行政事件訴訟法 第13条(関連請求に係る訴訟の移送)
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- 取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下「関連請求」という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。ただし、取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、この限りでない。
- 一当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求
- 二当該処分とともに一個の手続を構成する他の処分の取消しの請求
- 三当該処分に係る裁決の取消しの請求
- 四当該裁決に係る処分の取消しの請求
- 五当該処分又は裁決の取消しを求める他の請求
- 六その他当該処分又は裁決の取消しの請求と関連する請求
この条文の基本情報
関連請求に係る訴訟の移送とは何ですか?
定義関連請求に係る訴訟の移送とは、行政事件訴訟法第13条に定められた規定で、「取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下「関連請求」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第13条(関連請求に係る訴訟の移送)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第13条の条文原文は「取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下「関連請求」という。」で始まります。
- 行政事件訴訟法第13条は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第13条の前の条は行政事件訴訟法第12条です。
- 行政事件訴訟法第13条の次の条は行政事件訴訟法第14条です。
- 行政事件訴訟法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法13条は、取消訴訟と関連請求が別々の裁判所にあるとき、関連請求の訴訟を取消訴訟の裁判所へ移送できると定める。ただし高裁係属中は移送できない。
Q · 役所の処分の取消しと損害賠償を別々の裁判所に起こしたら、後から一つにまとめられる?
関連請求なら取消訴訟の裁判所へ移送できます
行政事件訴訟法13条により、取消訴訟と関連請求(損害賠償・原状回復・関連処分の取消しなど六類型)が各別の裁判所に係属するとき、関連請求の側の裁判所は、申立てまたは職権で、その訴訟を取消訴訟の裁判所へ移送できます。移送後は16条以下で併合審理が可能です。ただし、取消訴訟または関連請求のいずれかが高等裁判所に係属していると移送はできません(但書)。第一審に係属している間に動くことが鍵です。
解説
役所の処分を裁判で取り消したい。だが同時に、その処分で被った損害も国に賠償させたい。この二つを別々の裁判所で争うと、片方は東京地裁、もう片方は地元の地裁、というように戦場が割れる。行政事件訴訟法13条は、その分断を一本にまとめる装置だ。取消訴訟と「関連請求」(損害賠償、原状回復、関連する別の処分の取消しなど六類型)が別々の裁判所にかかっているとき、関連請求の側の裁判所は、申立てまたは職権で、その訴訟を取消訴訟がかかっている裁判所へ移送できる。なぜこれが効くのか。同じ処分をめぐって二つの裁判所が別々に判断すると、片方は「処分は違法」、もう片方は「損害なし」と矛盾した結論が出かねない。証拠も二度集める。あなたが行政相手に複数の請求を抱えたとき、最初にこの移送を使えるかどうかで、労力もコストも判決の整合性も変わる。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法13条は、関連請求に係る訴訟の移送を定める規定である。取消訴訟と関連請求に係る訴訟が各別の裁判所に係属する場合に、相当と認めるとき、関連請求の側の裁判所が申立てまたは職権でその訴訟を取消訴訟の裁判所へ移送することを認める。審理の重複と矛盾判断を避ける訴訟集約の仕組みとして機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取消訴訟と関連請求の係属裁判所を確認 取消訴訟と関連請求(損害賠償・原状回復・関連処分の取消しなど六類型)が、それぞれどの裁判所に係属しているかを整理する。両方が第一審に係属しているかを必ず確認する
- 2.移送の相当性を整理する 審理の重複回避、矛盾判決の防止、証拠の共通性など、なぜ取消訴訟の裁判所へ集約すべきかを具体的に整理する。裁判所が「相当と認める」かの判断材料となる
- 3.移送申立書を関連請求の裁判所へ提出 関連請求が係属する裁判所に対し、取消訴訟の係属裁判所への移送を求める申立書を提出する。高裁に上がる前、第一審係属中に提出することが鉄則
- 4.移送後に併合審理を申し立てる 移送が認められたら、行訴法16条以下に基づき関連請求に係る訴えの併合を申し立て、争点を一括して整理する。却下された場合は即時抗告の可否を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1関連請求の移送とは何ですか?
