行政事件訴訟法 第20条
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前条第一項前段の規定により、処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には、同項後段において準用する第十六条第二項の規定にかかわらず、処分の取消しの訴えの被告の同意を得ることを要せず、また、その提起があつたときは、出訴期間の遵守については、処分の取消しの訴えは、裁決の取消しの訴えを提起した時に提起されたものとみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第20条は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第20条の条文原文は「前条第一項前段の規定により、処分の取消しの訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えに併合して提起する場合には、同項後段において準用する第十六…」で始まります。
- 行政事件訴訟法第20条は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第20条の前の条は行政事件訴訟法第19条です。
- 行政事件訴訟法第20条の次の条は行政事件訴訟法第21条です。
- 行政事件訴訟法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法20条は、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合提起する場合、被告の同意を要せず、処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時に提起されたものとみなすと定める。
Q · 裁決だけを訴えてしまった後でも、元の処分を争えますか?
併合提起すれば出訴期間が遡り、まだ争える可能性があります
行政事件訴訟法20条により、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、被告である行政庁の同意は不要で、しかも処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時点で提起されたものとみなされます。つまり出訴期間(第14条、6か月)の遵守は最初の訴えの日を基準に判断され、時間切れを免れます。ただし遡及効が効くのは「併合提起」した場合に限られ、別訴として後から起こすと遡らない点に注意が必要です。
解説
役所の処分に納得できず、まず審査請求をした。それも棄却された。そこであなたは裁決の取消しを求めて訴える。ここに落とし穴がある。日本の行政訴訟は原処分主義(行政事件訴訟法 第10条第2項、裁決ではなく元の処分の違法を争えという原則)を取るため、裁決だけを訴えても処分の違法は審理してもらえない。間違いに気付いて処分の取消訴訟を追加しようとしたとき、処分の出訴期間(6か月、第14条)はとっくに過ぎている。普通ならここで詰む。第20条はこの詰みを解除する安全弁だ。裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、被告である行政庁の同意は要らず、しかも処分取消訴訟は裁決取消訴訟を出した時点で提起されたものとみなされる。つまり出訴期間は最初の訴えを起こした日で止まったままになる。たった一文の特例が、相手を間違えた訴えをまるごと救い上げる。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法20条は、審査請求を棄却した裁決の取消訴訟に処分取消訴訟を併合提起する場合の特例を定める規定である。原処分主義(第10条2項)の下で相手を誤った原告を救済するため、被告行政庁の同意を不要とし、かつ処分取消訴訟を裁決取消訴訟の提起時に提起されたものとみなして出訴期間の遵守を判断する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が訴えたのが裁決か処分かを確認 訴状を見直し、原処分主義(第10条2項)の下で本来争うべきは元の処分か裁決固有の瑕疵かを切り分ける。裁決しか訴えていないなら処分取消訴訟の追加が必要
- 2.出訴期間の残り日数を確認 裁決を知った日から6か月(第14条)の残り日数を数える。期間が生きているうちに動けば第20条の遡及効が確実に効く
- 3.処分取消訴訟を「併合」して提起 別訴ではなく、係属中の裁決取消訴訟に処分取消訴訟を追加的に併合提起する。第20条により被告行政庁の同意は不要、出訴期間も裁決取消訴訟の提起時に遡る
- 4.防御の主戦場を処分本体に組み立てる 第20条で手続的反撃(出訴期間徒過・同意不存在)が封じられるため、原告は処分本体の違法性、被告は処分の適法性を主張立証の中心に据える
よくある質問 AI による整理
Q1原処分主義とは何ですか?
裁決ではなく元の処分の違法を争えという原則です(行政事件訴訟法10条2項)。裁決取消訴訟で審理されるのは裁決固有の瑕疵のみで、処分そのものの違法は門前払いになります。
Q2取消訴訟の出訴期間はいつから数えますか?
