災害対策基本法 第5条の2(地方公共団体相互の協力)
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地方公共団体は、第四条第一項及び前条第一項に規定する責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならない。
この条文の基本情報
地方公共団体相互の協力とは何ですか?
定義地方公共団体相互の協力とは、災害対策基本法第5条の2に定められた規定で、「地方公共団体は、第四条第一項及び前条第一項に規定する責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第5条の2(地方公共団体相互の協力)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第5条の2の条文原文は「地方公共団体は、第四条第一項及び前条第一項に規定する責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならない。」で始まります。
- 災害対策基本法第5条の2は第一章 総則に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第5条の2の前の条は災害対策基本法第5条です。
- 災害対策基本法第5条の2の次の条は災害対策基本法第5条の3です。
- 災害対策基本法第5条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第5条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第5条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/5_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法第5条の2は、都道府県と市町村が防災上の責務を果たすため必要なときは相互に協力するよう努める努力義務を定める。強制力ある応援要求は67条・74条が担う。
Q · 災害のとき、自治体同士は助け合う法的な義務があるの?
努力義務なので協力しなくても直ちに違法ではない
災害対策基本法5条の2は、都道府県と市町村が防災上の責務を果たすため必要なときは、相互に協力するよう努めなければならないと定めています。ただしこれは罰則のない努力義務です。応援を拒めない具体的な義務は、市町村長間の応援要求(67条)や都道府県知事間の応援要求(74条)から生じます。実際に支援が届くかどうかは、平時に結んだ相互応援協定や受援計画の有無に大きく左右されます。
解説
条文の語尾は「努めなければならない」である。「しなければならない」ではない。この一語の差に、日本の災害対応の設計思想が詰まっている。本条は、都道府県(4条1項)と市町村(5条1項)がそれぞれの防災責務を果たすため、必要なときは相互に協力するよう努める義務を定める。法律用語では「努力義務」(守らなくても罰則や強制がなく、方向性を示すだけの義務)と呼ぶ。読み飛ばされがちだが、この一語を押さえておく価値は大きい。被災直後に隣町の職員や給水車が来るかどうかは、本条ではなく、平時に結ばれた「相互応援協定」と、67条・68条・74条の応援要求の規定で決まる。本条は協力の理念を掲げる入口にすぎない。だからこそ、あなたの住む自治体がどこと協定を結び、受援計画(外部からの応援を受け入れる段取り)を持っているかを平時のうちに確かめておく必要がある。それが、被災した週の生活水準を左右する。
法的な位置づけ
災害対策基本法第5条の2は、地方公共団体相互の協力を定める規定である。都道府県および市町村が、同法4条1項・5条1項に定める防災上の責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するよう努めなければならない旨を定める。罰則や強制手段を伴わない努力義務であり、個別の応援義務は同法67条・74条などに委ねられる。
手順
- 1.地域防災計画と受援計画の有無を確認 平時のうちに、住んでいる市町村の公式サイトで地域防災計画と受援計画が策定されているかを確認する。見つからない場合は議会の会議録を「受援計画」で検索する
- 2.相互応援協定の締結先を把握 自治体がどの都道府県・市町村と相互応援協定を結んでいるかを確認する。被災規模が大きいときに同時被災しにくい遠隔地の自治体と協定があるかどうかが重要
- 3.被災後は所管窓口を切り分ける 被災直後は、市町村の災害対策本部と都道府県の窓口のうち、どちらが物資・避難所・罹災証明などを所管しているかを確認し、問い合わせ先を一本化する
- 4.応援要求の有無を根拠条文付きで確認 物資や人手の不足が続く場合、議員や自治会を通じて、市が災害対策基本法67条・68条に基づく応援要求を出しているかを確認する。市内で住まいが確保できない場合は、86条の8の広域一時滞在の協議を求める
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法5条の2とは何ですか?
地方公共団体が防災上の責務を果たすため、必要なときは相互に協力するよう努めると定めた規定です。罰則のない努力義務です。
Q2努力義務とはどういう意味ですか?
