災害対策基本法 第77条(指定行政機関の長等の応急措置)
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- 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、都道府県及び市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な施策を講じなければならない。
- 2.前項の場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、都道府県知事、市町村長又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関に対し、応急措置の実施を要請し、又は指示することができる。
この条文の基本情報
指定行政機関の長等の応急措置とは何ですか?
定義指定行政機関の長等の応急措置とは、災害対策基本法第77条に定められた規定で、「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第77条(指定行政機関の長等の応急措置)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第77条の条文原文は「指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置…」で始まります。
- 災害対策基本法第77条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第77条の前の条は災害対策基本法第76条の8です。
- 災害対策基本法第77条の次の条は災害対策基本法第78条です。
- 災害対策基本法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法77条は、国の行政機関の長に災害時の応急措置の実施と自治体支援の施策を義務付け、知事・市町村長・指定公共機関への要請・指示権を認める規定である。
Q · 大きな災害のとき、国は市町村任せにせず自分でも動く義務があるの?
ある。国の出先機関にも応急措置と自治体支援の義務がある
災害対策基本法77条1項により、指定行政機関の長(各省大臣など)と指定地方行政機関の長(地方整備局長など)は、災害が発生し、またはまさに発生しようとしているとき、自らの所掌事務に係る応急措置を速やかに実施し、さらに都道府県・市町村の応急措置が的確かつ円滑に行われるよう必要な施策を講じなければなりません。同条2項では、知事・市町村長・指定公共機関などに応急措置の実施を要請し、または指示することもできます。
解説
「災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき」。この一句が本条の起動スイッチである。国が動き出すのは被災した後とは限らない。台風の進路予報の確度が上がった段階で、国土交通省の地方整備局や管区警察局のような国の出先機関は、自分の担当分野の応急措置(被害の拡大を食い止めるための当面の手当て)を始める義務を負う。しかも義務はそれだけで終わらない。条文には、市町村や都道府県の応急措置が的確かつ円滑に行われるよう「必要な施策を講じなければならない」と書かれている。つまり国の出先機関は、自治体を後ろから支える役目まで法律上背負っているのである。第2項はさらに踏み込み、知事・市町村長と、電力・通信・鉄道・大手小売などの指定公共機関に対して、応急措置の実施を要請し、指示することまで認めている。あなたの町の役場が人手不足で立ち往生したとき、「国は何をしているのか」と問う法的根拠はここにある。
法的な位置づけ
災害対策基本法77条は、国の応急措置に関する規定であり、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長に対し、災害の発生時または発生の切迫時に、所掌事務に係る応急措置の速やかな実施と、地方公共団体の応急措置を支援する施策の実施を義務付ける。あわせて、都道府県知事・市町村長・指定公共機関等に対する応急措置の要請権及び指示権を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1指定地方行政機関とは?
地方整備局、管区警察局、地方気象台など、国の行政機関が地方に置く出先機関のうち内閣総理大臣が指定したものです。災害対策基本法77条の応急措置義務を負います。
Q2応急措置とは何ですか?
災害が発生し、または発生しようとしているときに、被害の拡大を防ぐために行う当面の措置です。避難の指示、救助、消防、施設の応急復旧などが含まれます。
Q3災害対策基本法77条 指示 拘束力は?
「指示」は単なる協力の求めである「要請」と異なり、受けた側に従う義務を生じさせると解されています。ただし77条自体には指示違反への罰則規定はありません。
Q4国は災害が起きる前から動ける?
動けます。77条は「まさに発生しようとしているとき」も対象としており、台風の接近など発災前の段階から応急措置の実施や要請・指示が可能です。
Q5指定公共機関にはどんな会社が入っている?
電力・ガス・通信・鉄道・放送などの事業者に加え、大手コンビニ・スーパーの運営会社なども指定されています。国の要請・指示の宛先になりえます。
Q6国の指示に自治体は逆らえる?
国の関与に不服がある自治体は、地方自治法250条の13に基づき国地方係争処理委員会へ審査の申出をする道があります。ただし災害時の実務では調整が先行します。
Q7市町村長と国の応急措置の違いは?
市町村長は62条で住民に最も近い第一線の応急措置を担い、国の機関は77条で所掌分野の応急措置と自治体支援を担います。役割は重層的に分かれています。
Q8災害対策基本法はいつできた?
昭和36年(1961年)に制定されました。昭和34年(1959年)の伊勢湾台風の甚大な被害を契機に、国・自治体・公共機関の防災責任を体系化した法律です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地震で町役場がパンクしてるのに、国って何もしてくれないんですか?
