災害対策基本法 第46条(災害予防及びその実施責任)
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- 災害予防は、次に掲げる事項について、災害の発生又は拡大を未然に防止するために行うものとする。
- 一防災に関する組織の整備に関する事項
- 二防災に関する教育及び訓練に関する事項
- 三防災に関する物資及び資材の備蓄、整備及び点検に関する事項
- 四防災に関する施設及び設備の整備及び点検に関する事項
- 五災害が発生し、又は発生するおそれがある場合における相互応援の円滑な実施及び民間の団体の協力の確保のためにあらかじめ講ずべき措置に関する事項
- 六要配慮者の生命又は身体を災害から保護するためにあらかじめ講ずべき措置に関する事項
- 七前各号に掲げるもののほか、災害が発生した場合における災害応急対策の実施の支障となるべき状態等の改善に関する事項
- 2.指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関その他法令の規定により災害予防の実施について責任を有する者は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害予防を実施しなければならない。
この条文の基本情報
災害予防及びその実施責任とは何ですか?
定義災害予防及びその実施責任とは、災害対策基本法第46条に定められた規定で、「災害予防は、次に掲げる事項について、災害の発生又は拡大を未然に防止するために行うものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第46条(災害予防及びその実施責任)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第46条の条文原文は「災害予防は、次に掲げる事項について、災害の発生又は拡大を未然に防止するために行うものとする。」で始まります。
- 災害対策基本法第46条は第一節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第46条の前の条は災害対策基本法第45条です。
- 災害対策基本法第46条の次の条は災害対策基本法第47条です。
- 災害対策基本法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法46条は、組織・訓練・備蓄・施設・相互応援・要配慮者保護など7項目の災害予防を定め、国・自治体・指定公共機関に防災計画に基づく実施を義務付ける。
Q · 災害への備えは誰の法的義務? 電力会社や鉄道会社も含まれるの?
国・自治体・指定公共機関に平時の災害予防が義務付けられている
災害対策基本法46条2項により、指定行政機関・指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関・指定地方公共機関などは、法令又は防災計画の定めに従って災害予防を実施しなければなりません。指定公共機関には電力・ガス・通信・鉄道の大手事業者や日本赤十字社、NHK が含まれます。予防の内容は1項の7項目ですが、具体的な水準は地域防災計画などに委ねられています。
解説
「防災はお上の仕事」という感覚は、半分だけ正しい。災害対策基本法46条2項は、国の行政機関、都道府県知事や市町村長、そして「指定公共機関」に災害予防を法的義務として課している。指定公共機関には、日本赤十字社や NHK、電力・ガス・通信・鉄道の大手事業者などが含まれる。あなたの家に電気を送る会社も、避難に使う路線を走らせる会社も、平時から備える法的責任を負っているということだ。一方、1項は何をすべきかのメニューを七つ並べる。組織、訓練、備蓄、施設、相互応援、要配慮者の保護、応急対策の障害除去である。ただし、具体的な中身は条文ではなく「法令又は防災計画」に委ねられている。だから、あなたが確かめるべきは条文ではない。自分の市町村の地域防災計画(自治体が作る災害対策の公式マニュアル)に何が書かれ、何が抜けているかである。計画は公開されており、誰でも読める。避難所の備蓄が足りない、要配慮者名簿に家族が載っていないと気付いたとき、「書かれた約束」と「実態」のずれを指摘できる人だけが、災害の前に行政を動かせる。
法的な位置づけ
災害対策基本法46条は災害予防の範囲と実施責任を定める規定である。1項は災害の発生又は拡大を未然に防止するための事項として、防災組織の整備、教育訓練、物資・資材の備蓄と点検、施設・設備の整備と点検、相互応援と民間協力の確保、要配慮者の保護、応急対策の支障となる状態の改善を列挙し、2項は指定行政機関の長、地方公共団体の長、指定公共機関等に、法令又は防災計画に基づく実施義務を課す。
手順
- 1.地域防災計画とハザードマップを入手する 市町村のウェブサイトから地域防災計画とハザードマップをダウンロードし、自宅周辺の想定災害、指定避難所、備蓄方針、要配慮者支援の記載箇所に付箋を付ける
- 2.家族の避難行動要支援者名簿への登録を申し出る 高齢や障害のある家族がいる場合、福祉・防災担当課で名簿への登録と平時の情報提供への同意手続を行い、あわせて個別避難計画の作成を依頼する
- 3.備蓄と点検の実態を書面で確認する 避難所の備蓄品リストと点検記録を担当課に書面で問い合わせる。回答が得られなければ情報公開請求を行い、回答内容を記録として保存する
- 4.計画改定の機会に意見を出す 防災会議による計画見直しやパブリックコメントの時期に、個別避難計画の作成率や備蓄の点検状況など具体的な数値を質問・提案する
よくある質問 AI による整理
Q1災害予防とは何ですか?
