行政事件訴訟法 第40条(出訴期間の定めがある当事者訴訟)
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- 法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟は、その法令に別段の定めがある場合を除き、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であつても、これを提起することができる。
- 2.第十五条の規定は、法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟について準用する。
この条文の基本情報
出訴期間の定めがある当事者訴訟とは何ですか?
定義出訴期間の定めがある当事者訴訟とは、行政事件訴訟法第40条に定められた規定で、「法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟は、その法令に別段の定めがある場合を除き、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であつても、これを提起することができる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第40条(出訴期間の定めがある当事者訴訟)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第40条の条文原文は「法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟は、その法令に別段の定めがある場合を除き、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であつても、これを提起することができる…」で始まります。
- 行政事件訴訟法第40条は第三章 当事者訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第40条の前の条は行政事件訴訟法第39条です。
- 行政事件訴訟法第40条の次の条は行政事件訴訟法第41条です。
- 行政事件訴訟法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法40条は、出訴期間の定めがある当事者訴訟について、正当な理由があれば期間経過後でも提起でき、被告を誤っても15条準用で救済されると定める。
Q · 当事者訴訟の出訴期間を過ぎてしまったら、もう訴えられないの?
正当な理由があれば期間経過後でも訴えを起こせます
行政事件訴訟法40条1項により、法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟(例:土地収用法133条の補償の訴え、6か月)でも、正当な理由があれば期間経過後に提起できます。ただし「正当な理由」は天災・重病・役所や相手方の誤った教示など本人の責めに帰せない事情に限られ、「制度を知らなかった」「多忙だった」は通りません。さらに2項は15条を準用し、被告を誤って訴えても被告変更により最初に訴えた日が基準となります。
解説
あなたの家の土地が公共事業のために強制収用された。提示された補償額が市場価格より明らかに安い。多くの人はここで「役所の処分を取り消してもらおう」と考える。だが当事者訴訟の世界では、それは入口から間違いだ。補償額への不服は、収用を決めた役所ではなく、事業を行う相手方を直接訴える形になる(形式的当事者訴訟、土地収用法133条)。行政事件訴訟法40条が守っているのは、その当事者訴訟に出訴期間が定められている場合の救済だ。第1項は、たとえ期限を過ぎても「正当な理由」があれば訴えを起こせると定める。第2項は、あなたが訴える相手を間違えても、15条の準用で訴えた日に遡って救う。期限と相手、訴訟で最も初歩的に見えて、間違えれば全部を失う二つの落とし穴に、この条文は静かに安全網を張っている。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法40条は、当事者訴訟における出訴期間の特則を定める規定である。第1項は、法令に出訴期間の定めがある当事者訴訟につき、正当な理由があるときは期間経過後でも提起できるとし、第2項は被告を誤った場合の救済として15条を準用する。形式的当事者訴訟・実質的当事者訴訟に共通して適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.争点を訴訟類型で切り分ける 処分そのものの違法を争うなら抗告訴訟、補償額・給与・身分の確認を争うなら当事者訴訟と判断する。入口を間違えると全部やり直しになるため、最初に類型を確定する
- 2.出訴期間と起算点を特定する 当事者訴訟に個別法の出訴期間(例:土地収用法133条の6か月)があるかを確認し、裁決書正本の送達日など起算点を特定して期限日を算出する
- 3.正当な理由を時系列で疎明する 期間を過ぎている場合、入院・被災・役所や相手方の誤った教示など本人の責めに帰せない事情を時系列で書面化し、入院記録・罹災証明・案内文書を疎明資料として揃える
- 4.被告が不確かでも提訴し、後で被告変更 被告が誰か確信できなくても期間内に提訴し、誤りに気付いたら40条2項が準用する15条の被告変更を申し立てる。これで最初の提訴日が基準となり期間を守れる
よくある質問 AI による整理
Q1当事者訴訟とは何ですか?