「努めなければならない」と書かれた義務で、守らなくても罰則や強制手段はありません。法律が目指す方向を示す規定と理解されています。
Q3相互応援協定とは何ですか?
災害時に職員派遣・物資提供・施設利用などで互いに支援することを、自治体同士が平時に取り決めておく協定です。実際の支援の流れを左右します。
Q4受援計画とは何ですか?
外部から応援職員や物資を受け入れるとき、誰が何を担当し、どの業務を任せるかを事前に定めた計画です。これがないと応援が到着しても現場が回りにくくなります。
Q5自分の市の相互応援協定はどこで調べられますか?
市町村の公式サイトの地域防災計画・防災関連ページ、または議会の会議録で「応援協定」「受援計画」と検索すると確認できることが多いです。
Q6災害時に自治体の支援が遅いのは違法ですか?
本条は努力義務なので、遅いこと自体を直ちに違法とするのは困難です。具体的な措置の懈怠が国家賠償法1条で違法と評価される場面に限られます。
Q7自治体の応援要求は断れますか?
市町村長間の応援要求(67条)は、正当な理由がない限り拒めません。都道府県知事間も74条が同様の構造をとります。本条の努力義務より強い規定です。
Q8被災地に他県の職員が来るのはなぜですか?
災害対策基本法の応援要求や相互応援協定、地方自治法252条の17の職員派遣、総務省の応急対策職員派遣制度などに基づいて派遣されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの市、隣の市と比べて支援が遅すぎる気がするんですけど、法律違反じゃないんですか?
本条は「協力するように努めなければならない」という努力義務なので、遅いこと自体を直ちに違法とするのは難しいのが実情である。差がつく本当の原因は、平時の相互応援協定と受援計画の有無であることが多い。実務のポイント:受援計画を持たない自治体は、応援職員が到着しても任せる仕事を割り振れず、現場が回らないことがある。議会の会議録で「受援計画」を検索すると、自分の市の準備状況がすぐ分かる
Q2他の市から応援を頼まれたら、自治体は断れないんですか?
本条だけなら努力義務である。ただし67条1項は、市町村長が応急措置のため他の市町村長に応援を求めた場合、求められた側は正当な理由がない限り拒んではならないと定めており、こちらは本条よりずっと強い。都道府県間は74条が同様の構造をとる。実務のポイント:正式な応援要求か、電話での打診かで法的な重みがまるで違う。現場の担当者は、受けた依頼がどちらなのかを最初に記録に残しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害が起きれば、全国の自治体が自動的に助けに来てくれる」と思われがちだが、本条は努力義務にすぎない。応援の主な起動スイッチは、被災した自治体からの応援要求(67条・68条・74条)と、事前に結んだ相互応援協定である。要求を出す側の職員自身が被災して機能が止まると、支援の流れも止まる
- 協力が十分でなかった自治体を本条違反で訴えれば補償が取れる、という問いの立て方自体がずれている。努力義務は住民個人に請求権を与えるものではないと解されており、本条だけを根拠に損害賠償を求めるのは極めて難しい。争う余地があるのは、具体的な措置を怠ったことが国家賠償法1条の違法と評価される場面に限られる
- 住民から見れば「行政は一つ」に見える。しかし法律上、都道府県と市町村、隣の市と自分の市は、それぞれ独立した法人である。この落差を知らないと、県に電話しても「それは市の所管です」と回されるたびに消耗する。窓口がどこかを最初に見極めること自体が、被災後の時間を節約する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 5条の2:地方公共団体相互の協力(一般的な理念) | 67条:市町村長による他の市町村長への応援要求 74条:都道府県知事による他の都道府県知事への応援要求 |
| 義務の強さ | 努力義務(「努めなければならない」) | 要求を受けた側は正当な理由がない限り拒めない 要求を受けた側は正当な理由がない限り拒めない |
| 発動のきっかけ | 責務を果たすため必要があるとき(平時・災害時を問わない) | 災害発生時、応急措置を実施するため必要があるとき 災害発生時、応急措置を実施するため必要があるとき |