災害の発生や拡大を未然に防ぐための平時の取組みです。災害対策基本法46条1項が、組織整備・訓練・備蓄・施設整備など7項目を列挙しています。
Q2指定公共機関とはどんな組織ですか?
内閣総理大臣が指定する公共的機関・公益的事業者です。日本赤十字社、NHK、電力・ガス・通信・鉄道の大手事業者などが該当し、46条2項で災害予防の実施義務を負います。
Q3地域防災計画はどこで見られますか?
多くの市町村・都道府県がウェブサイトで公開しています。見当たらない場合は防災担当課に問い合わせるか、窓口で閲覧を求めることができます。
Q4自治体の防災備蓄は何日分あるの?
46条は日数などの数値基準を定めていません。備蓄の方針は地域防災計画で、品目・数量の明細は別資料で定められることが多く、自治体ごとに差があります。
Q5防災訓練は法律で義務ですか?
46条1項2号が教育・訓練を予防項目に掲げ、48条が災害予防責任者に防災訓練の実施を義務付けています。住民の訓練参加は7条の努力義務です。
Q6要配慮者とは誰のことですか?
高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する人を指します。46条1項6号はその生命・身体を守るための事前措置を予防項目としています。
Q7防災計画どおりに備えていない自治体は違法?
46条2項は計画に基づく実施を義務付けますが、内容には広い裁量があります。違法と評価され国家賠償が認められるのは、具体的な危険への対応を著しく怠った場合などに限られやすいです。
Q8災害対策基本法46条はいつできた?
災害対策基本法は伊勢湾台風を契機に昭和36年(1961年)に制定され、46条は制定時から災害予防の基本規定として置かれています。要配慮者の項目はその後の改正で加わったとされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの地域の避難所に水や毛布がちゃんとあるか、どうやって確かめればいいの?
地域防災計画には備蓄の方針が書かれているが、品目や数量の明細は別資料になっていることが多い。担当課に問い合わせるか、出てこなければ情報公開請求で備蓄品リストや点検記録を求められる。46条1項3号は備蓄だけでなく点検も求めている。実務のポイント:点検記録を求めると、賞味期限切れや数量不足が見つかって補充予算が付くことがある。リストより点検記録を見るほうが実態が分かる
Q2一人暮らしの親が足が悪いんだけど、災害のとき誰か来てくれるの?
市町村は避難行動要支援者名簿の作成が義務で(49条の10)、令和3年(2021年)改正で個別避難計画の作成も努力義務になった(49条の14)。ただし名簿に載っているだけでは、誰が迎えに行くかまでは決まらない。実務のポイント:個別避難計画は優先度の高い人から順番に作られるため、自治体によっては作成が後回しにされている。家族から担当課に「計画を作ってほしい」と申し出ると、順番が早まることがある
Q3行政の備えが甘かったせいで家族が被災したら、訴えられる?
国家賠償法1条(公務員の違法行為)や2条(道路・河川など公の営造物の設置管理の欠陥)で請求する余地はある。ただし46条の義務は中身の多くを計画や裁量に委ねているため、具体的に何を怠ったかを特定しないと勝てない。実務のポイント:大川小学校事件では、学校側が事前に避難場所や経路を定めておかなかったことが過失とされ、最高裁が上告を退けて確定した(令和元年10月)。平時の具体的な備えの欠落を突くのが、勝ち筋になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「防災計画があるなら安心」と思いがちだが、46条は予防の項目を並べるだけで、水や食料を何日分備えるか、避難所をいくつ設けるかといった具体的な水準は定めていない。中身は各自治体の地域防災計画に委ねられており、同じ規模の市でも備えの厚さは大きく違う。法律があることと、あなたの地域が備えていることは別問題である
- 要配慮者の保護が法定項目になっていることは知られ始めたが、その仕組みが本人の同意に強く依存していることはあまり知られていない。避難行動要支援者名簿の情報を平時に民生委員や自主防災組織へ渡すには、条例に特別の定めがない限り本人の同意が要る(49条の11)。家族が「個人情報だから」と同意を断れば、近所の支援者は平時に名簿を見られず、いざというときに誰が迎えに行くかも決まらない
- 「行政が備えを怠ったなら、被害を全部賠償させられる」という発想自体に落とし穴がある。46条は行政の義務を定めるが、何をどこまでやるかには広い裁量がある。国家賠償で責任が認められるのは、具体的な危険を予見でき、取るべき措置が特定できたのに怠った場合に限られやすい。実務上、ハードルは高い。訴訟より、計画の段階で穴を指摘するほうがはるかに安くて確実である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 46条:災害予防の7項目と実施責任者を定める総則規定 | 47条〜49条:組織整備・訓練・備蓄など個別の予防義務 7条:住民等の責務(備蓄・訓練参加など) |
| 義務の主体 | 指定行政機関の長、地方公共団体の長、指定公共機関等 | 災害予防責任者(46条2項の主体とほぼ同じ) 住民、公共的団体、防災上重要な施設の管理者 |
