行政事件訴訟法 第16条(請求の客観的併合)
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- 取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。
- 2.前項の規定により訴えを併合する場合において、取消訴訟の第一審裁判所が高等裁判所であるときは、関連請求に係る訴えの被告の同意を得なければならない。被告が異議を述べないで、本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、同意したものとみなす。
この条文の基本情報
請求の客観的併合とは何ですか?
定義請求の客観的併合とは、行政事件訴訟法第16条に定められた規定で、「取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第16条(請求の客観的併合)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第16条の条文原文は「取消訴訟には、関連請求に係る訴えを併合することができる。」で始まります。
- 行政事件訴訟法第16条は第一節 取消訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第16条の前の条は行政事件訴訟法第15条です。
- 行政事件訴訟法第16条の次の条は行政事件訴訟法第17条です。
- 行政事件訴訟法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法16条は、取消訴訟に関連請求に係る訴えを併合できると定める。第一審が高等裁判所である事件では、関連請求の被告の同意が必要となる。
Q · 処分の取消しと、その処分で受けた損害の賠償を、一つの裁判でまとめて請求できますか?
できます。取消訴訟に国家賠償などの関連請求を併合できます。
行政事件訴訟法16条により、取消訴訟には関連請求(13条が定める、その処分に関連する国家賠償請求など)に係る訴えを併合できます。処分の取消しと損害賠償を同じ裁判官が同じ証拠で判断するため、同じ事実を二度立証する必要がありません。ただし第一審が高等裁判所になる限られた事件では、関連請求の被告の同意が必要です。被告が異議を述べずに本案について弁論を始めれば、同意したものとみなされます(16条2項)。
解説
役所から営業許可を取り消された。あなたが取り返したいものは二つある。一つは許可そのもの、もう一つは取り消されていた期間に被った営業損害だ。多くの人は「まず取消訴訟で許可を戻し、それから別に損害賠償を起こす」と考える。二回の裁判、二倍の時間、二倍の弁護士費用。だが行政事件訴訟法16条は、その二つを一つの訴訟に束ねることを認めている。取消訴訟に「関連請求」(13条が定義する、その処分に関連する国家賠償請求など)を併せて起こせる。許可の取消しと損害賠償を、同じ裁判官が同じ証拠で同時に判断する。注意点が一つある。第一審が高等裁判所になる限られた類型の事件では、関連請求の相手方の同意が要る。ただし相手が異議を述べずに本案について弁論を始めれば、同意したものとみなされる。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法16条は、取消訴訟における関連請求の客観的併合を定める規定である。取消訴訟に対し、13条所定の関連請求に係る訴えを併合提起することを認める。第一審裁判所が高等裁判所である場合には関連請求の被告の同意を併合の要件とし、被告が異議なく本案について弁論をすれば同意が擬制される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分通知が届いたら取消しと損害の両方を洗い出す 処分通知を受けたら、取り返したいものを「処分そのもの(許可・資格など)」と「処分で被った損害(休業損害・追加費用・精神的損害)」の二つに分けて書き出す。損害は金額化しておく
- 2.出訴期間を確認し訴状作成段階で関連請求を組み込む 取消訴訟の出訴期間(処分を知った日から6か月、処分の日から1年、行訴法14条)を真っ先に確認し、その期間内に、取消訴訟の訴状へ国家賠償請求などの関連請求を併せて記載する。確定後に別訴を起こす段取りは遠回りになる
- 3.併せる請求が13条の関連請求に当たるか確認 併合できるのは行訴法13条が定める関連請求に限られる。処分の違法を理由とする国家賠償など、処分の違法性が両請求の共通争点になるかを精査する。処分と無関係な請求は併合できない
- 4.第一審が地裁か高裁かを確認し同意問題に備える 通常の処分取消訴訟は地方裁判所が第一審なので同意は不要。機関訴訟など第一審が高等裁判所の事件では、関連請求の被告の同意が要る(16条2項)。相手が異議なく本案弁論を始めれば同意とみなされる点も押さえる
よくある質問 AI による整理
Q1関連請求の併合とは?
