行政事件訴訟法 第21条(国又は公共団体に対する請求への訴えの変更)
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- 裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てにより、決定をもつて、訴えの変更を許すことができる。
- 2.前項の決定には、第十五条第二項の規定を準用する。
- 3.裁判所は、第一項の規定により訴えの変更を許す決定をするには、あらかじめ、当事者及び損害賠償その他の請求に係る訴えの被告の意見をきかなければならない。
- 4.訴えの変更を許す決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.訴えの変更を許さない決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
国又は公共団体に対する請求への訴えの変更とは何ですか?
定義国又は公共団体に対する請求への訴えの変更とは、行政事件訴訟法第21条に定められた規定で、「裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第21条(国又は公共団体に対する請求への訴えの変更)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第21条の条文原文は「裁判所は、取消訴訟の目的たる請求を当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償その他の請求に変更することが相当であると認めるときは、請求の…」で始まります。
- 行政事件訴訟法第21条は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第21条の前の条は行政事件訴訟法第20条です。
- 行政事件訴訟法第21条の次の条は行政事件訴訟法第22条です。
- 行政事件訴訟法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法21条は、取消訴訟を国や公共団体への損害賠償その他の請求へ訴え変更できると定める。請求の基礎が同一で、口頭弁論終結前であることが条件となる。
Q · 取消訴訟が手詰まりになったら、損害賠償は別に裁判を起こし直すしかないの?
口頭弁論終結前なら賠償請求へ訴え変更できる
起こし直す必要はありません。行政事件訴訟法21条により、裁判所が相当と認め、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てによる決定で、取消訴訟を国や公共団体に対する損害賠償その他の請求へ訴え変更できます。既に提出した証拠や主張はそのまま引き継がれ、別訴で出訴期間や時効を一から背負い直す不安を避けられます。変更を許す決定には即時抗告ができ、許さない決定には不服を申し立てられません(21条4項・5項)。
解説
役所の処分を取り消せと訴えている最中に、足元が崩れることがある。建物はもう取り壊された、退去処分は執行された、営業停止の期間は過ぎてしまった。取り消したところで、もう元には戻らない。多くの人はここで「この訴訟は無駄になった、損害賠償なら最初からやり直しだ」と肩を落とす。行政事件訴訟法21条は、その諦めを止める条文である。裁判所が相当と認めれば、いま戦っているこの取消訴訟を、国や公共団体に対する損害賠償その他の請求へと、訴訟ごと作り替えられる。条件は二つ。請求の基礎に変更がないこと(争っている事実関係の核が同じであること)、そして口頭弁論が終わる前であること。あなたが既に提出した証拠も、積み上げた主張も、そのまま新しい賠償請求に引き継がれる。新訴を起こす手間も、時効や出訴期間を一から背負い直す不安もいらない。裁判所はこの変更を決定で許すが、その前に当事者と賠償請求の被告(多くは国や自治体)の意見を必ず聞く仕組みになっている。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法21条は、取消訴訟から損害賠償その他の請求への訴えの変更を定める規定である。裁判所が相当と認め、かつ請求の基礎に変更がない場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで原告の申立てにより決定で許される。被告および賠償請求の被告の意見聴取を経るものとされ、許可決定には即時抗告ができ、不許可決定には不服を申し立てられない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取消しの実益喪失を見極め、口頭弁論終結前に動く 処分が既に執行された・期間が満了したなど『取り消しても実益がない』状況が見えたら、口頭弁論の終結前に動く。これが21条1項の絶対の期限であり、終結後は別訴を起こすしかなくなる
- 2.訴えの変更の申立書を作成する 損害賠償その他の請求への訴えの変更を、書面で裁判所に申し立てる。変更後の請求の趣旨・原因に加え、請求の基礎に変更がないこと(同じ事実関係から生じた損害であること)を具体的に記載する
- 3.当初提訴時点を基準とした時効の完成猶予を主張する 請求の基礎が同一であることを根拠に、取消訴訟を提起した当初の時点を基準とする時効の完成猶予をあわせて主張しておく。実務上の扱いに解釈が分かれるため、申立て段階で明示することが鍵となる
- 4.裁判所の決定に応じて続行または別訴へ切り替える 裁判所は当事者と賠償請求の被告の意見を聴いたうえで決定する(21条3項)。許す決定が出れば手続は続行。許さない決定には不服を申し立てられない(5項)ので、速やかに別訴提起の準備へ切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1訴えの変更とは何ですか?
