道路交通法 第98条(自動車教習所)
クイックジャンプ
- 自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。以下同じ。)を設置し、又は管理する者は、当該自動車教習所において行う自動車の運転に関する教習の水準の維持向上に努めなければならない。
- 2.自動車教習所を設置し、又は管理する者は、内閣府令で定めるところにより、当該自動車教習所の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を届け出ることができる。
- 一氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
- 二自動車教習所の名称及び所在地
- 三前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
- 3.公安委員会は、前項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、自動車の運転に関する教習の適正な水準を確保するため、当該自動車教習所における教習の態様に応じて、必要な指導又は助言をするものとする。
- 4.公安委員会は、前項の指導又は助言をした場合において、必要があると認めるときは、自動車安全運転センターに対し、当該指導又は助言に係る自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習を行う職員に対する研修その他当該職員の資質の向上を図るための措置について、必要な配慮を加えるよう求めることができる。
- 5.公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、第三項の指導又は助言をするため必要な限度において、第二項の規定による届出をした自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
この条文の基本情報
自動車教習所とは何ですか?
定義自動車教習所とは、道路交通法第98条に定められた規定で、「自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第98条(自動車教習所)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第98条の条文原文は「自動車教習所(免許を受けようとする者に対し、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行う施設をいう。」で始まります。
- 道路交通法第98条は第四節の二 自動車教習所に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第98条の前の条は道路交通法第97条の3です。
- 道路交通法第98条の次の条は道路交通法第99条です。
- 道路交通法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第98条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/98
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法98条は、自動車教習所の設置者に教習水準の維持向上の努力義務を課し、公安委員会への任意の届出制度を定める。届出だけでは技能試験は免除されない。
Q · 教習所を卒業すれば、どこでも運転免許試験場の実技試験は免除されるの?
届出だけの非公認校では技能試験は免除されません
道路交通法98条は、自動車教習所の設置者・管理者に教習水準の維持向上の努力義務を課し、公安委員会への届出を任意の制度として置きます。届出をした教習所には公安委員会が指導又は助言を行い、必要な報告や資料の提出を求めることができます。ただし技能試験の免除は、より厳しい要件を満たして指定を受けた指定自動車教習所(99条以下)の卒業者に限られ、98条の届出だけの教習所を卒業した場合は、運転免許試験場で技能試験を受け直す必要があります。
解説
街の教習所の看板を、料金の数字としてしか見たことがないかもしれない。だがそこに「指定」の二文字があるかないかで、あなたの未来は二股に分かれている。道路交通法第98条は、自動車教習所を「運転の技能と知識を教える施設」と定義したうえで、その設置者に教習水準の維持向上の努力義務を課し、公安委員会への任意の届出制度を用意する。届出をした教習所には、公安委員会が指導や助言を行い、報告や資料の提出を求めることもできる。ここで肝心なのは、第98条の届出だけの教習所は「非公認」であり、卒業しても運転免許試験場の技能試験は免除されないという点だ。技能試験を免除されるのは、より厳しい要件を満たして「指定」を受けた公認校(第99条以下)の卒業者だけ。あなたが安さに惹かれて選ぶその学校がどちら側なのかを決める分岐点が、この条文の周りに立っている。
法的な位置づけ
道路交通法98条は、自動車教習所の定義と、その設置者又は管理者が負う教習水準の維持向上の努力義務を定める規定である。あわせて公安委員会への任意の届出制度を置き、届出をした教習所に対する指導又は助言、自動車安全運転センターへの研修配慮の要請、及び必要な報告又は資料の提出の求めを規定する。指定自動車教習所(99条以下)と異なり、届出だけでは技能試験免除の効果は生じない。
よくある質問 AI による整理
Q1届出自動車教習所とは?
道路交通法98条2項に基づき、所在地を管轄する公安委員会に名称・所在地などを届け出た教習所です。届出は任意で、届け出ても技能試験の免除効果は生じません。
Q2公認校と非公認校はどう見分けますか?
看板や広告、ウェブサイトの「公安委員会指定(指定自動車教習所)」の表示が目印です。表示がなければ98条の届出のみの非公認校の可能性が高く、契約前に直接確認するのが確実です。
Q3非公認の自動車教習所は違法ですか?
違法ではありません。98条は届出を任意としており、届出校は公安委員会の指導又は助言を受ける正規の存在です。指定を受けていないため技能試験免除がない、という違いにとどまります。
Q4自動車教習所の届出は義務ですか?
義務ではありません。98条2項は「届け出ることができる」と規定する任意の制度です。ただし1項の教習水準の維持向上は、届出の有無にかかわらず設置者・管理者の努力義務です。
Q5教習所の指定は誰がしますか?
教習所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。98条の届出の受理も同じ公安委員会が行いますが、技能試験免除につながる「指定」は99条以下の別制度です。
Q6公安委員会の報告要求を断ったら罰則はありますか?
98条5項の報告・資料提出の求めは、3項の指導又は助言をするため必要な限度で行われるものです。条文上の罰則規定はありませんが、指導への非協力の事実は残ります。
Q7合宿免許は公認校ですか?