| 住民にとっての意味 | 協定・受援計画づくりの理念的な根拠 | 市町村間の職員・物資支援が実際に動く起動スイッチ 都道府県間の広域支援が動く起動スイッチ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも地方政府が単独で対応できない場合に上級政府や他機関へ支援を求める仕組みがあり、平時の協定と要請手続が実務を動かす点は日本と似ている
韓国は災害時の応援要請を法律で定め、要請を受けた機関に応じる義務を課す構造で、日本の67条に近い
ドイツでは災害救助は州の権限が中心で、連邦と州の間の職務共助・災害救助を基本法35条が定める
米国は州同士が州際協定で相互支援を約束し、費用負担や責任の扱いも協定で定める。協定ベースで支援を動かす点は日本の相互応援協定と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大地震の三日後、避難所で配られる水が一日一本のまま増えない。隣の市には備蓄があるのに届かないのはなぜか。原因は要請の窓口が詰まっていることが多い。被災した市が67条に基づいて応援を求めなければ、支援物資は動き出しにくい
- もし、あなたが市役所の防災担当で、隣県の市から職員を10名送ってほしいという依頼を受けたらどうなる? 本条は努力義務だが、相手が67条に基づく正式な応援要求であれば、正当な理由なく断ることはできない。依頼の根拠条文を最初に確認することが判断の起点になる
- 罹災証明書の申請から交付まで一か月以上待たされている。家屋被害の調査に人手が足りないためだ。支援金や保険の手続はその書類が前提になる。応援職員が何人入るかで、あなたの生活再建の時期が変わる
- 豪雨で自宅が浸水し、あと二日で仮住まいを決めなければならない。市内の避難所はもう満杯だ。市外の施設へ移る「広域一時滞在」(86条の8)は、受入れ側の市町村が協議に応じて初めて動く。自治体同士の協力関係が、あなたの寝場所に直結している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被災直後は、自分の市町村の災害対策本部と県の窓口のうち、どちらが何を所管しているかを確認する2. 物資や人手の不足が続くなら、市が67条・68条に基づく応援要求を出しているかを議員や自治会経由で問い合わせる3. 市内で住まいが確保できない場合は、広域一時滞在(86条の8)の協議を求める4. 平時のうちに、地域防災計画、受援計画、相互応援協定の締結先を自治体のサイトで確認しておく
訴えられた側:自治体職員として協力が不十分だと批判された場合:1. 本条は努力義務であり、個別の法的義務は67条・68条・74条などの具体的規定と協定から生じる点を整理する2. 受けた応援要求の記録と、応諾または拒否の理由を文書で残す3. 拒否する場合は「正当な理由」(自地域の被災状況など)を具体的に記録する4. 次の災害に備え、受援計画の策定と協定の見直しを提案する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限や時効はない。自治体の災害対応の違法を理由に国家賠償を求める場合は、国家賠償法4条により民法724条が適用され、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、724条の2)、不法行為時から20年で請求できなくなる
学説
一般的理解:「努めなければならない」と定める努力義務規定は法的拘束力が弱く、住民個人に具体的な請求権を与えるものではないと解されている。自治体間の具体的な応援義務は、同法67条・74条など個別規定と協定によって形成される
- 災害対策基本法 第4条都道府県の防災責務、協力の前提
- 災害対策基本法 第5条市町村の防災責務、協力の前提
- 災害対策基本法 第67条他市町村長への応援要求と応諾義務
- 災害対策基本法 第74条他の都道府県知事への応援要求
- 災害対策基本法 第86条の8市町村間の広域一時滞在の協議
- 地方自治法 第252条の17自治体間の職員派遣の一般的根拠
- 国家賠償法 第1条自治体の災害対応の違法に対する賠償
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