道路交通法 第40条(緊急自動車の優先)
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- 交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
- 2.前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
この条文の基本情報
緊急自動車の優先とは何ですか?
定義緊急自動車の優先とは、道路交通法第40条に定められた規定で、「交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第40条(緊急自動車の優先)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第40条の条文原文は「交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。」で始まります。
- 道路交通法第40条は第七節 緊急自動車等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第40条の前の条は道路交通法第39条です。
- 道路交通法第40条の次の条は道路交通法第41条です。
- 道路交通法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法40条は、緊急自動車が接近したとき、交差点付近では交差点を避けて左側に寄り一時停止し、それ以外の場所では左側に寄って進路を譲ることを義務づける規定である。
Q · 救急車が近づいてきたとき、とにかく左に寄って止まればいいの?
原則は左に寄る。ただし一方通行で左が妨げになるなら右に寄る
道路交通法40条は場面を二つに分けます。交差点またはその附近では、交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止する義務があります。それ以外の場所では、左側に寄って進路を譲れば足り、必ずしも停止する必要はありません。さらに、一方通行の道路で左側に寄ることがかえって緊急自動車の通行を妨げる場合は、右側に寄ることとされています。「とにかく左」と覚えていると、この一点で譲ったつもりが妨害に転じます。
解説
バックミラーにサイレンの赤色灯が映った瞬間、多くのドライバーの頭は真っ白になる。止まるのか、進むのか、どちらに寄るのか。道路交通法40条は、その一瞬の判断を二つの場面に切り分けて定めている。交差点またはその附近では、車両は交差点を避け、道路の左側に寄って「一時停止」しなければならない。それ以外の場所では、左側に寄って「進路を譲る」だけでよく、必ずしも止まる必要はない。ここまでは何となく知っている人も多い。だが本当の落とし穴は括弧の中にある。一方通行の道路で、左に寄るとかえって救急車の通行を妨げてしまう場合は、右側に寄れと書いてある。「とにかく左」と信じて右に寄るべき場面で左に寄れば、あなたが救急車の進路を塞ぐ側になり、緊急自動車妨害として違反点数と反則金を科されうる。読む前のあなたと読んだあとのあなたは、同じサイレンを聞いて逆の動きをする。
法的な位置づけ
道路交通法40条は、緊急自動車が接近してきた場合における車両および路面電車の避譲義務を定める規定である。交差点またはその附近では交差点を避けて道路の左側に寄り一時停止する義務を、それ以外の場所では道路の左側に寄って進路を譲る義務を課す。一方通行の道路において左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げる場合には、右側に寄るものとされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.サイレンを認識したら現在地を判定する まず自分が交差点またはその附近にいるかを判定する。交差点付近なら40条1項の一時停止義務、それ以外の場所なら2項の進路譲渡義務と、課される義務の強度が変わる
- 2.一方通行かどうかで左右を切り替える 原則は道路の左側に寄る。ただし一方通行の道路で、左側に寄るとかえって緊急自動車の通行を妨げる場合は右側に寄る。標識と道幅を一瞬で確認し、塞がない側を選ぶ
- 3.交差点の手前で一時停止する 交差点またはその附近では、交差点を避けて一時停止する。交差点に進入してから止まると自分が進路を塞ぐ障害物になるため、手前で止まりきることを優先する
- 4.それ以外の場所では停止せず進路を譲る 交差点付近以外では、左側に寄って進路を譲れば足りる。高速道路の本線など、急停止がかえって追突を招く場所では減速して左に寄せ、後続車の動きも確認する
- 5.通過後に記録を残す 緊急自動車妨害を疑われる可能性がある場面では、ドライブレコーダーの該当区間を保存する。自分が寄せようとした事実が映っていれば、後日の告知に対する反証になる
よくある質問 AI による整理
Q1緊急自動車とは何ですか?
消防車、救急車、パトカーなど、政令で定められた車両が緊急用務のため赤色灯をつけサイレンを鳴らして運転中のものを指します。要件を欠けば40条の避譲義務は生じません。
Q2一方通行で救急車が来たら左と右どっちに寄る?