処分または裁決があったことを知った日から6か月、処分または裁決の日から1年です(第14条)。第20条の併合提起なら、処分取消訴訟は裁決取消訴訟を提起した時を基準に判断されます。
Q3裁決取消訴訟と処分取消訴訟はどう違いますか?
裁決取消訴訟は審査請求を棄却した裁決の取消しを求め、処分取消訴訟は元の行政処分の取消しを求めます。原処分主義のため、処分の違法は処分取消訴訟でしか争えません。
Q4第20条はどんな場合に使えますか?
審査請求棄却の裁決取消訴訟を起こした後、原処分主義に気付いて処分取消訴訟を同じ訴訟に併合提起する場面で使えます。別訴では遡及効が働きません。
Q5審査請求を経ないと取消訴訟は起こせませんか?
原則は自由選択主義で、審査請求を経ずに直接訴えられます(第8条)。ただし個別法に審査請求前置の定めがある場合は、先に審査請求が必要です。
Q6第20条の遡及効はいつまで有効ですか?
裁決取消訴訟の出訴期間が生きているうちに併合提起すれば確実に及びます。気付くのが遅れて別訴として後から起こすと遡らず、出訴期間徒過で却下される恐れがあります。
Q7行政訴訟で被告は誰になりますか?
原則として処分または裁決をした行政庁が所属する国または公共団体が被告です(第11条)。第20条の併合では、この処分取消訴訟の被告の同意が不要となります。
Q8請求の追加的併合とは何ですか?
係属中の取消訴訟に、関連請求に係る訴えを後から追加して併合する手続です(第19条)。原則は被告の同意が必要ですが、第20条はその例外を定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1間違えて裁決だけ訴えちゃったんですけど、もう元の処分は争えないんですか?
まだ間に合う可能性があります。裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合して提起すれば、第20条により処分取消訴訟は裁決取消訴訟を起こした時点で提起されたとみなされ、出訴期間(第14条、6か月)の判断もその日を基準にします。実務のポイント:この遡及効が効くのは「併合提起」のときだけです。気付いて慌てて別の訴訟として起こすと遡らず、出訴期間徒過で却下されます。同じ訴えでも、つなげるか分けるかで結論が逆になる。
Q2処分を後から訴えるのに、役所の同意っているんですか?
この場面では不要です。通常、係属中の訴訟に別の請求を追加して併合するには、第19条第1項後段が準用する第16条第2項により被告の同意が要ります。しかし第20条はその特例として、裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合する場合に限り、被告である行政庁の同意を要しないと定めています。実務のポイント:行政庁は出訴期間徒過を理由に却下を狙いたい立場ですが、第20条がそれを封じます。だからこそ原告側はこの条文を訴状の段階で明示し、相手の手続的反撃の芽を最初に摘んでおくとよい。
間違えやすい点 AI による整理
- 裁決を訴えれば元の処分の違法も一緒に判断してもらえる、と考えて訴えを起こす人がいる。だがその問いの立て方そのものが原処分主義を見落としている。裁決取消訴訟で審理されるのは裁決固有の瑕疵だけで、処分そのものの違法は門前払いになる(第10条第2項)。争う相手の選択を誤れば、勝てる中身でも入口で負ける
- 第20条で救済されると知っている人でも、その射程の狭さを軽く見ている。救われるのは裁決取消訴訟に処分取消訴訟を「併合提起」した場合に限られ、気付くのが遅れて別訴として後から起こせば出訴期間は遡らない。同じ訴えでも、つなげるか分けるかという形式一つで生死が分かれる
- 追加で訴えるなら相手の同意がいる、と身構える人が多いが、第20条はこの場面に限って被告の同意を不要とした(第19条第1項後段が準用する第16条第2項の例外)。行政庁が首を縦に振らなくても、あなたは処分取消訴訟を併合できる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 被告の同意 | 第20条:裁決取消訴訟への処分取消訴訟の併合は同意不要 | 第19条(準用16条2項):請求の追加的併合は原則同意必要 第16条:客観的併合は同意必要が原則 |
| 出訴期間の起算 | 第20条:処分取消訴訟は裁決取消訴訟の提起時に提起されたものとみなす(遡及) | 第14条:原則は処分・裁決を知った日から6か月 第14条:処分・裁決の日から1年 |