合宿かどうかと公認かどうかは別問題です。合宿でも指定自動車教習所が多い一方、届出のみの非公認校もあります。申込前にプラン内容と指定の有無を必ず確認してください。
Q8自動車安全運転センターは教習所とどう関わりますか?
98条4項により、公安委員会は指導又は助言をした場合、同センターに対し、当該教習所の教習を行う職員の研修など資質向上の措置に必要な配慮を求めることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公認と非公認の教習所って、卒業したときにもらう証明は同じじゃないんですか?
違います。公認校(指定自動車教習所、第99条)の卒業証明書は試験場の技能試験を免除しますが、第98条の届出だけの非公認校にその権限はなく、卒業者は試験場で技能試験を受け直します。実務のポイント:非公認校は試験場の一発試験対策に特化していることが多く、外国免許切替やペーパードライバーなど運転経験者には公認校より速く安い。初心者なら免除のある公認校が無難、という使い分けがある
Q2非公認の教習所でも公安委員会が指導してるなら、質は安心なんですよね?
安心の担保にはなりません。第98条第3項の指導又は助言は行政指導であり、応じる法的義務も、従わない場合の罰則もありません。公安委員会が教習の質を保証するわけでもない。実務のポイント:行政指導には処分性がなく、従わなくても直ちに営業停止にはならないため、非公認校の質は学校ごとにばらつく。看板の「公安委員会指定」の有無が、唯一の客観的な質の目印になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「どの教習所も中身は同じ、要は料金と通いやすさだ」という前提で選びがちだ。だが最初に確かめるべきは料金ではなく、公安委員会の指定を受けた公認校か、第98条の届出だけの非公認校か。問いの立て方そのものがずれている
- 公認と非公認の違いは知っていても、その差が「試験一回分」程度だと思っている人が多い。実際は、非公認校の卒業者が試験場の技能試験に一度で受かる例は少なく、再受験のたびに手数料と平日の半日を失う。差は一回では終わらない
- 非公認校は違法か怪しい業者だと思われがちだが、第98条の届出をして公安委員会の指導助言を受ける正規の存在である。安さには「技能試験を自分で受ける」という明確な理由があるだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 公安委員会の関与 | 98条:任意の届出+指導又は助言・報告徴収 | 99条:要件審査を経た「指定」(公認) 100条:指定の取消し等(公認資格の喪失) |
| 技能試験免除の有無 | なし。卒業後も試験場で技能試験を受ける | あり。指定校の卒業証明書で技能試験が免除される 取消後は免除の前提が失われる |
| 設置者側の負担 | 水準維持は努力義務、届出は任意で参入障壁が低い | 施設・指導員・技能検定員など厳格な要件を継続充足 要件を欠けば指定の取消し等の不利益処分 |
| 利用者が受ける影響 | 料金は安い傾向だが一発試験の負担を自分で負う | 料金は高い傾向だが卒業=実技クリアで見通しが立つ 在籍中の取消しは通学計画そのものに影響 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も訓練機構を行政の管理下に置き、監理機関の代訓制度を経た者に路考免除の道を開く点で、日本の指定制度と機能的に近い二層構造をとる
韓国も運転学院の登録制と、技能試験に代替する検定を行える資格を分ける構造をとり、日本の届出/指定の対比に近い
ドイツは教習所の開設自体に許可(Fahrschulerlaubnis)を要する原則許可制で、日本のように届出が任意という構造は採らない。参入段階での規制密度が高い
フランスは県知事の agrément(認可)を教習所開設の要件とし、無認可営業は制裁の対象。日本の任意届出とは規制の強度が大きく異なる
米国は連邦統一法がなく州ごとに driving school の licensing を定める。免許試験の免除範囲も州により大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが選ぼうとしているその教習所は、公認校だろうか、それとも非公認校だろうか。合宿免許のサイトで相場より三万円安いプランを見つけて心が動いているなら、申し込む前にこの一点を確かめてほしい。第98条の届出だけの非公認校なら、卒業後も運転免許試験場で技能試験を自分で受け直すことになる
- あなたが小さな自動車教習所を経営していて、公安委員会から第98条第5項に基づき教習実施状況の報告を求められた。これは指導助言のための資料提出であって、応じないこと自体に罰則はない。ただし指導を無視し続けた事実は、将来より格の高い「指定」を目指すときの評価に影を落とす
- 非公認校を卒業し、試験場の技能試験まであと三日。公認校を出ていれば免除されていたこの試験を、あなたは初対面の試験官を横に乗せて一発勝負する。合格率は公認校卒業者と比べて格段に低い
学説
通説(行政法学):98条3項の指導又は助言は行政指導であり、相手方の任意の協力を前提とする非権力的行為とされる。処分性がなく取消訴訟の対象にならないのが原則で、従わないことを理由とする不利益取扱いも許されないと解されている。
通説(行政法学):98条1項の「努めなければならない」は努力義務規定であり、履行の程度は設置者の裁量に委ねられる。制裁ではなく、指定(99条以下)による技能試験免除という誘因で水準を引き上げる設計だと理解されている。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める