| 義務の強さ | 「実施しなければならない」法的義務(内容は計画に委任) | 各条で個別に定める義務 努力義務 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も各級政府に平時の減災事項(防災教育訓練、物資整備、弱者保護など)を列挙して義務付ける点で構造が近い
韓国は재난관리책임기관に予防措置を義務付け、行政安全部が統括する。日本同様、計画体系に具体化を委ねる
ドイツでは平時の災害保護は州の権限で、連邦は民間防衛(Zivilschutz)を担う二層構造
米国は FEMA を中心に、連邦補助を通じて州・地方の減災計画(Hazard Mitigation)を促す仕組み
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 車いすを使う母がいて、ハザードマップでは自宅が浸水想定区域に入っている。もし大雨の夜に避難指示が出たら、誰が迎えに来るのか? 答えは、市町村の避難行動要支援者名簿に母が載っているか、個別避難計画が作られているかで変わる。46条1項の「要配慮者」の項目が、名簿制度(49条の10以下)の入口になっている
- あなたは特別養護老人ホームの施設長。市町村の地域防災計画に施設名が載っていて、浸水想定区域内にある。水防法上、避難確保計画の作成と避難訓練が義務になっており、未作成のまま放置すれば市町村長から指示を受け、従わなければ公表されうる。台風シーズンまであと2か月。計画書の雛形を今週中に取り寄せないと間に合わない
- マンション管理組合の理事になった。防災備蓄の予算を削ろうという意見が出ている。行政の備蓄は「公助」の範囲にとどまり、各戸にまで届く保証はない
- 子どもの小学校の保護者会で、津波を想定した避難訓練が一度も行われていないと知った。東日本大震災の大川小学校事件では、学校側が事前の備えを怠ったとして賠償責任が認められている。親として、学校と教育委員会に何をどう問えばいいのか
- 市役所の防災担当に異動したあなた。前任者から引き継いだ備蓄品リストを見ると、保存水の賞味期限が去年切れている。46条1項3号は「備蓄」だけでなく「点検」まで求めている。放置すれば、発災時に責任を問われるのはリストを持っていた担当課だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村のウェブサイトで地域防災計画とハザードマップを入手し、自宅周辺の避難所・備蓄・要配慮者支援の記載を確認する2. 高齢や障害のある家族がいれば、福祉・防災担当課で避難行動要支援者名簿への登録と平時の情報提供への同意、個別避難計画の作成を申し出る3. 備えの不備に気付いたら、書面で問い合わせて回答を記録に残す4. 予防の怠りで被害を受けた場合は、国家賠償法1条・2条による請求を弁護士と検討する。裁量の壁が厚いため、事前のやり取りの記録が決め手になる
訴えられた側:1. 自治体職員や指定公共機関の担当者なら、地域防災計画・業務計画に書かれた点検・訓練・備蓄を実施した記録(日付・内容・担当者)を整える2. 要配慮者利用施設の管理者なら、水防法・土砂災害防止法上の避難確保計画と訓練の実施状況を確認し、未了なら直ちに着手する3. 予見可能な危険への対応経過を説明できるよう、ハザード情報の更新に合わせて計画を見直した履歴を残す4. 責任を問われたら、裁量の範囲内で合理的に判断したことを記録で示す
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。予防の怠りによる被害を国家賠償で請求する場合は、国家賠償法4条により民法が適用され、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2)
学説
通説:46条は災害予防の範囲と責任主体を定める総則的規定であり、具体的な義務内容は47条以下の個別規定と防災計画によって具体化される。予防の水準には広い行政裁量が認められ、国家賠償上の違法判断は権限不行使の著しい不合理性の有無で決まる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正(要確認) 東日本大震災の教訓を受けた改正で、要配慮者の生命・身体を保護するための事前措置が災害予防の項目に加えられたとされる。同改正で避難行動要支援者名簿制度も新設された。項目追加の範囲と文言は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風の教訓を受けた災害対策基本法の制定とともに、災害予防の基本規定として設けられた
- 2.平成25年(2013年) 改正:東日本大震災を受けた改正で、要配慮者の生命・身体を保護するための事前措置が予防項目に加えられたとされる(文言は要確認)
- 災害対策基本法 第7条住民等の備蓄・訓練参加の努力義務
- 災害対策基本法 第47条防災に必要な組織の整備義務
- 災害対策基本法 第48条防災訓練の実施義務
- 災害対策基本法 第49条物資・資材の備蓄と施設整備の義務
- 災害対策基本法 第49条の10避難行動要支援者名簿の作成義務
- 国家賠償法 第1条予防懈怠による公務員の違法行為の賠償
- 国家賠償法 第2条防災施設の設置管理瑕疵の賠償責任
- 水防法 第15条の3要配慮者利用施設の避難確保計画義務
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