当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものが提起されたときは、裁判所は、当該処分又は裁決をした行政庁にその旨を通知するものとする。
要点行政事件訴訟法 39 条は、形式的当事者訴訟が提起されたとき、裁判所が処分・裁決をした行政庁に通知すべきことを定める。補償額を争う訴訟では被告は起業者で、行政庁は当事者の枠外に置かれる。
Q · 補償金が安すぎる。役所(収用委員会)を訴えればいいの?
被告は役所ではなく、収用を進める起業者です
補償額を争う訴訟は形式的当事者訴訟であり、被告は裁決を下した収用委員会ではなく、収用を申請した起業者です(行訴法 39 条、土地収用法 133 条)。役所を被告にすると訴えは不適法で却下されます。行政庁への通知は裁判所が職権で行うため、原告が手続をする必要はありません。原告が気にすべきは被告を間違えないことと出訴期間の二点です。
自宅の前に高速道路が通ることになり、土地を収用された。提示された補償金が安すぎる、そう感じて役所(収用委員会)を訴えようとする。ところがその訴えは入口で却下される。補償金の額を争う訴訟は「形式的当事者訴訟」と呼ばれ、被告になるのは行政庁ではなく、相手方の事業者(起業者、つまり収用を申請した側)だからだ。行訴法 39 条は、この特殊な訴訟形態を支える歯車の一つ。あなたが相手方を被告として訴えたとき、裁判所は処分や裁決をした行政庁にその旨を通知する。なぜか。裁決を下した収用委員会自身は当事者の枠の外にいるが、自分が出した判断が法廷で争われていることを知る必要があるからだ。被告を取り違えると、補償の中身に触れる前に訴えそのものが不適法として却下される。この一行を知っているかどうかが、あなたの補償金請求の入口を決める。
行政事件訴訟法 39 条は出訴の通知を定める規定であり、当事者間の法律関係を確認・形成する処分または裁決に関する訴訟で、法令により当該法律関係の当事者の一方を被告とするもの(形式的当事者訴訟)が提起されたとき、裁判所が当該処分・裁決をした行政庁にその旨を通知すべき旨を規定する。当事者構成を私人間としつつ、判断主体たる行政庁の手続的地位を確保する橋渡し装置である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
処分や裁決が背後にあるのに、行政庁ではなく相手方の私人を被告として争う訴訟類型です。土地収用の補償額の争いが代表例で、被告は起業者になります。
収用を申請した起業者(事業者)を被告として訴えます。裁決を下した収用委員会は被告ではありません。役所を被告にすると訴えは不適法で却下されます。
いいえ。行訴法 39 条の通知は裁判所が職権で処分・裁決をした行政庁に行います。原告である土地所有者が手続をする必要はありません。
法令に定めがある場合はその期間内に提訴します(行訴法 40 条)。土地収用法の補償の訴えは裁決書正本の送達日から 6 か月以内です(土地収用法 133 条 2 項)。
被告適格を欠くとして訴えが不適法却下されます。訴え直すうちに出訴期間を過ぎると、裁決で示された補償額がそのまま確定してしまいます。
収用裁決の違法性を争うなら抗告訴訟(取消訴訟)であり、被告は行政主体です。補償額のみを争う形式的当事者訴訟とは被告も訴訟類型も異なります。
地役権設定にともなう補償額の争いも、同様に形式的当事者訴訟の枠組みで起業者を被告として争われることがあります。
実質的当事者訴訟は純粋な私人間の確認・給付の争いで、形式的当事者訴訟は処分・裁決が絡むのに当事者同士で争うものです。39 条が扱うのは後者です。
そこが最大の落とし穴です。補償額を争う訴訟の被告は、役所(収用委員会)ではなく、収用を申請した起業者です(行訴法 39 条、土地収用法 133 条)。役所を被告にすると訴えは不適法で却下されます。業界裏話ヒント:行政の裁決でも、争点が『お金の額』なら相手は私人、『そもそも収用してよいか』なら相手は行政、と覚えておく。この一点を最初に弁護士へ確認するだけで、無駄な却下を防げます
いいえ。39 条の通知は裁判所の職務であり、原告であるあなたが手続をする必要はありません。被告(起業者)を正しく訴えさえすれば、裁判所が処分・裁決をした行政庁へ自動的に通知します。業界裏話ヒント:この通知は、裁決を下した行政庁に『自分の判断が法廷で検証されている』ことを知らせ、必要なら資料提供などで関与する機会を残すためのものです。原告が本当に気にすべきは通知ではなく、被告を間違えないことと出訴期間の二つだけです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 39 条:形式的当事者訴訟における行政庁への出訴の通知 | — |
| 被告 | 相手方の私人(土地収用なら起業者) | — |
| 主眼 | 処分・裁決をした行政庁に審理の存在を知らせる手続保障 | — |
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