道路交通法 第39条(緊急自動車の通行区分等)
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- 緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第十七条第五項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第四項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
- 2.緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。
この条文の基本情報
緊急自動車の通行区分等とは何ですか?
定義緊急自動車の通行区分等とは、道路交通法第39条に定められた規定で、「緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第39条(緊急自動車の通行区分等)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第39条の条文原文は「緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。」で始まります。
- 道路交通法第39条は第七節 緊急自動車等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第39条の前の条は道路交通法第38条の2です。
- 道路交通法第39条の次の条は道路交通法第40条です。
- 道路交通法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法39条は、緊急自動車に道路右側部分へのはみ出し通行を認め、法令上の停止義務を免除する。ただし停止しない場合は、他の交通に注意して徐行しなければならない。
Q · 救急車やパトカーは、赤信号でも止まらずに走っていいんですか?
止まらなくてよいが、徐行義務があり無条件ではない
道路交通法39条2項により、緊急自動車は法令上の停止義務を免除されます。赤信号や一時停止標識でも停止する必要はありません。ただし同項後段は「他の交通に注意して徐行しなければならない」と定めており、無条件の通行権ではありません。この徐行義務を怠って事故が起きた場合、緊急自動車側にも過失が認められ、相手方の過失割合が下がることがあります。
解説
サイレンを鳴らした救急車が赤信号を突っ切り、センターラインをはみ出して対向車線を駆け抜ける。あの光景を「緊急だから当然」と眺めているなら、条文の半分しか見えていない。道路交通法39条は緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車、パトカーなど、政令で車種が定められ、サイレンと赤色灯を備えて緊急用務で走行中のもの)に二つの特権を与える。道路の右側部分へのはみ出し通行(1項)と、停止義務の免除(2項)だ。ところが2項には見落とされがちな条件がぶら下がっている。止まるべき場面で止まらなくてよい代わりに、「他の交通に注意して徐行しなければならない」。つまり緊急車両が交差点で事故を起こしたとき、この徐行を怠っていれば過失はゼロにならない。特権は免罪符ではない。この一文こそが、緊急車両との事故で過失割合を左右する分岐点になる。あなたが青信号で進入していても、それだけで一方的な被害者になれるとは限らない。
法的な位置づけ
道路交通法39条は緊急自動車の通行特例を定める規定である。緊急自動車とは、消防用自動車、救急用自動車その他政令で定める自動車であって、緊急用務のため政令の定めるところにより運転中のものをいう。同条は道路の右側部分へのはみ出し通行を許容し(1項)、法令上の停止義務を免除する一方(2項前段)、その場合に他の交通に注意して徐行する義務を課す(2項後段)。
手順
- 1.事故直後にドライブレコーダー映像を確保する 自車と周囲の車両のドライブレコーダー映像を、上書きされる前に取り出す。相手の緊急自動車が交差点手前で減速したかどうかは、映像にしか残らない。SDカードを抜くか、別媒体にコピーして保管する
- 2.緊急自動車の要件充足を現場で確認・記録する サイレンが吹鳴されていたか、赤色の警光灯が点灯していたか、緊急用務での走行だったか(施行令13条・14条)を、目撃者や同乗者の証言とともにメモする。要件を欠けば39条の特例自体が発動していない
- 3.実況見分で徐行の有無を具体的に主張する 警察の実況見分では「相手は交差点手前で減速していなかった」など、徐行義務違反を具体的な事実として述べる。この時点の供述が調書に記録されるかどうかで、後の過失割合交渉の起点が変わる
- 4.保険会社の初回提示に39条2項を持ち出して再交渉する 「緊急車両優先だから過失10割」という提示は、相手が適正に徐行していた前提の目安にすぎない。確保した映像と証言をもとに39条2項後段の徐行義務違反を主張し、過失割合の修正を求める
よくある質問 AI による整理
Q1緊急自動車とは何ですか?
消防用自動車、救急用自動車その他政令で定める自動車が、緊急用務のため政令の定めに従って運転中のものをいいます(道路交通法39条1項)。車種の指定は施行令13条にあります。
Q2緊急自動車になる条件は?
施行令13条で指定された車種であること、緊急用務で走行中であること、施行令14条によりサイレンを鳴らし赤色の警光灯を点けていることが必要です。どれか一つでも欠ければ特例は働きません。
Q3緊急自動車は速度制限も超えられる?
