行政事件訴訟法 第15条(被告を誤つた訴えの救済)
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- 取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤つたときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、被告を変更することを許すことができる。
- 2.前項の決定は、電子決定書(民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十二条において準用する同法第二百五十二条第一項の規定により作成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。以下この項において同じ。)を作成してするものとし、その電子決定書(同法第百二十二条において準用する同法第二百五十三条第二項の規定により裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。)に備えられたファイルに記録されたものに限る。)を新たな被告に送達しなければならない。
- 3.第一項の決定があつたときは、出訴期間の遵守については、新たな被告に対する訴えは、最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなす。
- 4.第一項の決定があつたときは、従前の被告に対しては、訴えの取下げがあつたものとみなす。
- 5.第一項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
- 6.第一項の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 7.上訴審において第一項の決定をしたときは、裁判所は、その訴訟を管轄裁判所に移送しなければならない。
この条文の基本情報
被告を誤つた訴えの救済とは何ですか?
定義被告を誤つた訴えの救済とは、行政事件訴訟法第15条に定められた規定で、「取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤つたときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、被告を変更することを許すことがで…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第15条(被告を誤つた訴えの救済)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第15条の条文原文は「取消訴訟において、原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤つたときは、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、被告を変更することを許すことがで…」で始まります。
- 行政事件訴訟法第15条は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第15条の前の条は行政事件訴訟法第14条です。
- 行政事件訴訟法第15条の次の条は行政事件訴訟法第16条です。
- 行政事件訴訟法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法15条は、取消訴訟で原告が故意・重過失なく被告を誤ったとき、裁判所が申立てにより被告を変更でき、変更後の訴えは最初の提訴時に提起したものとみなすと定める。
Q · 行政訴訟で被告を間違えて出訴期間が過ぎたら、もう訴えは終わりですか?
終わりません。故意・重過失がなければ被告変更で救済されます
行政事件訴訟法15条により、取消訴訟で原告が故意又は重大な過失なく被告を誤ったときは、裁判所が原告の申立てにより決定で被告を変更できます。さらに3項により、変更後の新被告に対する訴えは最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなされるため、出訴期間(処分を知った日から6か月、14条)が過ぎていても救済されます。旧被告に対しては訴えの取下げがあったものとみなされます(4項)。
解説
行政の処分に納得がいかず、自分で取消訴訟を起こしたとする。訴状の被告欄に『○○税務署長』と書いた。だが2004年の法改正で、取消訴訟の被告は処分をした役所そのものではなく、その役所が属する国や地方公共団体(つまり『国』や『○○県』)に変わった。被告を取り違えたまま、処分を知った日から6か月という出訴期間(14条)が過ぎてしまったら、普通なら訴えはそこで終わる。だが15条がある。あなたが故意でも重大な過失でもなく相手を間違えただけなら、裁判所はあなたの申立てにより、決定で被告を差し替えてくれる。しかも3項が効く。差し替え後の新しい被告に対する訴えは、最初に訴えを起こした日に提起されたものとみなされる。つまり期間切れにならない。本来なら門前払いされていた人を、もう一度裁判の土俵に引き戻す救済装置だ。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法15条は被告の変更を定める規定であり、取消訴訟において原告が故意又は重大な過失によらず被告とすべき者を誤った場合に、裁判所が原告の申立てにより決定で被告を変更することを許せる旨を規定する。変更後の訴えは、出訴期間の遵守については最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被告を取り違えたか早急に確認 訴状の被告欄が「○○税務署長」「○○庁」など行政庁名になっていないかを確認する。2004年改正後、取消訴訟の正しい被告は処分庁が所属する国又は公共団体(国・○○県など)であり、行政庁名のままなら被告適格を欠く
- 2.被告変更の申立書を書面で提出 裁判所に「被告変更の申立て」を書面で出す(15条1項)。正しい被告は誰か、なぜ取り違えが故意でも重大な過失でもないかを具体的に説明する。出訴期間が過ぎていても3項で最初の提訴日に遡及するので、気付いた瞬間に動く
- 3.新被告への正本送達を確認 変更を許す決定は書面でされ、その正本が新たな被告に送達される(15条2項)。送達がされて初めて新被告に対する手続が動くため、決定後の送達状況を裁判所書記官に確認する
- 4.却下されたら即時抗告で争う 被告変更の申立てを却下する決定が出たら、即時抗告を申し立てる(15条6項)。期間制限があるため決定を受けたら直ちに準備する。ここで引き下がると被告を誤ったままの訴えが却下されて終わる
よくある質問 AI による整理
Q1行政訴訟の被告変更とは何ですか?
