要点行政事件訴訟法 21 条は、取消訴訟を国や公共団体への損害賠償その他の請求へ訴え変更できると定める。請求の基礎が同一で、口頭弁論終結前であることが条件となる。
Q · 取消訴訟が手詰まりになったら、損害賠償は別に裁判を起こし直すしかないの?
口頭弁論終結前なら賠償請求へ訴え変更できる
起こし直す必要はありません。行政事件訴訟法 21 条により、裁判所が相当と認め、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、原告の申立てによる決定で、取消訴訟を国や公共団体に対する損害賠償その他の請求へ訴え変更できます。既に提出した証拠や主張はそのまま引き継がれ、別訴で出訴期間や時効を一から背負い直す不安を避けられます。変更を許す決定には即時抗告ができ、許さない決定には不服を申し立てられません(21 条 4 項・5 項)。
役所の処分を取り消せと訴えている最中に、足元が崩れることがある。建物はもう取り壊された、退去処分は執行された、営業停止の期間は過ぎてしまった。取り消したところで、もう元には戻らない。多くの人はここで「この訴訟は無駄になった、損害賠償なら最初からやり直しだ」と肩を落とす。行政事件訴訟法 21 条は、その諦めを止める条文である。裁判所が相当と認めれば、いま戦っているこの取消訴訟を、国や公共団体に対する損害賠償その他の請求へと、訴訟ごと作り替えられる。条件は二つ。請求の基礎に変更がないこと(争っている事実関係の核が同じであること)、そして口頭弁論が終わる前であること。あなたが既に提出した証拠も、積み上げた主張も、そのまま新しい賠償請求に引き継がれる。新訴を起こす手間も、時効や出訴期間を一から背負い直す不安もいらない。裁判所はこの変更を決定で許すが、その前に当事者と賠償請求の被告(多くは国や自治体)の意見を必ず聞く仕組みになっている。
行政事件訴訟法 21 条は、取消訴訟から損害賠償その他の請求への訴えの変更を定める規定である。裁判所が相当と認め、かつ請求の基礎に変更がない場合に限り、口頭弁論の終結に至るまで原告の申立てにより決定で許される。被告および賠償請求の被告の意見聴取を経るものとされ、許可決定には即時抗告ができ、不許可決定には不服を申し立てられない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
係属中の訴訟の請求内容を別の請求へ切り替える手続です。行政事件訴訟法 21 条では、取消訴訟を損害賠償その他の請求へ、請求の基礎が同一の範囲で変更できます。
口頭弁論の終結に至るまでです(21 条 1 項)。終結後は変更できず、別訴を一から起こすしかなくなるため、見込みが薄いと感じた時点が動く期限です。
同意までは不要ですが、裁判所は変更を許す決定の前に、当事者および賠償請求の被告の意見を必ず聞かなければなりません(21 条 3 項)。
争っている事実関係の核が同じであることを指します。同じ処分から生じた損害をめぐる請求であれば、基礎の同一性が認められやすくなります。
賠償請求の被告(国や自治体側)は即時抗告で争えます(21 条 4 項)。一方、変更を許さない決定には誰も不服を申し立てられません(5 項)。
請求の基礎が同一のため、当初の提訴時点を基準とした時効の完成猶予を主張できる余地があります。別訴より賠償請求権の時効消滅を防げる可能性が高いです。
実務上は変更後の請求の趣旨・原因と請求の基礎の同一性を明示した書面で申し立てます。後から不服申立てできないため、書面の作り込みが結果を左右します。
公権力の行使については国家賠償法 1 条、公の営造物の瑕疵については同法 2 条が実体的根拠になります。違法性と公務員の故意過失が争点となります。
やり直す必要はありません。行政事件訴訟法 21 条で、口頭弁論が終わる前なら、いまの取消訴訟を国や公共団体に対する損害賠償請求へ訴えの変更ができます(請求の基礎に変更がないことが条件)。業界裏話ヒント:別訴を起こすと提訴時点が後ろにずれ、国家賠償請求権の時効(民法 724 条)に引っかかるリスクがあります。同じ訴訟内で変更すれば当初提訴時を基準に主張できる余地があり、ここを意識する弁護士とそうでない弁護士で結果が変わります
言えません。行政事件訴訟法 21 条 5 項により、変更を許さない決定には不服を申し立てられません。逆に、変更を許す決定に対しては相手方(国や自治体側)が即時抗告できます(4 項)。業界裏話ヒント:許すかどうかが裁判所の裁量である以上、申立ての段階で『請求の基礎の同一性』をどれだけ具体的に書き込めるかが勝負です。あとから不服申立てできない以上、一発勝負の書面の作り込みが、知る人だけが押さえるポイントになります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 21 条:取消訴訟を損害賠償その他の請求へ『変更』する | — |
| 時期の制限 | 口頭弁論の終結に至るまで | — |
| 申立て・許可 | 原告の申立て + 裁判所の相当性判断(決定) | — |
| 不服申立て | 許す決定→即時抗告可、許さない決定→不服不可 | — |
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