39条は停止義務の免除とはみ出し通行を定めるだけです。最高速度など他の規定の特例は道路交通法41条が別に定めており、条文を分けて確認する必要があります。
Q4緊急自動車が来たらどうすればいい?
進路を譲る義務は39条ではなく40条が定めます。交差点付近では交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止するのが原則です。
Q5緊急自動車がはみ出し通行できるのはいつ?
追越しをするためその他やむを得ない必要があるときに限られます(39条1項)。緊急走行中なら常時右側部分を走ってよいという規定ではありません。
Q6民間の車も緊急自動車になれる?
施行令13条は消防・警察・救急のほか、電気やガスの応急作業車、血液運搬車など一定の民間車両も対象としています。個別の指定要件を満たす必要があります。
Q7緊急自動車が事故を起こしたら誰が責任を負う?
39条2項の徐行義務を怠っていれば運転者に過失が認められます。公用車の場合、賠償請求先が国家賠償法に基づく国や自治体になることがあります。
Q8緊急自動車の徐行はどの程度の速度?
徐行は「直ちに停止できるような速度」と定義され(道路交通法2条1項20号)、具体的な数値は状況によります。交差点の見通しが悪いほど求められる減速は大きくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1救急車と事故ったら、こっちが青信号でも自分が悪くなるんですか?
一概には言えません。相手が39条2項の徐行義務を尽くさず交差点に進入していたなら、緊急車両側にも過失が認められ、あなたの過失割合は下がります。逆に相手がきちんと徐行し、あなたが進路を譲れる状況だったなら、あなたの過失が増えることもあります。実務のポイント:保険会社は初回に「緊急車両優先だから10割」という基準表の数字を出しがちですが、それは相手が適正に徐行していた前提の目安にすぎません。相手の減速状況を映像で崩せれば、過失割合は再交渉の対象になる
Q2救急車って、赤信号でも本当に止まらなくていいんですか?
はい、39条2項が停止義務を免除しています。ただし「止まらなくてよい」だけで「そのまま突っ込んでよい」ではありません。同じ2項が「他の交通に注意して徐行しなければならない」と義務づけています。実務のポイント:この徐行義務があるため、緊急車両の運転者が漫然と赤信号を通過して事故を起こせば、業務上過失致死傷に問われることもある。ニュースで「緊急走行中の事故」が刑事事件になるのは、この徐行義務違反が疑われるケースが多い
Q3サイレンが鳴ってなくて赤色灯だけ点いてる車にも、道を譲る義務はありますか?
39条の緊急自動車として特権が働くには、政令上サイレンと赤色の警光灯の両方を作動させ、緊急用務で走行していることが必要です(道路交通法施行令14条)。赤色灯だけでは要件を満たさない場面があります。なお道を譲る義務そのものは第40条が定めています。実務のポイント:パトカーが赤色灯だけ点けてゆっくり走っているのは、警戒・警ら中で緊急走行ではないことが多い。その状態では特権も譲避義務も原則発動せず、普通の車と同じ扱いになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「救急車は緊急走行中なら何をしても許される」と思われがちだが、39条2項は停止義務を免除する代わりに「徐行して他の交通に注意する」義務をセットで課している。特権と義務は一組であり、義務を怠れば特権は事故の場面で盾にならない
- 緊急車両が優先されることは知っていても、その優先が「事故の過失ゼロ」を意味しないところまでは知られていない。深刻なのは、あなたが青信号で交差点に入っても、相手が徐行を怠った緊急車両なら、一方的な被害者にはなれず過失割合を負わされる場合があるという点だ。緊急走行中の事故で緊急車両側にも過失が認定された裁判例は複数ある
- 「赤色灯を付けた車イコール緊急自動車」という前提そのものが誤っている。39条の緊急自動車は政令(道路交通法施行令13条)で車種が限定され、かつサイレンを鳴らし赤色の警光灯を点けて緊急用務で走行中でなければならない(同施行令14条)。要件を欠けば、この条文の特権は発動していない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 39条:緊急自動車自身の通行と停止義務 | 40条:他の車両等が進路を譲る義務 41条:緊急自動車に対する速度・通行方法等の特例 |
| 与えられる効果 | 右側部分へのはみ出し通行の許容+停止義務の免除 | 緊急自動車の優先通行の確保(一般車の側の義務) 最高速度など他の交通規制の適用除外 |