取消訴訟と関連請求(損害賠償など)が別々の裁判所にあるとき、関連請求の側の裁判所が申立てまたは職権で取消訴訟の裁判所へ訴訟を移す制度です(行訴法13条)。
Q2取消訴訟と国家賠償は一緒に裁判できますか?
できます。国家賠償は関連請求として13条の移送対象になり、移送後に16条以下で併合審理が可能です。最初から16条で併合提起する方法もあります。
Q3関連請求の移送はいつまでに申し立てる?
法定の確定期限はありませんが、取消訴訟または関連請求のいずれかが高等裁判所に係属すると但書で移送できなくなります。第一審係属中が事実上の期限です。
Q4高裁に係属していても移送できますか?
できません。13条但書は、取消訴訟または関連請求のいずれかが高等裁判所に係属しているときの移送を禁じています。審級が上がる前に動く必要があります。
Q5関連請求の移送の申立ては誰がしますか?
当事者の申立てによるほか、裁判所が職権でも移送できます。確実を期すなら、なぜ集約すべきかを示した移送申立書を自分で提出するのが安全です。
Q6行政訴訟の関連請求の移送先はどこですか?
移送の方向は一方向で固定されており、関連請求の側の訴訟を取消訴訟の係属する裁判所へ移します。取消訴訟を関連請求の裁判所へ動かすことはできません。
Q7関連請求の移送に費用はかかりますか?
移送自体に多額の手数料は要しませんが、別々に提起した各訴訟の手数料は既に発生します。最初から16条で併合提起すれば二重の手間と費用を抑えられます。
Q8移送が認められない場合はどうなりますか?
相当性が認められない、または高裁係属中で但書に当たる場合、各訴訟は別々の裁判所で並行審理されます。矛盾判断や証拠の重複リスクを抱えることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取消訴訟と国家賠償、別々に裁判を起こしちゃったんですが、後からまとめられますか?
まとめられる可能性があります。行政事件訴訟法13条の移送で、国家賠償(関連請求)の訴訟を取消訴訟の裁判所へ移し、その後16条以下で併合審理できます。ただし両方が第一審に係属していることが条件で、どちらかが高裁に上がると但書で封じられます。実務のポイント:実は最初から16条で取消訴訟に国家賠償を併合して提起すれば、移送の手間自体が要りません。別々に出してしまった後の救済策が13条であり、訴え提起の段階で気づければ移送は不要だった、という順序を知っておく
Q2移送って自分で申し立てないとダメですか?裁判所が勝手にやってくれないんですか?
申立てがなくても裁判所の職権で移送できます(13条)。ただし職権発動を待つより、自分で移送の申立書を出した方が確実です。裁判所が『相当と認めるとき』に限られるので、なぜ集約すべきか(証拠共通、矛盾判決の回避)を具体的に示す必要があります。実務のポイント:移送を認めるかは裁判所の裁量が大きい。申立てが却下されても、その決定に対して即時抗告ができる場合がある(民事訴訟法の移送規定の準用場面)。一度断られて諦める前に、抗告の可否を確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「関連する訴訟は自動的に同じ裁判所でまとめて審理される」と思いがちだが、13条の移送は当然には起きない。申立てをするか、裁判所が職権で動くかしない限り、別々の裁判所で並行したまま進む。黙っていれば誰もまとめてくれない
- 「どの裁判所に移送するか自分で選べる」と考える人がいるが、問いの立て方が逆だ。13条は『関連請求の側を取消訴訟の側へ』と移送方向を一方向に固定している。取消訴訟を関連請求の裁判所に動かすことはできない。あなたが選べるのは『移送を申し立てるかどうか』であって、行き先ではない
- 高裁が絡むと移送できないという但書を軽く見ている人が多いが、ここが実務上の落とし穴だ。取消訴訟または関連請求のどちらかが高等裁判所に係属していると、13条の移送は使えない。審級が上がってからまとめようとしても手遅れになる、その深刻さを知らないまま時機を逸する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 13条:各別の裁判所間で関連請求訴訟を移送 | 16条:関連請求に係る訴えの併合 7条:定めなき手続を民訴の例による |