取消訴訟に、その処分に関連する国家賠償請求などの訴えを併せて提起することです。行政事件訴訟法16条が根拠で、13条が関連請求の範囲を定めます。
Q2取消訴訟と国家賠償は一緒にできる?
できます。16条により取消訴訟に国家賠償請求を併合でき、同じ裁判官が同じ証拠で同時に判断します。立証は一度で済みます。
Q3関連請求は何条で定義されている?
行政事件訴訟法13条です。処分や裁決に関連する損害賠償その他の請求などを関連請求と定義し、16条以下の併合の対象を画します。
Q4行政訴訟 損害賠償 いつまで
取消訴訟の出訴期間(処分を知った日から6か月、行訴法14条)内に併合提起するのが安全です。国家賠償は民法724条・国賠法4条の期間によります。
Q5高等裁判所が第一審になる行政事件とは?
機関訴訟など限られた特殊類型に限られます。通常の市民の処分取消訴訟は地方裁判所が第一審で、16条2項の同意問題は生じません。
Q6併合に被告の同意が必要なのはどんな場合?
第一審が高等裁判所になる事件で関連請求を併合する場合です(16条2項)。地方裁判所が第一審なら同意は不要です。
Q7同意したものとみなされるのはいつ?
関連請求の被告が異議を述べずに本案について弁論をし、または弁論準備手続において申述したときです(16条2項後段)。
Q8取消訴訟を併合するメリットは?
二つの裁判を一つに束ね、同じ事実の二度の立証を避けられます。時間と費用が節約でき、矛盾した判断も防げます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取消訴訟で勝ってから、別に損害賠償を起こした方が確実じゃないんですか?
むしろ逆で、別訴にすると処分の違法性という同じ争点を二度立証する羽目になり、時間も費用も倍増します。16条で併合すれば一度の審理で済みます。実務のポイント:取消訴訟が請求棄却で確定すると、その処分は適法と確定し(既判力)、後から起こす国賠でも「処分は違法」と主張しにくくなる。だから最初から束ねておく方が、賠償の道も残せる
Q2国家賠償だけ、地元の裁判所でこっそり起こせませんか?
国家賠償請求は単独でも起こせますが、取消訴訟と併合すると、取消訴訟の管轄裁判所(原則として被告の所在地を管轄する地裁、行訴法12条)で一緒に審理されます。実務のポイント:関連請求として併合すれば、本来は別の裁判所になる国賠請求も取消訴訟の法廷に引き寄せられる(13条、16条)。どの裁判所で戦うかは勝敗に響くので、併合は管轄を選ぶカードにもなる
Q3高裁が第一審って、どんな事件ですか? 自分には関係ある?
第一審が高裁になるのは、機関訴訟など限られた特殊類型で、通常の市民の処分取消しは地方裁判所が第一審です。つまり多くのケースで16条2項の同意問題は起きません。実務のポイント:自分の事件の第一審がどこかは、根拠法令の管轄規定で決まる。地裁が第一審なら相手の同意なしで自由に併合できるので、ほとんどの市民は同意を気にせず損害賠償を束ねられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「取消訴訟で勝ってから損害賠償を別に起こす」という段取りそのものが、実は遠回り。処分の違法性は両方の請求で共通の争点であり、別訴にすれば同じ立証を二度やることになる。問いの立て方が「どちらを先にやるか」ではなく「どう束ねるか」に変わる
- 「併合すれば何でも一緒に裁いてもらえる」と思いがちだが、併合できるのは13条が定める「関連請求」に限られる。処分と無関係な請求を抱き合わせることはできない
- 16条の存在は知っていても、第一審が高裁になる事件では相手方の同意が要ること、そして「異議を述べずに本案弁論をすると同意とみなされる」(16条2項)ことまで知る人は少ない。この一点を見落とすと、争うつもりだったのに同意したことにされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 併合の類型 | 16条:取消訴訟+関連請求の客観的併合(請求の併合) | 17条:数人による・数人に対する共同訴訟(主観的併合) 19条:原告による請求の追加的併合 |
| 併合の時期・主体 | 原則として訴え提起時に原告がまとめて提起 | 当事者が複数になる場面の併合 口頭弁論終結まで原告が後から関連請求を追加 |