左側に寄ることがかえって緊急自動車の通行を妨げる場合は、右側に寄ります。40条1項の括弧書きが定める例外で、2項の場所でも同じ扱いです。
Q3交差点で救急車に気づいたらどこで止まる?
交差点を避けて止まります。交差点内で停止すると自分が進路を塞ぐ側になるため、交差点の手前で左側(一方通行の場合は右側)に寄って一時停止するのが原則です。
Q4パトカーにも道を譲る義務はある?
あります。パトカーも緊急用務のため赤色灯とサイレンを用いて運転中であれば緊急自動車にあたり、救急車や消防車と同じく40条の避譲義務の対象になります。
Q5サイレンを鳴らしていない消防車にも譲る必要は?
40条の義務は生じません。緊急用務のため赤色灯とサイレンを用いて運転中であることが前提のため、帰署中など通常走行の車両は一般の車両として扱われます。
Q6救急車に道を譲って追突されたら過失割合は?
40条に従った正当な減速・停止であれば、原則として後続車の前方不注視となり後続車の過失が大きくなります。ドライブレコーダーで停止の経緯を保全してください。
Q7ドライブレコーダーの映像は証拠になりますか?
なります。自分が左(一方通行なら右)へ寄ろうとした事実を示せれば義務を尽くした反証になり、逆に妨害の立証にも使われます。近年は後日の立件も増えています。
Q8路面電車も40条の対象ですか?
対象です。40条1項は交差点またはその附近において、路面電車は交差点を避けて停止すべきことを、車両とは別に明記しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1救急車に道を譲らなかったら、罰則ってあるんですか?
あります。道路交通法40条違反として緊急自動車妨害に問われ、反則点数1点、反則金は普通車で6千円程度です(最新の改正状況をご確認ください)。故意に妨害すれば刑事罰の対象にもなりえます。実務のポイント:以前は現場で押さえられなければ見逃されがちでしたが、ドライブレコーダーと車載カメラの普及で、後日でも映像から立件されるケースが増えています。『バレなかった』は過去の話になりつつある
Q2赤信号で止まってるのに、救急車のためにさらに動いていいんですか?
動けます。40条は『進路を譲る』ことを義務づけており、譲るために必要な限度での移動は、赤信号や停止線の原則より優先されると実務上解釈されています。ただし歩行者や他車の安全確認が大前提です。実務のポイント:交差点内に少し進み出てでも救急車の進路を空ける行為は、多くの警察官が黙認します。逆に信号を盾に頑なに動かず進路を塞ぐ方が、緊急自動車妨害として問題視されうる
Q3高速道路でサイレンが聞こえたら、路肩に止まるんですか?
高速道路は40条2項の『前項以外の場所』にあたり、義務は『左側に寄って進路を譲る』ことで、必ずしも一時停止ではありません。むしろ本線上での停止は追突を招くため避けるべきです。減速して左車線または左寄りに車を寄せます。実務のポイント:高速でサイレンを聞いて慌てて急ブレーキや停止をする方が事故のもと。『譲る=止まる』ではないと知っているだけで、自分の身の安全が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「救急車が来たら、とにかく左に寄って止まればいい」と信じている人がほとんどだが、一方通行で左に寄ると救急車を妨げてしまう場面では、右に寄るのが正解。信じてきたルールが逆に働く一点がここにある
- 「交差点で止まるのも、道端で止まるのも同じでしょ」と思われているが、40条は前者に『交差点を避けて一時停止』、後者に『進路を譲る』と、強度の違う義務を課している。交差点付近で止まらずに徐行で通り抜ければ、譲ったつもりでも義務違反になりうる。同じ「譲る」でも場所で中身が違う、その深刻さを知らない人が多い
- 「サイレンに気づかなかったのだから責められない」という問いの立て方そのものが誤っている。40条の義務は救急車が『接近してきたとき』に自動的に発生し、周囲の音に注意を払う努力を怠った不注意も評価の対象になる。問うべきは『気づいたか』ではなく『気づける状況だったか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に義務を課すか | 40条:緊急自動車が接近したときの一般車両・路面電車 | 39条:緊急自動車の側の通行方法と優先通行 41条:緊急自動車に認められる通行特例 |