| 付随する義務 | 停止しない場合、他の交通に注意して徐行する義務 | 交差点を避けて道路左側に寄る、一時停止する 特例適用時も安全運転義務は残る |
| 事故時の意味 | 徐行義務違反が緊急自動車側の過失を基礎づける | 譲避義務違反が一般車側の過失を基礎づける 速度超過が正当化される範囲の判断材料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も消防車・救護車等が任務執行中は標識・標線・信号の指示に拘束されないとしつつ、警告のための鳴笛と警示灯の作動を要件とし、安全確保義務を課す構造で日本と近い
韓国は緊急自動車の優先通行を定め、停止義務や進路の特例を認めるが、緊急走行時の安全配慮義務も併せて規定する
ドイツは Sonderrechte(特別権)と Wegerecht(進路権)を条文上分離し、青色回転灯とサイレンの併用を進路権の発動要件とする。特別権行使には最大限の注意義務が明文で要求される
米国モデル法典は緊急車両に信号無視や速度超過の特権を認めるが、`due regard for the safety of all persons` を明文の条件とし、州により細部が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 青信号で交差点に進入した瞬間、サイレンを鳴らした救急車が横から飛び出してきて衝突。あなたは完全な被害者か? 39条2項により、救急車が徐行を怠っていたなら相手にも過失があり、逆に相手がきちんと徐行していたなら、あなたが緊急車両に進路を譲らなかった側として過失を問われることもある。青信号という事実だけでは決着しない
- あなたが救急車や消防車を運転していて、赤信号の交差点を通過する際に一般車と接触した。「緊急走行だから免責」とはならない。39条2項の徐行義務を尽くしていたか、他の交通への注意を払っていたかが、あなた自身の民事責任、場合によっては業務上過失の刑事責任を分ける
- パトカーがサイレンを鳴らさず、赤色灯だけを点けて走っていた。それは39条の緊急自動車として走行しているとは限らない。特権が発動していなければ、普通の車と同じ交通ルールが適用される
- 緊急車両との事故から時間が経つほど、相手が徐行していたかの証拠は薄れる。ドライブレコーダーの映像は上書きされ、目撃者の記憶は風化する。あと数日で決定的な証拠が消えるかもしれない。事故直後に何を確保するかで、過失割合の出発点が決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. その場で証拠を確保。自車と周囲のドライブレコーダー映像、目撃者の連絡先、信号の色、相手が減速していたかを写真とメモで残す。数日で消える証拠が分水嶺2. 相手の緊急車両がサイレンと赤色灯を作動させ、緊急用務で走行していたか(政令要件)を確認3. 保険会社が「緊急車両優先で過失10割」と言ってきたら、39条2項の徐行義務違反を主張し過失割合を争う4. 相手が国・自治体の車両なら、賠償請求先が国家賠償になる場合があり、窓口が通常の任意保険と異なる点に注意
訴えられた側:1. あなたが緊急車両側なら、徐行し他の交通に注意したことを記録(運行記録、無線、同乗者証言)で裏づける。これが民事・刑事の防御線2. あなたが「譲らなかった」と責められる一般車なら、そもそも相手が政令の要件(サイレン・赤色灯・緊急用務)を満たしていたか、進路を譲る余地が現実にあったかを検証3. 過失があっても相手の徐行義務違反を主張して過失相殺(民法722条2項)を求める4. 早期の証拠固めと、実況見分での主張記録を最優先
時効(請求できる期限):緊急車両との事故による損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から、人の生命・身体の侵害は5年、物損は3年(民法724条、724条の2)。不法行為時から20年で権利消滅。ただし徐行の有無を示すドラレコ映像や目撃記憶は事故から数日で劣化するため、法律上の時効より証拠保全のタイムリミットが実質的にはるかに先に来る
学説
通説:39条2項は停止義務という個別の交通規制の適用を除外するにとどまり、運転者の一般的注意義務を免除するものではない。したがって徐行義務違反は、民事上の過失および過失相殺の判断において緊急自動車側の帰責要素となる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法(昭和35年法律第105号)の制定に伴い、緊急自動車の通行特例として新設された
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