係属中の訴訟の請求内容を別の請求へ切り替える手続です。行政事件訴訟法21条では、取消訴訟を損害賠償その他の請求へ、請求の基礎が同一の範囲で変更できます。
Q2取消訴訟はいつまで訴えの変更ができますか?
口頭弁論の終結に至るまでです(21条1項)。終結後は変更できず、別訴を一から起こすしかなくなるため、見込みが薄いと感じた時点が動く期限です。
Q3訴えの変更に被告の同意は必要ですか?
同意までは不要ですが、裁判所は変更を許す決定の前に、当事者および賠償請求の被告の意見を必ず聞かなければなりません(21条3項)。
Q4請求の基礎に変更がないとはどういう意味ですか?
争っている事実関係の核が同じであることを指します。同じ処分から生じた損害をめぐる請求であれば、基礎の同一性が認められやすくなります。
Q5訴えの変更を許す決定に不服があるとき相手はどうできますか?
賠償請求の被告(国や自治体側)は即時抗告で争えます(21条4項)。一方、変更を許さない決定には誰も不服を申し立てられません(5項)。
Q6訴えの変更で時効はどう扱われますか?
請求の基礎が同一のため、当初の提訴時点を基準とした時効の完成猶予を主張できる余地があります。別訴より賠償請求権の時効消滅を防げる可能性が高いです。
Q7訴えの変更の申立ては書面が必要ですか?
実務上は変更後の請求の趣旨・原因と請求の基礎の同一性を明示した書面で申し立てます。後から不服申立てできないため、書面の作り込みが結果を左右します。
Q8訴えの変更後の損害賠償の根拠は何ですか?
公権力の行使については国家賠償法1条、公の営造物の瑕疵については同法2条が実体的根拠になります。違法性と公務員の故意過失が争点となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取消訴訟で負けそうなんですが、国家賠償は別に裁判をやり直すしかないんですか?
やり直す必要はありません。行政事件訴訟法21条で、口頭弁論が終わる前なら、いまの取消訴訟を国や公共団体に対する損害賠償請求へ訴えの変更ができます(請求の基礎に変更がないことが条件)。実務のポイント:別訴を起こすと提訴時点が後ろにずれ、国家賠償請求権の時効(民法724条)に引っかかるリスクがあります。同じ訴訟内で変更すれば当初提訴時を基準に主張できる余地があり、ここを意識する弁護士とそうでない弁護士で結果が変わります
Q2裁判所が訴えの変更を認めてくれなかったら、どこかに文句を言えますか?
言えません。行政事件訴訟法21条5項により、変更を許さない決定には不服を申し立てられません。逆に、変更を許す決定に対しては相手方(国や自治体側)が即時抗告できます(4項)。実務のポイント:許すかどうかが裁判所の裁量である以上、申立ての段階で『請求の基礎の同一性』をどれだけ具体的に書き込めるかが勝負です。あとから不服申立てできない以上、一発勝負の書面の作り込みが、知る人だけが押さえるポイントになります
間違えやすい点 AI による整理
- 「取消訴訟で負けそうだから、損害賠償は別に裁判を起こし直すしかない」と考える人は多い。だが、その問いの立て方そのものがずれている。問うべきは「やり直すか諦めるか」ではなく「いま戦っている訴訟を、口頭弁論終結前に賠償へ変更できるか」である。選択肢は二つではなく三つある
- 21条で訴えを変更できること自体は知っていても、「申し立てれば裁判所がいつでも許してくれる」と軽く見ている人がいる。実際は「相当と認めるとき」かつ「請求の基礎に変更がない」場合に限られ、許すかどうかは裁判所の裁量決定である。タイミングと書面の作り込みを誤れば、知っていても使えない
- 「変更を許さない決定が出ても、上級審で争えばいい」と思いがちだが、21条5項により、変更を許さない決定には一切不服を申し立てられない。逆に、変更を許す決定には即時抗告ができる(4項)。許す側と許さない側で、不服申立ての扱いが正反対になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 21条:取消訴訟を損害賠償その他の請求へ『変更』する | 16条:複数請求を当初から『客観的に併合』する 19条:原告が関連請求を『追加的に併合』する |
| 時期の制限 | 口頭弁論の終結に至るまで | 提訴時の併合が基本 口頭弁論終結前の追加が基本 |
| 申立て・許可 | 原告の申立て + 裁判所の相当性判断(決定) | 要件を満たせば併合審理 原告が追加、要件審査あり |
| 不服申立て | 許す決定→即時抗告可、許さない決定→不服不可 | — — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は同一手続内での損害賠償の併合請求(第7条)と訴えの変更・追加(第111条)を分けて規定。日本のように『取消訴訟→賠償』への単一条文での変更とは構成が異なるが、同種の救済をねらう点で対応する。