取消訴訟で被告を取り違えた原告が、裁判所の決定で正しい被告に差し替えてもらう制度です。行政事件訴訟法15条が根拠で、故意・重過失のない誤りが対象です。
Q2被告変更の申立てはいつまでにできますか?
申立て自体に固有の期限はありませんが、当初の訴えが出訴期間(処分を知った日から6か月、14条)内に提起されていることが前提です。3項で提訴日が遡及するため、気付いた時点で早く出すのが鍵です。
Q3重大な過失があると被告変更は認められませんか?
認められません。15条1項は「故意又は重大な過失によらないで」誤った場合に限り救済します。改正法で被告適格を確認できたのに誤った場合は重過失と評価される余地があります。
Q4取消訴訟の正しい被告は誰ですか?
2004年改正後、取消訴訟の被告は処分をした行政庁そのものではなく、その行政庁が所属する国又は公共団体(国・○○県・○○市など)です。被告適格は11条が定めます。
Q5被告変更の申立てが却下されたらどうなりますか?
却下決定に対しては即時抗告ができます(15条6項)。ここで争わずに引き下がると、被告を誤ったままの訴えが却下されて終わるため、即時抗告で粘る余地が残されています。
Q6控訴審でも被告を変更できますか?
できます。上訴審で被告変更の決定をしたときは、裁判所は事件を管轄裁判所へ移送します(15条7項)。審級の利益を失わずに立て直す通路が用意されています。
Q7被告変更すると出訴期間はどうなりますか?
変更後の新被告に対する訴えは、出訴期間の遵守については最初に訴えを提起した時に提起されたものとみなされます(15条3項)。だから期間切れになりません。
Q8間違えて訴えた旧被告はどうなりますか?
被告変更の決定があると、従前の被告に対しては訴えの取下げがあったものとみなされ(15条4項)、手続から外れます。旧被告に対し別途取下げ手続をする必要はありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士をつけずに自分で行政訴訟をやって、被告を間違えました。もう手遅れですか?
手遅れとは限りません。故意でも重大な過失でもない取り違えなら、被告変更の申立て(行政事件訴訟法15条1項)で差し替えられ、3項により最初に訴えた日に提訴したものとみなされます。実務のポイント:実務では、改正法で取消訴訟の被告が『国・公共団体』に変わったことを知らず『○○庁』を被告にしてしまうケースが今も後を絶ちません。本人訴訟だと裁判所が釈明で気付かせてくれることも多いので、まず諦めずに裁判所の書記官に相談するのが先決です
Q2被告変更が認められたら、相手の役所は文句を言えないんですか?
変更を認める決定に対しては不服を申し立てることができません(15条5項)。一方、申立てを却下する決定には原告が即時抗告できます(6項)。救済の入口を一方的に閉じない設計です。実務のポイント:この非対称は『手続上のミスで実体審理を受けられないのは酷だ』という価値判断の表れです。だから却下決定が出ても即時抗告で粘る余地が制度上きちんと残されている。一度の却下で全てが終わると思い込まないことです
間違えやすい点 AI による整理
- 『被告を間違えたら、訴えをもう一度出し直せばいい』と考える人がいる。だがその発想自体が落とし穴だ。出訴期間は処分を知った日から6か月(14条)と短く、出し直したときには期間が過ぎていることが多い。問うべきは『出し直せるか』ではなく『最初の提訴日を生かせるか』。15条の被告変更はまさにそこを解決する制度であって、出し直しとは別物だ
- 15条があること自体は知っていても、その条件の厳しさを軽く見ている人が多い。救済されるのは『故意又は重大な過失によらない』取り違えだけ。改正法を少し調べれば分かる被告適格を間違えた場合、重過失と評価されて救済されない余地がある。制度が存在することと、自分のケースで使えることは、別の問題だ
- 『裁判所の決定だから、相手の役所が不服を申し立てて長引くのでは』と思いがちだが、被告変更を認める決定に不服申立てはできない(5項)。逆に、申立てを却下する決定には原告が即時抗告できる(6項)。不服を言えるのは救済されなかった側だけ、という非対称の構造になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 15条:被告とすべき者を取り違えた(被告の取替え) | 21条:処分の取消訴訟を国・公共団体への損害賠償等の訴えへ変更(請求の趣旨の変更) 11条:そもそも誰を被告とすべきかの基準(被告適格) |
