要点道路交通法 63 条の 12 は、自転車の運転者と同乗者、児童・幼児の保護者にヘルメット着用の努力義務を定める。罰則はないが、事故時に過失相殺で賠償額が減る可能性がある。
Q · 自転車のヘルメットって、かぶらないと罰金なんですか?
罰金はありません。ただし事故の賠償額が減る可能性があります
道路交通法 63 条の 12 は、第 1 項で自転車の運転者本人に、第 2 項で他人を同乗させる運転者に、第 3 項で児童・幼児を保護する責任のある者に、乗車用ヘルメットをかぶる(かぶらせる)努力義務を課します。令和 5 年(2023 年)4 月 1 日から全年齢に拡大されましたが、いずれも「努めなければならない」という努力義務であり、罰則も反則点数もありません。ただし事故で頭部を負傷した場合、未着用が民法 722 条の過失相殺で斟酌され、受け取れる賠償額が減額される可能性があります。
2023 年 4 月から、自転車に乗るすべての人がヘルメットをかぶるよう求められるようになった。ニュースで「義務化」と聞いて身構えた人も多い。だがここが分かれ道だ。63 条の 12 は「努めなければならない」としか書いていない。つまり努力義務であって、かぶらなくても罰金も反則点数もない。第 1 項はあなた自身、第 2 項は後ろに乗せる同乗者、第 3 項は子どもを持つ保護者に、それぞれヘルメットをかぶらせる努力を課す。罰則ゼロと聞いて安心するのはまだ早い。本当の刃は民事にある。事故で頭を打って損害賠償を請求するとき、ヘルメット未着用が過失相殺の材料にされ、あなたが受け取れるはずの賠償額が削られる可能性がある。罰されないのに、損をする。この非対称を知っている人と知らない人とで、朝の一手が変わる。
道路交通法 63 条の 12 は、自転車利用時の乗車用ヘルメット着用に関する努力義務を定める規定である。第 1 項は運転者本人、第 2 項は同乗させる他人、第 3 項は児童・幼児を保護する責任のある者を名宛人とする。いずれも「努めなければならない」という努力義務にとどまり、違反に対する罰則および反則点数は定められていない。
「努めなければならない」と定めるだけで、違反しても罰則や反則点数が科されない義務の型です。行政指導や啓発の根拠にはなり、民事の場面で行動の相当性を判断する材料にもなります。
令和 5 年(2023 年)4 月 1 日から、それまで児童・幼児に限られていた努力義務が全年齢に拡大されました。義務化と報じられましたが、内容は罰則のない努力義務です。
対象です。電動アシスト自転車は道路交通法上の自転車に含まれるため、63 条の 12 の努力義務がそのまま適用されます。速度が出る分、頭部への衝撃も大きくなります。
法律は具体的な規格を指定していません。実務では SG マーク、JCF 公認、欧州の CE(EN1078)など、第三者機関の安全基準に適合した製品を選ぶのが一般的です。
多くは市区町村の窓口またはオンライン申請です。努力義務の全年齢化を受けて助成制度を設ける自治体が増えました。予算枠に達すると年度途中で締め切られる点に注意が必要です。
第 2 項により、他人を乗車させる運転者側の努力義務です。同乗者本人ではなく、乗せる側が名宛人になっている点が見落とされやすいポイントです。
63 条の 12 が対象とするのは自転車です。特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)についても乗車用ヘルメットは努力義務とされていますが、根拠となる条文は別です。
道路交通法上の罰則はありませんが、労働契約法 5 条の安全配慮義務の観点から、ヘルメットの支給や着用ルール整備を怠ると、労災や損害賠償の場面で使用者の対応が問われる余地があります。
取られません。63 条の 12 は努力義務で、違反しても罰則も反則点数もなく、切符を切られることもありません。あくまで「かぶるよう努める」義務です。業界裏話ヒント:罰則がないからと軽視されがちですが、事故で頭を打ったときの民事賠償では話が別。ヘルメット未着用が過失相殺の材料にされ、賠償額が削られることがある。罰金を心配するより、この民事の減額リスクを知っている人の方が、結局は得をします
第 3 項は保護者に子どもへ着用させる努力義務を課しますが、これも罰則はありません。ただし事故で子どもが頭部を負傷した場合、監督のあり方が民事で問われる余地があります(民法 722 条)。業界裏話ヒント:多くの自治体が子ども用ヘルメットの購入補助金を出しています。努力義務化の直後は予算が手厚く申請が通りやすい。制度を知っている親だけが、実質無料に近い金額でそろえています
本当に起こりえます。相手の過失が明らかでも、頭部外傷についてヘルメット未着用が損害を広げたとされれば、民法 722 条の過失相殺で賠償が減額される可能性があります。ただし着用義務違反をどこまで反映するかは実務上、判断が分かれています。業界裏話ヒント:着けていたのに未着用と決めつけられるケースもある。事故現場でヘルメットの写真を撮り、購入記録を残しておくと、相手の減額主張を早い段階でつぶせます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の強さ | 道交法 63 条の 12:努力義務(努めなければならない) | — |
| 罰則の有無 | 罰則なし・反則点数なし | — |
| 名宛人 | 運転者本人・同乗させる運転者・児童幼児の保護者 | — |
| 実務上の効き方 | 事故時の過失相殺(民法 722 条)で賠償額に反映されうる | — |
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