| 国家賠償併合との関係 | 国家賠償などの関連請求を取消訴訟に束ねる一般規定 | —(共同訴訟の規律) 20条:取消訴訟係属中の国家賠償請求の追加的併合の特則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政訴訟の同一手続内で損害賠償その他の財産上の給付を合併請求できると明文化。日本の16条と同じく一回的解決を志向するが、原告の併合権を端的に認める点で構造が分かりやすい。
韓国は関連請求訴訟の移送と併合を一条で規律。取消訴訟と関連する国家賠償等を併合できる点で日本16条と機能的に対応する。
ドイツ行政裁判所法は客観的併合(objektive Klagehäufung)を認め、同一被告に対する関連する複数の請求を一手続で扱える。日本16条の母法的背景にある大陸法系の発想を共有する。
米国は行政・民事を通じた請求併合を連邦民訴規則18条で広く認める。行政処分への不服と損害賠償の併合は連邦法上の枠組み(行政手続法・州法)にも依存し、日本のように一条で完結しない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、生活保護の廃止処分を受けて、その間の生活費にも困窮していたとしたら? 廃止処分の取消しを求める訴えに、違法な廃止で被った損害の国家賠償請求を16条で併合できる。処分を消すだけでなく、空白期間の損失も同じ裁判で取り返せる
- 隣地に違法建築の確認が下りた。あなたは建築確認の取消訴訟を起こすが、その間に日照を奪われ自宅の価値も下がった。取消しと国家賠償を別々に争えば、同じ事実を二つの法廷で二度立証する羽目になる。16条で束ねれば立証は一度で済む
- あなたが自治体の担当者で、処分の取消訴訟を受けた側だとする。原告が損害賠償も併合してきた。第一審が高裁の事件なら、あなたの同意なしには併合できない。だが第一回弁論で何も言わずに本案を争えば、同意したとみなされる。異議を述べるなら、その一回が最後の機会だ
- 税務署の更正処分を取り消したい。重ねて、違法な処分で支払った分の損害も取り返したい。一つの訴状に両方を書けばいい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分通知を受けたら、出訴期間(処分を知った日から6か月、行訴法14条、最新の改正状況をご確認ください)を真っ先に確認2. 取消訴訟の訴状を作る段階で、その処分で被った損害(休業損害、追加費用、精神的損害)を金額化し、国家賠償請求として16条で併合3. 関連請求(13条)に当たるか、処分の違法性が両請求の共通争点になるかを確認4. 第一審が地裁なら同意不要、高裁なら相手の対応に注意。証拠は取消しと賠償で共通化し、一度の立証で済ませる
訴えられた側:1. 取消訴訟を受けた行政側として、原告が国家賠償を併合してきたら、それが13条の関連請求に当たるかをまず精査、当たらなければ併合に異議2. 第一審が高裁の事件では、同意を与えるか慎重に判断。異議を述べずに本案弁論をすると同意とみなされる(16条2項)ので、第一回弁論前に方針を固める3. 処分の適法性の立証と損害論を切り分け、賠償額の過大主張には個別に反論4. 併合を避けたい事情があるなら、弁論の分離(民事訴訟法152条)の申立ても検討
時効(請求できる期限):取消訴訟自体に出訴期間がある(処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年、行訴法14条、最新の改正状況をご確認ください)。併合する国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体侵害は5年)、不法行為時から20年(民法724条、国家賠償法4条)。取消訴訟の出訴期間内に併合提起するのが安全
学説
通説:16条の客観的併合は、処分の違法性という共通争点について審理を一本化し、訴訟経済と紛争の一回的解決を実現するための制度と理解される。併合できるのは13条所定の関連請求に限られ、処分と無関係な請求の抱き合わせは認められない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)制定に伴い、旧行政事件訴訟特例法に代わる体系の一部として、取消訴訟への関連請求の併合を定める規定が置かれた。
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