| 救済の要件 | 故意又は重大な過失によらない取り違えであること | 請求の基礎の同一性・相当性・著しい遅滞がないこと —(基準規定なので救済要件はない) |
| 出訴期間との関係 | 3項により新被告への訴えは最初の提訴時に提起したとみなす(遡及) | 変更の許可時を基準に判断(条文ごとに別途検討) —(11条自体は期間を定めない、14条が定める) |
| 決定への不服 | 許可決定に不服申立て不可(5項)/却下決定に即時抗告可(6項) | 訴えの変更の許否は終局判決で判断されることが多い — |
他国ではどう定めているか 3 か国
韓国も取消訴訟で被告を誤った場合に裁判所の決定で被告を更正でき、提訴の効果が当初に遡る点で日本15条と構造が近い。
ドイツは訴えの変更(Klageänderung)の枠組みで当事者の交替を扱い、相手方の同意や相当性を要件とする。被告適格は § 78 VwGO が定める。
米国連邦民訴規則は、誤った当事者を相手取った場合でも一定要件下で訴えの修正が当初提訴時に遡及する(relation back)。機能的に被告変更の遡及効と類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 課税処分の取消訴訟を本人訴訟で起こしたが、被告を『税務署長』にしてしまった。出訴期間まであと10日。今から完全に訴え直す時間はない。15条の被告変更を申し立てれば、3項で最初の提訴日が生きる。間に合うかどうかは、この申立てを今日出すかにかかっている
- あなたが自治体の担当者で、住民から取消訴訟を起こされた。訴状の被告が間違っている。だが住民が被告変更を申し立て、裁判所がそれを認める決定をしたら、その決定に不服は言えない(5項)。形式の誤りを盾に逃げ切る道は、ここで閉じる
- もし、弁護士に頼まず自分で訴状を書いて、被告を取り違えていたら? 故意でも重過失でもなければ救われる。だが『重大な過失』と評価されれば差し替えは認められず、訴えは却下される。その一語の線引きが、審理に入れるかどうかを分ける
- 控訴審の途中で、第一審の被告がそもそも間違っていたと気付いた。もう手遅れに見える。だが上訴審でも被告変更はでき、その場合は事件が管轄裁判所へ移送される(7項)。審級の利益を失わずに立て直す通路が、最後まで残されている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告を間違えたと気付いたら、すぐに裁判所へ『被告変更の申立て』を書面で出す(15条1項) 2. 申立書には、正しい被告は誰か、なぜ取り違えが故意でも重過失でもないかを具体的に説明する3. 出訴期間が過ぎていても、3項で最初の提訴日に遡及するので諦めない4. 申立てが却下されたら、即時抗告で争う(6項)。ここで引き下がると訴え自体が消える
訴えられた側:1. あなたが正しい被告(国・公共団体)として変更決定を受けた立場なら、その決定自体には不服を申し立てられない(5項)、争うのは本案で2. 旧被告だった行政庁は訴えの取下げがあったものとみなされ(4項)手続から外れる3. 新被告として、遡及した提訴日を前提に本案の防御を組み立てる4. 原告の取り違えが本当に故意・重過失でなかったか、要件該当性を争点化する余地は残る
時効(請求できる期限):被告変更の申立てに固有の期限を定めた条文はないが、本制度は出訴期間(処分を知った日から6か月、行政事件訴訟法14条)内に提起された訴えの取り違えを救済するもの。3項により変更後の訴えは最初の提訴時に提起されたとみなされるため、当初の提訴が期間内であることが前提となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:15条の被告変更は、被告適格という技術的事項の取り違えにより実体審理を受けられない不利益から原告を救済する制度であり、要件を「故意又は重大な過失によらない」場合に絞ることで、行政処分の法的安定性(出訴期間の趣旨)と裁判を受ける権利との均衡を図ったものと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法の制定により、取消訴訟における被告の変更制度が整備された。
- 2.平成16年(2004年) 改正:取消訴訟の被告適格が、処分をした行政庁から、その行政庁が所属する国又は公共団体へ変更された(11条)。これにより被告を取り違える場面が増え、本条の実務上の重要性が高まった。
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