要点国民年金法34条は、障害基礎年金の額の改定を定める。受給権者は障害の程度が増進したとき額改定を請求でき、効力は改定日の属する月の翌月から生じ、遡及支給はない。
Q · 障害が重くなったら、障害基礎年金は自動的に上がるんですか?
自動では上がらない。請求した月の翌月から増額される
国民年金法34条2項により、障害の程度が増進したときは受給権者の側から額改定を請求できます。ただし3項により、受給権を取得した日または1項の診査を受けた日から1年を経過するまでは請求できません。厚生労働省令が定める「増進したことが明らかである場合」に該当すれば1年を待たずに請求できます。改定後の額が支払われるのは改定が行われた日の属する月の翌月からで、悪化していた過去の期間に遡って差額が支給される制度ではありません。
障害基礎年金の等級は、一度決まったら固定ではない。34条2項は、受給権者の側から「障害が重くなったので額を上げてほしい」と請求する権利を明文で認めている。役所が毎年見直してくれると思っていると、症状が2級相当から1級相当に悪化しても、請求しない限り金額は1円も動かない。ただし3項の壁がある。受給権を取得した日、または前回の診査を受けた日から1年を経過しないと請求できない。例外は、厚生労働省令が「増進が明らかな場合」として列挙する事由に当たるとき。ここに入れば1年を待たずに動ける。4項はさらに、後から別の傷病で等級に届かない軽い障害(その他障害)を負い、合算すると程度が増した場合の請求を、65歳に達する日の前日まで認める。そして6項、改定後の額が支払われるのは改定が行われた日の属する月の翌月から。悪化していた過去の期間に遡って差額が出る制度ではない。
国民年金法34条は、障害基礎年金の額の改定に関する規定である。厚生労働大臣の職権による診査に基づく改定(1項)と、受給権者からの障害の程度の増進を理由とする額改定請求(2項)の二経路を定め、請求には受給権取得日または診査日から1年の待機期間を課す(3項)。65歳に達する日の前日までは、その他障害を併合した改定請求も認められる(4項)。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国民年金法34条2項に基づき、障害の程度が重くなったことを理由に受給権者から年金額の増額を求める手続です。役所からの通知を待つのではなく、自分から起こす請求である点が特徴です。
34条6項により、改定が行われた日の属する月の翌月分から改定後の額になります。悪化していた過去の期間に遡って差額が支払われる仕組みではないため、書類が整った月のうちの提出が金額に直結します。
国民年金法33条により、1級の額は2級の額の1.25倍で計算されます。等級が1つ動くだけで毎月の入金額が変わり、障害年金生活者支援給付金など連動する給付にも影響します。
額改定請求書と、障害の現状を記載した診断書が基本です。傷病や請求経路により病歴・就労状況等申立書などを求められる場合があるため、提出前に年金事務所で必要書類を確認してください。
34条4項の用語で、現に受けている障害基礎年金の傷病の初診日より後に初診日がある傷病による、単独では障害等級に該当しない程度の障害を指します。併合して程度が増進すれば改定請求ができます。
厚生年金保険法52条に別途の額改定の仕組みがあります。初診日に厚生年金の被保険者だった人は2階部分の手続も必要になるため、基礎年金だけで完結すると考えないことが重要です。
診断書に記載された、医師が障害の状態を確認した日のことです。認定はこの一点の記録を基礎に判断されるため、じわじわ悪化してきた経過そのものは評価の対象になりにくい構造です。
回数制限はありませんが、34条3項の待機期間が毎回リセットされます。起算日は受給権取得日または1項の診査を受けた日であり、請求や更新のたびに次に請求できる日が動きます。
1項の職権診査で上がることはあるが、大臣が上げると判断しなければそれで終わり、上げてほしいという意思表示は記録に残らない。2項の額改定請求は別建ての手続である。業界裏話ヒント:更新時期が近いなら、更新用の診断書とは別に額改定請求を並行して出す実務がある。職権で上がればそれでよく、上がらなければ請求として判断されるため、不服申立ての対象になる決定が手元に残る。
3項は原則1年待機を定めるが、括弧書きで厚生労働省令が定める「増進したことが明らかである場合」を除外している。透析の開始や特定の身体機能の喪失など、列挙された状態に該当すれば1年を待たずに請求できる(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:窓口の説明は原則論から始まることが多い。自分の状態を具体的に挙げて例外事由への該当を尋ねると、回答の中身が変わることがある。
請求が認められなくても、現に受けている年金がそれを理由に下がるわけではない。ただし提出した診断書は1項の職権診査の資料にもなりうる。認められなかった場合は社会保険審査官への審査請求という道がある。業界裏話ヒント:3項の起算日は「診査を受けた日」なので、請求の結果によって次に請求できる日が動く。却下の通知を受け取ったら、次回いつから請求できるかを必ず窓口で確認して記録に残す。
4項のその他障害を併合する改定請求には、65歳に達する日の前日までという明確な期限がある。一方、2項の増進による額改定請求そのものに65歳という制限は書かれていない。業界裏話ヒント:障害基礎年金には65歳という数字が複数の条文(事後重症の30条の2、いわゆる基準障害の30条の3)に出てくるため、すべてに年齢制限があると誤解されやすい。自分のケースがどの経路の請求なのかを特定することが先決である。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が動かす手続か | 34条2項:受給権者が額改定を請求(1項は大臣の職権診査) | — |
| 前提となる状態 | 既に障害基礎年金の受給権があり、その障害の程度が増進したこと | — |
| 時間の壁 | 受給権取得日または診査日から1年経過後(省令の増進明白事由は例外)。4項は65歳に達する日の前日まで | — |
| 効果の始期 | 改定が行われた日の属する月の翌月から(6項、遡及なし) | — |
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