対等な当事者間の法律関係を争う行政訴訟の類型です。補償額を争う形式的当事者訴訟と、公務員の地位や年金受給資格を確認する実質的当事者訴訟があります。行訴法4条が定義します。
Q2形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟の違いは?
形式的当事者訴訟は処分を前提に補償額などを相手方と争うもの(土地収用法133条)。実質的当事者訴訟は公法上の法律関係そのものを争うもの(年金・公務員の地位確認)です。
Q3当事者訴訟に出訴期間はありますか?
個別法に定めがある場合のみです(例:土地収用法133条は6か月)。個別法に定めがなければ原則として出訴期間の制限はありません。定めがある場合に40条1項の救済が効きます。
Q4出訴期間の「正当な理由」とは具体的に何ですか?
天災・被災、重病・入院、役所や相手方による誤った教示など、本人の責めに帰せない事情です。制度を知らなかった、忙しかった、という理由は認められません。
Q5被告を間違えて当事者訴訟を起こしたらどうなりますか?
40条2項が15条を準用するため、被告変更を申し立てれば最初に訴えた日に提訴したものとして扱われ、出訴期間を守ったことになります。慌てて訴え直す必要はありません。
Q6当事者訴訟と取消訴訟(抗告訴訟)はどう使い分けますか?
処分そのものの違法を争うなら取消訴訟、補償額や法律関係・身分の確認を争うなら当事者訴訟です。入口を間違えると訴え直しになり、その間に期間を徒過する危険があります。
Q7年金の受給資格を争うのは当事者訴訟ですか?
受給権の存在確認を求めるのは実質的当事者訴訟です。個別法に出訴期間があればそこで40条1項の救済が問題になります。行政不服審査だけが手段ではありません。
Q8正当な理由はどうやって証明すればいいですか?
入院記録、罹災証明、役所からの誤った案内文書などを時系列で整理し、訴状と同時に疎明資料として提出します。これがあるかで門前払いか本案審理かが分かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1土地を収用されて補償が安いとき、結局どこに訴えればいいんですか?
補償額だけが不満なら、収用裁決をした収用委員会を相手に取消しを求めるのではなく、事業の起業者(相手方)を被告として補償額の増額を直接求めます。これが形式的当事者訴訟で、土地収用法133条が6か月の出訴期間を定めています。実務のポイント:実務では収用裁決の取消訴訟と補償の当事者訴訟を取り違え、訴え直しで期間を徒過する例が後を絶ちません。補償の「額」なら当事者訴訟、収用そのものの違法なら抗告訴訟、と最初に切り分けるのが鉄則です
Q2出訴期間を過ぎたら、もうどんな理由でも訴えられないんですか?
いいえ、本条1項は「正当な理由」があれば期間経過後でも提訴できると定めています。ただしハードルは高く、天災・重病・相手方や役所による誤った案内など、本人の責めに帰せない事情に限られます。実務のポイント:「制度を知らなかった」「多忙だった」は正当な理由になりません。逆に、役所や相手方が誤った教示をした場合は強力な理由になります。期限を過ぎたと気付いたら、まず誰のどんな言動で遅れたのかを書き出すことが救済の第一歩です
間違えやすい点 AI による整理
- 「強制収用に不満なら、収用の取消しを求めて役所を訴える」と思いがちだが、補償額だけが争点の場合はそうではない。形式的当事者訴訟として、収用を決めた役所ではなく事業の相手方を被告に、補償額そのものを争う。被告を間違えると訴え自体が成り立たない
- 「出訴期間を過ぎたら終わり」とは知っていても、その「正当な理由」のハードルの高さを知らない人が多い。40条1項の救済は天災・重病など本当に避けられなかった事情に限られ、「制度を知らなかった」「忙しかった」は通らない。救済規定があること自体が油断を生む
- 「当事者訴訟なんて自分には縁がない」という前提自体が誤っている。年金の受給資格、公務員の地位、収用補償、これらの確認・請求はすべて当事者訴訟だ。あなたが立てるべき問いは「縁があるか」ではなく「自分のトラブルがどの訴訟類型に乗るか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される訴訟 | 40条:当事者訴訟の出訴期間と被告誤りの救済 | 14条:取消訴訟の出訴期間(6か月/1年) 15条:被告を誤った訴えの被告変更 |