| 求められる行動 | 交差点付近は一時停止、それ以外は進路を譲る | 緊急自動車は右側部分へのはみ出し等が可能 信号・通行区分等の規定の適用除外 |
| 左右の切り替え | 一方通行で左が妨げになる場合は右側に寄る | 規定なし(緊急自動車側の走行ルール) 規定なし(特例の範囲を定める) |
| 違反したときの立場 | 緊急自動車妨害として点数・反則金の対象 | 緊急自動車側の運転者の注意義務の問題 特例を超えた運転は一般の違反として評価 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「聞警號不立即避讓」を処罰規定側で構成し、日本のように交差点内外で義務の強度を分ける条文構造はとらない
韓国も交差点およびその付近では一時停止、それ以外では進路譲渡という二分構造をとり、日本法と極めて近い
ドイツは青色回転灯とサイレンの併用を要件に「直ちに進路を空ける」と一般的に規定し、左右の寄せ方は状況判断に委ねる。高速道路では § 11の救急車線形成義務が別途機能する
米国は路肩側に寄せて停止する形が基本で、州ごとの Move Over Law が停車中の緊急車両への車線変更・減速義務を追加する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一方通行の細い商店街で、前方から救急車がサイレンを鳴らして近づいてくる。左に寄れば道幅いっぱいに塞いでしまう。左か、右か。迷っている数秒のあいだに救急車のスピードが落ちていく。この一瞬の判断こそ40条が問うている核心だ
- スマホのナビに気を取られ、背後から来た救急車にまったく気づかず交差点に進入。進路を塞いでしまい、緊急自動車妨害として違反点数1点+反則金。あなたのドラレコに一部始終が録画されていた。「気づかなかった」は免罪符にならない
- 大音量の音楽でサイレンにまるで気づかなかった。それでも「接近してきたとき」に発生する義務は免れない
- 青信号で交差点に入りかけた瞬間、右手からサイレン。あと数秒で交差点の中央に達する。止まるべきか、抜けきるべきか。この数秒の選択が、あなたが救急車を助ける側になるか妨げる側になるかを決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 救急車に道を譲るため適切に減速・停止したのに後続車に追突された場合、その場でドラレコ映像と車両の位置関係を保全する2. あなたの停止が40条に基づく正当な行為だったことが記録されていれば、追突は原則として後続車の前方不注視となり、過失割合で後続車が大幅に不利になる3. 首や腰に少しでも異常があれば人身事故として警察に届け、医師の診断書を取得しておく4. 車両・治療費の損害賠償は後続車に対し民法709条で請求する
訴えられた側:1. 緊急自動車妨害で告知を受けたら、その場で違反内容(場所が交差点付近か否か、一方通行か)を確認する2. サイレンが本当に『接近してきた』状況だったか、そもそも気づける状況だったかは、事案によって争点にできる3. ドラレコで自分が左(一方通行なら右)へ寄ろうとした事実を示せれば、義務を尽くした反証になる4. 反則金を納付すれば前科はつかないが、点数と保険等級への影響と天秤にかける。納得できなければ反則金を納めず正式裁判で争う道も残っている
時効(請求できる期限):40条違反は交通反則通告制度の対象で、告知・通告を受けたあと反則金の納付期限(通告書に記載、通常は数日から10日程度、最新の運用をご確認ください)がある。反則金を納めなければ刑事手続に移行する。違反行為自体の公訴時効は、法定刑が罰金・科料にとどまる場合、刑事訴訟法250条2項により3年
学説
通説:40条の義務は、緊急自動車が「接近してきた」という客観的状況によって発生し、運転者が現実に気づいたか否かのみで免責されるものではないと解されている。周囲の音や後方の状況に注意を払う運転者の一般的注意義務と一体で理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法(昭和35年法律第105号)の制定に伴い、緊急自動車が接近した場合の一般車両・路面電車の避譲義務として規定された
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