前条第一項前段の規定により、処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には、同項後段において準用する第十六条第二項の規定にかかわらず、処分の取消しの訴えの被告の同意を得ることを要せず、また、その提起があつたときは、出訴期間の遵守については、処分の取消しの訴えは、裁決の取消しの訴えを提起した時に提起されたものとみなす。
要点行政事件訴訟法 20 条は、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合提起する場合、被告の同意を要せず、処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時に提起されたものとみなすと定める。
Q · 裁決だけを訴えてしまった後でも、元の処分を争えますか?
併合提起すれば出訴期間が遡り、まだ争える可能性があります
行政事件訴訟法 20 条により、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、被告である行政庁の同意は不要で、しかも処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時点で提起されたものとみなされます。つまり出訴期間(第 14 条、6 か月)の遵守は最初の訴えの日を基準に判断され、時間切れを免れます。ただし遡及効が効くのは「併合提起」した場合に限られ、別訴として後から起こすと遡らない点に注意が必要です。
役所の処分に納得できず、まず審査請求をした。それも棄却された。そこであなたは裁決の取消しを求めて訴える。ここに落とし穴がある。日本の行政訴訟は原処分主義(行政事件訴訟法 第10条第2項、裁決ではなく元の処分の違法を争えという原則)を取るため、裁決だけを訴えても処分の違法は審理してもらえない。間違いに気付いて処分の取消訴訟を追加しようとしたとき、処分の出訴期間(6か月、第14条)はとっくに過ぎている。普通ならここで詰む。第20条はこの詰みを解除する安全弁だ。裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、被告である行政庁の同意は要らず、しかも処分取消訴訟は裁決取消訴訟を出した時点で提起されたものとみなされる。つまり出訴期間は最初の訴えを起こした日で止まったままになる。たった一文の特例が、相手を間違えた訴えをまるごと救い上げる。
行政事件訴訟法 20 条は、審査請求を棄却した裁決の取消訴訟に処分取消訴訟を併合提起する場合の特例を定める規定である。原処分主義(第 10 条 2 項)の下で相手を誤った原告を救済するため、被告行政庁の同意を不要とし、かつ処分取消訴訟を裁決取消訴訟の提起時に提起されたものとみなして出訴期間の遵守を判断する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
裁決ではなく元の処分の違法を争えという原則です(行政事件訴訟法 10 条 2 項)。裁決取消訴訟で審理されるのは裁決固有の瑕疵のみで、処分そのものの違法は門前払いになります。
処分または裁決があったことを知った日から 6 か月、処分または裁決の日から 1 年です(第 14 条)。第 20 条の併合提起なら、処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時を基準に判断されます。
裁決取消訴訟は審査請求を棄却した裁決の取消しを求め、処分取消訴訟は元の行政処分の取消しを求めます。原処分主義のため、処分の違法は処分取消訴訟でしか争えません。
審査請求棄却の裁決取消訴訟を起こした後、原処分主義に気付いて処分取消訴訟を同じ訴訟に併合提起する場面で使えます。別訴では遡及効が働きません。
原則は自由選択主義で、審査請求を経ずに直接訴えられます(第 8 条)。ただし個別法に審査請求前置の定めがある場合は、先に審査請求が必要です。
裁決取消訴訟の出訴期間が生きているうちに併合提起すれば確実に及びます。気付くのが遅れて別訴として後から起こすと遡らず、出訴期間徒過で却下される恐れがあります。
原則として処分または裁決をした行政庁が所属する国または公共団体が被告です(第 11 条)。第 20 条の併合では、この処分取消訴訟の被告の同意が不要となります。
係属中の取消訴訟に、関連請求に係る訴えを後から追加して併合する手続です(第 19 条)。原則は被告の同意が必要ですが、第 20 条はその例外を定めます。
まだ間に合う可能性があります。裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、第20条により処分取消訴訟は裁決取消訴訟を起こした時点で提起されたとみなされ、出訴期間(第14条、6か月)の判断もその日を基準にします。業界裏話ヒント:この遡及効が効くのは「併合提起」のときだけです。気付いて慌てて別の訴訟として起こすと遡らず、出訴期間徒過で却下されます。同じ訴えでも、つなげるか分けるかで結論が逆になる。
この場面では不要です。通常、係属中の訴訟に別の請求を追加して併合するには、第19条第1項後段が準用する第16条第2項により被告の同意が要ります。しかし第20条はその特例として、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合する場合に限り、被告である行政庁の同意を要しないと定めています。業界裏話ヒント:行政庁は出訴期間徒過を理由に却下を狙いたい立場ですが、第20条がそれを封じます。だからこそ原告側はこの条文を訴状の段階で明示し、相手の手続的反撃の芽を最初に摘んでおくとよい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 被告の同意 | 第 20 条:裁決取消訴訟への処分取消訴訟の併合は同意不要 | — |
| 出訴期間の起算 | 第 20 条:処分取消訴訟は裁決取消訴訟の提起時に提起されたものとみなす(遡及) | — |
| 適用場面 | 第 20 条:審査請求棄却裁決の取消訴訟+原処分取消訴訟の併合に限定 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。