国の出先機関(地方整備局、管区警察局など)は、本条第1項により、自分の担当分野の応急措置を行うだけでなく、市町村や都道府県の応急措置が円滑に進むための施策を講じる義務を負っている。実務のポイント:国の支援は、黙って待っていれば必要な分が届くとは限らない。被災市町村が不足している人員の数、重機の台数、調査が必要な箇所を数字で伝えるほど、支援は早く具体的になりやすい
Q2国から指示が来たら、自治体や企業は絶対に従わないといけないの?
本条第2項の「指示」は、協力を求める「要請」と違い、受けた側に従う義務を生じさせると解されている。ただし本条に違反時の罰則はない。自治体が国の指示に不服であれば、国地方係争処理委員会への審査の申出(地方自治法250条の13)という道もある。実務のポイント:正式な文書での指示は記録に残り、後から検証の対象になる。そのため出す側も慎重になり、まず要請の段階で調整を図るのが通常の流れである
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害対応は市町村の仕事で、国は関係ない」という問いの立て方がそもそもずれている。応急措置の第一線に立つのは市町村(62条)だが、国の出先機関にも自分の担当分野の応急措置義務と、自治体を支える施策義務が同時に課されている。責任は一本の線ではなく、何層にも重なっている
- 国が自治体に「指示」できることは知っていても、その重みまでは知られていない。地方分権改革の後、国が自治事務について指示を出すのは個別の法律に根拠がある場合に限られ、しかも国民の生命・身体・財産を守るために緊急に必要な場合などに絞るよう求められている(地方自治法245条の3)。本条第2項は、平時にはまず開かない扉が災害時に開く、その数少ない根拠の一つである。ただし本条には指示違反への罰則がなく、どこまで強制できるかは解釈の余地が残る
- 住民の耳には「要請」も「指示」も同じ国の声に聞こえるが、法律上は別物である。要請は協力の求めであり、指示は受けた側に従う義務を生じさせると解される関与である。自治体や企業の担当者がこの違いを取り違えると、事後の検証で責任の所在がぼやける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 応急措置の主体 | 77条:指定行政機関の長・指定地方行政機関の長(国) | 62条:市町村長(住民に最も近い第一線) 80条:指定公共機関・指定地方公共機関(電力・通信・物流等) |
| 義務の内容 | 所掌事務の応急措置+自治体の応急措置を支える施策 | 市町村の区域内での応急措置の速やかな実施 所掌業務に係る応急措置の実施 |
| 他者への関与権限 | 知事・市町村長・指定公共機関等への要請・指示 | 住民等への避難指示など(関連条文で規定) 国や自治体から要請・指示を受ける側 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も中央の災害防救業務主管機関が応急措置を担い、地方政府を支援・調整する重層構造を採る。日本の指定公共機関に相当する民間事業者の位置付けは日本ほど明確に制度化されていない。
韓国は中央災難安全対策本部を軸に、中央政府が地方自治体や関係機関に応急措置を求める仕組みを持つ。中央集権的な色彩が日本より強い。
ドイツでは災害対策は原則として州の権限だが、複数州にまたがる災害では連邦政府が州に指示を出し、連邦警察や連邦軍を投入できる。
米国は州知事の要請を受けて大統領が災害宣言を行い、FEMA が支援する方式。連邦が州に指示する構造ではなく、要請起点の支援型である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風上陸の二日前、あなたが勤める電力会社に、国の出先機関から応急措置の実施を求める文書が届いたらどうなるか? 指定公共機関であれば、会社は本条第2項の要請・指示の宛先になりうる。社内の防災業務計画のどの段階で非常体制を立ち上げるかは、上陸前の数十時間で決まる
- 人口三千人の町で土砂崩れが起きた。職員は全員徹夜しても、重機の手配も被害調査も追いつかない。国の地方整備局が支援に入る根拠の一つが、本条第1項の施策義務である
学説
一般的な解釈:77条2項の「指示」は、地方自治法上の国の関与のうち個別法に根拠を置く指示に当たり、受けた側に従う義務を生じさせると解される。一方で同条に罰則はなく、強制の程度には解釈の余地が残る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風(1959年)の被害を契機に災害対策基本法が制定され、国の機関の応急措置義務と、自治体・指定公共機関等への要請・指示権を定める本条が設けられた。
- 災害対策基本法 第3条国の防災上の責務の総則
- 災害対策基本法 第62条市町村長の応急措置実施義務
- 災害対策基本法 第70条都道府県知事の応急措置実施義務
- 災害対策基本法 第78条指定行政機関の長等の収用等の権限
- 災害対策基本法 第80条指定公共機関等の応急措置義務
- 地方自治法 第245条の3国の関与の基本原則、個別法上の指示の限定
- 災害救助法 第2条都道府県知事等による救助の対象と範囲
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