| 適用前提 | 取消訴訟と関連請求が各別の裁判所に係属 | 取消訴訟の裁判所で関連請求を併合提起 本法に特別の定めがない手続事項 |
| 効果 | 関連請求を取消訴訟の裁判所へ集約 | 一個の訴訟手続で一括審理 民事訴訟法の規定を準用 |
| 制限 | いずれかが高裁係属中は移送不可(但書) | 関連請求六類型に該当すること 本法・他法の特則が優先 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政訴訟において同一手続で損害賠償その他財産上の給付を併合請求できる点で、関連請求の集約という発想を共有する
韓国は『関連請求訴訟の移送及び併合』として、日本13条・16条に相当する制度を一条にまとめて規定している
ドイツ行政裁判所法は客観的訴えの併合(§ 44)と管轄違いの移送(§ 83、GVG 準用)で関連請求の集約を実現する
米国は共通の法律・事実問題がある訴訟を裁判所の裁量で併合(consolidation)でき、行政訴訟も連邦民訴規則の枠組みで処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが営業許可の申請を却下され、その却下処分の取消しを地元の地裁に起こした。同時に、却下が違法だったことで生じた損害を国家賠償で別の裁判所に請求していた。この二つは六類型の一号に該当し、13条で同じ法廷に集約できる。放置すれば、同じ処分について二つの裁判所が別々に審理し、矛盾判決のリスクを背負う
- もし、あなたの土地の収用処分とその補償をめぐる訴訟が、それぞれ違う裁判所で進んでいたとしたら? 関連請求の側の裁判所に移送を申し立てれば一本化できる。ただし、どちらかが高裁に上がった瞬間に但書で封じられる。タイミングを逃すと最後までバラバラに戦う
- 情報公開請求を拒否され、その取消訴訟を提起。さらに拒否で被った損害の賠償も求めたい。別々に出してしまった後でも、13条の移送で取消訴訟の裁判所へ寄せられる。残された猶予は、両方が第一審に係属している間だけ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消訴訟と関連請求(国家賠償、原状回復、関連処分の取消しなど)が別々の裁判所に係属しているか確認2. 該当すれば、関連請求が係属する裁判所に対し移送の申立書を提出し、相当性(審理の重複回避、矛盾判決の防止、証拠の共通性)を具体的に主張3. どちらかが高裁に上がる前に動くこと、但書で封じられる4. 移送が認められたら、行訴法16条以下の併合審理で争点を一括整理する
訴えられた側:1. 行政庁側として、複数の裁判所に分散した方が有利か、集約された方が有利かを戦略的に判断2. 移送申立てがなされたら、相当性がないこと(争点が実質的に別、移送で審理が遅延する等)を反論できる3. 職権移送もあり得るため、裁判所の訴訟指揮に注意4. 集約された場合は、各請求への防御を一つの法廷で統一的に組み立てる
時効(請求できる期限):移送の申立てに法定の確定期限はないが、取消訴訟または関連請求のいずれかが高等裁判所に係属した時点で13条の移送は不可能になる(但書)。第一審係属中という時間的枠が事実上の期限。なお取消訴訟自体の出訴期間は処分があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:13条の移送は、関連請求六類型に該当することを前提に、審理の重複回避と矛盾判断の防止という訴訟経済の観点から「相当性」を裁判所が裁量判断するものと解される。但書は審級の利益を保護するための制限と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)制定により、取消訴訟と関連請求の移送・併合に関する規定群の一環として本条が設けられた
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法の大改正において、原告適格の拡大や義務付け訴訟の新設など権利救済の充実が図られ、関連請求の併合・移送規定もこの救済充実の文脈で再確認された
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