韓国の行政訴訟法も第21条で『訴えの変更』を規定しており、条番号・趣旨ともに日本と近い。取消訴訟から当事者訴訟等への変更を裁判所の許可制で認める点で類似する。
ドイツは行政裁判所法 § 91で訴えの変更を一般的に規律。ただし国家賠償(Amtshaftung, BGB § 839・基本法34条)は通常裁判所の管轄とされる点で、賠償への移行経路が日本と異なる。
米国は統一的な行政訴訟法典を持たず、訴答の変更は連邦民訴規則15条、政府への損害賠償は連邦不法行為請求法(FTCA)によるなど制度構成が大きく異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが営業許可の取消処分を争っている間に、争いの対象だった許可期間そのものが満了してしまったら? 処分を取り消しても、もう得るものはない。だが口頭弁論が終わる前なら、21条で損害賠償請求へ訴えを切り替えられる。終結したあとでは、新しい訴訟を一から起こすしかなくなる
- あなたが自治体の担当者で、住民から処分の取消訴訟を受けているとする。原告が突然「損害賠償に訴えを変更したい」と申し立ててきた。あなたには意見を述べる機会がある(21条3項)。変更を許す決定が不当だと思えば、即時抗告で争う道も残る
- 違法な課税処分を取り消せと国を相手に争っていたが、審理が長引くうちに取消しの実益が薄れていった。ここで訴えを取り下げて国家賠償を新たに起こせば、出訴期間や時効のリスクを背負い込む。21条なら同じ訴訟の中で賠償へ移行でき、当初の提訴時点を基準に主張できる余地が残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消訴訟の途中で『取り消しても実益がない』状況(処分の執行済み、期間満了など)が見えたら、口頭弁論終結前に動く。これが絶対の期限2. 損害賠償その他の請求への訴えの変更を、書面で裁判所に申し立てる。請求の基礎が同一であること(同じ事実関係から生じた損害であること)を具体的に書き込む3. 当初の提訴時点を基準とした時効の完成猶予をあわせて主張しておく4. 変更を許す決定が出れば手続は続行。許さない決定なら不服申立てできない(21条5項)ので、速やかに別訴提起の準備へ切り替える
訴えられた側:1. 原告から訴えの変更が申し立てられたら、裁判所はあなた(および賠償請求の被告)の意見を必ず聞く(21条3項)ので、変更の相当性と請求の基礎の同一性を争う準備をする2. 請求の基礎に変更があると示せれば、変更不許可へ持ち込める3. 変更を許す決定が不当と考えるなら、即時抗告で争う(21条4項) 4. 変更が確定したら、賠償請求の実体(国家賠償法1条の違法性、公務員の故意過失)の防御へ速やかに移行する
時効(請求できる期限):訴えの変更の申立ては『口頭弁論の終結に至るまで』に限られる(行政事件訴訟法21条1項)。それ以前であればいつでも可。なお変更後の損害賠償請求権自体には、国家賠償につき民法724条の消滅時効(損害および加害者を知った時から原則3年、人の生命または身体の侵害は5年)が問題となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:21条の訴えの変更は、裁判所が『相当と認める』こと、かつ『請求の基礎に変更がない』ことを要件とする裁量的決定である。取消訴訟と損害賠償を一回の手続で解決する訴訟経済と原告の実効的救済を重視する一方、賠償請求の被告に意見聴取(3項)と即時抗告(4項)の機会を与えて手続的防御権との均衡を図る趣旨と解されている。
時効・出訴期間に関する議論:請求の基礎が同一であることを根拠に、変更後の損害賠償請求権について当初の取消訴訟提起時を基準とする時効の完成猶予を認めうるかは、実務上の取扱いに解釈の幅がある。申立て段階で当初提訴時点を基準とする旨を明示的に主張しておくべきとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)行政事件訴訟法改正(要検証) 行政事件訴訟法の大改正で被告適格が行政庁から国・公共団体へ変更された際、本条の規律も整理された可能性が高いが、21条本文の文言変更の有無と回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の制定により、行政事件訴訟特例法を全面改正。取消訴訟から損害賠償その他の請求への訴えの変更を21条として規定した。
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法の大改正で被告適格が行政庁から国・公共団体へ変更された際、関連規律が整理された。21条本文の文言変更の有無・範囲は人的検証が必要(要検証)。
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