| 期間経過後の救済 | 正当な理由があれば期間経過後も提起可(1項) | 正当な理由があれば期間経過後も提起可 期間そのものではなく被告選択の瑕疵を救済 |
| 被告誤りの扱い | 15条を準用(2項)。提訴日が遡る | 規定なし(14条は期間のみ) 本則。被告変更で提訴日が遡る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も給付・確認訴訟を認め、出訴期間の制限を置く。補償等の金銭給付を相手方に直接求める構造は日本の当事者訴訟に類似
韓国も当事者訴訟(당사자소송)を明文化。個別法に出訴期間がある場合の扱いは日本と類似する
ドイツは確認訴訟(Feststellungsklage)と取消訴訟の出訴期間(Klagefrist)を区別。日本の当事者訴訟は確認訴訟の発想を継受
米国は行政に対する訴えを APA で広く認めるが、当事者訴訟という固有の類型はなく、提訴期間は個別の制定法による
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公共事業であなたの土地が収用され、補償金の通知が届いた。金額に納得できないが、不服の出し方を調べているうちに6か月が過ぎそうだ。残り時間で形式的当事者訴訟(土地収用法133条)を起こせるか、期限を過ぎても40条1項の「正当な理由」で救われるか、今夜中に判断が要る
- もし、あなたが公務員で、未払いの給与や手当を国・自治体に請求したいとき、どの訴訟類型を使う? 答えは実質的当事者訴訟。個別法で出訴期間が定められている場合があり、そこで40条の救済規定が効いてくる
- あなたが事業者側で、収用補償の訴えを起こされた。原告が出訴期間を過ぎていると気付く。だが原告が「正当な理由」を主張してきたら、それだけで門前払いにはできない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず争点を切り分ける。処分そのものの違法を争うなら抗告訴訟、補償額・給与・身分の確認なら当事者訴訟。入口を間違えると全部やり直しになる2. 当事者訴訟に個別法の出訴期間(例:土地収用法133条の6か月)があるか確認し、起算点を特定する3. 期間を過ぎていても諦めず、入院・被災・相手方の誤った案内など「正当な理由」を時系列で疎明する資料を準備する4. 被告が誰か不確かでも提訴をためらわず、後で15条準用の被告変更で救済を受ける道を残す
訴えられた側:1. 原告が出訴期間を過ぎていれば、まず期間徒過の抗弁を検討する。ただし「正当な理由」の主張が出たら、それが本当に避けられない事情かを精査する2. 原告が被告を誤って訴えてきた場合でも、15条準用で被告変更されれば訴え提起の時点が遡る点に注意し、安易に「被告違いで却下」を期待しない3. 補償額が争点なら、提示額の算定根拠(鑑定評価、近隣事例)を早期に固める4. 増額判決のリスクと和解の余地を比較し、長期化コストも含めて方針を決める
時効(請求できる期限):当事者訴訟の出訴期間は個別の法令による(例:土地収用法133条は補償に関する訴えを裁決書正本送達日から6か月以内)。本条1項により、その期間を過ぎても「正当な理由」があれば提訴可能。個別法に出訴期間の定めがない当事者訴訟には、原則として出訴期間の制限はない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:40条1項の「正当な理由」は取消訴訟(14条)の解釈と同様に厳格に解され、本人の責めに帰せない客観的事情に限られる。救済規定があること自体が当事者の油断を招くため、起算点と期限の管理が実務上重要とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法の制定により、抗告訴訟と並ぶ当事者訴訟類型を整備。出訴期間の特則と15条準用を40条として規定
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法の大改正で当事者訴訟(特に確認訴訟)の活用が促進され、本条の救済規定の実務的意義が再確認された
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