| 適用場面 | 第20条:審査請求棄却裁決の取消訴訟+原処分取消訴訟の併合に限定 | 第19条:取消訴訟一般への関連請求の追加併合 第16条:当初からの複数請求の併合提起 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も訴願(審査請求に相当)前置と原處分主義の構造を持ち、訴訟対象の選択を誤った場合の取扱いが問題となる点で共通する。
韓国も原処分主義(원처분주의)を採り、裁決取消訴訟では裁決固有の違法のみを争える点が日本と類似する。
ドイツでは異議申立て(Widerspruch)の裁決を経た原処分が取消訴訟の対象となり、原処分と裁決の関係を規律する点で同種の問題を扱う。
米国では final agency action と行政手続の尽くし(exhaustion)が訴訟の前提となり、争訟対象の特定という観点で機能的に対応する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 税務署の更正処分に不服で審査請求し、棄却の裁決が来た。あなたは裁決の取消しを求めて出訴したが、後で「それでは元の更正処分の違法は争えない」と指摘される。残っているのは出訴期間との競争。今のうちに処分取消訴訟を併合提起すれば、第20条で提起時点が最初の訴えの日まで遡り、時間切れを免れる
- もし、あなたが行政庁側の指定代理人だったとしたら? 原告が裁決取消訴訟に処分取消訴訟を後から併合してきた。「出訴期間を過ぎている、同意もしていない」と却下を狙いたいが、第20条が同意不要と遡及効の両方を定めているため、その手続的反撃は封じられる。勝負は処分本体の適法性で決まる
- 生活保護の停止決定に審査請求し、裁決で覆らず、あなたは裁決を訴えた。だが文書も給付も、元の決定(処分)を叩かなければ動かない。残り時間はわずか。処分取消訴訟の併合をいつ起こすかで、救済が間に合うかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が訴えたのが裁決か処分かを確認し、原処分主義(第10条第2項)で処分の違法を争うべき事案かを見極める2. 裁決しか訴えていなければ、出訴期間(裁決を知った日から6か月、第14条)が残っているうちに処分取消訴訟を併合提起する3. 第20条により被告行政庁の同意は不要、出訴期間も裁決取消訴訟提起時に遡る4. 別訴で後から起こすと遡及効が働かないため、必ず「併合」の形を取る(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 原告が裁決取消訴訟に処分取消訴訟を併合してきたら、第20条により同意不要・出訴期間遡及で適法な提起となるため、出訴期間徒過の抗弁は原則通らないと心得る2. 防御の主戦場は処分本体の適法性、手続論ではなく実体で組み立てる3. 併合の要件(前条第1項前段の関連請求性、第19条)を満たしているかは精査の余地がある4. 裁決固有の瑕疵のみが問題となる事案であれば、原処分主義の射程の切り分けを主張する
時効(請求できる期限):処分の取消しの訴えの出訴期間は、原則として処分または裁決があったことを知った日から6か月、処分または裁決の日から1年(行政事件訴訟法 第14条)。第20条により、併合提起の場合は処分取消訴訟も裁決取消訴訟を提起した時に提起されたものとみなされ、出訴期間の遵守はその時点を基準に判断される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:第20条は原処分主義(第10条2項)に起因する手続上の不利益を救済する規定であり、裁決取消訴訟への処分取消訴訟の併合提起という形式要件を満たす限り、被告同意不要と出訴期間の遡及を認める。別訴提起には遡及効は及ばないとするのが一般的理解。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法の制定(法律第139号)により、原処分主義の下での救済規定として第20条が設けられた。
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法の大改正。被告適格(第11条)や出訴期間(6か月への伸長)など全般的な見直しが行われ、第20条の機能する枠組みも整理された。
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