が止まるが、受給権は失われない。
Q · 障害基礎年金が止まったら、その権利はもう終わりですか?
終わりません。受給権は残り、悪化すれば再び支給されます
国民年金法 36 条が定めるのは「支給停止」であり、受給権を消滅させる失権(同法 35 条)とは別物です。2 項による等級不該当の停止であれば受給権は残り、その後に別の傷病(その他障害)を負って元の障害と併合した程度が障害等級に達すれば、2 項ただし書により停止は解除されます。要件は、その他障害の初診日に 30 条 1 項各号に該当すること、障害認定日以後 65 歳到達日の前日までであること、3 項が準用する保険料納付要件を満たすことの三つです。
障害基礎年金の振込が、ある月を境に止まる。理由は本条に二つしかない。労働基準法の障害補償を受けられる場合の6年停止(1項)と、障害の状態が等級から外れた場合の停止(2項)である。決定的なのは、どちらも「支給停止」であって「失権」ではないという一点だ。受給権そのものは生きている。だから2項で止まった人が、その後に別の病気やケガ(条文でいう「その他障害」)を負い、元の障害と併せて再び1級・2級相当に達すれば、ただし書によって停止は解ける。条件は三つ。その他障害の初診日に被保険者等であること、その障害認定日以後65歳に達する日の前日までであること、そして3項が準用する保険料納付要件を満たすこと。この三つを満たしているのに、「一度止められたから終わり」と思い込んで届出をしない人が、毎年数えきれないほどいる。
国民年金法 36 条は、障害基礎年金の支給停止を定める規定である。労働基準法の規定による障害補償を受けることができるときは 6 年間、障害等級に該当する程度の障害の状態でなくなったときはその間、支給が停止される。停止は受給権の消滅(同法 35 条の失権)と区別され、その他障害と併合した障害の程度が障害等級に該当するに至れば、停止は解除される。
支給が停止されていた事由がなくなったことを届け出て、支払を再開してもらうための届書です。障害基礎年金では診断書を添えて年金事務所または市区町村窓口へ提出します。
1 項の停止は 6 年間、2 項の停止は障害等級に該当しない間です。期間満了や状態の悪化で停止事由が消えれば、届出により支払が再開されます。
年金給付を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から 5 年で時効消滅します(国民年金法 102 条 1 項)。遡って受け取れるのは原則として直近 5 年分までです。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求します。期間を過ぎると争えなくなるため、通知の到達日を必ず記録してください。
元の障害とは別の傷病による障害のことです。単独では障害等級に届かない軽い障害でも、元の障害と併合して等級に該当すれば 2 項ただし書により停止が解除されます。
額改定請求(34 条 4 項)は等級や年金額を改める請求、支給停止事由消滅届は止まっていた支払を再開させる届出です。状況により提出すべき書類が変わります。
有期認定の場合、指定された時期に診断書(障害状態確認届)を提出します。周期は障害の種類や状態により異なり、提出しないと支払が一時差し止められます。
36 条の停止事由に加えて、20 歳前傷病による障害基礎年金には 36 条の 3 の所得による支給停止が別に定められています。根拠条文が異なる点に注意が必要です。
止まるのと権利が消えるのは別です。2項の停止なら受給権は残り、悪化すれば額改定請求(国民年金法34条4項)や36条2項ただし書で復活しえます。権利が消えるのは35条の失権事由に当たったときだけです。業界裏話ヒント:停止中の人は今も受給権者なので、新規の裁定請求ではなく届出で足ります。初診日の証明をやり直さずに済むという差は、実務では決定的に大きい
条文が止めるのは労働基準法による障害補償を受けられる場合です。労災保険から障害補償給付が支給される場面では、事業主は労働基準法上の災害補償責任を免れる(労働者災害補償保険法84条)ため、1項の停止は原則として作動しません。業界裏話ヒント:実務で頻繁に効くのは労災年金と障害基礎年金の併給調整の方で、そこで減額されるのは労災側であって年金側ではない。「労災をもらうと年金が減る」と説明されたら、どちらが減るのかを必ず聞き返す
足せます。それが2項ただし書の「その他障害」です。要件は、その他障害の初診日に30条1項各号のいずれかに該当すること、障害認定日以後65歳到達日の前日までであること、3項が準用する保険料納付要件を満たすことの三つ。業界裏話ヒント:その他障害は単独で2級に届く必要はない。単独では等級に満たない軽い障害でも、元の障害と併合して等級に達すれば停止は解ける。ここを誤解して相談自体をしない人が非常に多い
別制度なので連動しません。身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳の等級は、年金の障害等級(国民年金法30条2項の委任を受けた政令別表)とは判定機関も基準も別です。業界裏話ヒント:手帳2級だから年金も2級のはず、という思い込みは通用しないし、逆に手帳がなくても障害基礎年金は受けられる。窓口で「手帳がないから無理」と言われても、それは年金の要件を答えていない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的効果 | 36 条:支給停止(受給権は存続、支払のみ遮断) | — |
| 発動条件 | 労働基準法の障害補償を受けられる(1 項)/障害等級不該当(2 項) | — |
| 回復手段 | その他障害との併合(2 項ただし書)+支給停止事由消滅届 | — |
| 初診日証明の負担 | 元の障害は不要。その他障害を足す場合のみ当該傷病の初診日を証明 | — |
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