要点国民年金法 36 条の 2 は、二十歳前傷病による障害基礎年金について、他の年金給付の受給、拘禁、少年院収容、日本国内に住所がないことを支給停止事由と定める。停止は受給権の消滅ではない。
Q · 障害年金って、海外に引っ越したら止まってしまうんですか?
止まるのは二十歳前傷病の無拠出の障害基礎年金だけです
国民年金法 36 条の 2 により、二十歳前傷病による障害基礎年金(30 条の 4)は、恩給・労災などの年金たる給付を受けることができるとき、刑事施設等に拘禁されているとき、少年院等に収容されているとき、日本国内に住所を有しないときに支給が停止されます。保険料を納めて得た障害基礎年金(30 条)や障害厚生年金には、この停止事由はありません。停止は失権ではなく、事由が消滅すれば支給停止事由消滅届で再開でき、労災との併給でも三項・四項の計算で差額が残る場合があります。
保険料を一円も納めていなくても受け取れる障害年金が、日本には存在する。二十歳前に負った傷病による障害基礎年金(三十条の四)だ。全額が税金で賄われるこの給付には、保険料を納めて得た年金には付かない条件が後ろに控えている。それがこの条文である。海外に住所を移せば止まる。刑事施設に拘禁されれば止まる。労災の年金や恩給を受けられる状態になれば止まる。同じ障害等級、同じ診断名の二人でも、発症が二十歳より前か後かで、海外移住した翌月の振込額が真逆になる。ただし「止まる」は「消える」ではない。受給権そのものは生きたまま眠っており、事由が消えれば届出一枚で再開する。労災との調整でも、三項と四項の計算で差額が残ることがある。この区別を知らずに手続きを止めた人が、取り戻せたはずの数年分を静かに失っている。
国民年金法 36 条の 2 は、二十歳前傷病による障害基礎年金の支給停止事由を定める規定である。他の年金たる給付を受けられること、刑事施設等への拘禁、少年院等への収容、日本国内に住所を有しないことを停止事由とし、二項から五項で併給調整の適用除外と差額調整を規律する。受給権自体は消滅せず、支給のみが停止される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二十歳より前の傷病で障害が残った人に、保険料の拠出なしで支給される全額公費の障害基礎年金です(国民年金法 30 条の 4)。無拠出のため 36 条の 2 の停止事由が付きます。
36 条の 2 第 1 項は、政令で定める他の年金たる給付を受けられるとき、刑事施設等への拘禁、少年院等への収容、日本国内に住所を有しないときの四つを停止事由としています。
帰国して住所を戻した、収容が終わったなど、停止事由が消滅した時点で速やかに提出します。提出が遅れると再開の起算が遅れ、遡って取り戻せる範囲は限定されます。
日本国内に住所を有しない期間が停止対象です(1 項 4 号)。実務上は転出届による住所喪失の翌月分から止まる扱いになるため、出国前に届出を整えるのが安全です。
あります。ただし根拠は本条ではなく 36 条の 3 で、前年所得が一定額を超えると支給が停止されます。海外居住や拘禁を理由とする本条とは別系統の停止です。
消えません。本条は「支給を停止する」と定めるだけで、受給権自体は存続します。事由が消滅すれば届出により支給が再開されるため、窓口から離れないことが重要です。
処分を知った日の翌日から三か月以内に社会保険審査官へ審査請求します。決定に不服なら決定書謄本の送付日の翌日から二か月以内に社会保険審査会へ再審査請求します。
原則として返還を求められます。対象期間が実際に停止事由に該当していたかを月単位で確認し、該当しない月が混ざっていれば書面で異議を述べ、困難なら分割納付を申し出ます。
止まるのは二十歳前傷病による障害基礎年金だけです(三十条の四、本条一項四号)。保険料を納めて得た障害基礎年金(三十条)や障害厚生年金は、海外に住んでも支給が続きます。業界裏話ヒント:停止は失権ではありません。帰国して住所を戻せば支給停止事由消滅届で再開できます。滞在中も現況届の送付先を国内の親族宅にしておくと、書類不着による別ルートの停止を防げます。
一項二号は刑事施設や労役場への拘禁を停止事由としますが、括弧書きで「厚生労働省令で定める場合に限る」と範囲が絞られています。未決勾留と刑確定後で扱いが分かれるため、省令の内容を必ず確認してください。業界裏話ヒント:この停止も二十歳前傷病の障害基礎年金に固有のものです。拠出制の年金は服役中も支給されるため、同じ施設内で隣の人には振り込まれ、こちらは止まるという事態が現実に起きます。
一項一号で停止対象には入りますが、三項は障害基礎年金の額と労災給付の額がいずれも政令で定める額に満たないときは停止しないと定め、四項は障害基礎年金の額がその政令額以上で労災給付の額を超えるときは、超える部分を停止しないと定めています。業界裏話ヒント:窓口の「併給できません」は一項だけの説明です。三項四項に基づく計算書を出してくださいと言えるかどうかで、年間数十万円が動きます。
原則は一項一号で停止対象ですが、五項に例外が置かれています。恩給法による増加恩給、同法七十五条一項二号の扶助料など、障害または死亡を事由として政令で定める者に支給されるものは、一項・三項・四項が適用されません。業界裏話ヒント:例外の範囲は政令で決まるため、恩給の呼び名だけで自己判断すると外します。恩給証書の給付種別欄を持参して年金事務所で照合するのが確実です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 停止の根拠となる事情 | 36 条の 2:他の年金給付の受給・拘禁・収容・国内に住所なし | — |
| 対象となる年金 | 二十歳前傷病による障害基礎年金(30 条の 4)に限定 | — |
| 無拠出であることとの関係 | 無拠出ゆえの均衡措置。拠出制年金には適用されない | — |
| 解除の道筋 | 事由消滅時に支給停止事由消滅届を提出して再開 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。